タカショーデジテック、民間主導の宇宙産業推進会社WALLに出資

超小型人工衛星で防災・減災、企業のBCP強化など地域課題に貢献、照明活用も探る

株式会社タカショーデジテック

2025年12月23日 10時00分

屋外照明メーカーの株式会社タカショーデジテック（本社：和歌山県海南市、代表取締役社長：古澤良祐）は、宇宙産業の人材育成を軸に、2028年の超小型人工衛星打ち上げを目指す新会社の株式会社WALL（本社：和歌山市、代表取締役：有井安仁）に出資し、宇宙産業を推進します。

WALLは和歌山大学と共同で「宇宙産業人材の実践的育成手法の研究」を進め、実践テーマとして衛星製造に取り組み、主要な宇宙技術を一体的に学べる環境を整えます。人工衛星とIoT機器を結ぶ非地上系ネットワークによって防災・減災、企業のBCP（事業継続計画）強化など地域課題解決に活用できる人材を育成します。宇宙産業は、今後大きな成長が見込まれる分野ですが、地方においては専門知識や技術を実践的に学び、使いこなす人材や実装の場が不足しているという課題があります。タカショーデジテックは、これらの課題に向けた人材育成、産業基盤の構築を目指すWALLに賛同し、出資を通じて支援するとともに、衛星製造や衛星運用向けの地上機器製造への協力を通じ、照明の新たな活用を探ります。

WALLはタカショーデジテックなど和歌山県内に本社・支店を置く6社と、超小型人工衛星を製作・運用する株式会社アークエッジ・スペース（本社：東京都江東区）が共同出資し、資本金2900万円で設立しました。宇宙産業推進の取り組みは国や自治体主導が一般的で、同一地域の民間主導によるプラットフォーム構築は全国的にも珍しいケースとなります。

和歌山県にはわが国初の民間による衛星打ち上げロケット射場を目指すスペースポート紀伊（串本町）があり、運用するスペースワン株式会社（本社：東京都港区）が小型ロケット「カイロス」の商業宇宙輸送サービス提供を始めています。また、和歌山大学は衛星の製造・打ち上げ・運用経験を持ち、衛星データの受信・活用が可能な口径12ｍの大型パラボラアンテナを有しています。内閣府委員会の座長として宇宙人材スキル標準の策定を主導し、衛星利用も可能な広域通信網による自然災害情報やシカ罠監視などに取り組む秋山演亮イノベーションイニシアティブ基幹教授も在籍しており、和歌山県は宇宙ビジネス・教育関連の資源が集まった地域と言えます。

当社は、地域に根差した宇宙産業推進プラットフォームを構築するWALLに出資することで、和歌山での新規産業の創出、人材育成、地域課題解決などに貢献します。また、衛星の製造、運用、データ活用などを照明製造や光の演出技術に活用し、新たなイノベーションを推進してまいります。