SOMPOひまわり生命 健康応援リサーチ「日本のFemtech(フェムテック)市場の可能性に関する調査」第2回
SOMPOひまわり生命保険株式会社(社長:大場 康弘、以下「当社」)は、2020年3月に引き続き、全国の女性1,000名に対して、世界的に注目を集める“Femtech(フェムテック)”(女性の健康問題をテクノロジーで解決する分野)に関する調査を実施しました。その調査結果について公表します。
1.背景・目的
当社は、お客さまを健康にする「健康応援企業」への変革を目指し、保険本来の機能(Insurance)に、健康を応援する機能(Healthcare)を加えた「Insurhealth®(インシュアヘルス)」を、新たな価値として提供しています。具体的には、乳がんの早期発見・万が一の保障・治療後のケアまでトータルにサポートする女性のためのがん保険「リンククロスピンク(https://linkx.life/lp/pink/product/)」(2018年8月発売)など、女性の健康をサポートする商品やサービスを以前より展開しています。
女性の健康を応援するため、当社は3月8日の国際女性デーにあわせ、昨年に続き「日本のFemtech(フェムテック)市場の可能性に関する調査」を実施しました。
経済産業省「健康経営における女性の健康の取り組みについて」※によると、“女性特有の月経随伴症状などによる労働損失は4,911億円”(1年間)との試算もあります。Femtech(フェムテック)は、月経・生理に限らず、女性一人ひとりの身体的・精神的な課題の解決だけでなく、労働人口の減少等の社会課題への解決策としても期待されています。
※出典:「健康経営における女性の健康の取り組みについて」(経済産業省)https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/downloadfiles/josei-kenkou.pdf
Femtech(フェムテック)とは、Female+Technologyを組み合わせた造語で、月経トラッキングや、排卵日予測、不妊治療から更年期障害支援にいたるまでの、【女性のからだ・健康の悩み】をテクノロジー全般で解決を目指す分野のことを指します。 |
2. 調査結果サマリー
①日本におけるFemtech(フェムテック)認知・期待・利用率 「Femtech(フェムテック)」の認知率は1.9%であり、昨年から0.4%アップと大きな認知拡大は見られない。一方、フェムテックを理解した後での期待は58.7%と、昨年に引き続き高かった。 また、フェムテックと意識しないながらも、「女性のからだ・健康の悩み」に対応するサービスは全体の26.4%が使用しており、「女性のからだ・健康の悩み」の解決策をテクノロジーに求める行動は一般化しつつあるように見受けられた。 ② 自由回答から見た働く女性の悩み「月経・生理、妊娠・出産、更年期よる身体面・精神面の不調」 1,000人中296件で「月経・生理、妊娠・出産、更年期」に関する悩みが挙げられた(「月経・生理」関連228件、「妊娠・出産」関連47件、「更年期」関連21件)。特に多かったのは、それぞれ月経では「生理痛」、妊娠・出産では「つわり」、更年期では「全般的な不調」であった。 ③ 女性特有の健康課題が解決された場合の仕事のパフォーマンスは「+41.3%」 働く上での女性特有の健康課題が解決された場合、仕事のパフォーマンスは平均41.3%上がると回答(現状を100とした場合)。月経・生理、妊娠・出産、更年期による身体的・精神的苦痛を感じている方が多く、それらに対する対策を取ることができれば、現状よりパフォーマンスを発揮できるという期待が感じられる回答となった。 |
【Femtech(フェムテック)インフルエンサー:セントジョン 美樹さんのコメント】 新型コロナウイルス感染症流行の影響でヘルスケアに注目が高まる中、遠隔診療や在宅検査キット、薬の宅配等のデジタルヘルス分野のビジネスが急速に成長しています。フェムテックもその流れをうけ、改めてその重要性が認識されています。デジタル世代や女性本人が中心だったフェムテックですが、コロナ禍による働き方やヘルスケアのオンライン化をうけて、サステナビリティ社会や企業のESG経営といった背景も駆動力になってきています。 米国では、女性支援などを含む、子育て世代の自社従業員を支援する企業のほうが、そうでない企業よりも5倍以上のビジネスインパクトをもたらした(売上伸長・イノベーション創出等)という調査も発表されています。(*) 日本では、2020年がフェムテック元年です。「知ることは力なり」。女性は、自分の体(ホルモン値やバイオデータ等)を知って、妊娠、更年期などのライフイベントにまつわる選択肢を早くからら知ることでライフデザインをしやすくなります。そういった社会の実現のために、行政や企業、周囲の関係者もこの分野のリテラシーをあげることが必要です。男女格差や少子高齢化、国内需要縮小といった課題先進国の日本でこそ、新たな市場創出、経済変革、企業変革の羅針盤として活用すべきテーマと信じています。 *Maven Clinic “Parents at the Best Workplaces” 2020 |
3.調査結果
①日本におけるFemtech(フェムテック)認知・期待・利用率
- Femtech(フェムテック)という言葉の認知率は、昨年とほぼ変わらず1.9%(昨年+0.4%)であり、言葉の浸透はさほど進んでいなかった。
- その一方で、女性の体・健康の悩みのサポートを行うアプリやWebサービスの利用実態を尋ねたところ、何らかのサービスを使用していると回答したのは全体の26.4%(昨年+0.0%)であった。「フェムテック」であることは特段意識されていないものの、フェムテックにまつわるサービスの利用は行われている様子が伺える。
- 「フェムテック」に対する期待は65.9%と、昨年同様の高水準がみられている。
Q. 悩みのうち、すでにアプリやWebサービス等、何らかのテクノロジーを使ったサポートや解決手段である、Femtech(フェムテック)のサービスを利用している分野はありますか。すでに利用しているものを次の選択肢からいくつでも選択ください。(いくつでも)【N=1000(全体)】
Q.スマホを活用した健康管理や、妊娠予測などを含め【女性のからだ・健康の悩み】を助けてくれるFemtech(フェムテック)の取り組みについて、どの程度期待しますか。(ひとつだけ)【N=1000(全体)】
②自由回答から見た働く女性の悩み「月経・生理、妊娠・出産、更年期による身体面・精神面の不調」
自由回答を見ると、女性は月経・生理、妊娠・出産、更年期に伴う身体的・精神的苦痛に耐えることが主(休暇を取る等)で、何かしらの対策を取るに至ることができていない様子が伺えた。
- 自身の「女性のからだ・健康の悩み」が原因で働いていて困ったと回答した人は42.5%と、昨年の42.0%とほぼ変わらなかった。
- 2021年の自由回答の内容を見てみると、働く女性の悩みとして最も多く挙げられていたのは「月経・生理」にまつわるものであり、1,000人中228件の回答があった。具体的には、「生理痛」「経血の多いときの心配」「(生理前・中の)精神面での不調」を上げる人が多かった。
- 「妊娠・出産」にまつわる悩みでは、1,000人中47件の悩みが挙げられ、特に「つわり」に関するコメントが多くみられた。
- 「更年期障害」にまつわる悩みでは、1,000人中21件のコメントがみられ、「突然の発汗やめまいなどの肉体的な辛さ」と「精神的な不安定さによる辛さ」がそれぞれみられた。
Q. 自身の【女性のからだ・健康の悩み】が原因で、働いていて困った経験はありますか。(ひとつだけ)【N=1000(全体)】
Q.働いていて困った経験は、どのような状況ですか。(自由回答)【n=425(困った経験がある人)】
④ 女性特有の健康課題が解決された場合の仕事のパフォーマンスは「+41.3%」
- 月経・生理、妊娠・出産、更年期による身体面・精神面の不調等、女性特有の健康課題が解決された場合には、平均して“現状より、パフォーマンスは41.3%上がる”との回答であった。数値の高さからは、女性特有の健康課題の解決への期待値の高さがうかがわれる。
Q. Femtech(フェムテック)等の取り組みで、あなた自身が働く上での女性特有の健康課題が解決された場合、仕事のパフォーマンスはどれぐらいあがると考えますか。パーセンテージでお答えください。(数値入力)【N=1000(全体)】
注)回答者それぞれが現状を100%とした場合に、どれぐらいパフォーマンスがプラスされるかを0〜100の幅で回答。その平均値を集計した結果
現状 +41.3% (昨年41.0%) |
4.調査結果詳細(昨年度比較)
PART1.日本におけるFemtech(フェムテック)の認知
- Femtech(フェムテック)の認知度は1.9%と、昨年とほぼ同じ。
- フェムテックの意味を知ることで、全体の半数以上が「興味」と「期待」を持つ傾向は昨年同様。特に、20代における「期待」は昨年から上昇傾向がみられた。
Q. あなたはFemtech(フェムテック)という言葉を知っていましたか。(ひとつだけ)【N=1000(全体)】
Q. Femtech(フェムテック)の意味を知った上で、Femtech(フェムテック)に対してどのような印象を持ちましたか。(ひとつだけ)【N=1000(全体)】
Q.スマホを活用した健康管理や、妊娠予測などを含め【女性のからだ・健康の悩み】を助けてくれるFemtech(フェムテック)の取り組みについて、どの程度期待しますか。(ひとつだけ)【N=1000(全体)】
PART2.女性の悩み別Femtech(フェムテック)の現状
- 解決を期待する【女性のからだ・健康の悩み】は、昨年と変わらず1位「生活習慣管理(41.2%)」、 2位「精神的ストレス(40.8%)」、3位「更年期・年齢によるホルモンのゆらぎ(40.3%)」。年代別には、20代・30代で月経・生理に関する悩み、40代・50代でホルモンのゆらぎや生活習慣管理に関する悩みが増える傾向が見て取れる。
- すでに利用しているFemtech(フェムテック)関連サービスの分野1位は、「月経・生理にまつわる身体的な悩み(9.8%)」。有料サービス利用率は「体型管理」「生活習慣管理」「精神的ストレス」対策で高め。最も年間平均利用額が高かったのは、「乳がんをはじめとする女性特有の疾病の予防・早期診断(4,455円)」で、同項目は利用額が昨年から2,763円アップした。
Q. あなたがFemtech(フェムテック)によって解決を期待する【女性のからだ・健康の悩み】はどんなもので
すか。(いくつでも)【N=1000(全体)】
Q. 悩みのうち、すでにアプリやWeb サービス等、何らかのテクノロジーを使ったサポートや解決手段である、
Femtech(フェムテック)のサービスを利用している分野はありますか。※データ加工済【N=1000(全体)】
Q. 悩みのうち、すでにアプリやWebサービス等、何らかのテクノロジーを使ったサポートや解決手段である、Femtech(フェムテック)のサービスを利用している分野はありますか。すでに利用しているものを次の選択肢からいくつでも選択ください。(いくつでも)【N=1000(全体)】
Q. それぞれのサービスに年間いくらぐらいの費用をかけていますか。(それぞれひとつだけ)【各サービス利用者】
PART3.働く女性とFemtech(フェムテック)
- 現在の健康状態については、昨年とほぼ同様の65.0%の女性が「健康(通院等もしておらず体調不良もない)」と回答。ただし、【女性のからだ・健康の悩み】が原因で働いて困ったことがある女性は42.5%で昨年とほぼ同様。
- 働く上での悩みは、昨年同様、全体では「精神的ストレス(20.4%)」「更年期・年齢によるホルモンのゆらぎ(15.6%)」が高く、「運動・食事・睡眠等の生活習慣管理に関する悩み(11.6%)」が3位。
- 自身の勤務先が【女性のからだ・健康の悩み】に取り組んでいるかという設問に対し、84.6%の人が取り組んでいると「感じない」と回答し、昨年の85.0%から大きな変化は見られなかった。
Q. 現在のあなたの健康状態について回答ください。(ひとつだけ)【N=1000(全体)】※グラフは「その他」回答を含まないため、合計が100%にならない
Q. あなたがFemtech(フェムテック)によって解決を期待する【女性のからだ・健康の悩み】のうち、特に働く上で課題になっている悩みはどんなものですか。(いくつでも)【N=1000(全体)】
Q. あなたはご自身の勤務先が【女性のからだ・健康の悩み】に何か取り組んでいると感じますか。(ひとつだけ)【N=1000(全体)】
Q.ご自身の勤務先が【女性のからだ・健康の悩み】に何か取り組んでいると感じるのはどのような点ですか。(自
由回答)【n=154(取り組んでいると感じる人)】
- 【女性のからだ・健康の悩み】によって、約6割の女性が仕事のパフォーマンスの低下を感じている。それらの悩みの解決によって改善されると思うパフォーマンスの平均値は+41.3%。
- 勤務先がFemtech(フェムテック)分野のツールを福利厚生で提供してくれるとすれば利用したい人は54.0%。
Q. あなた自身は、【女性のからだ・健康の悩み】によって仕事のパフォーマンスが低下していると感じたことはありますか。(ひとつだけ)【N=1000(全体)】
Q. Femtech(フェムテック)等の取り組みで、あなた自身が働く上での女性特有の健康課題が解決された場合、仕事のパフォーマンスはどれぐらいあがると考えますか。パーセンテージでお答えください。(数値入力)【N=1000(全体)】
注)回答者それぞれが現状を100%とした場合に、どれぐらいパフォーマンスがプラスされるかを0〜100の幅で回答。その平均値を集計した結果
現状 +41.3%(昨年41.0%) |
Q. 【女性のからだ・健康の悩み】について、勤務先が解決のためのツールを福利厚生等で提供してくれるとすれば利用したいですか。(ひとつだけ)
※解決のためのツールとは、例えば「女性のための健康/生活習慣管理アプリ」や「テクノロジーを利用した乳がん等の疾病早期診断補助」などを指します。※原則利用にあたっては匿名性が守られることを前提とします。【N=1000(全体)】
Part4.今後のFemtech(フェムテック)の可能性
- 今後のFemtech(フェムテック)サービスの利用意向において、有料での利用意向トップ3は「乳がんをはじめとする女性特有の疾病の予防・早期診断(29.7%)」「更年期・年齢を重ねて生じる女性ホルモンのゆらぎによる悩み(29.5%)」「乳がんをはじめとする女性特有の疾病の治療(28.3%)」。
- 全16分野のサービスに対して投下できる費用の合計は1人あたりの年間平均で8,229円となり、月額に換算すると686円。投下可能金額が高くなる分野の順位は1位「乳がんをはじめとする女性特有の疾病の治療(1,123円)」、2位「乳がんをはじめとする女性特有の疾病の予防・早期診断(781円)」、3位「更年期・年齢を重ねて生じる女性ホルモンのゆらぎによる悩み(738円)」と、利用意向トップ3にて投下可能金額も高い結果となった。また、日常生活に近しい「生活習慣管理」や「精神的ストレス」、「ダイエット」の3項目も、利用意向及び投下可能金額は他項目より高く、700円を超えた(「運動・食事・睡眠等の生活習慣管理に関する悩み(729円)」、「精神的ストレス(718円)」、「ダイエット等の体型管理に関する悩み(701円)」。
Q. あなたは、今後それぞれ以下の分野のFemtech(フェムテック)サービスが開発されたらそれぞれいくらぐらい年間の費用をかけられますか。(それぞれひとつだけ)【N=1000(全体)】
1人あたりの年間平均投下可能性金額の合計 8,229円(昨年 7,761円) 1か月あたり 686円(昨年 647円) |
5.調査概要
調査対象:全国の20代〜60代の働く女性1,000名(各年代200名ずつ) 調査手法:インターネット調査 調査期間:2021月2月3日~2日4日 |
6.これまでのSOMPOひまわり生命調査のご紹介
SOMPOひまわり生命公式ホームページから、これまでの健康応援調査結果等もご覧いただけます。
※2000年より前の発表分もご覧いただけます。
●第3弾調査「Femtech(フェムテック)に関する調査」(2020年3月9日発表)
https://www.himawari-life.co.jp/~/media/himawari/files/company/news/2019/a-01-2020-03-09.pdf
●第4弾調査「With/After コロナの健康と保険に関する意識調査」(2020年6月2日発表)
https://www.himawari-life.co.jp/~/media/himawari/files/company/news/2020/a-01-2020-06-02.pdf
●第5弾調査「『貯蓄の日』『ステイホームで変化したお金の使い道と健康意識』に関する調査」(2020年10月14日発表)
https://www.himawari-life.co.jp/-/media/himawari/files/company/news/2020/a-01-2020-10-14.pdf
●第6弾調査「コロナが『がん検診』に及ぼした影響および定期健診の受診状況に関する調査」(2021年2月3日発表)
https://www.himawari-life.co.jp/-/media/himawari/files/company/news/2020/a-01-2021-02-03.pdf
以上
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