株式会社エムニに対する不正競争防止法に基づく訴訟提起に関するお知らせ

パテント・インテグレーション株式会社

 パテント・インテグレーション株式会社(本社:東京都千代田区九段南1-5-6、代表取締役CEO:大瀬 佳之、以下「当社」)は、2026年9月14日に、株式会社エムニ(本社:東京都千代田区東神田1-11-5、代表取締役CEO:下野 祐太、以下「エムニ社」)に対し、同社が提供するサービス「AI特許ロケット」の広告表示に関し、不正競争防止法に基づく差止等請求訴訟を東京地方裁判所に提起いたしました。

1. 訴訟の概要

 エムニ社は、「京都大学発 ・松尾研発スタートアップ」として、製造業向けの生成AI開発等を手がける事業者であり、その事業の一つとして特許分析・調査サービス「AI特許ロケット」を提供しております(同社ウェブサイトによる)。

当社が確認したところ、「AI特許ロケット」の広告においては、以下の表示が行われております(2026年9月7日時点同社ホームページ。https://www.emuniinc.jp/service/ai-patent)。

  • 外注時と比較して99.9%のコスト削減」「業界破壊の低価格」 

 当社は、これらの表示について、対象となる業務の範囲や算定根拠が需要者に明らかでないまま示されていることに問題があると考えており、不正競争防止法に基づき、当該表示の差止及び損害賠償を求めるものです。

2. 訴訟提起に至る経緯

 特許調査・分析業務においては、目的の言語化、要件定義、母集団の設計といった、専門家の知見に基づく工程が不可欠です。そのため、コスト削減率を示す場合には、どの業務範囲を対象とし、どのような前提で算定したものであるかが、需要者の理解にとって重要になります。

 とりわけ「外注時と比較して」という比較を行う場合、どのような業務を、どの範囲で外注した場合を前提とするものかによって、削減率は大きく変わり得ます。当社は、エムニ社の表示について、この前提が需要者に示されていないと認識しておりました。

 そこで当社は、事実確認のため、エムニ社に対し事前に書面にて問い合わせを行いました。しかしながら、当該表示の算定根拠等についてご説明をいただくことができず、当事者間の対話による解決が困難であったため、やむを得ず本訴訟の提起に至った次第です。

3. 当社のスタンス

 生成AIがオフィスワークの効率性を飛躍的に高めると期待されていることは間違いがなく、当社もその期待に応えるべく、知財分野において業務の効率性を追求するツールを提供しております。

 当社は、AIを「専門家の代替」ではなく「プロフェッショナルの専門性をエンパワーし、その能力を最大限に引き出すためのパートナー」と位置づけております。

 特許調査・分析の実務では、見積書の作成や事前の要件定義といった工程に相当の工数が発生する一方、その工数が対価として十分に反映されにくいという構造があります。当社は、こうした工程こそ専門家の価値が発揮される場面であると考えており、AIによってその価値を置き換えるのではなく、専門家がその力をより発揮しやすくすることに、AIを活用すべきであると考えております。

4. 当社について

 当社は、弁理士が経営する特許情報サービス事業者として、2007年のサービス提供開始以来、知的財産権の創出と適切な保護を重視してまいりました。生成AI登場の黎明期からその可能性に着目し、多大な労力と研究開発投資を費やして、実務家にとって有益なソフトウェアサービスの開発に取り組んでおります。

 当社が提供する特許業務支援AIアシスタント「サマリア」は、有資格の実務家自身が開発・監修を行っており、AIの処理能力と人間の専門的レビューを融合させることで、実務家がより大きな価値を創出できることを目指したサービスです。

4-1. 主な受賞歴・取得認証

  • 2025年4月 第37回「中小企業優秀新技術・新製品賞」ソフトウエア部門『優良賞』(特許業務支援AIアシスタント「サマリア」)

    • 主催:公益財団法人りそな中小企業振興財団、日刊工業新聞社

    • 後援:独立行政法人中小企業基盤整備機構、経済産業省中小企業庁

    • 受賞に際しては、難解な操作を要さずに特許文書の読解作業時間を短縮できる点、複数の当社特許技術に裏付けられた独自開発技術である点、および第三者機関の調査において他社製品に対する優位性が確認されている点が評価されました。

  • 2023年2月 第4回「IP BASE AWARD」エコシステム部門『奨励賞』

    • 主催:特許庁(知財コミュニティポータルサイト「IP BASE」)

4-2. 特許情報分析の工程・品質設計に関する知見の公開

 当社代表の大瀬佳之は、2026年9月3日、書籍『AI×知財分析 特許情報分析の工程・品質設計実践ガイド』を刊行いたしました。

「AI x 知財分析〜特許情報分析の工程・品質設計実践ガイド」

『AI×知財分析 特許情報分析の工程・品質設計実践ガイド』(2026年9月3日刊行)

 https://amzn.asia/d/0gCHOsms

 本書は、特許情報分析を「目的の言語化 → 要件定義 → 母集団の設計 → スクリーニング → 分析・考察 → 報告」という一連の工程として捉え直し、各工程において何を決定し、何をもって品質を担保するのかを整理した実務書です。

 本書の内容は、十数年にわたる論考の蓄積の上に成り立っています。

 大瀬は、日本弁理士会の機関誌『月刊パテント』に、『対象発明の理解を通じたクレーム作成方法の提案、そしてその応用』(2013年)、『パテント・ポートフォリオ構築のための概念俯瞰フレームワーク』(2015年)、『知財担当者のための競合調査フレームワークの提案』(2022年)、そして特集「生成AIと特許」への『大規模言語モデルの特許実務における利活用』(2023年11月号)を寄稿してまいりました。

 また、一般社団法人情報科学技術協会『情報の科学と技術』に論文『AIサービスを活用した知財情報解析を含む競合調査の提案』(2023年)を発表したほか、『ディープテック・スタートアップの知財・契約戦略』(中央経済グループパブリッシング、2024年)に共著者として参加しております。

 いずれも、調査・分析を属人的な経験則ではなく、再現性のある工程として記述することを一貫した主題としています。

 実務家の育成にも継続して取り組んでおります。オンライン講座『初心者でもわかる特許の書き方講座【弁理士が教える特許セミナー】』(Udemy)は、公開以来、受講者数3,265名、評価4.2(637件)をいただいており、企業の技術者・研究者から知財担当者まで幅広い方々にご利用いただいております。

 さらに、日本知的財産協会(JIPA)、ATIS技術情報サービス協会、日本PLASDOC協議会、日本アグケム情報協議会、日本弁理士会東海会、第二東京弁護士会・日本弁理士会共催研修、中部経済産業局知的財産室、一般社団法人長野県発明協会、日本知的財産仲裁センター、日本ライセンス協会、日本知財学会年次学術研究発表会など、知財調査・分析の実務家が集う場において、生成AIの知財実務への利活用に関する講演・登壇を継続して行っております。

 当社は、こうして工程と品質の考え方を書籍・論考・講座として公開し、現場の実務家との対話を通じて課題を把握し、それをプロダクトに反映していくことを、開発の基本姿勢としております。

4-3. 経営体制

 代表取締役CEOの大瀬佳之は、東京大学大学院博士課程を経て、メーカー知財部門において弁理士として13年以上にわたり知的財産実務に従事し、新規特許出願、中間対応、無効審判代理、米国特許訴訟など幅広い実務経験を有する弁理士かつAIエンジニアです。

 生成AI利活用に関する発明の創出から実装、サービス提供まで一貫して行う独自のアプローチで、知財業務の変革に取り組んでおります。

 本件訴訟につきましては、当社顧問弁護士である河部法律事務所所長の河部 康弘とともに、適切な法的対応を進めてまいります。河部は、特許権移転登録手続、独占禁止法違反案件、JPドメイン紛争など、複雑かつ特殊性の高い案件を多数手掛けてきた知的財産権分野のスペシャリストです。

 弁理士の大瀬および弁護士の河部は、日本国内における生成AIに関する特許訴訟8件を経験しており、生成AI領域における特許係争のエキスパートです。

5. 提供する情報サービス

  • サマリア  明細書作成・特許調査・特許分析・拒絶対応支援まで特許実務のあらゆる局面をサポートする特許業務支援AIアシスタントサービスです

  • パテント・インテグレーション — 統合特許検索・分析ソリューション

  • パテント・インテグレーション・レポート — 無料の特許レポートサービス

6. 今後の見通し

 本件訴訟の進捗につきましては、開示すべき事項が発生した段階で速やかにお知らせいたします。

 当社は今後も、知財業務のプロフェッショナルがその力をよりいっそう発揮できる健全な競争環境と秩序の形成に努め、業界の持続的な発展に貢献してまいります。

以上

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会社概要

URL
https://patent-i.com/
業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区九段南1−5−6 りそな九段ビル5階
電話番号
050-3690-4220
代表者名
大瀬佳之
上場
未上場
資本金
900万円
設立
2002年06月