【建設業の原価管理に関する実態調査】資材価格高騰で約7割が利益率低下、価格転嫁できた企業は1割未満

〜リアルタイム原価管理の遅れが明らかに、利益確保に向けたIT活用が鍵に〜

アイピア

株式会社アイピア(本社:兵庫県神戸市、代表取締役:森 輝三章、以下 アイピア)は、建築・建設業界に従事する方を対象に、「建築資材の価格高騰と原価管理に関する実態調査」を実施いたしました。

現在、建設業界では「2024年問題」に伴う労務コストの上昇に加え、断続的な資材高騰が経営を圧迫しています。
本調査では、こうした環境下における原価管理と利益確保の実態、ならびに課題を明らかにしました。


本調査のポイント

本調査により、建設業における原価管理と利益確保の実態として、以下の傾向が明らかになりました。

  • 約7割の企業が、直近1年間で建築資材価格の10%以上の上昇を実感

  • 約7割の企業で、資材高騰により1完工あたりの利益率が低下

  • 資材価格上昇分を十分に価格転嫁できている企業は1割未満

  • 原価管理は月次・完工後確認が中心で、リアルタイム把握は2割台にとどまる

  • 原価や利益の見える化、最新単価共有など管理体制の整備に課題

  • 今後はさらなる資材高騰や人件費上昇への警戒感が強い

  • 約7割の企業が、利益確保のためにIT活用によるリアルタイム管理が必要と回答


調査結果詳細

約7割が「10%以上の価格上昇」を実感、建築資材高騰が広く影響

直近1年間の建築資材の仕入れ価格について、「10%〜20%未満上昇した(39.5%)」が最も多く、次いで「20%以上上昇した(32.0%)」となり、全体の約7割(71.5%)が10%以上の価格上昇を実感している結果となりました。一方で、「変わらない(12.5%)」や「下落した(0.8%)」と回答した企業は少数にとどまっています。

【考察】

建築資材価格の上昇は一部ではなく業界全体に広く波及しており、特に1割以上の上昇が常態化している点から、従来の原価前提では対応しきれない状況にあります。

このような環境下では、仕入れ価格の変動を迅速に原価へ反映できる体制が求められますが、管理体制が追いついていない場合、見積精度の低下や利益圧迫につながるリスクがあります。

約7割が利益率低下、資材高騰が1完工あたりの収益を圧迫

資材価格の高騰を受けた「1完工あたりの利益率」の変化について、「やや低下した(1%〜5%未満低下)(48.9%)」が最も多く、次いで「大幅に低下した(5%以上低下)(19.2%)」となりました。利益率が低下した企業は全体の68.1%にのぼり、約7割の企業が収益悪化を実感している結果となりました。一方で、「以前と変わらない(25.2%)」、「適切に価格転嫁でき、利益は維持・向上した(6.8%)」は少数にとどまっています。

【考察】

資材価格の上昇がそのまま利益率の低下につながっている企業が多く、価格転嫁の難しさが業界全体の課題となっているようです。受注時点での契約価格と、施工時点での仕入れ価格に差が生じやすい建設業では、想定以上に利益が圧縮されるケースも少なくありません。

また、利益率が維持・向上した企業が1割未満にとどまることから、原価上昇局面において適正価格で受注できる企業はまだ限定的といえます。

約4割が十分に価格転嫁できず、利益確保に課題

資材価格の上昇分を発注者(施主)への見積価格に適切に反映できているかについて、「一部反映できている(53.7%)」が最も多く、次いで「ほとんど反映できていない(32.5%)」となりました。「全て反映できている(9.5%)」は1割未満にとどまり、約4割(36.8%)の企業が十分な価格転嫁ができていない結果となりました。

また、「競合他社との兼ね合いで全く反映できない(4.3%)」という回答もあり、受注競争の激しさが価格設定に影響している実態が明らかになりました。

【考察】

多くの企業が資材価格の上昇を受けながらも、見積価格へ十分に反映しきれていない状況にあり、コスト増加分を自社で吸収しているケースが少なくないと考えられます。

特に建設業では、価格だけで比較されやすい相見積もりの場面も多く、競合他社との兼ね合いから適正な価格提示が難しくなる傾向があります。その結果、受注はできても利益が残りにくい構造に陥るリスクがあります。

約4割が月次締めで差異把握、リアルタイム管理は2割台にとどまる

工事ごとの「実行予算」と「実際の支払額(実績)」の差異を把握するタイミングについて、「月に1回の締めタイミング(37.3%)」が最も多く、次いで「現場が完工したあと(24.0%)」、「支払いが発生するたび(リアルタイム)(23.7%)」となりました。リアルタイムで差異を把握できている企業は2割台にとどまり、多くの企業が月次または工事完了後に確認している結果となりました。

また、「特に把握していない(15.1%)」という回答もあり、差異管理そのものが十分に行われていない企業も一定数存在しています。

【考察】

実行予算と実績の差異把握が遅れるほど、原価超過や利益圧迫への対応は後手になりやすいといえます。特に完工後に初めて差異を確認するケースでは、是正措置が取れず、利益改善の機会を逃してしまう可能性があります。

一方で、リアルタイムに把握できている企業は約4社に1社にとどまり、多くの企業では情報集計や確認作業に時間を要している状況です。

約3割が「利益・原価をリアルタイムで把握できない」と回答、情報共有や判断精度にも課題

現在の原価管理における課題として最も多かったのは、「利益や原価の増減がリアルタイムで把握できていない(31.5%)」でした。次いで、「最新の資材単価が社内で共有されていない(25.1%)」、「現場担当者からの報告が遅い(19.5%)」、「過去のデータ(類似案件)を参照するのに時間がかかる(17.1%)」と続いています。

一方で、「特になし(30.2%)」という回答もあり、企業によって原価管理体制の成熟度に差が見られる結果となりました。

【考察】

多くの企業において、原価・利益をリアルタイムで把握できていないことが主要な課題といえます。資材価格や外注費が変動しやすい環境では、状況把握の遅れがそのまま利益悪化の見逃しにつながるリスクがあります。

また、最新の資材単価が共有されていない、現場からの報告が遅いといった回答から、部門間・現場間の情報連携不足も課題として浮き彫りになりました。さらに、値引き判断が感覚的になっている点からは、利益を踏まえた受注判断の仕組み化が十分でない企業も一定数存在します。

過半数が「さらなる資材価格の高騰」を懸念、コスト上昇への警戒感が鮮明に

今後1年以内の経営・現場運営において最も懸念していることについて、「さらなる資材価格の高騰(52.2%)」が過半数を占め、最も多い結果となりました。次いで、「2024年問題に伴う労務費の上昇・人手不足(26.1%)」、「受注量の減少(14.7%)」、「利益率の悪化による経営不振(7.0%)」と続いています。

資材価格の上昇と人件費・人手不足といったコスト面の課題が上位を占めており、多くの企業が外部環境の変化に強い危機感を持っていることがうかがえる結果となりました。

【考察】

資材価格の高騰は、継続的なリスクとして強く認識されている主要課題です。建設業では資材費の変動が利益率に直結するため、経営への影響も大きく、警戒感が高まっています。

また、労務費の上昇や人手不足も上位に挙がっており、資材費と人件費の双方が増加する「二重のコスト上昇」への懸念が広がっています。働き方改革や時間外労働規制への対応により、今後も現場運営の難易度は高まる見通しです。

約7割が「リアルタイム管理は必要」と回答、IT活用への関心高まる

資材価格の高騰や変動が続く中で、利益確保のためにITツール等を活用した「リアルタイム管理」が必要だと思うかについて、「ややそう思う(48.2%)」が最も多く、次いで「非常にそう思う(すでに検討・導入中)(20.9%)」となりました。肯定的な回答は合計69.1%にのぼり、約7割の企業がリアルタイム管理の必要性を感じている結果となりました。

一方で、「あまり思わない(16.4%)」、「わからない(14.4%)」という回答もあり、導入効果や必要性に対する理解には差が見られます。

【考察】

資材価格や外注費などのコスト変動が続く中、リアルタイムで原価や利益状況を把握できる体制の必要性が高まっています。従来の月次集計や完工後の確認では、変化への対応が遅れやすい状況です。

特に「非常にそう思う(すでに検討・導入中)」が2割を超えており、課題認識にとどまらず、IT活用に踏み出している企業も一定数存在します。

一方で、必要性を感じていない、あるいは判断できていない企業も約3割にのぼり、現場運用への不安や費用対効果の見えづらさが導入の障壁となっていると考えられます。

変動コスト時代、建設業に求められる“利益を守る経営”への転換 

建設業界では、資材価格や労務費など外部コストの変動が常態化し、従来の経験則や過去の相場感を前提とした経営手法では利益を確保しにくい環境へ移行していると考えられます。今後は、受注量の確保だけでなく、適正な利益を残せる案件を見極める視点がこれまで以上に重要になるでしょう。

また、原価状況の把握が遅れる企業ほど、赤字案件や利益率低下への対応が後手になりやすく、気づいた時には手遅れになるリスクがあります。利益管理は決算時や完工後に確認するものではなく、案件進行中に継続的に管理する体制へ転換していく必要があります。

さらに、価格競争だけで受注を続ける企業は、コスト上昇局面で収益性が急速に悪化する可能性があります。今後は、施工品質、提案力、対応スピード、アフターサービスなど、価格以外の価値で選ばれる体制づくりが重要になると考えられます。

こうした課題に対応するためには、見積・発注・原価・利益情報を一元管理し、経営者と現場が同じ数値をリアルタイムで把握できる仕組みの構築が不可欠です。

当社が提供する建設業向け管理システム「アイピア」では、見積から発注、原価・利益管理までを一元化し、工事ごとの収支状況をリアルタイムで可視化することが可能です。これにより、現場と経営層が同じ情報をもとに迅速な意思決定を行い、安定した利益確保を実現する体制づくりを支援しています。


アンケートに関する詳細

調査概要:建築資材の価格高騰と原価管理に関する実態調査
調査目的:建築資材の価格高騰の実態および、それに伴う原価管理の重要性に関する意識調査のため

調査対象:25歳~60歳の建設業従事者
調査期間:2026年4月22日
調査方法:WEBアンケート

有効回答者数:1,060名

■本件に関する補足
本調査では、建設業従事者1,060名を対象にアンケートを実施しました。
数値の解釈にあたっては、調査手法や対象者層の違いを踏まえてご参照ください。

■本件に関するお問い合わせ先
株式会社アイピア 編集部:info@aippear.com

◆建築業向け管理システム 「アイピア」について https://aippearnet.com/

アイピアは建築業に特化したクラウド業務管理システムです。

顧客情報や案件情報といった基本情報の管理から進捗管理・見積作成・原価管理・受発注などの営業管理、請求・入金管理まで建築業のバックオフィス業務を一元管理することで、事務作業時間の削減や業務の効率化、会社状況の見える化に貢献します。

◆株式会社アイピアについて

会社名:株式会社アイピア

所在地:〒650-0031 兵庫県神戸市中央区東町123-1 貿易ビル503

代表者:代表取締役 森 輝三章

事業内容:

・業務管理システム「アイピア」の開発・販売・サポート

・建築業向けメディア「建設ITラボ」運営

・建築業向け転職支援サービス「AIPPEAR JOB(アイピアジョブ)」の提供

・建築業向けエクセルテンプレート提供サイト「建築業向けテンプレート集 アイピア」の運営

・その他ITシステムの請負開発

・ITコンサルティング

連絡先: 078-335-8975

メール: info@aippear.com

会社HP:https://aippearnet.com/

アイピアジョブHP(人材事業) :https://kensetsu.aippear-job.com/

建築業向け管理システム「アイピア」活用術 :https://aippear-kenchiku.com/

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会社概要

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業種
情報通信
本社所在地
兵庫県神戸市中央区東町123-1 貿易ビル503
電話番号
078-335-8975
代表者名
森  輝三章
上場
未上場
資本金
3000万円
設立
2018年01月