パソコンを困窮若年層に寄贈。株式会社ゲットイットと協力企業、若者支援のNPOが共同で教育機会の拡大を目指す。

認定NPO法人D×P(ディーピー)(大阪市中央区、理事長：今井紀明　以下D×P)は、株式会社ゲットイットとその得意先企業にノートPC22台を寄贈いただき、経済的な困難を抱える若年層に配布しました。

D×Pは、株式会社ゲットイットとその得意先企業からノートPC22台を共同寄贈され、経済的困難を抱える若年層に寄贈しました。寄贈対象はD×Pの運営する若年層向けサービスを通じて募集し、ひとり親家庭の方や、家計を支えながら学業を継続する方に配布しました。

PC寄贈による教育機会の拡大を目指す

D×Pでは、20年度の40台を皮切りにゲットイットとの継続した連携を行なってきました。ゲットイットは2015年から、「企業から買い取ったPCをキッティングし、NPO法人等を通して必要な方に寄贈する」（費用は自社負担）というCSR活動を行なってきました。

寄贈されたPCはD×Pを通して10~20代の若年層に寄贈し、「PCを買う余裕がなく学校の視聴覚室で勉強していたが、PCが手に入り夜や休日も勉強できるようになった」「引きこもりの状態を脱した」「プログラマーとして大手企業に就職できた」といった声も届いています。

寄贈の反響と今後の活動予定

ノートPCは直近までゲットイットの得意先企業にて業務で使用されていたものが主で、Windows10以降の比較的新しい機器が集まりました。ゲットイットではデータ消去の最終チェック、キッティング、クリーニングを行ないました。また梱包時には、寄贈者に宛てた手紙および、ゲットイットの会社案内を同封しました。

D×Pが行なったPC寄贈応募（対象年齢13~25歳）の条件は下記です。

・様々な事情で、学校に通いづらい、通えていない状況にある方（過去にそのような経験がある場合もOK）

・様々な事情で、所属先（学校・仕事・地域など）がない（なかった）期間がある方

・ひとり親家庭の方（ご自身がひとり親の方も含みます）

・社会的養護（児童養護施設や里親宅など）やなんらかの理由で親と暮らせない方（過去に暮らせなかった方）

・同居している親や親せき、きょうだいのサポートに多くの時間が必要で、ご自身の学びやしたいことを我慢している方

・アルバイトをしないと学業を続けるのが困難で、パソコンの購入が難しい方

・そのほか、ご自身の体調や、環境もしくは経済的に困難な状況で、ご自身で自由に使えるパソコンを得づらい状況の方

募集には81名の応募者が集まりました。応募理由には、

・親・兄弟などの家族のケアを在宅でする必要があり、パソコンのスキルを身につけていきたい（が、PCを買う資力がない）

・奨学金を得て大学に通っているがPCを買う余裕がなく、講義の受講やレポート作成に苦しんでいる

・持病の影響や薬の副作用で、勤務可能時間や就労環境が大幅に制限されているため、リモートでできる仕事に応募したい

など、PCを必要とする状況が記されていました。選考にはゲットイットからも1名が参加し、切迫度や緊急度を基準に22名を選出しました。なおここで選外となった方にも、D×Pが運営するLINE相談事業「ユキサキチャット」（※1）で支援継続が行なわれる予定です。

PCを受け取った方からは以下のような感想が寄せられました。（感想および画像の提供：寄贈対象者）

・「大切に使って勉強や在宅ワークに活かそうと思っています。自分のやりたい事が広がりました。本当にありがとうございます。」

・「画面が大きく、自分だけのパソコンを使用できることに嬉しさがあり、使い続けたいと感じました。」

・「この度はパソコンを寄贈いただいてありがとうございます！いただいたパソコンを使ってこれから安定した仕事につけるようにたくさん勉強します！大切に使わせていただきます！この度は本当にありがとうございました！」

・「とても嬉しいです。想像してたより薄く、軽いパソコンで驚きました。使い勝手のいいパソコン、本当にありがとうございます。」

・「仕事で疲れて帰ったあと家の宅配ボックスに荷物が入っていてものすごくワクワクしました！お仕事の疲れが吹っ飛びました！」

・「この度はパソコンの寄贈ありがとうございました。寄贈いただいたパソコンで学校の勉強またソフト等での動画編集だったりと色々な方法で活用していこうと思っております。パソコンがあるだけで何か世界が広がった様なそんな感覚です。ありがとうございました。」

・「大学生活において、レポートや論文の作成が容易となったと共に、国際NGOの活動に必要なプログラミングによるホームページの情報の掲載やRによるゲーム分析や統計に使えるスペックの高いパソコンが届いて非常に嬉しいです！！」

・「文章作成が苦手な中で500文字何とか自分なりに書きそれをしっかりと読んでいただいて選考していただき個別での悩み事など聞いていただいたりパソコンを提供していただく意外にもすごく助けになりました。実際パソコンが届いて開けてみた時はすごく嬉しい気持ちと文章をしっかり読んで僕のやりたいことなどを把握した上で提供していただいたことにすごく感謝しています。」

・「私たちの社会復帰のために給付して頂きありがとうございます。今自分が出来ること、やれそうだと思ったものはチャレンジしたい思いがあるのでこのような形で手を差し伸べて頂いたことは一生忘れません。パソコンはあまり触ったことがないので自分のやりたい事ややれそうなものを見つけるのも時間はかかると思いますが、人生1歩前進したことは間違いありません。本当にありがとうございます」

寄贈台数を大きく上回る応募数があったことを鑑み、D×Pとゲットイットでは、今後も同体制で活動を継続していく予定です。

認定NPO法人「D×P（ディーピー）」について

認定NPO法人D×P（ディーピー）は、不登校・中退・経済的困難など、さまざまな境遇にあるユース世代（13〜25歳）の孤立を解決するNPO。LINE相談事業「ユキサキチャット」は全国から相談を受け付けています。困窮するユース世代へ食糧支援・現金給付を実施しています。

また、大阪府ミナミの「グリ下（道頓堀のグリコ看板下）」から徒歩5分の場所に「ユースセンター」を開所し、ごはんを食べたり、ゆっくりしたり、仮眠をとったりと安全に過ごせる空間をつくっています。「新しいセーフティーネットをつくること」を目指し、ユースセンターが中継地となって、世の中にある多様な社会的資源につながり、若者ひとりひとりが自分なりに生きていけるような環境をつくっています。

公式サイト：https://www.dreampossibility.com/

ユキサキチャットURL：https://www.dreampossibility.com/yukisakichat/

ユキサキチャットLINEアカウント：@yukisakichat

注釈

※1　ユキサキチャットの詳細はこちらをご参照ください。https://www.dreampossibility.com/whatwedo/yukisakichat/?_fsi=rgYtz5Yd