新化学技術推進協会第20回グリーン・サステイナブル ケミストリー賞「経済産業大臣賞」を受賞
サステイナブル界面活性剤バイオIOSの開発
花王株式会社(社長・長谷部佳宏)は、この度、「サステイナブル界面活性剤バイオIOS(Internal Olefin Sulfonate)の開発」により公益社団法人新化学技術推進協会の第20回(2020年度)グリーン・サステイナブル ケミストリー(以下、GSC)賞「経済産業大臣賞」を受賞しました。この賞は、グリーン・サステイナブル ケミストリーの推進に貢献する優れた業績が表彰されるもので、「経済産業大臣賞」は産業技術の発展に著しく貢献した団体に与えられます。花王の同賞の受賞は今回で5回目となります。
■受賞研究の背景と概要
今後予測されている世界的な人口増や新興国の経済成長に伴って、界面活性剤の需要増が見込まれています。現在、洗浄剤用途の界面活性剤の主原料は、植物油脂全体に占める割合がわずか5%ほどの炭素数12、14のラウリン系油脂です。この原料はヤシ油やパーム核油ですが、その生産地は赤道直下の熱帯地域に限られ、原生林伐採などの環境破壊が問題視されることからも、安定的な供給が懸念されています。
そこで花王は、将来起こりうる原料不足を考慮し、流通する油脂の中で汎用のパーム油に含まれる炭素数16、18のオレイン系油脂を利用した界面活性剤「バイオIOS」の開発に取り組みました。
1.植物油脂全体の95%にあたる炭素数16、18のオレイン系油脂、さらにその中で食料用途と競合しにくい固体部を原料とします。
2.オレイン系油脂固体部から高級アルコール、内部オレフィンを経由して合成できるアニオン界面活性剤です。
3.親油基の中間部に親水基を有する特殊な分子構造により、水に溶けやすく、少量で油に吸着して高い洗浄力を発揮します。
4.生分解性が高く、水生生物毒性が低いという特長もあります。
「バイオIOS」は、2019年から販売を開始した衣料用濃縮液体洗剤『アタックZERO』に採用され、温暖化ガス発生量などの項目において大幅な環境負荷低減の達成に寄与しました※。
現在花王は、オープンイノーベーションによる協業を推進しています。「バイオIOS」についても、海外も含めた生産・販売を通して、サステナブルな社会の実現に向けて貢献してまいります。
※『ウルトラアタックNEO』と比較して、『アタックZERO』では温暖化ガス(二酸化炭素)排出量を44%削減。(算出条件:原材料調達、生産、廃棄の段階を対象(輸送、使用段階は対象外)、環境負荷の原単位データはMiLCAv2より採用)
■参考:花王の新化学技術推進協会GSC賞「経済産業大臣賞」受賞履歴
第 9回(2009年度)亜臨界水を応用した低環境負荷な界面活性剤合成プロセスの実用化
第12回(2012年度)サステイナブル社会を先駆けた新しいお洗濯提案
第16回(2016年度)紙ベース鋳造用湯道管の開発
第18回(2018年度)インクジェット用水性インクによる軟包装フィルムへの印刷の実現
今後予測されている世界的な人口増や新興国の経済成長に伴って、界面活性剤の需要増が見込まれています。現在、洗浄剤用途の界面活性剤の主原料は、植物油脂全体に占める割合がわずか5%ほどの炭素数12、14のラウリン系油脂です。この原料はヤシ油やパーム核油ですが、その生産地は赤道直下の熱帯地域に限られ、原生林伐採などの環境破壊が問題視されることからも、安定的な供給が懸念されています。
そこで花王は、将来起こりうる原料不足を考慮し、流通する油脂の中で汎用のパーム油に含まれる炭素数16、18のオレイン系油脂を利用した界面活性剤「バイオIOS」の開発に取り組みました。
<「バイオIOS」の特長>
1.植物油脂全体の95%にあたる炭素数16、18のオレイン系油脂、さらにその中で食料用途と競合しにくい固体部を原料とします。
2.オレイン系油脂固体部から高級アルコール、内部オレフィンを経由して合成できるアニオン界面活性剤です。
3.親油基の中間部に親水基を有する特殊な分子構造により、水に溶けやすく、少量で油に吸着して高い洗浄力を発揮します。
4.生分解性が高く、水生生物毒性が低いという特長もあります。
「バイオIOS」は、2019年から販売を開始した衣料用濃縮液体洗剤『アタックZERO』に採用され、温暖化ガス発生量などの項目において大幅な環境負荷低減の達成に寄与しました※。
現在花王は、オープンイノーベーションによる協業を推進しています。「バイオIOS」についても、海外も含めた生産・販売を通して、サステナブルな社会の実現に向けて貢献してまいります。
※『ウルトラアタックNEO』と比較して、『アタックZERO』では温暖化ガス(二酸化炭素)排出量を44%削減。(算出条件:原材料調達、生産、廃棄の段階を対象(輸送、使用段階は対象外)、環境負荷の原単位データはMiLCAv2より採用)
■参考:花王の新化学技術推進協会GSC賞「経済産業大臣賞」受賞履歴
第 9回(2009年度)亜臨界水を応用した低環境負荷な界面活性剤合成プロセスの実用化
第12回(2012年度)サステイナブル社会を先駆けた新しいお洗濯提案
第16回(2016年度)紙ベース鋳造用湯道管の開発
第18回(2018年度)インクジェット用水性インクによる軟包装フィルムへの印刷の実現
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