教職員アンケート結果を公開!校内研究・研修の現状と課題(2025年ver.)

校内研究・研修を行うメリットはありつつも、勤務時間内に準備が終わらないことや実際のニーズや課題感に基づいていないことで負担感を感じる声も多く挙げられた。

児童生徒の実態を踏まえ、教職員が共同で取り組む「校内研究」。
その必要性や意義が語られる一方で、ポジティブな学びの場になっていないとの声もあります。

School Voice Projectが2022年に行ったアンケート調査では、「校内研究はよい学びの機会になっているか」という質問に「とてもそう思う」「まあそう思う」を選択した方と「あまりそう思わない」「全くそう思わない」を選択した方が、ほぼ同数という結果になりました。

2022年のアンケート結果:【教職員アンケート結果】校内研究・研修の現状と課題

3年の時を経て、校内研究・研修に対する思いはどのように変化したのでしょうか。
2024年度に実施された校内研究について、改めて教職員の方の実感や意見を聞きました。

アンケートの概要

■対象  :全国の小〜高校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員
■実施期間:2025年2月28日(金)〜2025年3月31日(月)
■実施方法:インターネット調査(実施時の設問はこちら
■回答数 :50件

アンケート結果

Q1. Q1. 学校内でテーマを決めて、年間を通して研究をする「校内研究」についてお聞きします。2024年度、あなたの勤務校では、どのような教科やテーマを研究していましたか。

Q2. 校内研究があって良かったこと、あなたにとって役に立ったことを全てお選びください。(複数選択可)

全体の44%の方が「知識・見識がアップデートされた」を選択し、前回調査と同様に最多となりました。次いで多かったのは、全体の16%から34%に増加した「授業力・指導力が向上した」という選択肢。

前回調査では2番目に多かった「悩みを共有できた」が、31%から18%に減少するといった変化も見られました。


Q3. Q3. 校内研究について、あなたが課題に感じていることを全てお選びください。(複数選択可)

約半数の方が「勤務時間内に研究・準備が終わらない」「準備負担が大きい」「学びたいテーマではないことが多い」を選択しました。

前回調査と同様に、負担感に関する課題を選ぶ方が多数いた一方で、少数ではありますが「助言や批判が苦しい・傷つく」といった意見もありました。

校種別に見ると、小学校の最多は「勤務時間内に研究・準備が終わらない」、中学校は「児童生徒の良い学びや成長に寄与しているように感じられない」、高等学校は「学びたいテーマではないことが多い」となり、校種によって課題に感じる部分が異なることもわかりました。

Q4. 校内研究は教職員にとってよい学びの機会となり、児童生徒や日々の仕事に還元されていると感じていますか。

「とてもそう思う」もしくは「まあそう思う」を選択した方が40%、「あまりそう思わない」もしくは「全くそう思わない」を選択した方が42%と、前回と同様にほぼ拮抗する結果となりました。

しかし、「全くそう思わない」のみに絞ると、選択した方は全体の4%から14%へ増加。形骸化した研究・研修の在り方や、教員自身の主体性の欠如について疑問を呈する声が多く寄せられました。

まとめ

アンケート調査からは、校内研究・研修のメリットについて、全体の44%の方が選択した「知識・見識がアップデートされた」をはじめ、「授業力・指導力が向上した」「教職員間のチームワークが高まった」といった利点を感じている方がいることがわかりました。
一方で、課題に関しては約半数の方が「勤務時間内に研究・準備が終わらない」「準備負担が大きい」「学びたいテーマではないことが多い」を選択するなど、前回調査と同様の結果となりました。

全体的な傾向も前回調査と似通っており、メリットはありつつも、それ以上に負担感を感じている方が多くいることが伺えました。「校内研究・研修はよい学びの場になっているか?」という問いに対しては、肯定的意見が40%、否定的意見が42%と、前回と同様にほぼ拮抗する結果となりました。

意見の是非にかかわらず、特に目立った意見は、テーマや内容に関するもの。実際のニーズや課題感に基づかない形骸化した研究・研修は、現場の負担感を増すばかりという率直な思いが伺えました。

このような状況にあって、校内研究・研修の在り方が徐々に見直されつつあります。

独立行政法人教職員支援機構は、『令和の日本型学校教育』を担う新たな教師の学びの姿の実現に向けて、学び合いのコミュニティの醸成や探究型研修の開発を進める戦略を明らかにしました。

参考:「NITS戦略 ~新たな学びへ~」(独立行政法人教職員支援機構,2025年4月更新,2025年4月参照)

近年では芦屋市など、研究指定校・研究発表会といった従来の枠組みを廃止し、完全に自主参加制の柔軟な研究に切り換える自治体も生まれています。

参考:「「研究指定校やめた」芦屋市、完全自主参加制の研究体制で広がった”子どもに委ねる学び”」 (東洋経済新報,2025年4月5日公開,2025年4月参照)

子どもの学びを支える教員側にこそ、より一層の主体的な参加の姿勢や、対話的・協創的なプロセスが求められているのかもしれません。

※WEBメディア「メガホン」の記事( https://megaphone.school-voice-pj.org/2025/04/post-5960/ )より、お自由記述での意見の内容がご覧いただけます。また全回答がデータもDLしていただけます。

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学校・大学
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会社概要

URL
-
業種
教育・学習支援業
本社所在地
東京都港区浜松町2丁目2番15号 浜松町ダイヤビル2F
電話番号
-
代表者名
大野睦仁
上場
未上場
資本金
-
設立
2022年08月