DG Daiwa Ventures、チームメンバーの多様性を活かし、今後一層のダイバーシティ推進を表明
DGDVは、海外出身、海外育ちや子育てと両立するママ/パパなど多岐にわたるメンバー編成で、ダイバーシティを尊重するチームワークファンドです。今後も一層ダイバーシティの重要性が高まることを確信し、国籍、性別などを含むあらゆる種類のダイバーシティを推進していくことを発表致しました。
ダイバーシティ推進の一環として、DGDVベンチャーキャピタリストであるCwak Donghun(デニー)が韓国出身である強みを活かし、見えてきた日韓市場の差異や課題、今後の展望をご紹介します。
DGDV デニー取材記事(抜粋)
- グローバル・チームワーク・柔軟性。DGDVだからこそ経験できる面白味
──DGDVに入社してみて社内の文化や雰囲気をどう感じますか?
デニー「これまで所属していた銀行や証券会社は、業務の性質上保守的な文化がありました。一方、DGDVのメンバーの大半はバイリンガル以上であり、海外での勤務や留学の経験があるためか、視野が広くオープンマインドなメンバーが多いと感じています。
また、VCというとキャピタリストが各個人でプレーするイメージがありましたが、DGDVが重視する点はチームワークです。たとえば、『韓国にこんな面白い会社がある』と私が提案すると、メンバーは積極的に意見を出し、私が気付かない部分をフォローし、案件上程や投資実行に向けて必要と思われることを、全力でサポートしてくれます。入社以来、この文化には大いに助けられてきました」
──英語・日本語・韓国語が話せて、各国の文化にも通じているデニーさんにとって、DGDVで働く魅力やおもしろさをどんなところに感じていますか?
デニー「世界各地のスタートアップや有力なVCと会える機会がとても多いことに魅力を感じています。ちょうどこの取材の翌日も、Y Combinatorに採択されたスタートアップと会う予定です。
日常では、朝、アメリカの企業と会議をして、同日の昼に韓国や日本、夜には欧州の企業と会議することもよくあります。これまで複数の国で暮らし、複数の会社で働きながら業種ごとに異なる文化を経験してきました。そうしたなかで培ってきた知識やスキルを存分に発揮できているところにも楽しさを感じています」
- 韓国と日本それぞれのスタートアップ市場を俯瞰し、思うこと
──韓国のスタートアップ市場の状況について教えてください。
デニー「個人的にはかなり盛り上がっている印象です。カカオが提供するメッセンジャーアプリ“カカオトーク”が成功を収め、クーパン(EC企業)が米ナスダック上場を達成し、韓国最大のオンライン小売業者となるなど、『スタートアップも活躍できる』という機運が高まっていると感じます。
かつては大手企業への就職を希望する友人が多くいましたが、スタートアップで働く優秀な人材が増えてきたことも、こうした盛り上がりの背景にあると思います。
2022年9月現在、韓国のユニコーンの数は、アメリカのCBインサイツ調べでは15社、韓国の中小ベンチャー企業部の集計によると23社とされています。フィンテックやeコマースのほか、エンターテイメント、ファッション、トラベルテック、バイオヘルスといった領域でユニコーンが増えている印象です。
韓国スタートアップ業界の特徴として、これまではBtoC企業の成長が先行してきましたが、今後は企業向けの競合分析ツールや業務効率化を実現するSaaS企業など、BtoB市場からもユニコーンが生まれるのではないかと個人的には予想しています」
──投資を行うかどうかを意思決定する際、韓国と日本では何か違いがあるのでしょうか?
デニー「韓国の有力VCと情報交換してきた中での所感としては、重視するポイントは大枠同じだと思います。いずれもグロースのスピードが速い会社、良いチームがいる会社、予測も含めて十分な市場規模がある領域でビジネスを展開している会社に投資を行っている印象です。
投資判断とは異なりますが、日本と韓国のスタートアップの性質の差は、韓国はイカゲームやパラサイト、BTSなどに代表されるようなグローバルで注目を集める映画や音楽コンテンツという成功事例を有していることから、海外志向が強いように感じています。
──韓国の企業と比べて、日本の企業はどんな課題を抱えていると思いますか?
デニー「変化への対応が全体として韓国のほうが早い傾向があります。特に大企業に焦点を当ててみると、韓国の企業のほうが意思決定のスピードが速いように思います。これは韓国の企業が短い期間で経済的に成長しようとしてきたことが背景にあるのかもしれません。
その点では、各産業を取り巻く環境やトレンドが目まぐるしく変わる時代を迎え、それに柔軟に対応してきた韓国企業に分があるといえるでしょう。
しかし一方で、日本にはこれまで培ってきた、長い時間をかけて深いところまで技術に磨きをかけるという職人気質の文化があります。
どちらか片方だけでは企業は成長できません。両者を備えた企業が理想的だといえると思いますし、それぞれの強みを肌で感じてきている私だからこそ、日本と韓国両方の企業の成長に携わる中で、両者の良いところを吸収し、還元できるのではないかと考えています」
- ゆくゆくはアジアのスタートアップエコシステム拡大に貢献をー投資家として目指すもの
──今後、DGDVをどんな組織にしていきたいと思っていますか?
デニー「これまで積極的に仕事に取り組めたのは、DGDVにチームワークを重視する文化があるおかげです。常々メンバーとはギブ・アンド・テイクの関係でありたいと考えていますし、今後はさらにギブのほうを増やしたいと思います。ほかのキャピタリストのアイデアや意見を尊重するだけではなく、メンバーの案件に対して積極的にサポートしていきたいと思っています。
また、DGDVのポートフォリオ内にユニコーンとなった企業が4社もあることから、1号および2号ファンドで有意義な投資を行なってきたと自負しています。知名度を上げるべく努力しているとはいえ、日本国内の知名度にもまだ課題はあります。世界各国のVCとの共同投資やネットワーキングはもちろん、国内の有望なスタートアップへの投資を通じて、DGDVの存在感やブランド力をさらに高めていきたいです」
──キャピタリストとしてどんな投資に取り組んでいくことを目指されていますか?また、将来的な展望があれば教えてください。
デニー「キャピタリストとしてはリターンを出すのが大前提です。新たなユニコーン候補を見つけて応援することで、起業家もファンドも、そして個人的にもWin-Win-Winとなるような投資をしていきたいと思います。
また、将来的には、アジアのスタートアップエコシステムの拡大に貢献したいという大きな目標があります。
アジアのスタートアップ市場は、昔に比べてかなり成長しましたが、アメリカの時価総額と比べると大きく劣ります。
アメリカでは、足元こそテック企業の市況が悪化してはいるものの、時代に合わせてハードウェアの業態からソフトウェア企業への転換を図り、成長してきた企業が多いように思います。他方で、韓国や日本では従来通りの製造業が多く、こういった点では今後の変化に伴って、変わっていかなければいけない部分だと思います。
足元では、日本と韓国でも優秀な人材がスタートアップに集まりつつあり、成功事例も枚挙にいとまがないです。こうした追い風を上手く味方にして、成長を目指しているスタートアップを早い段階からサポートし、個々のスタートアップだけでなく、新たな産業全体として盛り上げていくお手伝いをしたいと考えています」
■DG Daiwa Venturesについて
社名:株式会社DG Daiwa Ventures
住所:東京都千代田区丸の内一丁目9番1号
設立:2016年7月1日
代表:代表取締役 大熊将人、阿部東洋
概要:次世代技術を有するスタートアップ企業への投資及び事業育成支援を目的として、累計約200億円を運用するベンチャーキャピタルです。GPのデジタルガレージが持つ投資ネットワーク・インキュベーション能力と、大和証券グループが持つファンド運営ノウハウを掛け合わせることで、投資先の事業成長を加速いたします。
URL:https://dg-daiwa-v.com/
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