【株式会社曽我】〈Winged Closet×専門学校日本ホテルスクール 産学協同〉学生のやる気と、マネジメントスキルの向上を2022年度も応援しました
当社衣裳を学生自身が接客員となり学内販売、学んだ理論を実際の売上でリアルに体験
お祝い着のレンタルを行っている株式会社曽我(本社:東京都文京区、代表取締役:鈴木康元)が運営する〈Winged Closet(ウイングドクローゼット)〉は、専門学校日本ホテルスクール(所在地:東京都中野区、校長:石塚勉、以降JHS)の夜間部ブライダル科2年生の授業カリキュラムに賛同し、学内で行われる当社の卒業衣裳展示会を学生と共同運営。翌年より社会人になる学生の将来を見つめ、スキルの向上に寄り添っています。2023年2月17日(金)JHS校内にて、担当教員の皆さまとこの産学協同プロジェクトのメリット、開始した経緯やその想い、企業として学生に求める人物像など改めて対談する機会をいただきました。
- JHS『卒業式袴展示会』カリキュラムとは
2023年1月26日(木)には、ホテルメトロポリタン エドモントでの2022年度JHS卒業発表会にも招待いただき、当日は『卒業式袴展示会』カリキュラムの担当学生による最終報告も行われ、産学双方の今後の課題を出し合うなど、世代を超え交流を深めました。
- 株式会社曽我×専門学校日本ホテルスクール 産学協同プロジェクト 対談
山本副校長(以降Y):夜間部の学生はカリキュラム上、企業様との接点が少ないため機会を設けた経緯があります。
中村教務室室長(以降N):元々経営を楽しく学んでもらう為、近所のラーメン屋さんの売上や経費を考えさせてみたのですが、働く経験の少ない学生たちには自分たちの労力が経費だということを理解することは難しく、リアルを経験させたかった。そんな時に校内で開催されていた卒業衣裳展示会(外部企業の出張販売)が目に入り、ご相談したのがきっかけです。
それと、夜間部は学校にいる時間が短い上に、授業の合間の休憩時間が1日にたった10分しかなく、通学する2年の間、友達と学校で話せる時間がごく僅かなんです。貴重な学生時代に「友達と一緒に」楽しんで学べる仕組みが欲しいなぁ、と。それで実現したのが2016年の9月でした。
Y:初めはさすがに学生に企業の実際の売上を任せるのは厳しいのではないか、と思っていましたが、意外にも、学生からの反響がすごくありまして。本当にありがとうございます。
ープロジェクトを通じて感じたこと
普通の授業だけで終わらせずに、短いカリキュラムの中で経費や売上なども考えながら営業販売する実践(学び)の場を作りたかった〈JHS〉
塚本先生(以降T):経費や売上は企業に入ってから(働く上で)は、避けられない部分です。実際やってみると自分の売り上げた単価など、嬉しそうに報告しに来てくれます。自分の接客態度によっては、他社に逃げてしまうなどさまざまな経験を積んでいるようです。
N:初年度、立ち上げの時は学生に「なんで私たちが企業の接客をやらされているのか」というような声が多く、理解して貰う事に時間がかかりました。
SOGA津吉(以降ST):学生の皆さんのためにどのような事でお力になれるのか。初年度は実は当社も何を求められているのか探り探りでした。試行錯誤し、出てきた課題点を生かした翌年からはかなり流れもスムーズになったのではないかと思います。
SOGA地引(以降SJ):(プロジェクト自体に伸び代があると言う意味で)毎年課題は尽きませんが、学生は経験や知識をまとめ、後輩に引き継ぎ続けてくれており、毎年ゼロから教えることをしなくても、基本的なことは学生間で補ってくれています。その成長たるや年を追うごとに見違えるほどで、私自身の仕事のやり方を見直さねばと身が引き締まる思いです。
今年はSNSでの情報発信や、お客さまの少ない時間を利用してInstagram LIVE(インスタライブ)で台本もなしに着物と袴のコーディネートを紹介する動画を配信するなど、とても驚かされました。プロモーションのアイディアも時代と共に確実に変化しています。インスタライブは特にこちらからお願いしたわけではなく、学生の皆さんからやろうという声が自然と上がり、あれよという間にその場で形になりました。
ST:夜間部学生が他のクラスの学生に販売する。顔は知っているかもしれませんが、話した事もない人に、「いらっしゃいませ」の第一声をかける事。まずはこれが高いハードルのようです。回数を重ねることで慣れて緊張は解消されるようですが、ここまで早く成長できるのは実践だからこそかと思います。
単価や商品のご案内の方法など毎回どのように教えたら理解しやすいか、責任を感じつつ教えていますが、この経験が今後サービス業に就く際に少しでもお役に立てているならば、嬉しいですね。
N:今年は例年以上に、展示会の事前告知活動から頑張っていて、Q&Aや人気のヘアスタイル例などの情報を事前に調べ、SNSを活用して発信するなど、自主的に自分たちで作戦を考えて積極的な準備をしていましたね。得られた効果や反応から、展示会前から成果を生み出すためのマネジメントが始まっている事も実感できたのでは無いかと思っています。
JHS 袴展示会【2022】 https://www.instagram.com/2h_jhs
ーフィードバックや卒業発表会での報告、背景にある想いは?
学生にとって卒業発表会で報告することは、成功した達成感や満足感で終わらせず、振り返りの時間を設けることで更なる成長につながっていくと考えています〈JHS〉
T:このプロジェクト自体、賛同企業の協力のもと実現しています。何よりも先ずは「成果」や習得した「実感」を報告することで、参加企業へのお返しと感謝の気持ちを伝える場とさせていただいています。
N:数字とか売上と聞くと、学生はみんな苦手意識があるようですが、社会に出たら絶対に避けては通れないものです。このプロジェクトで実際に“数字"と対峙し、その制約があるからこそ工夫するし、結果がでれば楽しくなる。そういった体験を大事にして欲しいですし、その学生たちの成長の様子を直接お世話になった企業様に報告をしたいですね。
SOGA鈴木社長(以降SS):出来なかった事が出来るようになる。掛け替えのない成功体験ですね。やはり楽しく仕事をする経験は重要ですよね。
T:売上については、人生の中で全く経験のない未知のものなので不安になるようですが、契約がとれると嬉しそうに今日は何件取れたよ!と報告しに来てくれます。成功体験から売上に対する興味も出てくるのではないかと。
「寄り添いたいと思う気持ち」は、実務経験が少ない方にも持っていて欲しい〈SOGA〉
SS:我々の業界は相手の気持ちを汲み取るところから始まると思っています。ですので「共感力」がとても大切だと考えています。何かが不安だったり、選べなくて悩んでいたり、気に入った衣裳が見つからなくて困っていたり。そういったお客さまの気持ちに寄り添える事。入社したての方は経験が少なく難しい部分も多いかもしれませんが、「寄り添いたいと思う気持ち」は、経験が少ない方にも持っていて欲しいです。
もっと「自分から踏み出す」勇気を〈JHS〉
Y:今の子達はとても気持ちが優しくて、色々な事を気にしながら生きている子たちが多い。「自分から踏み出す」勇気を出して欲しいですね。勇気がある子はどんどん外へ出て行きますが、無い子は踏み出すまでに時間がかかってしまうように思います。「いらっしゃいませ」の一言がなかなか出ないということでも、如実に現れていますよね。それと、言語化する能力ですね。私の見ている白と相手の見ている白は違うかもしれない。きちんと言葉にしないと実は接客って出来ないように思います。
SS:それができる人とできない人の差はなんでしょうね?
N:やはり今に至るまでの小さな成功体験の積み重ねなのではないでしょうか。
Y:ですので、今からでも出来ることが何かを考えた時に、周囲の人が成功したことを褒めて、認めて評価してあげるという繰り返しなのかもしれませんね。
ST:とにかくやって、自分が楽しいと思うまでが大変ですよね。出来ると思い始めれば、接客でも自分から率先してどんどん声をかけてくれています。展示会でも初日と慣れてきた後半とでは表情の明るさも全く違うんですよ。踏み出せた子は自信がついて、どんどん表情が良くなってくる。「声はかけられなくても笑顔でいよう」とアドバイスしていました。
知識を暗記するだけではなく、体得した知識同士を組み合わせ、さらに新しいものを生み出す能力が大事な時代に〈JHS〉
Y:そもそも日本の教育自体も変わってきています。調べようと思ったらネットに情報は出ていますし、ツールさえあれば「覚える」ことに意味がなくなっている時代で、おそらく知識を持っているだけでは意味をなさなくなってきています。
専門知識が全くないと接客はできないですが、でも知識単独では実はあまり役には立っていなくて、何かの知識と他の知識を繋げて使いこなす能力が大事だと思います。
授業で学んだ知識をなんとか繋げようとして行っているのが、この袴の展示会プロジェクトで、ワークショップとして捉えています。特に接客の仕事はチームワークなので、ディスカッションしてみんなで協力して達成するということが、より一層必要になってきていると感じています。
ーAIなどデジタル化が加速しているこれからのサービス業、「おもてなし」の重要性は?
徐々にDX化やAI導入が進むサービス業でも、人にしかできないことは多い。SNSでわざわざ発信しているのは商品が良いだけではなく、つい伝えたくなる“おもてなし”が心に記憶されているから。〈JHS〉
SS:七五三の衣裳選びの話なのですが、主役の本人の着たい着物と、お母さま、さらにお祖母さまの着せたい着物の意見がそれぞれ分かれてしまった場合。色のキーワードを3種類入れれば、ロボットやAIはその通りの情報を集約して提案できるかもしれませんが、その3つの意見を経験と知識でうまく折り合いをつけて、皆が納得いく着物に落ち着かせられるコミュニケーション力はやはり“人”なんですよね。ウエディングの衣裳選びでも当然同じようなことが起こり、解決できるのは“人”です。
Y:設備投資したならば前に進むしかないわけですから、可能な部分はデジタル化やAIに頼って良いと思いますが、“人”が行う想像力を働かせた提案がお客さまの納得を生み出し、単価アップに繋がる訳ですから、やはり結局は“人”ですね。
「ハレの日」が誰にとってもより良き1日になるよう、お祝いをしに集まる方をも尊重し配慮した衣裳選びができるのが、当社の接客です〈SOGA〉
SS:AIもですがコンビニ形式でサイズや種類の展開を用意しておいて、お客さまに選んでいただくといった方法も選択肢の1つではあるのですが、やはり人力に頼らざるを得ないこともまだまだ多い。“人による接客”は多分完全には無くす事のできない“技術”なのだと思います。
社会人として好ましくない言葉遣いや態度を注意できる存在は、時代の変化とは裏腹に今でも現場に必要。挨拶は年長者が率先してすることで、挨拶が“当たり前”の感覚に〈SOGA〉
SS:私が入社した30年くらい昔は50代の方も多く、お母さん、お姉さん、妹など、まるでの家族のような年齢構成でスタッフがおり、言葉遣いや礼儀に厳しいお母さんのような方が即座に口うるさく注意していたのですが、最近は年配の方がかなり減ってしまったこと、それと時代的にコンプライアンスが厳しくなったこともあり、なかなか言葉遣いや態度を厳しく正す事が難しくなっています。でも、思い返せばそういった厳しくも優しい存在が身近にいたことで、正しい礼儀が身についたように感じます。“怒ること”は怒られる側だけでなく、怒る側も疲れるのですが、そういう役割の人も必要だな、と。
Y:甘やかされる事が全てではないですよね。厳しさが実は優しさということもあります。現代は、家庭でも怒られ慣れていないと言いますか、たとえ感情的に怒られることがあったとしても、フラットに注意するというのはする側も慣れていないし、いずれ(大人側が)そういう怒り方や注意指導の仕方を習う研修が増えるかもしれませんね。
※このインタビューの全文は、当社ホームページに掲載いたしております。
https://soga.co.jp/news/684/
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[住所]東京都文京区白山5-5-8
[電話番号] フリーダイヤル0120-529-248(直通)
[営業時間] 10:00~17:00 ※水曜定休
[ホームページ] https://winged-closet.com/
◉ 株式会社 曽我
明治44年に東京都文京区で創業(昭和34年株式会社として設立)。「衣裳は人なり」という創業者の言葉に込められているのは、お客様に良い状態の着物を着ていただきたい一心で、毎晩衣裳を丁寧に修繕し続けてきた創業者の想いです。その想いは脈々と受け継がれ、現在、三越伊勢丹(首都圏5店舗)、都内ホテル・式場、神社にて、婚礼衣裳・各種祝い着を取り扱う衣裳室を運営するほか、結納品・儀式用品の販売、美容・着付け、結婚式場相談、フォトウエディングなど多角的なサービスと共にお客様の気持ちに寄り添う商品をご提供致しております。
【ホームページ】https://soga.co.jp/
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