長距離通信LoRa、周波数帯429MHzで通信困難エリアでのIoT実現
~特定小電力無線局で免許申請不要 障害物に強い429MHz帯で新たな通信環境を実現~
エヌエスティ・グローバリスト株式会社(本社:東京都豊島区、代表取締役:山本直)は、429MHz帯特定小電力無線局に対応した10mW出力のLoRaモジュールを新たにリリースいたします。
本製品は、429MHz帯の特定小電力無線局として免許不要で使用でき、優れた電波伝播特性により建物や地形に遮られた環境での安定通信を実現します。これにより、当社のデータ通信プラットフォーム「PRIME-WAVE」に20mW(920MHz)/250mW高出力(920MHz)/高感度250mW高出力に加え、新たに429MHz帯10mWが追加されました。用途・環境・規制要件に応じた最適な通信ソリューションの選択が可能となります。
【製品仕様】
LoRa変調方式 429MHz(10mW)
・周波数帯域: 429MHz帯(特定小電力無線局)
・無線出力: 10mW
・変調方式: LoRa変調
・免許: 不要(特定小電力無線局)

搭載機種 SpreadRouter-MW
取り付け可能センサー/計測装置
・アナログ(4-20mAまたは0-5V)
・デジタル(無電圧接点)
・シリアル(RS232CまたはRS485)

【429MHz帯採用の技術的優位性】
1. 技適登録済みによる即座運用
429MHz帯は特定小電力無線局として総務省の技適登録を取得済みで、煩雑な免許申請手続きなしに即座に運用開始が可能です。
2. 優れた伝播特性
920MHz帯より低周波数帯のため、優れた障害物透過性を実現します。
・建物・地形の回り込み性能が向上
・遮蔽環境での信号減衰を大幅軽減
・森林地帯での樹木減衰を最小化
・複雑な障害物環境に強い耐性
3. 用途に応じた最適選択
920MHz帯システムとの使い分けにより、設置環境や通信要件に応じた最適なソリューション選択が可能となります。既存の920MHz帯システム(20mW、250mW高出力、高感度250mW高出力)と組み合わせることで、障害物が多い環境では429MHz帯、長距離通信では920MHz帯という適材適所の運用が実現します。
【新価値創造】
429MHz帯モジュールの追加により、「PRIME-WAVE」は以下の新価値を創造します。
多周波数対応による適材適所の選択
・429MHz/920MHz帯の特性を活かした現場環境での最適選択が可能
・障害物が多い環境では429MHz帯、長距離通信では920MHz帯の使い分で効率的運用
・設置環境や通信要件に応じた柔軟なシステム構築の実現
リアルタイム監視とデータ活用の促進
・429MHz帯の障害物透過性により、これまで通信困難だった以下のセンサーデータ収集が可能
-地下駐車場・地下倉庫の設備監視・環境管理
-山間部やトンネル、橋梁の構造ヘルスモニタリング
-工場内密閉タンク・配管の圧力・温度監視
-森林地帯での気象観測・土砂災害予兆検知
【製品ラインナップ】
当社のLoRa通信システムは、用途・環境・規制要件に応じて最適な製品をお選びいただけます。

製 品 |
周波数帯 |
無線出力 |
免許 |
主な用途 |
429MHz |
429MHz |
10mW |
不要 |
障害物の多い環境での通信 |
20mW |
920MHz |
20mW |
不要 |
一般的なIoT途 |
250mW高出力 |
920MHz |
250mW |
不要 |
長距離や広域エリアが必要な用途 |
高感度 250mW高出力 |
920Mhz |
250mW |
不要 |
長距離や広域エリアが必要な用途 |
※250mWは陸上移動無線局の届出が必要です。
【市場価値と想定効果】
解決する社会課題
・通信インフラ空白エリアでのデータ収集困難
・無線局免許取得の負担とコスト(申請期間1-2ヶ月、費用負担)
・小規模IoTシステム導入の高いハードル(初期投資、技術者不足)
・多様な設置環境への対応困難(建物遮蔽、地形による電波減衰)
・現場での人手不足と高齢化による業務の負担増大
市場価値創造
国内IoT市場は2030年に20.4兆円規模への成長が予測される中、当社の429MHzと920MHz帯システムは以下の市場価値を創造します。
・従来通信だけではデータ通信が確立できないエリアでの通信インフラの新市場開拓
・画像解析技術との融合による設備監視の効率化
・免許不要によるIoT参入促進
・低コスト・短期導入による市場の活性化
技術革新による業界への波及効果
・通信インフラの空白エリア解消により、新たなビジネス領域創出の機会を提供
・従来の単一周波数帯システムから、環境適応型通信ソリューションへの選択肢拡大に貢献
・差別化技術として、IoT機器メーカー各社の製品戦略に波及効果を創出
・多周波数対応技術により、無線通信業界の技術多様化を推進
・IoT導入コストの削減を実現し、企業の初期投資負担軽減と普及拡大に寄与
【当社の競争優位性】
1. 通信インフラ空白エリアでの実績とノウハウ
・2015年からプライベートLoRa無線製品の開発・販売を展開、業界先行企業としての知識蓄積
・岐阜大学との共同研究による250mW高出力無線通信技術(プライベートLoRa)の実用化
・長野県松本市とNTT東日本株式会社との上高地山岳地帯実証実験参画
2. 技術開発から運用まで一気通貫の対応力
・現場志向から生まれる"発想力"、他社が追随できない"技術力"、容易に真似できない"企画力"
・ハードウェア設計、ソフトウェア開発、ネットワーク構築、運用サポートまで自社完結
・SpreadRouter-MW累積出荷8,000台の製品実績と信頼性
・多段中継ホップにおける広域無線エリアの構築
・画像解析技術とプライベートLoRa通信の融合による通信画像転送
3. 多周波数帯対応による最適提案力
・429MHz/920MHz帯の特性を活かした環境別最適化提案
・“用途・予算・規制要件”に応じた柔軟な製品ラインナップ
・PRIME-WAVEプラットフォームでの統合管理による運用効率化
4. 多事業展開による総合的ソリューション提供
・ファシリティエネルギー、映像ソリューション、ICT等、8事業部の多角的事業展開
・業種特化プロフェッショナルによる深い業務理解に基づく提案力
・システム、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークを包括する総合力
・社是「挑戦」に基づく新技術・新市場への継続的チャレンジ
【今後の展望】
スマートIoT事業部は、「つなげる技術で、社会の課題を解決する」を事業理念とし、長距離無線通信技術のスペシャリスト集団として920MHz帯LoRa通信システムの開発・製造・販売を展開してまいりました。
今回の429MHz帯10mWモジュールの市場投入により、インフラ・製造業・農業監視分野でのIoTソリューション提供を通じて、持続可能な社会の実現により一層貢献してまいります。免許不要で即座に運用開始できる低コストIoTソリューションの提供により、IoT普及の裾野拡大と社会のデジタル化促進を推進いたします。
【特設サイト】
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像