光化学スモッグ注意報は、最近なぜ聞かなくなったのか?『触媒の基礎知識』で詳しく解説《PDF無料配布中》

~『触媒の基礎知識』は第3回まで公開中~

ものづくり&まちづくりのBtoB情報サイト「Tech Note」を運営する株式会社イプロス(本社:東京都港区)は、『触媒の基礎知識』の連載を開始しています。

 

著者:北海道大学 触媒科学研究所 触媒表面研究部門 教授 朝倉 清高著者:北海道大学 触媒科学研究所 触媒表面研究部門 教授 朝倉 清高

 
  • 『触媒の基礎知識』の概要
触媒は、化学反応を加速させる働きを持つ物質です。技術開発や、日常生活の多くの場面で、触媒は重要な役割を担っています。しかし、その触媒の存在が意識されることは、ほとんどありません。

本連載では、ものづくりに携わる人が知っておくべき触媒の基礎知識を、全6回にわたり解説します。第1回は、触媒の働きと、触媒の性能を決める3要素を紹介します。「触媒とは?:触媒の基礎知識1」のページ(https://www.ipros.jp/popup/download/catalog/?objectExpression=2-1489737&sourceObjectId=1489737&sourceObjectType=2&hub=131+prt)から、無料でダウンロード提供します。
 
  • 第1回:「触媒とは?:触媒の基礎知識1」
■もくじ
1. 光化学スモッグはどこへ行った
2. 触媒とは
3. 触媒の性能を決める3要素
4. 反応制御

1. 光化学スモッグはどこへ行った
1970年7月18日、東京都杉並区のある高校で、運動部活中の高校生たちが突然バタバタと倒れ、大騒ぎとなりました。翌日、光化学スモッグが原因であるという報道がなされました。自動車の排気ガスに含まれる窒素酸化物が大気に放出され、光化学反応を受けて、オキシダントという有害物質に変化し、高校生たちを襲ったのです。

光化学スモッグ被害は、自動車先進国の米国で、すでに始まっていました。1970年は、日本の高度成長期(1954~1973年)の末期に当たります。水俣病、イタイイタイ病など多くの公害病が発生したうえに、光化学スモッグが発生しました。しかし、他の公害病と異なり、光化学スモッグの原因である自動車を販売停止にすることはできません。それどころか、自動車の台数は伸び続けることが予想されました。事実、日本における1971年の自動車保有台数は約1,890万台であったのに対し、2019年は8,180万台にまで増えています。

しかし、その後、都会における光化学スモッグ被害が増えたという話は聞こえてきません。光化学スモッグはどこへ行ってしまったのでしょうか? この謎を解くカギは、自動車触媒にあります。自動車に窒素酸化物NOx(NO,NO2)を除去する自動車触媒が積まれるようになったのです。これにより、排気ガス中の窒素NOxが激減し、同様に光化学スモッグ被害も減少しました。

自動車触媒とは何でしょうか? 自動車触媒は、一般に3元触媒と呼ばれ、排気ガスに含まれるNOxを、燃料と酸素を用いて分解する触媒です。多くは貴金属が用いられています。エンジンから出た排気ガスは直接大気に放出されず、エンジンのすぐ後に積まれた触媒コンバータを通って浄化されます(図1)。

図1:自動車触媒と排気ガス浄化図1:自動車触媒と排気ガス浄化

触媒コンバータには、ハニカム状に多数の流路が開いたセラミックスが用いられています。ガスが流路を通過する間、セラミックスの壁に塗られた触媒層により、排気ガスが清浄化します。触媒層を電子顕微鏡で拡大すると、球状の酸化物と、酸化物上には貴金属ナノ粒子が観測できます。この貴金属ナノ粒子が、触媒作用を示す活性点です。

2. 触媒とは
触媒は、自動車関連だけでも、排気ガス浄化触媒、石油精製触媒、脱硫触媒など、多くの種類が使用されています。自動車以外でも、プラスチックや合成繊維などの高分子を作る際には重合触媒が使われています。薬の合成に必要な有機化学反応も触媒が起こしています。また、私たちの体の中では、日夜、酵素が触媒として働いています(図2)。

図2:広く役立つ触媒の例図2:広く役立つ触媒の例

触媒は、英語でCatalystといいます。また、触媒作用はCatalysisといい、1835年、スウェーデンの化学者、ベルセリウス(Berzelius)が命名しました。Cata(ギリシャ語のKata、下へ)と、lysis(ギリシャ語のlyein、分解)の合成語で、他の物質に働きかけて、分解反応を加速するという意味を持ちます。

日本語の触媒(觸媒)は、日本の化学者である松原行一が、ベンゼンのメチル化反応におけるAlCl3の役割に対して命名したものといわれます。化学物質と接触することで、特定の化学反応を加速させる物質という意味の、ふさわしい命名に思われます。

続きは、下記よりダウンロードして、ご覧ください。
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  • 公開中の記事
第2回:身近なところにある触媒
身近に存在し、私たちの日々の生活を支える触媒を取り上げます。

■もくじ
1. 自動車触媒
2. プラスチック合成触媒
3. 小さくても元気なプロトン酸触媒
4. 酵素

第2回は、以下より無料でダウンロードいただけます
https://www.ipros.jp/popup/download/catalog/?objectExpression=2-1508521&sourceObjectId=1508521&sourceObjectType=2&hub=131+prt

第3回:金属錯体触媒
最も簡単な均一触媒は、前回紹介したプロトン酸触媒です。一方、緻密に設計され、複雑な構造を持ち、高活性高選択性、長寿命を実現した触媒が酵素です。今回は、その中間に位置する有機金属触媒を解説します。有機金属触媒は1分子の触媒なので、分子触媒と呼ばれることもあります。

■もくじ
1. 有機金属錯体
2. 有機金属の反応機構
3. クロスカップリング触媒
4. 不斉触媒
5. メタセシス触媒

第3回は、以下より無料でダウンロードいただけます
https://www.ipros.jp/popup/download/catalog/?objectExpression=2-1520397&sourceObjectId=1520397&sourceObjectType=2&hub=131+prt
 
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※2019年11月5日(火)にサイト名の変更、サイトリニューアルをしています。
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