メタジェンセラピューティクスの「人工便」培養技術に関する研究開発が、NEDO「ディープテック・スタートアップ支援基金/国際共同研究開発」に採択

メタジェンセラピューティクス株式会社(本社:山形県鶴岡市、代表取締役社⾧CEO:中原拓)は、英CC

Bio 社との共同プロジェクトである「ヒト腸内細菌叢を模倣する人工便を培養する技術の研究開発」が、2025年3 月24 日に、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の2024 年度「ディープテック・スタートアップ支援基金/国際共同研究開発」に採択されたことを、お知らせいたします。

近年、腸内細菌と疾患の関連性が科学的に解明される中で、腸内細菌を活用した新たな治療法の開発が世界中で進んでいます。メタジェンセラピューティクスは、現在、健康な人の便を用いた「腸内細菌叢移植(FMT)」を社会実装するための医療技術や医薬品の開発を行っています。この度、CC Bio 社と共同で、未来の技術革新に向け、「人工便」の開発に取り組んでまいります。

本プロジェクトでは、メタジェンセラピューティクスのもつ腸内細菌に関する科学的知見ならびにビッグデータ解析技術と、CC Bio 社の持つ合成生物学の技術を用いて、ヒトの便を模倣する「人工便」を開発し、新たな治療法を確立することを目指します。多数の腸内細菌をバランスを保ちながら低コストで生産する「超共培養技術」を用いて、治療に用いる「人工便」の開発に取り組みます。

なお、NEDO の「ディープテック・スタートアップ支援基金/国際共同研究開発」では、海外市場への展開を目的とした海外企業との共同研究開発に対し、NEDO と相手国側のイノベーション支援機関(公的支援機関)の双方より、研究開発費用の一部に対して助成が行われます。本プロジェクトは、NEDO および英国イノベーション支援機関であるInnovate UK から助成を受け、実施されます。

■メタジェンセラピューティクス 代表取締役 CEO 中原 拓のコメント

この度、CC Bio 社とともに、未来の治療に向けた「人工便」の開発に取り組めることを大変嬉しく思います。諸外国では、生菌製剤(1-20 種程度の特定の腸内細菌を培養した製剤)を用いた治療薬の開発が進められていますが、有効性が治験で証明されたものはありません。1,000 種類もの細菌が複雑に相互作用しているヒトの腸内細菌叢に対して、限られた1~20 種類の細菌のみを投薬しても、十分な治療効果を得られないためであると考えています。この問題を解決し得る一つの策として、本プロジェクトのテーマでもある「ヒト腸内細菌叢を模倣する人工便を培養する技術」が有力であると考えています。

現時点では、ヒトの便を用いたFMT が最も有望な開発方法であると自信をもっています。この研究開発を続けながら、腸内細菌に関する科学的知見とより多くのデータを蓄積していき、未来の技術としての「人工便」の開発につなげ、世界の患者さんに次世代の腸内細菌治療をもっとも効率よく届けていきたいと考えています。

■CC Bio 社 CEO マシュー・カミングス氏のコメント

私たちは、メタジェンセラピューティクスとともに、この共同プロジェクトに取り組めることをとても嬉しく思います。人工便を用いてヒト便由来FMT 医薬品の有効性を再現することは、腸内マイクロバイオーム分野における共通の課題です。NEDO「ディープテック・スタートアップ支援基金/国際共同研究開発」、すなわちEureka*のGlobalstars Japan call for projects の一環として開発される新しいバイオプロセス技術が、腸内マイクロバイオーム医薬品の製造の課題に対する一助となると信じています。

この革新的なプロジェクトに資金提供して下さるInnovate UK とNEDO に感謝するとともに、メタジェンセラピューティクスととも再現性があり有効な人工便を開発するという果敢な取り組みにチャレンジできることを楽しみにしています。

(*Eureka: 欧州を中心とする各国の研究開発・イノベーション支援機関の国際的なネットワーク)

<参照>

2024 年度「ディープテック・スタートアップ支援基金/国際共同研究開発」に係る実施体制の決定について

腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)について

ヒトの腸管には約1,000 種、40 兆個以上*1腸内細菌が生息しており、その細菌の集団を腸内細菌叢

(腸内フローラ)と言います。

腸内細菌叢移植(FMT)について

腸内細菌叢移植(FMT)は、健康な人の便に含まれている腸内細菌叢を、疾患を持つ患者さんの腸に移植し、バランスのとれた腸内細菌叢を再構築する治療方法です。2023 年1 月からは、潰瘍性大腸炎を対象とした「抗菌薬併用腸内細菌叢移植療法」が先進医療B として実施され、2024 年8 月から消化器がんを対象とした「免疫チェックポイント阻害薬と腸内細菌叢移植併用療法」の臨床試験(特定臨床研究)、2024 年9 月からパーキンソン病を対象とした「抗菌薬併用腸内細菌叢移植療法」の臨床研究が行われています。

また、メタジェンセラピューティクスでは、潰瘍性大腸炎を対象とし、経口投与による腸内細菌叢移植を可能にする「経口FMT 医薬品」の開発を進めています。同開発は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の令和6 年度 「創薬ベンチャーエコシステム強化事業(創薬ベンチャー公募)」(第4 回)に採択されています。

メタジェンセラピューティクス株式会社について

メタジェンセラピューティクス株式会社は”マイクロバイオームサイエンスで患者さんの願いを叶え続ける”ことをパーパスとして、腸内細菌研究に基づいた医療と創薬でソーシャルインパクトを生み出す、順天堂大学、慶應義塾大学、東京科学大学発ベンチャーです。

「腸内細菌叢バンク」を基盤とし、腸内細菌叢移植(FMT)の社会実装を目的とした「医療サービス事業」と「創薬事業」を推進しています。現在は、免疫疾患(炎症性腸疾患)、がん、中枢神経系疾患の開発に注力しています。

<会社概要>

会社名:メタジェンセラピューティクス株式会社(略称 MGTx)

本社所在地:山形県鶴岡市覚岸寺字水上246-2

東京事務所:東京都港区虎ノ門1 丁目17-1 虎ノ門ヒルズビジネスタワー 15 階

代表者:代表取締役社⾧CEO 中原拓

設立日:2020 年1 月17 日

事業内容:マイクロバイオームサイエンスを活用した創薬·医療事業

URL:https://www.metagentx.com

CC Bio 社について

CC Bio は英国を拠点とするエンドリシン探索企業で、米国の臨床開発段階の抗菌剤企業Precisio Biotix

社の子会社です。CC Bio は主に、業界をリードするエンドリシン探索プラットフォーム「Zeus」を活用し、Precisio Biotix 社の女性の健康領域、呼吸器領域、皮膚科領域における進行中の臨床プログラムを提供しています。なお、Zeus のエンドリシン探索機能は優れた応用性があり、バイオプロセスの制御や、農業、水産養殖プロセスにおける候補物質の特定にも活用できる可能性があります。

<会社概要>

会社名: CC Biotech Ltd.

本社所在地: C/O The Cambridge Partnership Limited The Dorothy Hodgkin Building,

Babraham Research Campus, Babraham, Cambridge, United Kingdom, CB22 3AT

ロンドン支社:Unit 116L, Imperial Translation and Innovation Hub (I-Hub), 84 Wood Lane,

London, W12 0BZ, United Kingdom

代表者: CEO Matthew Cummings

設立日: August 29, 2018

事業内容:Discovery and Development of Antimicrobial Peptides

URL: https://www.ccbio.co.uk

【本プレスリリースに関するお問い合わせ先】

メタジェンセラピューティクス株式会社 広報担当

Email: pr(at)metagentx.com

※ (at) は @ に置き換えて下さい

出典:

1.Sender, R., Fuchs, S. & Milo, R. Revised Estimates for the Number of Human and Bacteria Cells in the Body. PLoS Biol. 14, e1002533 (2016)

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会社概要

URL
-
業種
製造業
本社所在地
山形県鶴岡市覚岸寺字水上246番地2
電話番号
03-6807-3987
代表者名
中原拓
上場
未上場
資本金
-
設立
2020年01月