中川政七商店の花ふきんが、「2022年度ロングライフデザイン賞」を受賞
株式会社中川政七商店(所在地:奈良県奈良市 代表取締役社長 十四代 千石 あや)は、当社商品の「花ふきん」が公益財団法人日本デザイン振興会主催の「2022年度グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」を受賞したことをお知らせします。
「花ふきん」は、かつて地元・奈良の一大産業であった「蚊帳(かや)」を活かしたふきん。時代とともに需要が減ってきていた蚊帳の吸水性・速乾性に着目し、美しく機能的なふきんとして1995年に発売しました。2008年度にはグッドデザイン賞金賞を受賞し、以来累計400万枚以上を販売、またサイズ違いなど含め同生地を活かしたふきんの全シリーズは、年間売上100万枚以上に上ります。愛用者の方々からは「使い込む程に馴染んでくれるのがお気に入り」「毎日の生活に欠かせない存在」「嫁いだ娘に定期的に贈っている」「4歳の娘も『今日はどれにしようか』と選ぶ」など、多くのリピート購入と愛用の声をいただています。
創業306年目となる中川政七商店。初の受賞となるロングライフデザイン賞は、蚊帳を現代の暮らしにアップデートした商品性や、食器拭きから雑巾まで長く使えるものづくり、台所を彩るカラーバリエーションを高く評価いただきました。当社はこれからも「日本の工芸を元気にする!」というビジョンに向かい、日本各地のものづくりとともに歩んでまいります。
花ふきん商品情報 発売:1995年7月~ 価格:770円~(税込) 取扱店舗:中川政七商店オンラインショップ、直営店 受賞サイト:https://g-mark.org/award/describe/54584 花ふきん特集サイト:https://nakagawa-masashichi.jp/shop/e/ev0001/ |
奈良県の特産品、伝統産業のひとつとされてきた蚊帳生地を使った花ふきん。私も長年の愛用者である。一番の特徴はその高い吸水性と速乾性であろう。性能の良さはもちろんであるが、本来であれば時代と共に需要が減り、廃れていく道を辿るはずだった「蚊帳」を、その特徴を活かし、見事に現代の生活にフィットする形「花ふきん」として提案している取り組みにも注目したい。古くから伝わる技法を取り入れ、産地の特産品を守ることに成功した一つの良い例であろうと思う。また、これからの時代、さらに重要になってくるであろう「ものを作りすぎない、大切に使う」といった姿勢にもこれらは良い提案をしてくれている。丈夫なので長く使える、またくたくたになったら台拭きや雑巾に使用してください、と自ら謳っている。その姿勢はこれからのものづくりに欠かせないように思う。
花ふきんの特徴
- 目の粗い蚊帳を大判薄手にすることで実現した、吸水性・速乾性
蚊などの害虫から身を守るため、寝床を覆う網として使われていた「蚊帳」。西暦約300年に中国から伝来して以来、特に奈良との関わりは深く、貴族や武士の贈答品として愛用され、昭和35年~40年の最盛期には、全国の蚊帳生地の約8割が奈良で生産されていました。
一方、網戸やクーラーの普及といった生活様式の変化にともない、次第に蚊帳の需要は減り続けていました。もともと虫を避けて風を通すための目の粗い織りは、吸水性や速乾性に優れています。「せっかくの地元の特産品をなくしたくない。何かに生かせないだろうか」。こうして蚊帳の生地を「ふきん」に再生するものづくりがはじまりました。
- 拭く、かぶせる、包む、最後は雑巾へと、さまざまな用途で長く使える
花ふきん最大の特徴は、吸水・速乾性。58cm×58cmという一般的なふきんの4倍ほどの大きさながら、目の粗いかや織の生地を2枚仕立てしています。
また発売当初から変わらぬ製法で奈良で織り上げ、一枚ずつミシン掛けで縫製。日本のものづくりで生まれた丈夫なふきんは、食器・台拭きはもちろん、出汁とり、鍋つかみ、弁当包み、そして最後は雑巾へと。くたくたになるまで長くお使いいただけます。
- 家仕事を心地好くしてくれる、カラーバリエーション
台所や食卓に置いた時に彩りを添えるようなものにしたい。そんな想いから、「さくら」や「紫陽花」など季節の花の色に見立てて染めています。
発売開始から27年に渡り、商品のサイズ・厚さ・生地・色の豊富さは変わることなく、贈りものや自家用品として長く愛され続けています。
商品ラインアップ
かや織を活かしたシリーズは、花ふきんの他、生地を3枚重ねたループつきの「かや織掛けふきん」、生地を5枚重ね丈夫でさまざまな色柄が人気の「かや織ふきん」など、約100種をラインアップしています。またふきん以外にも、やわらかさと吸湿性を活かした「おくるみ」、夏場にさらりと羽織れるブラウス、PVC加工を施すことで織り目の美しさに機能を加えたバッグなどに発展。奈良の工芸の一つを残していく取り組みとして、広がっています。
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