グランピングリピーター調査|年齢×年収×性別の相関分析で見えた「プレミアム戦略」の指針

20代高所得層の65.0%が2万円超、新たな4つの顧客セグメントを発見

RASA JAPAN

全国でグランピング事業を展開する株式会社Dot Homeshttps://dot-homes.jp/)は、グランピングを3回以上利用したリピーター311名を対象に「グランピング施設の選択要因と満足度に関する調査」を実施しました。

この調査により、年齢・性別・年収の3軸分析から見えた新たな顧客セグメントと、高単価でも満足するリピーター客の特性、施設運営者が注力すべき投資領域が明らかになっています。

20代高所得層の高い購買力が判明

今回の詳細分析で最も注目すべきは、20代男性高所得層(世帯年収600万円以上)の価格許容度です。このセグメントの65.0%が1泊2万円以上を許容し、全体平均の44.7%を大幅に上回る結果となりました。

年代別高所得層(世帯年収600万円以上)の割合

20代:50.8%(31名/61名)

30代:37.2%(35名/94名)

40代:36.8%(35名/95名)

50代:33.3%(10名/30名)

この「若年高所得層」は全リピーターの10.0%を占めています。また、この属性のユーザーは、料理品質(48.4%)と景観美(38.7%)を最重視しており、SNS映えする高品質体験への投資を惜しまないと考えられます。

性別×価格許容度で常識が逆転

従来想定されていた「男性=高価格許容」の図式が、最高価格帯(3万円以上)で逆転することが判明しました。

3万円以上価格許容度の性別比較

女性:12.6%(13名/103名)

男性:10.6%(22名/208名)

女性リピーターは3万円以上のグランピングも許容するケースが多く、割合は男性を上回っています。特に30代女性は大人数対応施設(43.3%)と料理品質(40.0%)を重視し、友人・家族との体験共有に価値を見出していることがわかりました。

新発見:年齢×性別×年収から読み取れる4つの戦略

年齢×性別×年収の3軸分析により、従来の属性分類を超えた新たな戦略セグメントが特定されました。

【セグメント1】若年高所得層(全体の10.0%)

特徴:20代×世帯年収600万円以上

価格許容度:54.8%が2万円以上の価格でも利用すると回答

重視要因:料理品質(48.4%)>景観(38.7%)>ホスピタリティ(35.5%)

戦略指針:高品質食材とサービスでの差別化、SNS映え要素の強化

【セグメント2】男性プレミアム層(全体の7.1%)

特徴:男性×3万円以上の価格でも利用すると回答

年代構成:40代中心(50.0%)、30代(31.8%)

年収分布:800-1000万円(27.3%)が最多

戦略指針:最高品質設備への投資集中、コンシェルジュサービス

【セグメント3】ヘビーユーザー×高所得層(全体の8.0%)

特徴:10回以上利用×世帯年収600万円以上

プロフィール:平均33.2歳、男性76.0%

価格許容度:28.0%が3万円以上の価格でも利用すると回答

戦略指針:ロイヤリティプログラム、パーソナライゼーション

【セグメント4】女性こだわり層(全体の21.2%)

特徴:女性×景観・料理重視

年代構成:30代(31.8%)、20代(30.3%)が中心

価格許容度:39.4%が2万円以上の価格でも利用すると回答

情報収集:Google検索(40.9%)、口コミ重視

戦略指針:体験品質とコミュニティ形成の強化

経験レベル別の嗜好進化パターン

利用経験の蓄積に伴い、顧客の嗜好が明確に進化することが見えてきました。

【初級者】3-5回利用(56.3%)

重視要因:料理品質(38.3%)>アクセス(35.4%)>景色(34.9%)

【中級者】6-10回利用(28.3%)

重視要因:体験アクティビティ(40.9%)>景色(39.8%)>料理品質(37.5%)

【上級者】10回以上利用(15.4%)

重視要因:景色・星空(58.3%)>高級感(39.6%)>ホスピタリティ(35.4%)

この傾向から、以下の内容がわかりました。

リピーターが最も重視するのは「景観の美しさ」

施設選択で最も重視する要因について調査したところ、「景色・星空の綺麗さ」が135名(43.4%)でトップとなりました。

続いて「料理・食材の質・地産地消」が123名(39.5%)、「体験アクティビティ」が113名(36.3%)という結果になっています。

年収層別の価値観分化も顕著で、高所得層(600万円以上)は中低所得層に比べ

客室や温浴設備等の高級感:+8.4ポイント差

料理・食材の質・地産地消:+5.9ポイント差

体験アクティビティ:+5.8ポイント差

一方、中低所得層は「ペット可」「アクセスの良さ」「大人数対応」をより重視する傾向があります。

印象に残る体験の1位は「料理体験」

これまでの利用で最も印象に残ったアクティビティを聞いたところ、「BBQなど料理体験」が151名(48.6%)で1位となりました。2位は「部屋からの景色・星空鑑賞」で142名(45.7%)、3位は「温泉・サウナ・露天風呂」で127名(40.8%)でした。

経験レベル別の嗜好変化も確認され

初級者:BBQ料理体験(47.4%)

中級者:焚き火・キャンプファイヤー(43.2%) 

上級者:部屋からの景色・星空鑑賞(52.1%)

調理過程も含めた「体験」として提供することの重要性が、全セグメント共通で確認されました。

情報収集はデジタルチャネルが主流

新しいグランピング施設の情報収集方法について調査したところ、「YouTube・ブログ」が112名(36.0%)で最多となりました。続いて「Google検索」が105名(33.8%)、「友人・知人の口コミ」が85名(27.3%)でした。

性別×年齢|情報収集の特徴

男性:YouTube・ブログ(40.9%)

女性:Google検索(37.9%)

年代別の情報収集チャネルでは

20代:SNS併用

30代:専門サイト

40代:YouTube・ブログ

50代:公式サイト・従来メディアで確実性重視

投資効果の高い改善施策

今回の詳細セグメント分析を踏まえると、施設運営者にとって最も投資効果の高い改善施策が明確になりました。

【コア事業戦略】40代男性中低所得層(最大ボリューム46名、14.8%)

景観を活かした設備投資

既存の立地条件を最大限活用し、デッキエリアの拡張や星空観測スペースの整備に200~300万円程度投資平均単価の15~20%向上が期待でき、月間50組受け入れる施設であれば年間450万円程度の収益増が期待できます。

【成長事業戦略】30代男性層(価格許容度62.1%の高ポテンシャル)

料理体験プログラムの充実

地産地消にこだわった特別メニューの開発や、BBQ設備のグレードアップに150~250万円投資客単価20~30%向上と再訪率40%アップが見込めます。

【プレミアム事業戦略】20代高所得層(価格許容度65.0%)

温浴設備への投資

初期費用が400~600万円と高額になりますが、競合との明確な差別化を図れる単価プレミアム25~30%の実現が期待できます。

段階的な投資戦略でリスクを最小化

発見された4つのセグメントは合計46.3%(144名/311名)を占め、全体平均を上回る価格許容度を示しています。これらセグメントへの戦略的アプローチにより、施設運営者は以下の収益向上が期待できます

平均単価:15-25%向上

稼働率:セグメント別マーケティングにより10-15%向上

顧客生涯価値:リピート率向上により20-30%向上

投資は一度に行うのではなく、段階的に実施することでリスクを最小化できます。まず第1段階として景観投資から始め、その効果を検証してから料理体験や温浴設備への投資を検討するといったアプローチが適切でしょう。

もしくは、あまりコストをかけられないのであれば、料理体験やアクティビティなど、少しの変化で顧客のエンゲージメントが高まる施策を行うのが賢明です。

調査結果からは、リピーター客の価格許容度が想像以上に高く、特に若年高所得層と女性こだわり層の発見により、従来想定を大幅に上回る収益性向上の可能性が明らかになりました。

重要なのは、各セグメントが本当に求めている価値を理解し、それに応じた差別化投資を行うことです。

今回の調査で得られた知見を活用し、セグメント別のデータドリブンな施設運営を実現することで、グランピング業界全体の発展に寄与できると考えています。

調査概要

調査期間:2025年5月1日

調査機関(調査主体):RASA JAPAN Inc.

調査対象:日本在住者

有効回答数(サンプル数):689(うち311名がグランピングを3回以上経験したユーザー)

調査方法(集計方法、算出方法):インターネット調査

会社概要

株式会社Dot Homes

所在地:〒171-0022 東京都豊島区南池袋1-16-15 ダイヤゲート池袋5階

代表者:代表取締役社長 留田 紫雲

主要株主:株式会社ブルーインキュベーション(西武グループ)

設立日:2015年11月

事業内容:リゾートホテル・グランピング施設の開業支援、運営受託、コンサルティング

コーポレートサイト:https://dot-homes.jp/

RASA JAPAN Inc.

所在地:〒225-0011 神奈川県横浜市青葉区あざみ野1-27-1 G-201

代表取締役:喜多 克(Masaru Kita)

設立:2019年2月21日

事業内容:マーケティングオペレーション(MOps)の構築支援・マーケティングBPO・デジタルマーケティング支援

コーポレートサイト:https://rasa-jp.co.jp/

みんぐらサービス一覧

みんぐらメディア:https://mingla.jp/

グランピング診断公式LINE「みんぐら君」:https://lin.ee/TGV9o4tx

みんぐらInstagram:https://www.instagram.com/mingla.jp/

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会社概要

合同会社RASA JAPAN

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URL
https://rasa-jp.co.jp/
業種
サービス業
本社所在地
神奈川県横浜市青葉区あざみ野1-27-1 イディオスあざみ野 G-201
電話番号
050-1544-6273
代表者名
喜多克
上場
未上場
資本金
150万円
設立
2019年02月