環境省「デコ活」ナッジ実証事業の一環として、電力シェアリングは全国の脱炭素商品販売実験を開始
脱炭素社会実現を目指す新しい国民運動「デコ活」の下、全国の脱炭素商品の選択を促す環境省ナッジ社会実証実験を8月13日より開始しました
株式会社電力シェアリング(本社:東京都品川区、代表取締役社長:酒井直樹)は、脱炭素商品の普及を図る「デコ活」ナッジ実証事業を、環境省の委託を受けて実施しています。
その一環として、今週(2024年8月13日(火))から、脱炭素商品にグリーン・ライセンスシール™(脱炭素化されていることを示す当社サービス:詳細はこちら)を貼り、脱炭素商品を通常品よりも10%程度高くして、並べて販売する手法で、全国5都県の店舗や実験ECサイト(つなぐ市場™:略称ツナイチ)で販売する実験を開始しました。(つなぐ市場™(ツナイチ)に関するプレスリリースはこちらをご覧ください)
実験の内容
今週から、その手始めとして、横手市でジェラートを販売するSHEETA(秋田県横手市)他、秋田県・神奈川県・長野県の5事業者・5店舗で、野菜・菓子・醤油・工芸品で実売実験を開始いたしました。
今月中には、下表の10の商品に実験対象を拡大します。さらに来年度までに、全国の自治体・生産・販売事業者の協力を得て、ホテル宿泊やEVカーシェアなども含め、北海道から九州・沖縄地方までの幅広い地域の幅広い商品・サービスに拡大して、この販売方法の有効性を検証して、実証終了後速やかに商用化を図ります。
秋田県横手市では、自治体の協力を得て、実験に参加いただく企業に集まっていただいています。その中の一つ、小松屋菓子店でも、グリーンシールを貼った商品の販売を開始しました。
一方、神奈川県横浜市金沢区にある永島農園の直売所でも、今週から脱炭素椎茸を通常品と並べて5%高くして販売する実験を開始しました。
また、同じく横浜市にある、知的障害者や援助を必要とする方の生活支援する社会福祉法人すみなす会にもご協力いただき、同作業所で、使わなくなった糸を活用して作った循環型さをり織りコースターにグリーンシールを付けて、同カフェで通常品と並べて販売する実験も始めました。
このうち永島農園では、同社のECサイトでも、5商品でこの「並べて売る手法」の実売実証実験を続けていただいています。
グリーンシールを貼って販売する商品は、きくらげや実験栽培キットなど様々ですが、商品別にみれば、この1年間で約5~40%のお客様が脱炭素商品を購入いただく結果となりました。
そこで、他の商品でも同じような結果が得られるのか、北海道産の小豆や、鹿児島産の黒砂糖、長野産の醤油や蕎麦、ジャム、ジュースなど様々な商品で、店舗・ECサイトでの実売や消費者意識調査を繰り返し実施して、以下のような点を検証していきたいと考えています。
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商品属性や価格帯、販売地域、販売方法によりグリーン商品選択率にどの程度差があるのか?
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どういうお客様が選択くださるのか?(どういうお客様が選択いただけないのか?)
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お客様の選択動機は?(なぜ選択して頂けるのか、頂けないのか?)
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贈答用と自分用で差があるのか?
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一人で来店される場合と、連れ立って来店(家族や友人、カップルなど)される場合では選択率に差があるか?
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一見客とリピーターでは差があるか?1回きりの購買と、サブスクのような継続購買では差があるか?
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生産者のメッセージや過去にどのくらいの方が選択したかを透明の募金箱形式で示すなど、社会性・利他性に訴求したりすると選択率に差が出るか?
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生産者とのコミュニケーションや、クラウドファンディングなどで選択率を高められるか?
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自治体が運営するふるさと納税サイトでの適用は可能か?
また、脱炭素商品の販売を促進するために、資源循環や生物多様性、健康、社会性・利他性等を組み合わせて訴求する手法も検討しています。
このようにして、通常品と比較して高額で販売する商品を開発する一方で、規格外原料を活用するなどして通常品よりもお買い得感がある「エコだけど安い」商品も開発していきます。
株式会社電力シェアリングでは、こうした全国的なEC・店舗実売社会実証実験にご協力頂ける自治体や各種団体、出品をご検討いただける一次産業事業者、商品開発・流通・販売(EC・実店舗)事業者を募集しています。詳細はこちらのプレスリリースをご覧ください。
当社ホームページのお問合せページにご連絡いただければ幸いです。(ただし、実験参加には条件があり、全てのお問合せにご返信できない場合があることをご了承ください)。
(参考)実験の背景
環境基本計画:製品ごとの温室効果ガス排出量の「見える化」
今年5月に発表された環境基本計画では、ライフスタイルにおけるCO2排出の多くを占める商品・サービスの購入におけるカーボンフットプリント(CFL)の重要性を謳っています。
「CFP」は、温室効果ガス排出量の「見える化」により、消費者が、脱炭素・低炭素の実現に貢献する製品やサービスを選択する上で必要な情報を提供する有効な手法であり、製品種ごとの CFP 表示に向けた業界共通ルールづくりを後押しするとともに、一定の統一的な基準に基づく認証の枠組みを整備する。
また、ナッジ手法も活用した効果的な CFP 表示のあり方を実証するとともに、「デコ活」による消費者の行動変容を通じて、CFP の普及と、脱炭素の実現に貢献する製品・サービスの選択を推進する。
また、CO2 削減効果など環境負荷の低減効果を見える化し、付加価値に転換することが不可欠であるが、その際、マスバランス方式を活用したグリーン製品の提供も有効な取組と考えられる。ただし、この概念は、CFP と比べ社会的認知度が低く市場での統一的なルールが存在しない等の課題もあることから、今後、普及に向けた検討を行っていく。
デコ活とは
「デコ活」とは、「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動」の愛称であり、二酸化炭素 (CO₂)を減らす(DE)脱炭素(Decarbonization)と、環境に良いエコ(Eco)を含む"デコ"と活動・生活を組み合わせた新しい言葉です。
環境省の「デコ活」紹介サイト: https://ondankataisaku.env.go.jp/decokatsu/
ナッジ実証事業
環境省では、こうした脱炭素への取り組みへの市民の自発的な参画を促すために、ナッジ(英語nudge:そっと後押しする)やブースト(英語boost:ぐっと後押しする)を始めとする行動科学の知見を活用してライフスタイルの自発的な変革を創出する新たな政策手法を検証するナッジ実証事業を進めています。
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