【看護師の残業事情】「患者さんがいなくなってからでないと帰れない」という声も。残業をしている看護師は8割以上!
〜「看護師の残業の実態調査」〜
調査の背景
看護師の職場において、業務時間外に仕事をしている方は多くいます。また、それらが常態化しており、残業代が支払われないといった場合も少なくありません。看護師はさまざまな理由から就業時間の前と後に残業をしており、私たちが運営する転職エージェント比較サイトでも、多くの看護師さんから「日常的に残業をしている」という声をいただいています。
そういった背景を踏まえ、2023年11月にインターネット調査で実施したアンケートの回答結果をもとに、「1ヶ月の残業時間はどれくらいか」、「前残業を何分くらいしているか」、「前残業をする理由は何か」、「就業時間後残業を何分くらいしているか」、「就業時間後残業をする理由は何か」、「残業代を申請しているか」「残業代を申請する・しない理由」などをお伝えします。
調査の詳細
「(看護師限定)残業に関する簡単アンケート」
看護師の残業事情について調査する。
・調査日:2023年11月09日〜2023年11月19日
・調査方法:株式会社クラウドワークスのパネル利用によるインターネット調査
・対象者:現在看護師をしている方
・回収サンプル数:100件
調査結果
Q1. 1ヶ月に1時間以上残業をしている看護師の割合は全体の8.5割以上!
「Q1.1ヶ月の残業時間はどれくらいですか?」という問いに対して、「1時間以上5時間未満」と答えた人が最も多く31%に上りました。さらに、少なくとも1時間以上残業をしている看護師の割合は全体の8.5割以上を占めることがわかりました。
Q2. 前残業をしている看護師の割合は全体の約8割!
「Q2.前残業(始業時間前に出社して勤務する時間外労働のこと)は何分程していますか?」という問いに対して、「30分程度」と答えた人が最も多く27%に上りました。さらに、少なくとも5分以上前残業をしている看護師の割合は全体の約8割を占めることがわかりました。
Q3. 情報収集のために前残業をする看護師が多い
「Q3.前残業をする理由はなんですか?(複数選択可)」という問いに対して、「情報収集のため」と回答した人が最も多く54票となりました。次いで「他の看護師も早く来ているため」が21票、「始業後すぐの点滴準備等のため」が17票となっています。
「Q3-1.前残業をする理由について具体的に教えてください。(自由記述)」という問いに対しては、以下のような声が挙がりました。
【情報取集のため(以下一部抜粋)】
・前日の情報やその日に訪問する利用者の情報を収集するため少しだけ早めに出勤するようにしている。(20代後半)
・受け持ちをつけられるのが始業ギリギリの時間なので、大体の患者の情報収集をしておかないと受け持ちが決まった後が大変だから。(30代前半)
・急性期の病棟のため、患者さんの状態の変化がはやいので情報収集量が多いから。また、採血のデータやレンドゲン画像、心電図などのデータも日中は忙しくてチェックする暇がないので、就業時間前に情報収集しておきたいから。(20代後半)
【他の看護師も早く来ているため(以下一部抜粋)】
・定時前に来て仕事をしている人がほとんどだから。(30代後半)
・他のスタッフも定時より早く来ていて、始業時間きっちりに申し送りが始まるため。(40代後半)
【始業後すぐの点滴準備等のため(以下一部抜粋)】
・点滴の準備などを空いている時間にしてしまいたいから。(30代前半)
・夕食前に離床センサーの確認や経管栄養の注入などを終わらせないといけないが、出勤時間ちょうどに行くと間に合わないから。(20代前半)
・申し送り終了と同時に部屋周りを始めたいので、情報取集・点滴準備などを前残業して行う。また早く来ることによって、新しい記録用PCと使い勝手のいいカートが確保できるから。(30代前半)
【仕事が勤務時間内のみで終わらないため(以下一部抜粋)】
・始業後勤務にすぐ入るため早めに来て情報収集をしたり点滴の準備や薬の準備などを行わないと業務が回らないため早めに来て準備まで済ませるため。(20代後半)
・情報収集と受け持ち患者への外泊や外出対応のため。(30代後半)
【若手は先輩よりも早く出勤するという暗黙のルールがあるため(以下一部抜粋)】
・先輩が30分から1時間程度早く来ており、それより早く行かないといけない雰囲気がある。(20代後半)
・先輩より早く出勤するように言われている暗黙のルールがあるため、新人の時から早く出社するようになった。(30代前半)
Q4. 就業時間後残業をしている看護師の割合は全体の8.5割以上!
「Q4.就業時間後残業は何分くらいしていますか?」という問いに対して、「30分以上1時間未満」と答えた人が最も多く33%に上りました。さらに、後残業を少しでもしている看護師の割合は全体の8.5割以上を占めることがわかりました。
Q5.看護記録の作成のために就業時間後残業をする看護師が多い
「Q5.就業時間後残業をする理由はなんですか?(複数選択可)」という問いに対して、「看護記録の作成のため」と回答した人が最も多く48票となりました。次いで「イレギュラー対応のため」が45票、「慢性的な人員不足のため」が36票となっています。
「Q5-1.就業時間後残業をする理由について具体的に教えてください。(自由記述)」という問いに対しては、以下のような声が挙がりました。
【看護記録の作成のため(以下一部抜粋)】
・看護記録が定時にほぼ進まないので記録するため。(20代後半)
・緊急入院やイベントが多いと看護記録を書く時間がない。(30代前半)
・看護師の人数が激減して時間内に記録ができないため。(20代後半)
【イレギュラー対応のため(以下一部抜粋)】
・急な入院対応や、夕暮れ症候群の患者対応、ご家族の対応などで業務が滞るから。(30代前半)
・透析患者さんの開始時間が遅れたり止血確認ができない時や外来に閉院時間ぎりぎりの飛び込み受診される方がいる時に、患者さんがいなくなってからではないと帰れないため。(20代前半)
・救急外来で働いており、突発的な急患に対応するから。(40代前半)
【慢性的な人員不足のため(以下一部抜粋)】
・パートスタッフが多く、夕方は人がいないためナースコールや機械アラームの対応をする時があるから。(30代後半)
・スタッフ不足で、その日欠勤者が出たり、急変が出ると対応できるスタッフがいなくなるため、残業をして対応や看護業務を行わなければならないから。(20代後半)
・当院の特徴として15:00以降の予約外入院が多く、その時間は特に人員が不足しており新規入院患者に対応する余裕がないため。(30代後半)
【雰囲気的に帰りづらいため(以下一部抜粋)】
・他の看護師を含め誰も定時で帰宅しようとしないから。(40代後半)
・残ることが良い事という雰囲気があるから。(30代前半)
【研修や勉強会に参加するため(以下一部抜粋)】
・時間外の研修や勉強会もあり、仕事で必要なものは出ているため。(30代後半)
【残業代が欲しいため(以下一部抜粋)】
・1分単位で残業代がつき、上の人たちは細かいところまで人員の評価をしないため、お金を稼ぐ最も手っ取り早い手段が残業だから。(30代後半)
・テキパキ作業して定時で帰った方が収入が低いのはおかしいとは思うが、残業代で稼げるから。(30代前半)
Q6. 残業代をきっちり申請している看護師は全体の4割未満
「Q6.残業代はきっちり申請していますか?」という問いに対して、「きっちり申請している」と回答した人が最も多く36%に上りました。次いで「少し遠慮して申請している」が30%、「申請していない」が21%となっています。
「Q6-1. Q6でその回答をした理由を教えてください(自由記述)」という問いに対しては、以下のような回答が寄せられました。
【きっちり申請している(以下一部抜粋)】
・機械にネームカードを読み込ませて出退勤を記録する(タイムカードのようなもの)ように変わったため、正確な時間分の残業代が出るようになった。(30代前半)
・しっかり全部申請するように言われているから。(20代後半)
・残業が必要な業務量だと経営者に理解してもらうため。(20代後半)
【少し遠慮して申請している(以下一部抜粋)】
・15分単位のため、5分程度の超過であれば申請しないルールがあるから。(20代後半)
・あまり残業の申請が多いと上から注意を受けると聞いているので、少なく申請している。(30代後半)
・残業の内容によって申請している時としていない時がある。(30代前半)
【申請していない(以下一部抜粋)】
・30分以内の残業はとれないから。(30代後半)
・上の指示のもとに残業をしたのではなかったら残業代は出ないから。(30代前半)
・ほとんどの職員がサービス残業をしており、申請しにくい雰囲気だから。(40代前半)
また、「前残業はサービスだが、就業後残業に関してはきっちり払うのが院長先生の方針。(20代後半)」といったような残業の内容によって申請するかしないかを変えている方もいました。
■今回の調査を通じて
今回の調査を通じて、回答した看護師の8.5割以上が少なくとも1ヶ月に1時間以上残業をしていることがわかりました。前残業をしている看護師は全体の約8割で、前残業をする理由としては「情報収集のため」が最も多いことが明らかになりました。また、就業時間後残業をしている看護師は8.5割で、就業時間後残業をする理由としては「看護記録作成のため」が最も多く、看護記録を就業時間内に書くことが出来ず、残業を日常的にしている看護師が多いことがわかりました。さらに残業代に関して、「きっちり申請している」のは全体の4割未満で半分以上の看護師が残業をしたにも関わらず残業代がでない、サービス残業を少しでも行っているということがわかりました。これらの理由として職場の制度が多く挙げられ、タイムカードなどで申請を行う場合はきっちり申請している場合が多く、反対に30分単位など決まっている時間で申請を行う場合は遠慮して申請もしくは申請していない傾向がありました。この結果は、職場の制度の改善がサービス残業の廃止につながることを示唆しています。
株式会社SOKKINは、今後も看護師の皆さんがより良い職場環境で働けることを願いながら、現場の声にしっかりと耳を傾け、更なるサービス向上に努めてまいります。
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会社概要
会社名:株式会社SOKKIN
設立日:2021年4月7日
代表者名:本間 亮平
所在地:東京都新宿区新宿2-8-3 AOIHOUSE SHINJUKUビル9階
会社HP:https://sokkin.me
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