HIOKI、DC耐電圧絶縁抵抗試験器ST5680Aを発売

“波形インテリジェンス”を導入したDC耐電圧解析でEVバッテリーの品質・信頼性向上を加速

HIOKI

 HIOKI(日置電機株式会社:長野県上田市、代表取締役社長:岡澤尊宏)は、2026年6月2日、EVバッテリーのセル、モジュール、パックの生産ライン向けに「DC耐電圧絶縁抵抗試験器 ST5680A」を発売します。

 ST5680Aは、欧州や北米などにおける安全規格(CE/UKCA/CSA)に対応し、本体内蔵のコンタクトチェック機能や、試験電圧・漏れ電流・絶縁抵抗の波形記録・解析機能(波形インテリジェンス)を搭載しています。これにより、EVバッテリーのセルからモジュール、パックに至るまで、一貫した耐電圧・絶縁評価を世界各地の生産拠点で共通の試験器を用いて実現できます。

 さらにST5680Aは、量産検査のみならず、研究開発における耐電圧設計検証や材料評価にも対応。EVバッテリーの信頼性向上と、安全・安心な電動化社会の実現に貢献します。

DC耐電圧絶縁抵抗試験器ST5680A

■ 開発の背景 

 電気自動車(EV)の普及や自動運転技術の進展により、自動車用電装部品にはこれまで以上に高い信頼性が求められています。特にEVバッテリーは、車両の動力源として大容量の電力を蓄える重要な部品である一方、内部の微小な傷や異物混入などによる絶縁不良が、感電や火災など重大事故を引き起こすリスクがあります。そのため、バッテリーの安全性と品質を確実に確保するための耐電圧・絶縁検査は、生産工程における極めて重要なプロセスとなっています。

 一方で、EVバッテリーの生産体制のグローバル化が進む中、現場のエンジニアは以下のような課題に直面しています。

  • 拠点ごとに異なる規格(CE、UKCA、CSAなど)への対応が必要となるため、工場ごとに異なるD C耐電圧試験器を使用せざるを得ない状況にあり、その結果、モデルの標準化が進まず、保守や認証管理が煩雑化している。

  • モジュールやパックの検査では、試験対象への接触品質を確認するために外付けの導通チェッカーや追加の試験工程が必要となり、設備設計が複雑化し、立ち上げ工数やタクトタイムの増加を招いている。

  • 耐電圧試験中の電圧や電流の挙動を波形で確認する場合、別系統でオシロスコープや高電圧プローブ、電流プローブを用意する必要があり、実際の生産ラインとの条件のずれや、試験ログと波形データが分断されることで解析効率が低下している。

 こうした課題を解決するため、HIOKIはグローバル規格対応、コンタクトチェック機能、波形解析機能を一台に統合した新モデル「ST5680A」を開発しました。

■ 製品概要 

 ST5680Aは、EVバッテリーのセル、モジュール、パックの生産ライン向けに開発されたDC耐電圧絶縁抵抗試験器です。量産検査はもちろん、設計検証や材料評価などの研究開発(R&D)用途にもご利用いただけます。

  • CE/UKCA/CSA(NRTL)認証に対応(欧州・英国・北米の安全規格に準拠)

  • 最大出力8 kV/20 mAによるDC耐電圧試験

  • 静電容量方式のコンタクトチェック機能を内蔵

  • 電圧・電流・絶縁抵抗の時系列波形表示および記録が可能

  • 高電圧試験を安全・安定・効率的に行うための各種補助機能を搭載

■ 主な特長 

  1. グローバル規格に対応し、世界中で統一運用が可能
    CE/UKCA/CSA(NRTL)など主要地域の安全規格に単一モデルで対応。最大8 kV/20 mAの出力で、セルからモジュール、そしてパックまで国際規格に準拠したDC耐電圧試験を実施できます。これにより、世界各拠点で同じ試験器・ワークフローの導入が可能となり、保守や認証、教育にかかる負担を大幅に軽減します。

  2. 内蔵コンタクトチェック機能で誤判定と設備の複雑化を防止
    静電容量方式のコンタクトチェック機能を標準搭載。ジグやテストリード、高電圧リレーを含む接続不良を検出し、誤判定(False PASS)を防ぎます。外付け導通チェッカーや追加工程が不要となるため、タクトタイム短縮や設備設計の簡素化に貢献します。

  3. “波形インテリジェンス”で解析・工程改善をサポート
    耐電圧/絶縁抵抗試験中の電圧・電流・絶縁抵抗の波形を本体のみで記録・表示(最大128秒・500 kS/s)。試験ログと波形データを一元管理できるため、故障解析の迅速化、工程変更の効果検証、トレーサビリティ強化を実現します。

  4. 安全・安定・効率的な高電圧試験を支える多彩なサポート機能
    電圧制限、自動放電、インターロックなど量産ラインに必須の安全機能に加え、オートレンジ、パネルメモリー(試験条件設定保存)、ARC検出(試験電圧変動検出)などの運用支援機能も搭載。安全性と再現性を確保しつつ、日々の量産検査を効率的に行うことができます。

■ 主な用途 

  •  EVバッテリーセルの生産ラインにおけるDC耐電圧試験および絶縁抵抗試験

  • EVバッテリーモジュールおよびパック完成品のDC耐電圧試験および絶縁抵抗試験

  • EVバッテリー用材料・構造の絶縁評価およびBDV(絶縁破壊電圧)試験

  • モーターやインバーターなど自動車用高電圧部品の絶縁性能試験

  • その他、高電圧DC耐電圧試験および絶縁抵抗試験全般

■ DC耐電圧絶縁抵抗試験器 ST5680A

製品の詳細はこちら(HIOKI公式サイト)

■ 日置電機株式会社について

 日置電機は、開発、生産、販売・サービスまでを一貫して自社で行う電気計測器のメーカーです。電気計測器は、あらゆる産業の基盤となることから「産業のマザーツール」とも呼ばれ、日常の生活に欠かせない電気インフラの保全、生産ラインでの検査、さらには製品の研究開発まで、幅広い分野で重要な役割を担っています。1935年の創業以来、独自の電気計測技術を追求し、「測る」で社会課題の解決を支えています。(公式サイト:https://www.hioki.com/ja

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会社概要

日置電機株式会社

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URL
https://www.hioki.com/ja
業種
製造業
本社所在地
長野県上田市大字小泉81
電話番号
-
代表者名
岡澤尊宏
上場
東証プライム
資本金
32億9946万円
設立
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