地域ぐるみで脱炭素を加速!「今治モデル」から描くゼロカーボンの未来
~地域の力で2050年カーボンニュートラル実現!脱炭素と人材育成が紡ぐ新たな物語~
2025年1月17日、今治市で「地域ぐるみでの脱炭素経営支援体制構築モデル事業成果報告会」が開催されました。
本事業は、2024年7月に全国で10件のみ採択された環境省のモデル事業です。2023年11月にゼロカーボンシティ宣言を行った今治市は、2050年までのカーボンニュートラル達成に向けて、地域の企業や支援機関と連携して、独自の視点から課題解決型の脱炭素経営支援体制「今治モデル」を構築しました。
本報告会では、地域が一体となって取り組んだ成果が発表され、「バリグリ」こと今治グリーンフェロー※の認定式も行われました。さらに、1月29日には東京で全国のモデル地域が集結する最終報告会が開催され、今治市の取り組みも発表される予定です。
※グリーンとは、脱炭素に代表される持続可能な発展を実現するために必要な、環境に優しい経済を示し、フェロー(fellow)は、フェローシップ(fellowship)の略語で、「仲間であること」「交友」「共同体」などを意味します。
今治市が挑む、地域全体での脱炭素経営
■地域課題を解決する地域ぐるみの脱炭素モデル事業
2023年11月にゼロカーボンシティ宣言を行った今治市は、2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロを目指す明確な目標を掲げています。宣言では、「全ての人の暮らしと生態系を持続可能なものにするための『気候正義』を貫くとき」と決意し、地域全体での取り組みを進めてきました。2024年7月には環境省の「地域ぐるみでの脱炭素経営支援体制構築モデル事業」に採択され、モデル事業に取り組む全国10地域の一つとして注目されています。
この事業は、地域ぐるみでの中堅・中小企業に対する脱炭素経営支援体制の構築と支援メニューの拡充を図り、先進的なモデル事例の創出を目的とするものです。今治市では、地域の企業や支援機関と連携を強化し、課題解決型の「今治モデル」を構築しました。その柱となるのは、「①支援の座組の構築」「②脱炭素経営プログラムの構築」「③今治グリーンフェロー(脱炭素経営支援伝道師)の創出」の3点で、地域を巻き込んだ脱炭素の取り組みを加速させています。
○今治市ゼロカーボンシティ宣言(今治市HP)
https://www.city.imabari.ehime.jp/kankyou/zerocarbon/
○令和6年度地域ぐるみでの脱炭素経営支援体制構築モデル事業(環境省)に採択(今治市HP)
https://www.city.imabari.ehime.jp/bosai/mayor/?a=1213
■3つのプログラムで課題解決にアプローチ
企業や支援機関が抱える課題には、人材や費用面でのリソース不足に加え、脱炭素に対する知見などのノウハウ不足が挙げられます。さらに今治市の地域全体では、女性の転出超過による少子化、人口減少という課題を抱えています。こうした課題の解決へ向けたアプローチとして、本事業では「意識変容」「行動変容」「行動サポート」の3つのプログラムを実施しました。
成果報告会は、それぞれのプログラムを実際に体験した皆さんに、感想や気づきなどを話してもらうパネルディスカッション形式で進行しました。
【意識変容プログラム】
「今治脱炭素ビジネスカレッジ」と題した意識変容プログラムには、延べ40名以上が参加。温室効果ガス削減をテーマとしたカードゲームによるシミュレーションを行い、楽しみながら脱炭素経営の重要性を学びました。参加者からは、「ハードル低く脱炭素を認識できたので、入口のプログラムとして良い」「チームワーク(まち全体)で取り組むことの重要さを学べた」との声が寄せられ、約9割が行動を起こしたいという意欲を示したことからも、意識変容の効果が明らかになりました。
【行動変容プログラム】
次のステップとして実施された「今治市脱炭素経営スクール」では、自社の温室効果ガス排出量を「知る」「測る」「減らす」を学ぶ実践的なカリキュラムが4回の集中講座として開催されました。「業種を超えて脱炭素というテーマを学べ交流できる良さがあった」「意識変容だけでなく知識も習得でき、目標を立てることの大切さを学んだ」といった参加者からの声に加え、中小企業経営者が自社の課題を明確化できたことで、具体的な脱炭素の行動を促進することにつながり、プログラムは大きな成果を挙げました。
○脱炭素経営支援プログラム実施の様子(今治市HP)
https://www.city.imabari.ehime.jp/kankyou/zerocarbon/002/report.html
【行動サポートプログラム】
さらに、専門家による伴走型支援が行動サポートプログラムとして提供されました。地域から5つの企業が選ばれ、半年間の支援を通じて排出削減計画の作成や、コスト削減につながる施策の実行が進められました。参加者からは「伴走支援の結果に基づき、早速やれることを取り組み始めた」「自社の設備とCO2排出の関係を整理できた」などの声が寄せられており、企業ごとの具体的な成果が見える形で示されたことで、地域の他の企業への波及効果も期待されています。
地域の脱炭素を牽引する「バリグリコミュニティ」が拓く未来
■脱炭素経営支援伝道師「バリグリ」-地域をつなぐ脱炭素の架け橋
本事業の最大の成果の一つは、通称「バリグリ」こと今治グリーンフェロー(脱炭素経営支援伝道師)の創出です。「バリグリ」は、「意識変容プログラム」と「行動変容プログラム」を修了し、脱炭素経営の知識と実践力を身につけた地域の脱炭素経営支援の担い手です。
今年度「バリグリ」に認定されたのは13社15名の企業メンバーと4社4名の支援機関メンバーの合計19名です。企業の経営者から従業員まで幅広いメンバーが名を連ねており、企業の脱炭素推進だけでなく、地域全体の意識変革を促すリーダーとしても期待されています。また、バリグリの活動は、脱炭素経営支援にとどまらず、人材エンパワメントの実践の場としても機能しています。女性メンバーを含む多様な背景を持つ人々が参加することでコミュニティが形成され、ジェンダーや役職を超えた自由な発想が生まれ、地域課題の解決に新たな視点をもたらしています。
○成果報告会の詳細はこちらから(今治市HP)
https://www.city.imabari.ehime.jp/kankyou/zerocarbon/002/houkoku/
■ゼロカーボンシティ実現に向けて、今治市が目指す未来
1月29日(水)に東京で開催される「地域ぐるみでの脱炭素経営支援体制構築モデル事業最終報告会」において、今治市は本事業の成果と将来像を発表します。報告会では全国10地域が参加し、各地域の取り組みが共有される予定です。
今治市では、次年度以降も、バリグリの活動を中心として、地域ぐるみでの脱炭素実現に向けた取り組みをさらに広げていきます。具体的には、プログラムのブラッシュアップや企業への伴走支援の拡充を予定しているほか、女性を含む多様な人材のエンパワメントを活用した新たなモデル事例の創出に向けて検討を進めます。将来的には、脱炭素化した事業所を巡る新たな産業観光「オープンファクトリー」の開催も視野に入れています。
今後も、地域全体を巻き込んだ多彩な脱炭素の取り組みを通じて、ゼロカーボンシティの実現を目指し、未来へ向けた持続可能な今治市のまちづくりを推進します。
○関連情報:全国初!今治市が官民連携でのアクセルトレーニングをスタート(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000136949.html
【関連サイト】
○今治市公式ホームページ
https://www.city.imabari.ehime.jp/
○今治市戦略的情報発信プロジェクト
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像
- 種類
- その他
- ビジネスカテゴリ
- 環境・エコ・リサイクル政治・官公庁・地方自治体
- ダウンロード