約1100人が来場! 第4回がん撲滅サミットが大盛況のうちに終了

 2018年11月18日(日)午後1時より東京ビッグサイト7階 国際会議場で開催された第4回がん撲滅サミット(https://cancer-zero.com)は来賓、登壇者を含めて約1,100人の参加者を迎えて、このたび大盛況のうちに終了した。

 当日は西日本豪雨災害の被災地の一つ岡山県倉敷市真備町より医療法人和陽会まび記念病院 理事長 村上和春氏を迎えて午後12時50分より被災地支援チャリティ贈呈式が行われた。村上和春氏の当時の状況についての説明と今後に向けての決意が語られた後、大会長 佐治重豊氏(アジア臨床腫瘍学会名誉会長、公益財団法人がん集学的治療研究財団前理事長、岐阜大学名誉教授、社会医療法人厚生会木沢記念病院顧問)より義捐金目録の贈呈式が行われ、午後1時より開会式、講演と続いた。

 


 開会式では佐治大会長による開会宣言のあと、安倍晋三内閣総理大臣のメッセージが大会長より代読され、根本匠厚生労働大臣メッセージが厚生労働省医務技監 鈴木康裕氏より読み上げられた。さらに経団連常務理事 藤原清明氏、山形大学医学部参与・国立がん研究センター名誉総長 嘉山孝正氏のメッセージが続き、主催者を代表して副会長の國土典宏氏(国立国際医療研究センター理事長)、特別顧問 二川一男氏(内閣官房政策参与、元厚生労働事務次官)、すい臓がんサバイバーとして高村僚氏のメッセージ、そしてサンフランシスコより内閣府参与・アライアンス・フォーラム財団代表理事 原丈人(はら じょうじ)氏のビデオメッセージが流れ、がん撲滅サミットと米国との「がんと難病」撲滅に向けての連携などが語られた。


 その後、元厚生労働大臣 坂口力氏、一般社団法人日本生活習慣病予防協会名誉会長 池田義雄氏、公益財団法人日本対がん協会会長 垣添忠生氏、国立がん研究センター理事長 中釜斉氏、医療法人まび記念病院理事長 村上和春氏、株式会社エフ・アール・シー・ジャパン代表取締役社長 清水美溥氏、公益財団法人がん研究会有明病院名誉院長 山口俊晴氏、そして関係者席から公益財団法人がん集学的治療研究財団会長 北島政樹氏が紹介された。
 とりわけ前大会長の武藤徹一郎氏に対して、今大会長の佐治重豊氏から感謝の花束が贈呈されるなど錚々たるメンバーと細やかな配慮が行き届いた開会式となった。

 その後、佐治重豊大会長の「がん撲滅に向けた新しい時代の幕開け」と題した大会長講演となり、新しい時代の標準治療の開発が求められると同時に今ある武器を組み合わせていくことでがんが縮小したり、消失したりすることが起きるので、医療者は幅広い分野の勉強を行い、ともかく患者の皆さんを治すことが大事だと力説。あと5年待てば新しい画期的な治療が生まれるので、ぜひ、それまで生き延びていただきたいと希望の持てる話で締めくくった。

 


 その後、内閣総理大臣補佐官 和泉洋人氏より「がん撲滅に向けた日本政府の挑戦」が語られ、政府を挙げてがん撲滅に向けて取り組んでいくことが明確に語られたことで来場者よりひときわ大きな拍手が送られた。


 そして厚生労働省医務技監の鈴木康裕氏から「がん対策加速化への道2018」というタイトルの講演が行われ、今後はゲノム医療をはじめ様々な画期的な治療に取り組み、チームすい臓がん、小児がんなど希少がんと関係する医師のネットワークを作ると同時に希少がんを撲滅するための司令塔作りが必要との見解が示された。これは昨年、代表顧問・提唱者の中見利男氏が発表し、提案活動を続けてきた『先端高度がん医療センター』の設置を意識したものだと考えられる。


 またその後、「がん撲滅に向けた早期診断及びゲノム解読・編集技術の現状と課題」が国立がん研究センター理事長 中釜斉氏から発表され、今後の遺伝子解析によるがん医療の重要性とプライバシーの保護の重要性などが語られた。さらに休憩をはさんで後半は公益財団法人がん研究会有明病院名誉院長 山口俊晴氏より「がん予防と先端治療最前線」が語られ、昨年に続いて患者目線のひじょうにわかりやすい講演が行われた。

 

 さらに大阪大学大学院医学系研究科特任教授 杉山治夫氏から「NCI(米国国立がん研究所)が最高評価する日本のWT1最前線」が行われ、WT1ペプチドがんワクチンががん細胞を食い尽くしたのち、消えていく衝撃的な動画が公開され、来場者の度肝を抜いた。


 杉山氏の今後は、がん予防ワクチンの開発に乗り出すという話に来場者も高揚感に包まれたところに世界のナカムラと賞賛される公益財団法人がん研究会プレシジョン医療研究センター長、内閣府戦略的イノベーション創造プログラム・AIホスピタルディレクターの中村祐輔氏の講演「日本よ目を覚ませ! 世界が競うAIホスピタルとプレシジョンメディシンの最前線」が始まり、会場のボルテージは一気に跳ね上がった。

 中村氏はゲノム医療の未来やネオアンチゲンによる免疫療法の重要性、AIホスピタルの開発研究に後れを取りつつある日本の現状に対して問題提起を行いつつ、患者に希望の光を見せる治療の開発と、それに対して数少ない命綱さえ奪おうとする過激なエビデンス中心主義に向けて警鐘を鳴らすと来場者の大きな拍手に包まれた。
 引き続き、東北大学大学院医学系研究科細胞組織学分野教授の出澤真理氏の「Muse細胞の発見と医療ルネッサンスへの挑戦!」が語られ、ベールを脱いだMuse細胞に来場者は驚きつつ、発見に至る過程の中である日、先輩から宴席に呼ばれたことがきっかけで、それまでの研究成果が台無しになってしまった。しかし、出澤氏はそれをバネにしてMuse細胞の発見につなげたという話を『酒は科学に貢献する』というスライドと共に紹介。来場者の爆笑を誘いつつ、失敗も成功も自然現象なのだからすべてを受け入れなければならないと語り、来場者に力強く生きるヒントを与えた。

 

 


 がん医療とMuse細胞という一見無関係に見える講演だったが、大会終了後に行なった代表顧問・提唱者の中見利男氏への取材では、Muse細胞がダメージを受けた細胞に駆けつけていく現象を観察する際、出澤氏が細胞にダメージを与えるために抗がん剤を使っていることを知った中見氏が「これは抗がん剤でダメージを受けた血管や細胞、臓器の修復に使えるのではないか」と考えたところから、出澤氏の世界初のがん医療分野での登壇につながったということである。今後、がん医療への応用が検討されていくに違いない。

 

 さて、その後、約10分間の休憩の後、いよいよ公開セカンドオピニオンが開始された。オープニングでは前述の中見氏から先端高度がん医療センター構想の次のステップとしてIOT医療ネットワークによってAIを導入した先端高度がん医療センターが司令塔となり、全国のがん拠点病院を結ぶこと。さらにはスマホで患者、家族をネットワーク化することで24時間自宅や旅先、街や世界を病院に変えて画像診断やセカンドオピニオン、深夜の患者支援が行われるようにしようという構想が語られた。さらに1次予防として副作用のない戦略的がん予防ワクチン開発のための国家プロジェクトを実行しようという呼びかけが行なわれ、来場者の大きな拍手に包まれた。これを中見氏は、がん医療における『Regime Change!』と呼び、今後広く呼びかけていくつもりだと締めくくった。


 その後、いよいよ公開セカンドオピニオンが開始され、この日は日本初となる総勢16人の世界有数の医師、研究者と来場者を結ぶTHE 公開セカンドオピニオンが実施され、来場者は次々と挙手。これを見事な司会によって中見氏がさばきつつ医師の皆さんから的確な回答を引き出していった。とりわけ11歳の息子さんを半年前に骨肉腫で亡くされた一人の男性が、ぜひともファーストチョイスに遺伝子検査を行ったうえで、数少ない治療を開始するよう政府、医療機関に考えていただきたいという悲痛な訴えに会場は水を打ったように静まり返り、中には涙する来場者もいたほどであった。この男性に対して中見氏から「ご提案はサミットと私の方で引き取らせていただきます」という言葉が投げかけられたが、大会終了後、中見氏に取材するとこのような答えが返ってきた。

 

 


「すい臓がん、小児がんなどの希少性、難治性がんは官民一体となって撲滅しなければなりません。男性の願いは必ず厚労省の皆さんにお伝えするつもりです」とのことであった。一日も早い実現が求められるだろう。そして主にすい臓がんの患者の皆さんからの質問が集中した公開セカンドオピニオンも終了し、大会長 佐治重豊氏の力強い「東京宣言2018」が読み上げられ、東京ビッグサイトは感動的なフィナーレに包まれた。山口から来た来場者の女性は「感動しました。希望の光が見えたんです。来年ももちろん参加します!」と明るい笑顔を見せながら会場を後にして行った。昨年、今年と約1000人以上の来場者を迎えて開催されたがん撲滅サミットはまさに国と民間がオールジャパンで取り組む、この国のがん医療をリードしていく画期的かつ代表的な大会となったのではないだろうか。
 なお、公開セカンドオピニオンの登壇者の皆さんは以下の通り。
・大津敦氏(SCRUM-JAPAN〔スクラムジャパン〕プロジェクト統括)
 国立研究開発法人 国立がん研究センター東病院 院長
・大野真司氏(乳がん)公益財団法人がん研究会有明病院副院長、乳腺センター長
・上野雅資氏(大腸がん)公益財団法人がん研究会有明病院 大腸外科部長
・米瀬淳二氏(膀胱がん、腎臓がん、前立腺がん)公益財団法人がん研究会有明病院院長補佐、泌尿器科部長
・古瀬純司氏(腫瘍内科・抗がん剤)杏林大学医学部内科学腫瘍内科教授、杏林大学病院がんセンター長
・副島研造氏(呼吸器)
 慶應義塾大学病院臨床研究推進センター副センター長、トランスレーショナルリサーチ部門長 教授
・太田惠一朗氏(食道・胃外科)日本医科大学消化器外科教授
・鎌田正氏(重粒子線)
量子科学技術研究開発機構 放射線医学総合研究所臨床研究クラスタ長、放射線医学総合研究所病院 病院長
・突発的事情により来場できなかった佐野圭二氏の代わりに国立国際医療研究センター理事長の國土典宏氏がピンチヒッターとして登壇された。
・清松知充氏(腹膜播種ほか)国立研究開発法人国立国際医療研究センター下部消化管外科 診療科長
・岡田直美氏(重粒子線及び集学的治療)量子科学技術研究開発機構 放射線医学総合研究所病院客員研究員
・古賀良彦氏(心と香りのブレインヘルス)杏林大学名誉教授
・大澤岳史氏(緩和ケア・在宅医療)帝京大学医学部緩和医療学講座緩和医療専門医・講師
スペシャルゲスト
・中村祐輔氏
・杉山治夫氏
・出澤真理氏
[司会] 中見利男氏(第4回がん撲滅サミット代表顧問、提唱者)作家・ジャーナリスト
 来年のサミットも、ぜひ期待したい。

 
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