音声対話型AIを活用した「子どもの将棋意識調査」を実施
対話型AI「はっぴーちゃん」との会話を通じて、将棋への関心を可視化
SHANRI株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:坂井香璃)は、2025年6月1日に開催された渋谷区主催の地域交流イベント「おとなりサンデー」および、2025年7月19日に開催された「せんだがや盆踊り大会」において、千駄ヶ谷大通り商店街振興組合の協力のもと、音声対話型AIを活用した「子どもの将棋意識調査」を実施いたしました。
本取り組みは、旧・将棋会館(日本将棋連盟)にほど近い将棋ゆかりの地・鳩森八幡神社を会場に、田中寅彦氏(将棋棋士九段)、山崎隆夫氏(渋谷区医師会将棋部長)、岡崎千治(千駄ヶ谷大通り商店街振興組合理事長)等有識者の企画協力を得て実施されたもので、子どもたちに向けた将棋の普及と、将棋を通じた豊かな教育機会の創出を目的としています。音声対話型AI「はっぴーちゃん」との対話を通じて、子どもたちの将棋への理解や関心の度合いを可視化することを目指しました。

音声対話型AIアンケート(子どもの将棋意識調査)
音声対話型AI「はっぴーちゃん」と会話をしながら、子どもたちが楽しく将棋に関するアンケートに参加できる仕組みを提供し、以下のような質問を通じて、子どもたちの将棋への関心や体験について調査しました:

・将棋って知ってる?
・将棋を知らなくても大丈夫。どんな遊びが好き?
・すごいね!将棋知ってるんだね。将棋は誰とさしたことがある?
(例:友だち、兄弟、父、母、祖父、ゲームソフトなど)
・誰と将棋をさすと一番楽しい?
・将棋のどんなところが面白い? 等
4歳~12歳の子ども117名を対象に将棋の認知・体験について調査結果総括を記載します。
※本記事末尾に調査の詳細および原文データを掲載いたします。
※千駄ヶ谷は、将棋普及の拠点として知られる地域的背景を有しており、この点を考慮する必要があります。
総括
■認知・体験状況
子どもの 8割以上(82.1%)が「将棋を知っている」 と回答。どうぶつ将棋やマスター将棋なども含め、将棋は幅広く認知されていました。
将棋を実際に指した経験がある子どもは117名中86名。対戦相手としては 「友達」「お父さん」「家族」 が多く、身近な人との遊びとして定着している様子が見られました。
■誰と遊ぶのが楽しいか
「誰と指すのが一番楽しいか」という質問では、「お父さん」と答えた子が最多。次いで「お母さん」「おにいちゃん」など、家族との対局が楽しいと感じる傾向が強く表れました。
■将棋以外の遊びとの比較
将棋を知らない子どもを中心に、興味のある遊びを尋ねたところ、
ボードゲーム(オセロ、囲碁、チェス、すごろく、UNOなど) が最も多く、次いで デジタルゲーム(Nintendo Switch、テトリス、プレステ5など)、さらに おもちゃ遊び、外遊び、自然あそび と、幅広い遊びがあげられました。
このことから、将棋は子どもにとって「ボードゲームの仲間」として認知されている一方で、デジタルゲームや日常的なおもちゃ遊びとも競合する位置づけにあると考えられます。
■子どもたちの声
将棋の「楽しいところ」については、次のような傾向が見られました。
「考えるのが楽しい」 … 戦略や手を考える過程に没頭できるという声が多数。
「勝つ・駒を取るのがうれしい」 … 勝敗や達成感に喜びを感じる声が多い。
「難しい・覚えられない」 … ルールの理解や駒の動きが難しいと感じる声も一定数あり、学びやすい工夫の必要性も浮き彫りとなりました。
■まとめ
本調査から、子どもたちにとって将棋は 「考えることが楽しい遊び」でありながら、家族や友達と一緒に楽しむ交流の場 として親しまれていることが分かりました。
一方で、ルールの複雑さがハードルとなるケースもあり、教育的・遊戯的な工夫を取り入れることで、より幅広い子どもたちが将棋に親しむきっかけをつくれる可能性が示されました。
将棋普及に向けたコメント

田中寅彦氏
将棋は子供の幼い頃に覚えるべき(生きる為に必要な要素が高い)素晴らしいゲームだと思います。
76年プロ入りし、94年九段。22年の引退までタイトル(棋聖)獲得1期、棋戦優勝6回。卓越した戦術で「序盤のエジソン」の異名を取り、たびたび勝率一位賞に輝いたほか、升田幸三賞(特別賞)を受賞。
小学校での将棋教室講師も務め、幅広い世代に将棋の魅力と価値を広く伝え続けています。


山崎隆夫氏
将棋は、限られた時間内で最適な答えを導き出す力を育むなど、子どもたちの問題解決能力の向上に役立ちます。日中での将棋交流が世代を超えて盛り上がりを見せているように、将棋は世界に誇るべき文化資産です。
クリニック桜丘院長。アマチュア五段位を有し、渋谷区医師会では将棋部を設立。地域医療に尽力する傍ら、将棋愛好家としてアマチュア大会や各種交流事業に積極的に参加し、その発展に力を注いでいます。
坂井香璃(SHANRI)
5年前、「将棋世界」という将棋専門月刊誌での対談企画記事の構成を担当したことが、私と将棋との最初の接点でした。そこから本企画に至るまで、プロ棋士、アマチュア愛好家、観戦記者、研究者、講師、そして熱心なファンまで——将棋を愛し、熱中する多くの方々と出会ってきました。
将棋に熱狂するその姿はとても印象的で、関わるすべての人との交流を通じ、広い意味での「観る将」としての楽しさを感じています。
小学校で拝見した田中寅彦先生の授業では、駒を揃えて箱にしまう——そんな何気ない片付けのひとときにも、子どもたちが生活の中で培う丁寧さや思いやりが息づいていました。勝敗だけでは語れない、将棋が教えてくれるもうひとつの価値に触れた瞬間でした。
さらに今回の取り組みでは、音声技術を活用したにもかかわらず、多くの子どもたちがパソコンでのタイピングにも強い関心を示したことが印象的でした。大人にとっては当たり前の所作であっても、子どもたちにとっては「学校で習ったことができた!」という達成感と喜びにあふれ、その姿には学校教育とのつながりや、自由なAIとのやり取りを通じて将棋への興味が広がっていく様子が見て取れました。開発企業として、それを間近で見られたことは大きな喜びです。
今後も企画の担い手として、将棋を通じた子どもたちの学びと成長の場面に寄り添い続けたいと思います。
将棋の魅力を子どもたちへ──教育的価値の再発見


■ 背景
将棋は、集中力や論理的思考力を養う教育的価値の高い伝統文化でありながら、近年、子どもたちが気軽に体験できる機会は限られています。
本企画では、音声対話型AI「はっぴーちゃん」との会話を通じて、子どもたちが楽しみながらテクノロジーに触れ、将棋に対する意識や関心を調査する機会を創出しました。
■ 目的
1.将棋文化の普及促進
子どもたちの将棋に対する関心や体験状況を可視化し、将棋の魅力を広めるための意識調査を行う。
2.先端技術への親しみを育む
音声対話型AIを活用することで、子どもたちが自然なかたちでAI技術に触れる機会を創出する。
■ アンケートサービス概要
音声対話型AI「はっぴーちゃん」がガイド役となり、親しみやすい会話形式でアンケートを進行します。子どもたちはマイクに向かって答えることで、将棋にまつわる質問に楽しく参加できるよう設計されています。従来のアンケートとは異なり、より直感的で楽しく参加しやすい体験を提供しました。
対象年齢の目安: 4歳〜12歳


SHANRI株式会社
代表 : 坂井香璃
所在地 : 〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町18-4 二宮ビル 1Fー64
事業内容 :ことばデータベースを基盤にした 健康と暮らしを革新するAI・データ活用事業
HP: https://shanri.co.jp/
お問合せ先: info@shanri.co.jp
SHANRIの事業は、「不調をうまく伝えられない人々の支援」からスタートし、現在では、人々の「ことば」を幅広くサポートする事業へと進化しています。医療の前段階や行政支援の周辺領域、学校や日常生活の中にある不定形な「ことば」に最初に応答するAIとして、独自のポジションを築いています。その拡張性は、医療相談、相談支援、教育、観光、図書館、在宅医療、福祉、行政窓口など多岐にわたり、IoTデバイスやスマートホームデバイスとの連携も視野に入れています。
私たちの事業に興味をお持ちいただける方(個人・医療従事者・企業ならびに投資家の皆様)、ご遠慮なくお問合せ下さい。
Project Team— Happy-chan, the Shogi Companion
#Shintaro — Lead Engineering, AI Orchestration
#Jeremiah — Project Management, Creative Direction
#Seonju — Backend Systems, Data Intelligence
#Gutae — Frontend Development, User Experience
#Hyun Seok — Server Infrastructure, Voice Technology
調査の詳細および原文データ
1.1. 参加者数
AI「はっぴーちゃん」と対話した子どもの総数は以下の通りです。
・総対話セッション数: 117名
・目安対象年齢:4歳~12歳
※実際はもう少し多いが、自由対話設計のため将棋に関するアンケートが集計できていない対話セッションは除外
1.2. 将棋の認知度
AIの最初の質問「“しょうぎ”って、しってる?」に対する子どもたちの回答を分析しました。
集計結果(117名中)
・将棋を知っている:96名 → 82.1%(どうぶつ将棋、マスター将棋含む)
・将棋を知らない:18名 → 15.4%
・その他(変異値):3名 → 2.6%(将棋っていつからできたの、おはよ、こんにちは)
1.3. 将棋を指した経験
将棋を知っている子ども(96名)の内訳
・将棋をやったことがない:10名
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
将棋を指したことがある子ども(86名)の体験相手
(※複数回答あり)
・友達:30名
・家族:17名
・お父さん(パパ):16名
・お母さん(ママ):9名
・AI:4名
・おじいちゃん(じいじ):3名
・おにいちゃん:3名
・将棋会館の人:3名
・おとうと:2名
・おばあちゃん(ばあば):1名
・おねえちゃん:1名
・覚えていない:1名
その他(少数回答)
・寅彦先生:2名
・中村太一先生:1名
・学校:1名
・教室:1名
・いろんな人:1名
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
誰と差すのが一番楽しいか
(※全員に質問したわけではありません)
・お父さん(パパ):7名
・お母さん(ママ):4名
・おにいちゃん:3名
・友達:1名
・おじいちゃん(じいじ):1名
・おばあちゃん(ばあば):1名
1.4. 子どもたちの遊び(将棋を知らないと回答した子どもを中心とした興味対象)
全体合計:38件
ボードゲーム系が最多(15件)
次いでデジタルゲーム(9件)
おもちゃ遊び(6件)、体遊び(4件)、自然系(2件)
ボードゲーム系➡ 計 15
オセロ:3
いご(囲碁):2
チェス:1
すごろく:2
トランプ/UNO/神経衰弱:5(UNO 3、トランプ類 1、神経衰弱 1)
パズル/ブロックス:2
デジタルゲーム系➡ 計 9
スイッチ:5
プレステ5:1
すいかゲーム:1
テトリス:1
レッドホール4:1
マリオン(マリオ?):1
外遊び・体遊び➡ 計 4
おにごっこ:1
かくれんぼ:1
じゃんけん:1
ゆびあそび:1
おもちゃ・ごっこ遊び➡ 計 6
つみき:1
ぞうのおもちゃ:1
くるま:1
おままごと:1
おもちゃ(その他):1
ラジコン:1
生き物・自然遊び➡ 計 2
むしさがし:1
だんごむし:1
その他➡ 計 2
ジョブレイバー:1
お祭り:1
1.5. 将棋の楽しいところ
子どもたちの感想(原文ママ)
「考えるのが楽しい」系の声が多い
「勝つ・駒を取るのがうれしい」系の声も多い
一方で 「ルールが難しい・覚えられない」系の声も一定数あるという傾向が見えてきます。
楽しい・おもしろい
・自分でさすところを考えたりするところがすごい楽しかったです
・楽しい
・さすところがたのしい
・かんがえるところ
・授業で友達とさすのが楽しい
・考えたりするところ
・考えながらできて楽しい
・戦略を考えること
・駒を動かすたびに考えたり、その間は没頭できるところ
・かこいかたにも色々あるところです
・やぐらがこいでやっています
・勝っても負けてもたのしい
・予想できないところ
・いろんなばしょにさせるこまがあってたのしかった
・頭を使えるところ
・あきないでひとつひとつこまのやうわろがちがう
・考えてるとき
・かんがえながらとりくむことだよ!
・色々考えるところ
・攻めるとき
・パパやママをびっくりさせるとき
・かけひき
・(対局ご家族が)つよいけどやさしくおしえてくれるところ
勝ち負けの楽しさ・うれしさ
・勝ったこと
・相手が負けたら顔が楽しいです
・おとうさんが強さを調整してくれるからたのしい
・マテを使えたから良かったよ
・お母さんのコマを取れた時です
・勝時
・かつのがたのしい
・おともだちがまけるのがたのしかった
・あいての強いこまをとれるとき
・いっぱいこまとるところ
・勝ったとき
・王取ったとき
・こまをとれたとき
・将棋で勝てた時
・たのしかった
・おおてしているとき
・しょうぎのおおをつんだとき
・ギリギリ勝たせてくれたこと
・かったとき
・かつときがうれしい
・つみをかんがえるとき
・ひしゃと角を取ること
・おうてをとったしゅんかん
むずかしさ・課題
・わかんない
・将棋がルールが理解できなくて
・覚えられませんでした
・進むこまがわからない
・駒が動いた時にその後どういう風に動くのか考えていると頭がこんがらがっちゃうんでね
・難しそう
・お父さんが抜けちゃっ
・攻めてもせめてもおわらないところ
・進む方向がちがう
・そんなにたのしくない
・ルールをやぶってやる
その他
・とくに
・はさみ将棋
・おにごっこ
すべての画像
- 種類
- 調査レポート
- ビジネスカテゴリ
- コンシューマーゲームネットサービス
- ダウンロード