第4回「鈴木三郎助全広連地域広告大賞」に佐賀県「ゴジラ対(つい)サガ」(動画・ポスター・SNS・イベント・SPツール・OOH)
「フィルム・オーディオ部門」「プリント部門」「チャレンジ部門」「キャンペーン部門」の4部門から各2作品・計8作品の部門賞を選出し、さらに最優秀賞を決定した。
第4回「鈴木三郎助全広連地域広告大賞」選考委員会が4月15日に開かれ、25広告協会および一般による113作品の応募の中から、最優秀賞およびキャンペーン部門賞に、佐賀県による「ゴジラ対(つい)サガ」を選出した。
本賞は、地域の産業・経済・文化スポーツに関する広告活動を通じて、日本各地の地域活性化に貢献した優れた広告コミュニケーション活動を顕彰することにより、地域活性化を促進することを目的としている。「プリント部門」「フィルム・オーディオ部門」「チャレンジ部門」「キャンペーン部門」の4部門で構成されており、各部門から2作品、計8作品の部門賞を選出し、さらに最優秀賞を決定した。
贈賞は5月15日、第73回全日本広告連盟福井大会の式典席上で行われる。
[受賞作一覧]※同じ部門賞の2作品における順位はありません
◆第4回「鈴木三郎助全広連地域広告大賞」最優秀賞
および キャンペーン部門賞
受賞者:佐賀県
受賞作:ゴジラ対(つい)サガ (動画・ポスター・SNS・イベント・SPツール・OOH)
推薦協会:福岡広告協会
■プリント部門賞
受賞者:株式会社 秋田魁新報社
受賞作:あきた弁博特集 (新聞・WEBサイト・音声)
推薦協会:秋田広告協会
■プリント部門賞
受賞者:広島空港振興協議会
受賞作:冬の牡蠣休暇いただきます。 (ポスター)
推薦協会:広島広告協会
■フィルム・オーディオ部門賞
受賞者:株式会社長倉製作所
受賞作:「ロゴマーク」篇・「ホームページ」篇・「メタルフォーミング」篇 (CM)
推薦協会:静岡県広告協会
■フィルム・オーディオ部門賞
受賞者:株式会社五ヶ瀬ハイランド
受賞作:五ヶ瀬ハイランドスキー場2025シーズンCM「帰ってきた南ちゃん」 (WEB動画)
推薦協会:福岡広告協会
■チャレンジ部門賞
受賞者:ない株式会社・株式会社CHAHANG
受賞作:裏がある京都人のいけずステッカー (ステッカー)
推薦協会:京都広告協会
■チャレンジ部門賞
受賞者:金城学院大学
受賞作:説明が長い料理店 (ポスター・イベント)
推薦協会:愛知広告協会
■キャンペーン部門賞
受賞者:株式会社 秋田魁新報社
受賞作:創刊150年「読者に向けた感謝の花」「秋田魁新報と、みんなが周年。」特集
(新聞・動画)
推薦協会:秋田広告協会
[作品概要・贈賞理由]
◆最優秀賞 および キャンペーン部門賞
ゴジラ対(つい)サガ (動画・ポスター・SNS・イベント・SPツール・OOH)

佐賀県は歴史、グルメ、エンタメなど多様な魅力があるにも関わらず、その魅力が国内においても十分に伝わっておらず、佐賀県ならではのプロモーション方法を模索していた。
そのような中、県のかたちが日本が世界に誇るスーパースター大怪獣「ゴジラ」とほぼ同じであることを発見。ゴジラ生誕70周年の記念イヤーということもあり、ゴジラを世界初の「かたち観光大使」に任命した。大使に任命する動画・ビジュアルを公開するとともに、ゴジラと県知事でPR発表会を実施。また、ケルヒャージャパン株式会社協力のもと、佐賀県内の岩屋川内ダムの壁面をキャンバスに、高圧洗浄機を用いてゴジラの巨大アートを制作。そのほか、県庁展望ホールでのインスタレーションやスタンプラリー、グリーティングイベントなど様々なプロモーションを展開した。これらの取組みは、メディア露出広告費換算 約11.5億円、Xリーチ49,206,296、岩屋川内ダム来場者数は約2カ月で21,696人(前年比400倍)を記録するなど、大きな成果を生み、県の魅力を発信することに貢献した。
「かたち」という共通点に絞る大胆かつユニークな企画に振り切り、勢いとスピード感のあるコミュニケーション設計で、話題を喚起し、目標である観光客誘致という成果を大きく上げた点が高く評価された。
■プリント部門賞
あきた弁博特集 (新聞・WEBサイト・音声)

地域での標準語使用が当たり前となり、方言を用いたコミュニケーションの機会も減少の一途を辿る中、ふるさとの言葉「あきた弁」を改めて先人から伝えられた大切な文化財として記録し地元を見詰め直す機会とすべく本特集を発行。
「ことば(方言)の博覧会」というコンセプトのもと、記事と記事下の広告コピーをほぼ「あきた弁」で掲載。記事では、方言の独特な響き・異言語感を逆手にとった非日常感のあるビジュアルを生成Alを活用して表現した。「あきた弁ネーティブスピーカー」である地元タレントによる音声ガイドも作成し、より立体的な理解が深まるように工夫した。県内の小学校や教育委員会からはNIE利用の希望が寄せられて紙面を活用した授業も実施され、次世代を担う子供達に「あきた弁」について関心を持つきっかけを提供した。広告主からも好評を得て、続編企画も実施された。
“言葉”を商品として扱っている“地域に根差した新聞社”だからこその「秋田弁博」という表現に読み手の納得があり、記事面・広告面ともにやりきっている点が高く評価された。
■プリント部門賞
冬の牡蠣休暇いただきます。 (ポスター)

「首都圏から広島への訪問は新幹線派が65%」という状況を打破するために、冬の利用促進キャンペーンを企画。冬の広島の味覚である牡蠣をテーマに、キャンペーンコピー「冬の牡蠣休暇いただきます。」を開発。温かみのあるノスタルジックなイラストとともに、50-60代のメインターゲット層に訴求した。2023年にローンチした広島国際空港として初の企業ブランディング・コミュニケーション「空からいけば広い島」を財産として活用しながら、継続的なブランディングを目指している。キャンペーン実施後は、飛行機を利用した広島旅行意向度が14%から39.9%(47都道府県中、4位)まで上昇した。
記憶に残るコピーとやわらかなイラストのバランスの良さがゆとりある飛行機旅を感じさせ、今の時代の気分にマッチしたクリエイティブ表現になっている点が高く評価された。
■フィルム・オーディオ部門賞
「ロゴマーク」篇・「ホームページ」篇・「メタルフォーミング」篇 (CM)

主に自動車部品の金属加工を行う同社は、高い技術力やグローバル展開などの強みを持ちながらもBtoB企業のため、一般生活者からはニッチな印象で興味関心を得られず、慢性的な採用活動難が課題であった。
そこで、ニッチな印象を逆手に取り、あえて聞き直って意味不明なまま会社紹介をするCMを制作。よくわからないカタカナだらけの通称や、マニアックなロゴの由来やスローガンなどのBtoB企業「あるある」を表現することで、視聴者・求職者に対し「逆に調べたくなる」心理をつくると共に、ユーモアを感じさせ「雰囲気のよい社風」と期待してもらえることを狙った。CMと同時に開始したSNSの運用もあり、WEBサイト接触者が爆発的に増加。年間で数百件に満たなかったリーチ数が、2024年は約18億リーチを記録した。社内で広報活動への積極性も向上し、採用活動においては前年の2倍近くの応募者があり、質の高い人材の採用に成功する大きな成果を得た。
BtoB企業の採用難という課題に対して、社名やありがちなスローガンを逆手に取り、映像の力を活用しておもしろく伝えた点や、雰囲気のよい社風に感じさせる工夫が評価された。
■フィルム・オーディオ部門賞
五ヶ瀬ハイランドスキー場2025シーズンCM「帰ってきた南ちゃん」 (WEB動画)

2022年の台風被害により2シーズンの営業休止を余儀なくされた同スキー場。休業により財政面や人材確保面、さらにスキーヤーからの認知度も低下するなどの課題があり、再開を広くPRする集客告知策が求められていた。
再開を強いインパクトをもって伝えるために、2014~2019シーズンまでCMで活躍していたキャラクターの「南ちゃん」が復活。過去CMの映像や五ヶ瀬町の地元の方を起用したビジュアルを用いたSNS告知でオープンまでを盛り上げ、オープン直後にWEB CMを公開することでさらなる盛り上げを図った。広告開始からSNS閲覧数が130万回を超え、YouTubeにアップされたWEB CMにも「攻めてるCMで楽しい!」「南ちゃんと滑りたい!」「全国のスキー場のCMの中で一番パワーを感じます!」等、温かいコメントが多数寄せられ、SNSを多く利用する層の新規顧客の獲得につながる施策となった。
これまで視聴者・来場者と積み上げてきた関係性という財産を大いに生かしながら、クリエイティビティあふれるおもしろい表現で再開を伝える企画の強さが高く評価された。
■チャレンジ部門賞
裏がある京都人のいけずステッカー (ステッカー)

京都の「いけず文化」は意地悪と誤解されがちだが、本来は⾔いづらいことを遠回しに伝えるために京都人が培ってきた処世術であり、「京都」のイメージとして広く知られているアイコンにも関わらず観光資源化されていなかった。
そこで、いけず文化を有効活用して新たな土産品にするべく、他人に⾔いづらいことを代弁してくれる両面ステッカーを開発。表には京女将の美しい写真とともに建前が書かれているが、裏をめくると恐ろしい表情で本音を曝け出す女将が描かれ、文字通り京都人の“裏表”をコミカルに表現。モデルから印刷、カメラマンに至るまで徹底的な京都産にこだわり、表の「建前」は京都人11名を集めた「いけず座談会」にて協議した内容を採用するなど、“いけずの産地直送”を実現した。SNSでは240万表示を超える反応があり、テレビ番組11件を含む多数のメディアで取り上げられた。市内の店舗販売限定ながらすでに3000枚超を販売し、京都市のふるさと納税返礼品にも採用。いけず文化の観光資源化を実現した。
つい距離をとってしまう「京都」の敷居の高さに、ここまで正面から取り組んだ広告事例は過去に無かったのではないかという驚きと、ステッカーという誰もが使えるツールで、「地域に根付く面白み」を「資源」に変換した。そのユーモアと、徹底したチャレンジ精神に、審査員の票が集まった。
■チャレンジ部門賞
説明が長い料理店 (ポスター・イベント)

「フードロス」問題を考えるきっかけを提供するにはどうすればよいかを学生たちが考え、たどり着いた答えは生産者がどのような思いで野菜を作り、牛を育て、魚を獲っているのか、おいしい料理を食べながら学ぶ機会を提供することであった。豊橋の野菜農家・知多半島の畜産農家・師崎港の漁師の元へ取材に行き耳を傾け、収穫を体験してコピーを書き上げた。ラディッシュ1,886字、キャベツ1,361字、トマト1,542字、しらす1,480字、肉1,445字。この長い説明を読み、長い話を聞かなければ取材先の食材を使って一流シェフたちが腕をふるった料理が食べられない1日限りの料理店を開き、「知ることで、食との向き合いが変わる」2時間の体験を提供した。50名の参加者が料理を堪能しながら、すべてのテキストを読み、写真を撮り、情報を拡散。翌朝の中日新聞に大きな記事として取り上げられ、参加した生産者・料理人からも第2弾の開催を熱望される取り組みとなった。
食材の取材、ポスターの制作、レストランでの喫食体験まで、全てが真っ直ぐに課題を捉えており、「説明の長さ=ポスターの縦の長さ」が、前例のないほどの、驚きのチャレンジになっていた。本テーマに取り組んだ学生諸氏のピュアな熱量に心を打たれるものがあったと評価された。
■キャンペーン部門賞
創刊150年「読者に向けた感謝の花」 「秋田魁新報と、みんなが周年。」特集

2024年に創刊150年を迎えた同社が、「読者に向けた感謝の花」を皮切りに、県民それぞれが迎える大切な周年を紹介する突き出し広告や、秋田を象徴する「モノやコ卜」の周年にスポットをあてた特集号を発行。「読者に向けた感謝の花」では、花のイラストを1面題字左のトップ位置に配置し、配達した際に一輪の花がポストに届けられたように見える仕掛けとした。投函方法も含め100を超える販売店の協力のもとに実行した。
「秋田魁新報と、みんなが周年。」特集においては、突き出し広告の対象を個人または家族とし、申込のあった全78回分について、全て1面に掲載した。郷土愛あふれる内容も多く、地元秋田に対する読者の思いが広告となった。24ページの別刷り特集では、「秋田を祝おう」のテーマのもと、秋田を象徴する「モノやコ卜」を県ゆかりの写真家の作品で表した。読者からは、「これまで以上に秋田が好きになった」「背中を押された気がした」などの反響が多く寄せられた。
一凛の花が投函されるビジュアルのやさしさと、「秋田魁新報と、みんなが周年。」というキーワードの広告は、同社がこれまで地域と読者に寄り添ってきた歴史と姿勢を見事に表していた。好感とともに地域の未来に希望を創り出した点が高く評価された。
【鈴木三郎助全広連地域広告大賞とは】

全広連第三代理事長 鈴木三郎助氏の寄付金を基に平成19年度より制定された「全広連鈴木三郎助地域キャンペーン大賞」「全広連鈴木三郎助地域クリエイティブ大賞」は、令和4年度より名称を「鈴木三郎助全広連地域広告大賞」と変更し、内容をリニューアルしました。
地域の産業・経済・文化スポーツに関する広告活動を通じて、日本各地の地域活性化に貢献した優れた広告コミュニケーション活動を顕彰することにより、地域活性化を促進することを目的とし、「フィルム・オーディオ部門」「プリント部門」「チャレンジ部門」「キャンペーン部門」の4部門で構成されます。
※当リリースに関するお問い合わせは全日本広告連盟・本賞事務局まで。
※受賞作品画像等は協会HPよりダウンロードしていただけます。
※ファイナリスト作品の一覧も掲載しています。
公益社団法人 全日本広告連盟
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