デジタル庁主催「RegTech Day」オンラインイベントレポート 石川副大臣と島田太郎氏・登大遊らがアナログ規制見直し後のデジタル社会を熱論!
デジタル庁は、2023年10月27日(金)13時00分より「RegTech Day」オンラインイベントを生配信いたしました。
河野太郎デジタル大臣(以下、河野大臣)が「アナログ規制の見直しを通じて、社会のデジタル化が加速する未来を、少しでも多くの皆様と共有したい。」と開会挨拶を行いました。次に、安念潤司氏がアナログ規制の見直しの効果や先進事例等を紹介しました。
その後のパネルディスカッション(第1部)では、石川昭政デジタル副大臣(以下、石川副大臣)とデジタル化を牽引する島田太郎氏・登大遊氏が「アナログ規制撤廃の先に」をテーマに、パネルディスカッション(第2部)では、「生成AI時代と規制のあり方」、「インフラメンテナンスDX」について意見交換を行いました。
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「RegTech Day」イベント結果配信
開催日時・形式:2023年10月27日(金)13:00~15:00・オンライン配信
主な結果配信媒体:デジタル庁 公式YouTubeチャンネル
●デジタル庁公式YouTubeチャンネル
:https://www.youtube.com/playlist?list=PLUPGuSVqDNP-tTrpkNyn-yjnd5wEmtLwN
イベントハイライト
・オープニング
登壇者:河野大臣
河野大臣より開会の挨拶。「アナログ規制の見直しを通じて、社会のデジタル化が加速する未来を、少しでも多くの皆様と共有したい。」と『RegTech Day』への期待を語りました。
・基調講演「アナログ規制の見直しについて」
講演者:安念潤司氏
中央大学大学院法務研究科の安念氏より、アナログ規制改革による効果、ドローン・画像解析技術を活用した河川巡視等の技術を活用したアナログ規制の見直し事例、テクノロジーマップや技術カタログについてご説明いただきました。
アナログ規制の見直しは、単に手書きで実施している業務を技術で置き換えるということではなく、デジタル化によって生産性向上等の新たな価値を創出することが重要であることを強調するとともに、「もっとこうすると良くなるといったご意見をいただくことで、希望が持てるような社会にしていきたい」と今後の展望を語りました。
・パネルディスカッション第1部「アナログ規制撤廃の先に」
登壇者:島田太郎氏、登大遊氏、増島雅和氏、石川副大臣
石川副大臣と世の中のデジタル化を牽引する有識者が「アナログ規制が見直された先に待っている日本社会の姿の展望」にまつわる熱い議論を繰り広げました。
島田氏は「イノベーションを活性化することが大切でその上で重要としているのは、どのような要件項目を満たせば技術を使ってもらえるのかを提示する等、チャレンジしたい人が入れるようにすることが大切ではないか。」、登氏は「技術者と行政関係者が信頼関係を確立することで、デジタル敗戦を乗り越え、日本は復活できるのではないか。」等の意見を展開しました。
議論を振り返り、石川副大臣が「規制は国の法律が規律するものだけではなく地方自治体の現場レベルでも多数存在する。地方自治体の皆様にもテクノロジーマップ、技術カタログを参照し、規制の見直しに取り組んでいただきたい。そういったお手伝いもデジタル庁としてはしていきたい。」とさらなる規制のデジタル化に向けて改めて意気込みを語りました。
最後、モデレーターの増島氏が「政府、政治、民間の皆様が立場を超えて、一緒になって切磋琢磨していい日本にしていくという想いが重なって初めて、デジタル社会で日本がいい状態になれるのではないか。」と今後の展望も含め、総括しました。
・パネルディスカッション第2部パネル1「生成AI時代と規制のあり方」
登壇者:上野山勝也氏、落合孝文氏、高橋久実子氏、須賀千鶴氏
最先端の技術の代表でもある生成AIをテーマに議論を交わしました。議論の途中で、テクノロジーと規制の接合面をRegTechととらえ、RegTechをテクノロジーマップとして可視化する取組についても紹介しました。
次のステップとして優先的に取り組むべきこととして、高橋氏は「現在の環境や技術を踏まえて、そもそも規制はどうあるべきかという規制の要求する機能自体を変えていく議論をしていくべき。」、落合氏は「テクノロジーマップを使えるようにしていくためには、データの利活用ができていくことも重要」、上野山氏は「コミュニケーションを円滑にしていく部分にテクノロジーが活用できているが、まだ、いろいろなコミュニケーションが未来から見ると壊れている。デジタル庁の業務をもう一段デジタル化し体感したことを他省庁に展開すると面白いと思う」等の期待を示しました。
議論を振り返り、モデレーターの須賀参事官が、「お互い領空侵犯をしあう、おせっかいをしあうというコンセプトでRegTechに関わっていけたらと思う。そしてお互いに共進化する。そのためにRegTechコンソーシアムへのご参加よろしくお願いします。」と総括しました。
・パネルディスカッション第2部パネル2「インフラメンテナンスDX」
登壇者:岡田有策氏、小川恵子氏、豊田啓介氏、江崎浩氏
モデレーターの小川氏より、規制対応において期待されるテクノロジーを表現したRegTechについて紹介後、RegTechの促進やRegTechにより生成される新たな付加価値の利活用について意見をぶつけ合いました。
豊田氏は「個人情報保護法と都市空間の記述が組み合わさった時に、どういうリスクを生むのか、価値を生むのか等、未知の領域がどんどん出てくるので、このような領域の見える化と開発と規制の3本柱で進めていくべき。」、江崎シニアエキスパートは「これまでは他の人が入ってほしくないためにルールをつくっていた。協調できる形にルールを変えるとともに、今までつながっていなかった人が話せる共通の何かを作る必要がある。」、岡田氏は「技術普及のためには性能発注方式への移行、くわえて公的機関による技術認証が重要である。」等の意見を述べました。
議論を振り返り、モデレーターの小川氏が「最先端テクノロジーの社会実装は単純にコストだけの話ではなく仕事の働き方も変わってくる。我が国におけるイノベーションの活性化に非常に期待を寄せている」と総括しました。
・エンディング
登壇者:江崎浩氏、須賀千鶴氏
『RegTechDay』オンラインイベントの締めくくりに、江崎デジタル庁シニアエキスパートは「RegTechコンソーシアムで、省庁の方々が会話をし、同じ技術をどのように利用するのかということを思いを馳せていき、産業界と一緒にやるということを、みんながやっていただければと思う」と述べました。
また、須賀デジタル庁参事官が「テクノロジーマップのような形でデジタル庁があえて間に入らなくても、(規制分野における官民相互の)コミュニケーションがスムーズに成立する、というところまで早くいきたい。」とコメントしました。
RegTech Day出演者情報
① 基調講演
講演者:安念潤司氏(中央大学大学院法務研究科 教授・弁護士)
② パネルディスカッション第1部「アナログ規制撤廃の先に」
出演者:島田太郎氏(株式会社東芝 代表執行役社長CEO)、登大遊氏(独立行政法人情報処理推進機構 サイバー技術研究室 室長)、増島雅和氏(森・濱田松本法律事務所 弁護士(モデレーター))、石川昭政デジタル副大臣
③ パネルディスカッション第2部パネル1「生成AI時代と規制のあり方」
出演者:上野山勝也氏(株式会社PKSHA Technology 代表取締役)、落合孝文氏(渥美坂井法律事所・外国法共同事業 プロトタイプ政策研究所 所長・弁護士)、高橋久実子氏(株式会社三菱総合研究所 研究員)、須賀千鶴デジタル庁参事官(モデレーター)
④ パネルディスカッション第2部パネル2「インフラメンテナンスDX」
出演者:岡田有策氏(慶應義塾大学理工学部 管理工学科 教授)、小川恵子氏(EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 バンキングキャピタルマーケットリーダー、レグテックリーダー(モデレーター))、豊田啓介氏(東京大学生産技術研究所 特任教授)、
江崎浩デジタル庁シニアエキスパート
⑤ エンディング
江崎浩デジタル庁シニアエキスパート、須賀千鶴デジタル庁参事官
RegTechコンソーシアムとは
デジタル庁では、技術を活用したアナログ規制の見直しを推進するため、規制が求める目視や巡回等のアナログな手段を代替するテクノロジーの総称を「RegTech」ととらえ、「RegTech」に取り組む関係者の意見交換や情報共有を目的とした活動として「RegTechコンソーシアム」の運営を開始しています。
技術をお持ちの企業、規制対象事業者、規制を所管する省庁・自治体等、アナログ規制の見直しにご興味のある方からのお申し込みをお待ちしております。
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