オバマ政権の「帝国主義的主張」を批判 ベネズエラ・チャベス大統領単独インタビュー 本日、「ハード・トーク」午後0時30分より放送



全国のケーブルテレビ、スカパー!、スカパー!e2で放送中のBBCワールドニュース(BBCワールド ジャパン㈱)は、本日6月15日(火)午後0時30分から放送の対談番組「ハード・トーク」に、ベネズエラ・チャベス大統領が出演することを発表した。

ベネズエラのウゴ・チャベス大統領が、BBCワールドニュースの対談番組ハード・トークに出演。プレゼンター、ステファン・サッカーとの対談で、オバマ政権の「帝国主義的主張」、マリア・アフィウニ判事をはじめとする反チャベス派の投獄、ベネズエラにおけるウラン鉱山の存在を否定していること、コロンビアとの戦争、イランとの友好関係について語った。

番組名 ハード・トーク

放送内容 ベネズエラ・チャベス大統領 単独インタビュー

放送日時 6月15日(火)午後0時30分~1時

再放送 同日午後5時30分、深夜0時30分


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以下はインタビューから主要部分の引用です。著作権はBBCワールドニュースに帰属します。


■オバマ政権とアメリカの「帝国主義的主張」について

ステファン・サッカー(以下、サッカー):ベネズエラ以外の、ラテンアメリカ以外の国々で、ご自身のことを正しく理解されていないことに不満を感じておられるようですが、もしよろしければ大統領の国際政策、ベネズエラ国外に向けた政策のいくつかについてお尋ねしたいと思います。この10年間、大統領はアメリカの帝国主義、そしてとりわけジョージ・W・ブッシュ元大統領を強烈に批判したことで、何度もニュースを賑わせたと言っても過言ではないと思います。しかしブッシュは任期を終えて1年以上前に退任しました。バラク・オバマ大統領となった現在、アメリカは大きく変わったでしょうか?

ウゴ・チャベス大統領(以下、チャベス):いいえ、全く。変わってほしいと思っていますが、オバマ大統領は…イラク戦争も、アフガニスタン戦争も続いています。オバマ政権になっても、我々を非難する姿勢は変わりません。もしオバマ大統領が…、私はオバマ大統領が最低でも選挙キャンペーンで交わした約束を、少なくともアメリカ国民に対して果たしてくれるのではないかと、まだほんの少し希望をもっています。オバマ大統領はアメリカを治めることに集中すればいいのです。世界を支配しようというアメリカの帝国主義の主張など忘れてしまえばいいのです。私はビル・クリントン氏が大統領の頃に5回会い、電話でも話しました。オバマ大統領の前でヒラリー・クリントン夫人に、「ご主人が政権の座におられた時と同じ関係を、大統領とも持てればいいのですが」と言いました。今でもアメリカが正しいメッセージを発するのを待っています。我々は、アメリカのみならず世界のどの国とも友好的な関係をもつ用意があります。そうなることを希望します。

サッカー:では、アメリカ政府は今どんなメッセージを発しているとお考えですか?いまだに「帝国主義」ということばを使いたくなるようなメッセージなのでしょうか?アメリカ政府は今でも帝国主義的だと思われますか?帝国主義を批判し、打ち破るために可能なことは実行しようと決意されていますか?

チャベス:アメリカが帝国主義的でないと考えることは困難です。現実逃避者のように、帝国主義を目にしたくないと思う人々に、それは感じとれないでしょうが。ラテンアメリカに見られる軍事的帝国主義を例に挙げると、コロンビアには七つのアメリカ軍の基地が建設されており、これはオバマ大統領が就任直後に発した最悪なメッセージの一つです。ブッシュは任期の最後の年に第4艦隊を復活させ、ラテンアメリカで活動させることを決定し、ラテンアメリカの河川に侵入すると脅迫までしました。ところがオバマ大統領は第4艦隊の配備を中止、または排除するどころか、コロンビアに七つもの基地を置くことを計画したのです。何の目的で?ラテンアメリカ大陸を支配するため、戦争でも始めるつもりでしょうか?


■ベネズエラ経済よりもさらに問題を抱えている、ヨーロッパやアメリカの経済について

サッカー:まずはベネズエラの経済についての話をうかがいたいと思います。インフレが深刻な問題で、通貨切り下げを実行されましたが、それでも依然としてベネズエラの景気は低迷しています。社会主義は今のところ効果を発揮していないと言えないでしょうか?

チャベス:英国やスペインの方が問題は多いと思います。ヨーロッパ全体の経済はひどい状況にあります。そしてアメリカ経済はベネズエラより多くの問題を抱えています。この6年間のベネズエラの経済成長率、例えばGDPは7.8%です。


■ベネズエラの民主主義と、マリア・アフィウニ判事の投獄の決定について

サッカー:大統領が選挙に勝利されたことは絶対的な事実で、しかも快勝でした。しかし、民主主義とはただ選挙に勝つだけのことではありません。大統領がより広い法の原則や司法制度の独立を順守していないのではないかということを示す、一つの例をあげてもよろしいでしょうか。マリア・アフィウニ(苗字の英語表記は発音からの連想)判事のケースについて触れたいと思います。ベネズエラのアフィウニ判事は、反チャベス派の1人の釈放を決定しました。大統領が汚職事件に関与したとみなした人物です。実際のところ判事は、2年間の拘留を終えた彼を法に従って釈放したのです。その後のスピーチで大統領は、判事の決定は暗殺者の行為よりも悪質だと述べ、判事を懲役30年に処し、現在判事は服役しています。大統領は司法制度の独立を重んじていると言いますが、これはどういうことでしょうか?

チャベス:まず、あなたの言うことには全く同感です。世界の指導者がみな同じ原則に従ってくれることを願っています。民主主義は、5年ごと、あるいは4年ごとに選挙をするためだけに生まれるものではありません。それは生き方です。人々にパワーを与えるものです。リンカーンは、「人民の人民による人民のための政治」と言いました。ほとんどのいわゆる西洋の民主的資本主義国家で行われている、金持ちのための政治ではありません。ここであなたは再び極端な例を持ち出して、ベネズエラの民主主義の信用を疑問視しようとしています。けれども、一言言っておきますが、ベネズエラよりも民主的な国を見つけなければならないとしたら、相当大変でしょう。大変失礼ながら、世界の他の国々では、民主主義国家(という栄誉)を実現することは難しいのです。さきほどあなたが強調したケースですが、完全に独立した権力である司法が前判事に判決を言い渡したのです。それは元大臣らの事件と同様です。ベネズエラでは、以前大臣や役人を務めた者が汚職事件で逮捕され投獄されています。贈賄で刑務所に入れられた金持ちの実業家もいます。我々はこの国で腐敗と徹底的に戦っています。今ではそのパワーがあります。司法制度は全く独立して機能しています。これまでのベネズエラにはなかったことです。

サッカー:けれども、多くの独立的な観測筋が大統領の本件やその他への関与を調査し、結論をまとめています。引用しますと、米州人権委員会は、「司法の独立性の欠如により、ベネズエラの政治体制が根本から弱体化している」と述べています。

チャベス:米州人権委員会からの引用ですか?あなたをはじめとする道徳や自尊心をもつ人々が、平気で彼らの肩をもつというのですか?その他ならぬ米州人権委員会ですよ、クーデターを支持してきたのは。富裕層によって私が転覆させられた時、彼らは政府を支援しましたか?それとも、私の権力の正当性や民主主義的権利を無視しましたか?あの委員会は操られているのです…


■ラウル・バドウェル元国防大臣の投獄について

サッカー:しかし重要なのは、服役中であるために、あなたをテレビで批判することができない人々が大勢いるということです。例えばかつて国防大臣を務めたラウル・バドウェルは、以前はあなたの側近でしたが、彼があなたに批判的になり、反対派に加わると、あなたは彼を投獄したのですね?

チャベス:あなたは何もわかっていません。この国の状況を正しく調査していないようですね。申し訳ないが、あなたが指摘しているのは、汚職事件に関わった元国防大臣のことですよ。

サッカー:そうです。ですが、反対派に転じたために、彼は汚職事件を起こしたと断定されたのですよね。

チャベス:まるで違います。自分が何を言っているのかわかっているのですか。事の真相を全く知らないままで話しているのですよ。私は大統領として、国防大臣を辞職させたのです。その理由は、続いていた一連の不正行為のすべてを、彼がもはや弁明しきれなくなったからです。彼の行為についての捜査は、在任中に開始されました。私はバドウェルを呼んでじっくりと話を聞きました。彼はとても良い友人だったからです。彼に、「これについて説明してくれ、あれについてはどうなんだ」と尋ねましたが、彼は説明することができませんでした。数日後私が彼を解任すると、自らを正当化しようとバドウェルは、自分が政治的迫害の被害者であると訴えたのです。あなたは腐敗した政治家をかばうためにここに来たわけではないのです。もしそうしたければ別の例をあげても構いませんが、バドウェルはいけません。彼は汚職事件に関わったから刑務所にいるのです。汚職を擁護したいわけではないことは確かですよね?なんと、ロンドンのBBCが汚職を容認する?まさかそんなことはないでしょうが、英国では汚職を正当化するのですか?汚職事件を起こした者は英国ではどうなるのですか?英国人は彼らを非難しますか?それともかばいますか?ロンドンにあるBBCは汚職を批判しますか?それとも弁護しますか?ベネズエラで汚職を擁護しないでください。


■友好国のイランについて

サッカー:では、例えばイランとの「連帯の枢軸」は今後も続くという答えを信じてよろしいですか?以前大統領は、いかなる状況の下においてもイランと協調すると、2006年にアフマディーネジャード大統領に対し述べましたが、現在もその意志に変わりはありませんか?

チャベス:ベネズエラは自由な主権国家ですから、望むどんな国とも政治的、外交的、経済的関係を結ぶことができます。幸い今日では、ほとんどのラテンアメリカ、カリブ海諸国と友好的な関係を結んでいます。ブラジルも、イランとの素晴らしい関係を享受しています。他のラテンアメリカのほとんどの国々も同じです。イランは同盟国で、政府は友好的です。アメリカやヨーロッパの同盟国は、イランにあらゆる経済的圧力をかけることをやめて、彼らと率直な話し合いをしてもらいたいものです。


■ベネズエラにおけるウラン鉱山の存在を否定したことについて

サッカー:ということは、もしイランがベネズエラと、例えばウランの取引を望んだ場合、ベネズエラにはウラン資源が豊富ですが、そのための態勢を整えますか?

チャベス:いいえ、そんな計画は一切ありません。事実、ベネズエラで操業を行っているウラン鉱山などありません。我々がイランにウランを輸出していると言われていることは知っていますが、ベネズエラにウラン鉱山はないのです。もしあるとすればそれは公表されていない、違法な鉱山です。この国ではすべての鉱山地域を政府が管理していますが、ウラン鉱山はありません。我々は核競争や核爆弾のための原料を提供するつもりはありません。我々は、核エネルギーを発電などの平和目的に利用する準備はできています。一方、アメリカや英国は核爆弾を保有していますね。英国などのすべての核保有国が、核兵器を排除したらどうですか?この問題についてはまさにこの部屋で、良き友人のウラジーミル・プーチンと話し合いをしました。先日我々は数時間かけてこの話題について話し、私は「世界のどこにも核兵器は存在してほしくありません。ロシア、インド、アメリカ、フランス、英国は核兵器を取り除くべきです。核戦争でも引き起こそうというのですか?核戦争は、地球上でもっとも望ましくない、正気の沙汰とは思われない行為です」と意見を述べました。


■ラテンアメリカの統合と、コロンビアとの戦争の噂の払拭について

サッカー:最後に、ラテンアメリカ、南アメリカの将来についての考えをお聞きしたいと思います。大統領がこの11年間で発展させてきたのと同じ社会主義的理念を数々採り入れてきたこの地域の多くの国々にとって、あなたは先頭を行く指導者であり続けています。それでも、南アメリカの意見は分かれています。隣国のコロンビアはもちろん、おそらくペルーも、またチリも、南アメリカが進むべき方向性について、大統領とは異なる見解を持っています。これまでに南アメリカの大規模な統合、また将来的な通貨の統合やある種の共通の政府の可能性についてまで言及なさっていますが、本当にそれを実現できるとお考えですか?

チャベス:我々が今構築しているのは統合です。それはこれから起きることではなくて、すでに起きていることです。我々はもう統合を推し進めています。それは、あなたと私が今夜ここカラカスでこうして話しているのと同じくらいの真実です。この大陸で、ラテンアメリカとカリブ海で、すでに始まっています。それはプロセス…

サッカー:しかし、おことばですが、コロンビアはそう考えていません。つい先ごろ、ベネズエラとコロンビアの軍隊が国境地帯に集結し、まさに一触即発と思われましたが。

チャベス:ああ、まあ、あれは単にその時々の状況、事の成り行きというものです。ヨーロッパ諸国の間にも、どれほど多くの問題があったでしょう?例えば英国とフランスの間や、ドイツも同じように、互いの都市や町を爆破して破壊するなど、これまでに多くの戦争がありました。ヨーロッパの歴史は血塗られた、恐ろしいものです。第2次世界大戦では何百万人が殺されましたか?英国の戦闘機はドイツにいくつ爆弾を落としたでしょうか?ドイツは英国やフランスにいくつの爆弾を落としたでしょうか?全く、なんという歴史でしょうか。ベネズエラの歴史は完全に異なります。かつては植民地でしたが、今はその状態から何とか抜け出しつつあります。独立から200年が経った今が始まりです。我々は統合を実現させます。





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