新型コロナウイルス感染拡大に伴うテレワークの急増 従業員数1,000人以上の大企業対象「テレワーク実態調査」テレワークで不便・困った経験は9割 「紙とハンコ」が足かせに
“会社都合”の紙・ハンコ業務が“法律上の理由”を上回る“急ごしらえ”のテレワーク導入では生産性の向上につながりにくい現状も
「自律的な業務デジタル改革」を目指し、大企業向けのITソリューションを提供する株式会社ドリーム・アーツ(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:山本孝昭、以下 ドリーム・アーツ)は、従業員数1,000人以上の大企業に勤める1,000人を対象に、新型コロナウイルスの感染拡大防止により急増したテレワークに関するインターネット調査を2020年4月18日から19日にかけて実施しました。その結果、テレワークを実施していて不便・困ったことがあるとの回答が90%に上り、最も多かった理由は、「オフィス保存の紙書類の確認・入手」(46%)、「書類へのサインや捺印」(28%)と、テレワークの遂行に「紙とハンコ」が足かせになっていることがわかりました。
■調査結果サマリー
- コロナ感染拡大をきっかけにテレワークを導入した企業が5割(45%)個人でもコロナ禍を機にテレワークを初めて実施が半数以上(53%)
- テレワークで不便・困ったことがあったとの回答が9割理由は「オフィス保存の紙書類の確認・入手」(46%)や「書類へのサインや捺印」(28%)と紙・ハンコ業務が足かせに
“直接対話”の減少でコミュニケーションや意識共有の不足を問題視する声も - 物理的なハンコによる捺印が必要な企業が5割超(55%)
紙・ハンコ業務がある企業では会社都合(54%)が法律上の理由(36%)を上回る - テレワーク導入時期が早い企業ほど生産性の向上を実感
コロナ禍を受けた“急ごしらえ”のテレワーク導入では生産性の向上につながりにくい現状も - 7割近くがワークフローシステム導入済みでも、うち8割以上に紙業務が存在
最多の理由は「既存のワークフローシステムでは処理できない」(48%) - テレワーク実施において最も今後の導入が求められるITインフラはワークフローシステム
- 「通常勤務に戻ってもテレワークを実施したい」が7割
■調査背景
新型コロナウイルスの感染拡大は収束の兆しを見せず、緊急事態宣言が延長されました。通勤を避けて働くことができるテレワークがさらに重要視され、日本社会で急速に浸透しています。
そうしたなか、ドリーム・アーツは従業員数1,000人以上の大企業におけるテレワークの現状と課題を把握するため、インターネットによるアンケート調査を実施しました。
■コロナ感染拡大をきっかけにテレワークを導入した企業が5割
個人でもコロナ禍を機にテレワークを初めて実施が半数以上
自身が働く企業のテレワークの現状を聞いたところ、45%が新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけにテレワークを導入したことがわかりました(グラフ①)。また、個人についても、今回のコロナ禍を機にテレワークを初めて実施した人が半数以上(53%)に上っており(グラフ②)、大企業でもパンデミック対策に備えて事前に万全のテレワーク環境を整えておらず、急遽テレワークを導入・推進することとなった現状が浮き彫りとなりました。
加えて、「以前からテレワークを導入している」企業が39%あるのに対し、「以前からテレワークを実施していた」従業員個人は22%にとどまっており、企業がテレワーク環境を提供していても、現場で働く従業員が有効に活用できていなかった実態が明らかになりました。
一方で、16%の企業ではまだテレワークが導入されていないほか、25%の個人が「テレワークを実施したことがない」と回答しており、さまざまな要因からテレワークを実施できない企業や個人が一定数存在することがわかっています。
■テレワークで不便・困ったことがあったとの回答が9割 紙・ハンコ業務が足かせに
“直接対話”の減少でコミュニケーションや意識共有の不足を問題視する声も
テレワークを実施してみて、不便・困ったことがある人は90%にも及びました。
また、紙・ハンコ業務に次いで多かったのが、「同僚とのコミュニケーション・雑談が減る」(26%)、「上司や同僚との業務確認の会話が減る」(24%)との回答でした(図②)。
出社時には、雑談なども含めた直接的な対話による情報交換や意識共有ができていましたが、テレワーク環境ではそうした気軽なコミュニケーションが不足していると感じる人が多いことが鮮明になりました。
■物理的なハンコによる捺印が必要な企業が5割超
紙・ハンコ業務がある企業では“会社都合”が“法律上の理由”を上回る
「紙とハンコ」が必要な業務の現状について伺ったところ、「物理的なハンコを使っての捺印を実施している」との回答は55%と半数を超えました(グラフ③)。また、会社の都合による紙・ハンコ業務の割合は54%と、法律上の理由(36%)を上回り(図③)、明治時代から続く日本社会の“紙・ハンコ文化”が慣習として企業に色濃く残っている現状が顕著にあらわれています。
■テレワーク導入時期が早い企業ほど生産性の向上を実感
コロナ禍を受けた“急ごしらえ”テレワーク導入では生産性の向上につながりにくい現状も
テレワークを実施するうえで、「オフィスで働く以上に生産性が高まっているとは感じていない」と回答した人は65%に上っています(図④)。また、テレワーク導入の時期という観点から見てみると、「生産性が高まっていない」と感じる割合は、テレワークを以前から導入していた企業では59%に対し、コロナ感染拡大を機に2~3月にテレワークを導入した企業では70%、4月7日の緊急事態宣言を受けテレワークを導入した企業では73%と、わずかな差ではありますが、テレワークの導入時期が遅い企業ほど生産性の向上を感じていない従業員の割合が高くなっています。
「生産性が高まる」と回答した人からは、「通勤時間がないから時間を有効に使える」、「集中できる」という声が上がる一方で、「生産性が高まるとは感じていない」と回答した人からは、「ネット環境が悪い」、「子供や家族の邪魔が入る」、「仕事をする環境が整っていないので効率が悪い」、「Webになり会議が多くなった」、「コミュニケーションがとりづらい」といった主張がみられます(図⑤)。コロナ禍を受けた急なテレワークの導入では十分な対応ができておらず、従業員は、出勤時と同等の業務をこなせない状況に置かれており、テレワークの実施には事前の準備が必要であることが見て取れます。
■7割近くがワークフローシステム導入済みでも、うち8割以上に紙業務が存在
最多の理由は「既存のワークフローシステムでは処理できない」
ワークフローシステムが導入されている企業は7割近い(67%)ものの、うち8割以上(81%)に紙業務が残っています(図⑥)。
その理由としては、「既存のワークフローシステムでは処理できないため」(48%)が最も多く、業務効率化に不可欠なツールとして多くの企業で導入が進んでいるはずのワークフローシステムが、業務におけるペーパーレス化の障壁となっていることが明らかになりました。
■テレワーク実施において最も今後の導入が求められるITインフラはワークフローシステム
現状、最も導入されているのはWeb会議システムやチャットシステム
テレワークの実施におけるITインフラについて、「既に導入済みで利用しているもの」としてはWeb会議システムやチャットシステムが最も割合が高く、ノートパソコンの支給やBYOD(従業員が個人保有のPCを業務に使用すること)が続く結果となりました(グラフ④)。一方で、将来的には、ワークフローシステムの導入が最も求められている割合が高く、ペーパーレス化や業務フローの電子化・可視化がテレワーク遂行には重要であることがわかりました。
■「通常勤務に戻ってもテレワークを実施したい」が7割
コロナウイルスの感染が収束して通常勤務に戻っても、テレワークを実施したいと回答した人は66%に上りました(グラフ⑤)。今回のコロナ禍をきっかけに、テレワークの導入・遂行がますます進み、日本企業における働き方が変わっていくことになるかもしれません。
■調査概要
●調査対象:従業員数1,000人以上の大企業に勤める従業員
●調査方法:インターネット調査
●有効回答数:1,000人
●調査実施日:2020年4月18日(土)~2020年4月19日(日)
株式会社ドリーム・アーツについて(https://www.dreamarts.co.jp)
1996 年 12 月に設立されたドリーム・アーツは「協創する喜びにあふれる人と組織と社会の発展に貢献する」 をコーポレート・ミッションに、「デジタルの民主化」を目指し、「情報共有」と「対話」を重視した独創的かつ高品質なソリューションとサービスを提供します。「協創力を究めよ」のスローガンのもと、ICT だけでも人間だけでもできないビジネス上の難題の解決を ICT と「協創」でお手伝いしています。
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