世界最大級のストックフォトサイト「iStock」12月3日「国際障害者デー」に合わせ、障害を持つ人のビジュアル調査結果を公表 消費者意識を考慮したビジュアル表現とは
障害のある人の多様性をビジュアルで表現するには
*ゲッティイメージズは、2020年2月より、世界的な市場調査会社であるMarketCast社と提携し、26カ国13言語で1万人以上の消費者と専門家を対象に調査を行い、「今、求められているビジュアルコンテンツ」を具体的な数字とともに明らかにした「VisualGPS」と呼ばれるガイドラインを作成しています。VisualGPSの詳細情報はこちらをご覧ください。
12月3日は、「国際障害者デー」でした。1982 年 12 月 3 日の国連総会において「障害者に関する世界行動計画」が採択されたことを記念して制定された日です。世界人口の 13 億人が何らかの障害を持ち、世界では現在、成人の4 人に 1人が障害を持ちながら生活していると言われ、障害者のコミュニティは世界で最も大きなグループのひとつです。
一方で、障害のある人が企業の広告ビジュアルなどに登場するのはわずかにとどまっています。今回は、多様性を持つ障害者を企業やブランドの広告で表現する際のビジュアルコミュニケーションについて、iStockのビジュアル専門家が解説します。
■障害を抱える人は身近な存在。様々な場面でアクセシビリティ配慮が求められる
障害者人口は、世界全体では約13億人(世界人口の16%)、アジア太平洋地域では、約6億5,000万人(約6人に1人)と言われています。日本においても、936万人で人口の約7.4%を占めています。このように、人口に占める割合が相当数いるにも関わらず、世界的に見ても、障害のある人の雇用などの社会参画にはハードルがあるようです。
一方でVisualGPSの消費者調査によると、日本とアジア太平洋地域では、80%以上の消費者が、「企業が社会貢献活動に積極的に関与するべきだ」と考えており、障害のある人を含め、企業が雇用する人たちには多様性が求められていることが分かりました。また企業が提供する製品やサービスに関しても、消費者の80%以上が、「アクセシビリティを考慮した製品やサービスを提供すべきだ」と考えており、企業は多様な消費者ニーズに応える必要性があることもわかりました。
■広告などでのビジュアル描写は1パーセント未満
障害のある人のグローバル・コミュニティは大きく、そのコミュニティ内に様々な多様性がありますが、そのことを理解し、認知している人の割合は限られているように思います。VisualGPSの調査によると、アジア圏においては、障害のある人を取り上げている広告などのビジュアルは全体の1%未満に過ぎず、またその表現力の乏しさも浮き彫りになっています。多くの場合、「障害」というレンズを通してのみ個人を描いており、実際のライフスタイルの豊かさが反映されていないように感じます。ステレオタイプも根強く、例えば、「車椅子を使用している人」や「介護を受ける高齢者」のようなビジュアルにとどまっています。
障害のある人の雇用や社会参画へのハードルを下げるためにも、企業が発信するビジュアルコミュニケーションを工夫してみる必要があるのではないでしょうか。
■障害のある人の多様性をビジュアルで表現するには
障害のある人を広告ビジュアルなどで表現する場合、その障害を“超える”表現が不可欠です。これはカメラのアングルだったり、その人の多面的なアイデンティティを認識することであったり、ライフスタイルや人生における歩みを理解することが重要です。
広告に登場する人とそれを見る人との間に対等性を持たせることも考慮しましょう。
障害や特定の身体的部位だけに焦点を当てることを避け、その人の能力や才能、社会に貢献する姿を描きましょう。そのようなビジュアルにより、障害のある人の自立やコミュニケーション、社会参画がさらに促進されるかもしれません。
ライフスタイルという意味で見ると、日本やアジア太平洋地域の「旅行」や「ビジネス」に関するコンテンツに障害のある人が登場している割合はほぼ0%となっています。障害のある人が他の人と一緒に働いたり旅行したりすることを楽しむ様子を表現するのはどうでしょうか。宿泊施設やワークスペース、バリアフリーの交通機関、アクセシビリティに考慮した展示のある博物館やツアー、スポーツなど、インクルーシブな体験の様子などを強調しましょう。
<ビジュアル表現における3つのポイント>
o 障害のある人の姿を肯定的に描写するカメラアングルを選択しましょう。
o 障害と人種やジェンダー、セクシュアリティを含むアイデンティティの多様性をクロスさせ、
ステレオタイプに挑戦しましょう。
o 仕事、遊び、社会的交流を含む、インクルーシブなライフスタイルを紹介しましょう。
■「Hiki」とゲッティイメージズがパートナーシップを締結
iStockを運営するゲッティイメージズは今年6月、自閉症コミュニティのための世界最大級のマッチングアプリ「Hiki」とのパートナーシップを締結し、「#AutisticOutLoud」と題したカスタムコンテンツを立ち上げました。これは、自閉症者の真のビジュアル表現を促進することを目的としています。
この「#AutisticOutLoud」コレクションには、自閉症を自認するコンテンツクリエイターが積極的に参加しています。このキャンペーンを通じて、自閉症コミュニティの多様性と力強さを紹介する写真と動画のキュレーションギャラリーが制作されました。これらのコンテンツクリエイターは現在、ゲッティイメージズのグローバルコントリビューターネットワークの重要なメンバーでもあり、よりインクルーシブなビジュアル描写に貢献し続けています。
▼iStock クリエイティブ専門チーム Creative Insights マネージャー 遠藤由理 プロフィール
10代後半からアメリカ、スペイン、チェコ、韓国で過ごす。
映画制作とデジタルメディアデザインに重点を置いたビジュアルメディアの学歴を持ち、国際映画や日本映画のプロモーション、セールス、買収、配給などの仕事に従事。 2016年からはiStockのクリエイティブチームのメンバーとして、世界中のクリエイティブプロフェッショナルによる利用データ分析と外部データや事例を調査し、来るニーズの見識を基にCreative Insight(広告ビジュアルにおける動向調査レポート)を発信。意欲的な写真家、ビデオグラファー、イラストレーターをサポートし、インスピレーションに満ちたイメージ作りを目指している。
▼iStockとは
豊富な経験と専門知識を持つゲッティイメージズが運営しているストックフォトサービス。中小企業や小規模事業者に対し、消費者の心に響くビジュアルコンテンツを提供しています。1億7000万点以上のコンテンツを持つiStockは、世界中の37万9千人以上のコントリビューター(専属、非専属含む)と呼ばれる契約フォトグラファーやビジュアルクリエイターのネットワークを持ち、専属コントリビューターには、「VisualGPS」に裏付けられた市場のニーズやトレンドにもとに、ゲッティイメージズクリエイティブチームの豊富な経験と知識を活用し撮影指導を行うことで、プレミアムでロイヤリティフリーの写真、映像、イラストを常に提供できるようにしています。
iStock by Getty Images 日本語公式サイト:https://www.istockphoto.com/jp
iStock Signature Collection(プラス)-iStockとゲッティイメージズでしか手に入らない、クリエイティブで厳選された写真、映像、イラストをベースにしたプレミアムコレクションです。iStockだけで2,800万点以上の素材があり、独占的なストックコンテンツを提供している世界最大のコレクションです。
プラスの素材例:https://www.istockphoto.com/jp/collaboration/boards/gNTpLpUfDky8JANcNcasDA
▼ゲッティイメージズとは
ゲッティイメージズは、世界有数のビジュアルコンテンツクリエイターおよびマーケットプレイスとして、世界中のあらゆるニーズに応じた幅広いコンテンツソリューションを提供しています。ゲッティイメージズ、iStock、Unsplashのブランド、ウェブサイト、APIは、世界最高のフォトグラファーとビデオグラファーによる力強いビジュアルコンテンツを検索、購入、共有するための第一拠点として、世界各国のお客様に利用されています。55万1千人以上のコントリビューターと315以上のコンテンツパートナーと共にパワフルでインクルーシブなコンテンツを配信。毎年16万件以上のニュース、スポーツ、エンターテイメントイベントをカバーし、類を見ないほどの豊富な報道を提供しています。また、ゲッティイメージズは世界最大かつ最高レベルの民間所有アーカイブ写真を保持しており、写真創世記にさかのぼる画像の数は数百万枚にわたります。
会社のニュースやお知らせは、News Roomをご覧ください。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像
- 種類
- 調査レポート
- ビジネスカテゴリ
- 広告・宣伝・PR福祉・介護・リハビリ
- ダウンロード