「あめ食べる？」から始まる“やさしい見守り”社会医療法人清風會が考案「きっかけドロップス」で地域に心の支えを育む

地域に根差し70年。「住み慣れたまち。ここで、一緒に、自分らしく。」を叶える身心医療課の挑戦

社会医療法人清風會

2025年6月12日 10時00分

「住み慣れたまち。ここで、一緒に、自分らしく。」を理念に掲げる社会医療法人清風會（所在地：岡山県津山市日本原）は、近年深刻化する孤独や心の不調、そしてそれらが招きかねない最悪の事態（例：自殺）への対策として、地域全体で互いの命を見守る重要性を強く認識しています。当法人の身心医療課は、地域住民が心のSOSに気づき、支え合えるよう、「命の門番」とも言われる「ゲートキーパー」の養成講座を、勝央町をはじめ奈義町、鏡野町において積極的に展開しています。

「大丈夫？」って声をかけるのはちょっと難しいけど、「あめ食べる？」なら言いやすいかも、という発想から生まれたオリジナルプロダクト「きっかけドロップス」を用いたユニークな実践ワークを取り入れ、「自分を律し、自分らしく生きる」ことを支援する当法人ならではの取り組みです。誰もが安心して暮らせる地域共生社会の実現を目指します。

■「きっかけドロップス」で広がる心の見守りネットワーク：津山広域圏での具体的な活動

当法人の身心医療課は、長年の地域貢献で培った信頼関係を活かし、地域住民の心の健康増進に尽力しています。その象徴的な活動が、勝央町をはじめ、奈義町、鏡野町といった津山広域圏で実施しているゲートキーパー養成講座です。

■心理的ハードルを下げる「きっかけドロップス」

この講座の中心となるのが、当法人オリジナルプロダクトの「きっかけドロップス」です。このプロダクトには「２つのドロップがこころを支える大切なきっかけになりますように」という願いが込められています。

勝央町で行った研修では「地域で見守るメンタルヘルス－やさしい心配りとサポート－」というテーマのもと、参加者は「きっかけドロップス」を使った体験型ワークを通して、ゲートキーパーの役割である「気づく・声をかける・聞く・繋げる・見守る」を実践的に学びました。具体的には、「きっかけドロップス」を持っている人が、持っていない人を探し、「アメ食べる？」と声をかけることで自然な会話のきっかけを作るというものです。これにより、普段の生活の中で「大丈夫？」と直接尋ねる心理的なハードルが高いと感じる方でも、気軽に人との交流を始める第一歩を踏み出すことができます。

【身心医療課担当者コメント】

『きっかけドロップス』は、誰かに声をかけることへの心理的なハードルを下げ、自然な会話の輪を広げるために考案しました。自分自身もアメを口にすることで、心の準備ができ、相手への配慮が自然と生まれます。最初は戸惑いがあった方も、この小さなアメ一つで笑顔になり、互いに心を開いていく様子を見て、改めて人と人との繋がりの大切さを実感しました。この活動が、地域に『やさしい心配り』の輪を広げるきっかけになればと願っています。

■津山広域圏に広がる「心の見守り」の輪と参加者の声

直近では、2025年4月某日には勝央町にて本講座を実施し、地域住民、民生委員など約100名が参加しました。参加者からは、以下のような声が寄せられています。

アイテムを使うと気軽に声をかけやすくなることが分かって、とてもよかったです。
まさに子供の変化に不安を感じていたところでした。参考になることがたくさんありました。
今後はアメをカバンに入れてでかけようかなと思いました。

勝央町での講演の様子。100名を超える参加者が真剣に講演を聞いてくださいました。

■身体と心の「自律」を全人的に支える社会医療法人清風會

当法人は、病院、クリニック、訪問診療、訪問看護、老人保健施設が密に連携し、地域における医療・介護の包括的なサービスを提供しています。ゲートキーパー養成講座で発見された「心のSOS」に対しては、身心医療課の医師、公認心理師、保健師といった専門職が、それぞれの専門性を活かし、適切な専門機関への紹介や継続的なサポートを提供できる体制を整えています。

70年の歴史の中で培ってきた地域との信頼関係のもと、今後も「住み慣れたまち。ここで、一緒に、自分らしく。」という理念を胸に、「きっかけドロップス」を活用したゲートキーパー養成活動を継続・拡大し、津山広域圏が住民一人ひとりの「自律」が尊重され、温かい心の見守りネットワークが広がる、より豊かで安心できる地域となるよう貢献してまいります。