プレキャストPC床版の新しい継手工法「Zスパイラル工法」の施工性確認試験を実施
接合部の配筋にかかる作業時間を75%短縮
株式会社 奥村組(本社:大阪市阿倍野区、代表取締役社長:奥村 太加典)と昭和コンクリート工業株式会社(本社:岐阜県岐阜市、代表取締役社長:村瀬 大一郎)は、プレキャスト(※1)PC(プレストレストコンクリート)床版(※2)の新しい継手工法「Zスパイラル工法」について、実物大の床版試験体を用いて、施工性確認試験を実施しました。
これにより、床版取替工事で標準工法とされているループ継手工法(※3)と比較して、「Zスパイラル工法」では接合部の配筋にかかる作業時間が75%短縮できることを確認しました。
※1:工場であらかじめ作られたコンクリート部材のこと。
※2:あらかじめ圧縮応力(プレストレス)を加えたコンクリートで製作した自動車や人などの荷重を直接受ける部材のこと。
※3:ループ筋の中に6本の橋軸直角方向鉄筋を床版の側面から挿入する工法のこと。
【工法の概要】
ループ継手工法では、ループ筋内に6本の橋軸直角方向鉄筋を挿入する必要があります。
本工法は、橋軸直角方向鉄筋の代わりに、矩形状の特殊スパイラル筋「Zスパイラル筋」をループ筋の上部から挿入することで結束固定するものです(図1) 。
また、ループ継手工法では、橋軸直角方向鉄筋を挿入するために複数の作業員が必要(写真1)であるのに対して、Zスパイラル工法では、Zスパイラル筋を床版上部から、1人で簡単に挿入できます(写真2) 。
さらに、Zスパイラル筋は、らせん形状により鉄筋が一体化されているため、Zスパイラル筋を床版上部から挿入し、ループ筋とZスパイラル筋の上部のみを結束することで安定した状態で固定できるうえ(写真3) 、結束数も標準工法の約1/3に減らすことができます。
なお、本工法で接合したプレキャストPC床版は、輪荷重走行試験(※4)により100年に相当する耐久性を有することが証明され、株式会社高速道路総合技術研究所(NEXCO総研)の承認を受けています。
※4:大型車による繰り返し走行を模擬した試験で、床版のひずみや変形を計測することによる道路橋床版破壊メカニズムの解明や、新しいタイプの床版、各種補修補強工法の効果(疲労耐久性)評価を目的とする。
【施工性確認試験の概要】
施工性確認試験では、実物大の床版試験体を用いて、「Zスパイラル工法」とループ継手工法の施工時間を比較しました(写真4) 。各工法ともに作業員は4名で、延長10mの接合部3ヵ所について、鉄筋の地組から挿入、結束までの一連の配筋作業を行いました。
【施工性確認試験の結果】
本試験の結果、施工時間はループ継手工法が平均約40分間であるのに対して、Zスパイラル工法は平均約10分間で、作業時間を約75%短縮できました(図2) 。
本試験の動画は次のURLよりご覧ください。
◆会社概要
株式会社奥村組|OKUMURA CORPORATION
(https://www.okumuragumi.co.jp/)
所在地 :大阪市阿倍野区松崎町2-2-2
代表者 :代表取締役社長 奥村 太加典
事業内容:総合建設業およびこれに関連する業務
昭和コンクリート工業株式会社|SHOWA CONCRETE INDUSTRY
(https://www.showa-con.co.jp/)
所在地 :岐阜県岐阜市香蘭1-1
代表者 :代表取締役社長 村瀬 大一郎
事業内容:プレストレストコンクリート橋梁の設計製造施工およびプレキャストコンクリート製品の設計製造販売
【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社奥村組
土木本部 土木・リニューアル技術部
守屋 裕兄(もりや ひろしげ)
TEL:06-6625-3907
FAX:06-6621-9315
E-mail:hiroshige.moriya@okumuragumi.jp
昭和コンクリート工業株式会社
営業本部 開発部 開発課
国井 優嗣(くにい ゆうじ)
TEL:058-255-3337
携帯:080-4064-1350
FAX:058-252-3177
E-mail:kuniiyas@showa-con.co.jp
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