ESR、カーボンニュートラルなグリーン物流の確立に向け三菱ふそう・DTFSAと協業
― eモビリティの普及と物流施設のグリーン化を加速 ―
ESR株式会社(代表取締役:スチュアート・ギブソン 本社:東京都港区 以下、ESRまたは当社)、三菱ふそうトラック・バス株式会社(代表取締役社長・CEO:カール・デッペン 本社:神奈川県川崎市 以下、三菱ふそう)、ダイムラー・トラック・ファイナンシャルサービス・アジア株式会社(代表取締役社長:ハンス-ゲオルク・フォン・グンペンベーアグ 本社:東京都港区 以下、DTFSA)の3社は、2024年1月19日にeモビリティ向けのソリューションの検討・実施について、基本合意書を締結したことをお知らせいたします。
ESRはESG(環境・社会・ガバナンス)を全事業の中核に据え、2030年までに解決すべき重要課題と達成すべき目標を特定した「ESG2030ロードマップ」に沿って事業を推進しております。開発においては「HUMAN CENTRIC DESIGN.」を理念に、省エネ・再エネを活用した建築計画に基づき環境と人を第一に考えた物流施設・データセンターを開発しており、再生可能エネルギー分野でもフロントランナーを目指し自家消費型太陽光発電システムなど積極的にGX(グリーントランスフォーメーション)推進に取り組んでおります。2023年12月末時点でグループ全体の太陽光発電規模は100MW(メガワット)、日本は34MWまで拡大しており、2030年までにグループ全体で1000MWに達することを目指しています。
また、eモビリティの普及のサポートを目的に、他社に先駆け2020年にEV(電気)トラック向けの高速充電ステーションを「ESR尼崎ディストリビューションセンター」(兵庫県尼崎市)に設置いたしました。
三菱ふそうは、FUSOブランドの商用車(トラック・バス)および産業用エンジンを製造し、世界約170の市場に販売しています。同社は電気小型トラック「eCanter(イーキャンター)」新型モデルを2023年3月に発売するとともに、お客様のEVシフトを強力に支援する「FUSO eモビリティソリューションズ」の取り組みを進めています。
DTFSAは、「eCanter」専用のリース製品「FUSOグリーンリース®」※1の提供を通じ、お客様の「eCanter」運用のサポートを行っています。
この度、ESR、三菱ふそう、DTFSAが目指すグリーン物流※2の未来への道筋が合致し、当社が開発・運営する物流施設と三菱ふそうの「eCanter」他ゼロエミッション車両(ZEV)を活用し、カーボンニュートラルなグリーン物流の確立に向け、多角的なソリューションを共同で検討・実施していくために、3社間の基本合意書(以下、本合意書)の締結に至りました。
本合意書では、以下5つの取り組みに重点を置くことを定めています。
1. 日本国内の首都圏を中心とするESRの物流施設にFUSOのZEV向けのグリーン充電網を整備
2. ZEV向けインフラの整備など、カーボンニュートラルな物流の促進に向けたESRの国内物流施設の活用について
共同で検討
3. ESRの物流施設でESRの太陽光発電設備などを活用したFUSOのZEVへの再生可能エネルギー供給の実現
に向けた戦略・商業モデルを共同で立案し、EVトラック運用の環境価値を向上
4. FUSOのZEVのバッテリーまたは2次利用バッテリーをESRの物流施設で活用するための戦略を検討し、
EVバッテリー資源の効率的活用に貢献
5. 上記の取り組み事例や知見を活かし、日本国内のみならず、ESRグループのAPAC(アジア太平洋地域)の拠点
への展開も視野に入れ、APAC地域の脱炭素化へ貢献することを目指す
現状、公共のEV充電設備は、主にEV自動車の使用を念頭にカーディーラーやコンビニ、商業施設に多く設置され、低出力の普通充電器も多いため、EVトラックの「経路充電」(移動中の充電)やバッテリー残量がほとんど無い緊急時のセーフティーネットとしての活用が難しく、EVトラックの運用にはユーザーの拠点で充電を行う「基礎充電」が一般的です。
そこで、最初の取り組みとして、2024年以降、千葉県から神奈川県にかけての首都圏湾岸エリアに所在するESRの物流施設に、「eCanter」向けの急速充電設備を順次設置いたします。まずESRの戦略的物流ネットワークを活用し、経路充電や緊急時の充電に活用できるようにすることで、柔軟な運行計画が策定でき、「eCanter」活用の可能性のさらなる拡大につながると見込んでいます。このような試行フェーズに基づく感触や今後のニーズ見通しを踏まえつつ、三大都市圏を中心に戦略的に構築している当社の他の物流施設に拡大し、ZEV向けのグリーン充電網を整備する計画です。
また、充電には主に当社物流施設の屋上に設置した太陽光発電設備で発電したグリーン電力を活用し、3社が目指すサステナブルな運用モデルを実現します。
さらに「eCanter」の充電中には、当社の物流施設内のラウンジやシャワーなどのアメニティ施設をEVトラックドライバーにも開放し、「充電待ち」の時間を休息に活用できるサービスを提供する計画で、2024年4月1日から施行される改善基準告示で定められるドライバーの休憩時間確保もサポートいたします。
※1 「FUSOグリーンリース®」は、三菱ふそうトラック・バス株式会社の登録商標です
※2 物流システムの改善により物流段階における二酸化炭素排出量を削減する取り組みの総称
三菱ふそう チーフ・トランスフォーメーション・オフィサー アレクサンダー・ルージング氏
「このたびのESR・DTFSAとの協業の枠組みは、物流の脱炭素化を車両・施設の両面からサポートする、画期的な取り組みであると考えています。第一の取り組みとしてESR物流施設への充電器設置によって、航続距離にとらわれない『eCanter』の運用法を確立し、『eCanter』のさらなる普及に努めるとともに、3社による幅広い取り組みによって、物流の脱炭素化をリードしてまいります。」
DTFSA代表取締役社長 ハンス-ゲオルク・フォン・グンペンベーアグ氏
「ESR・三菱ふそうとの協業は、リース市場でもとりわけサステナブルな選択肢として、当社の『FUSOグリーンリース』 の商品価値をさらに高めることにつながります。この戦略的協業には、当社の環境に対する責任に基づく取り組みに合致するものであると同時に、当社のお客様への提供価値をさらに高めるものと考えています。」
ESR代表取締役 スチュアート・ギブソン
「当社の脱炭素社会の実現と気候変動の影響を最小限に抑えるための取り組みの一環として、この度、三菱ふそう様とDTFSA様と提携し、日本の物流業界でEVトラックの普及を加速させるため、環境に十分配慮したe-モビリティ・ソリューションを共同で開発できることとなり、大変光栄に思っております。物流・運輸業界がEV化へ舵を切る上で、物流施設ではEVトラック用の効率的で信頼性の高い充電ソリューションを提供することが最重要課題です。三菱ふそうが培われたeモビリティをけん引する知見と技術力と、弊社の戦略的物流ネットワークおよび再生可能エネルギー事業のコラボレーションにより、お客様のEVトラックへのシフトを促進し、日本のグリーン物流の加速、ひいては持続可能な社会の実現に貢献できると確信しております。」
<三菱ふそうについて> https://www.mitsubishi-fuso.com/ja/
三菱ふそうトラック・バス株式会社(三菱ふそう)は、ダイムラートラック社が89.29%、三菱グループ各社が10.71%の株式を保有し、川崎市に本社を置く商用車メーカーです。90年以上の歴史を持つFUSOブランドの、小型、中型、大型トラックやバス、産業用エンジンを含む製品を世界約170の市場向けに開発・製造・販売しています。2017年、初の量産型電気小型トラック「eCanter」を市場に導入し、2019年には、日本の商用車市場のベンチマークとなる、SAEレベル2相当の高度運転支援技術を搭載した大型トラック「Super Great」を商用車メーカーとして初めて日本に導入しました。三菱ふそうは、ダイムラー・インディア・コマーシャル・ビークルズ社(DICV)とともにダイムラー・トラック・アジアの一員として、製品開発、部品調達、生産などの分野で協力し、お客様に最高の価値を提供しています。
<DTFSAについて> https://www.mitsubishi-fuso.com/ja/financial-services/company/
ダイムラー・トラック・ファイナンシャルサービス・アジア株式会社(DTFSA)は、2021年6月に設立され、同年12月にメルセデス・ベンツ・ファイナンス株式会社(MBF社)から商用車向け金融事業を引き継ぎ、FUSO車両を導入されるお客様に対して金融サービスを提供しています。MBF社は旧ダイムラー社のグループ会社として、2005年からFUSO車両のお客様に対して金融サービスを展開しており、お客様と長きにわたり関係と信頼を築き上げてきました。DTFSA社への事業移管により商用車専業となったことで、デジタル化やSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みが進む中、より革新的な金融商品とモビリティサービスの提供が可能になりました。DTFSAの最新製品である「FUSOグリーンリース®」は、MFTBCおよびパートナー各社と共同で、自動車業界にとって最大の課題である電動化へのニーズの高まりに対応する、シームレスなサービスをご提供します。
<ESRについて> www.esr.com/jp
ESRはデジタル時代をリードする不動産アセットマネジメントのグローバル企業です
ESRは先進的物流施設・データセンターに代表されるニューエコノミー不動産を軸とする、APAC(アジア太平洋地域)最大・上場企業として世界第3位の不動産アセットマネジメント会社です。2006年にレッドウッド・グループとしてその歩みを始め、2016年に経営統合によりESRが発足、2019年に香港証券取引所に上場(SEHK証券コード1821)。
香港にグループ本社を置き、日本・中国・韓国・シンガポール・インド・オーストラリア・ニュージーランド・インドネシア・ベトナム・タイ他東南アジアと米国・ヨーロッパで事業を行っており、2023年6月30日時点のグループ全体の運用資産残高1,500億米ドル(約21兆7,320億円)、日本は299億米ドル(約4兆3,320億円)
日本法人・ESR株式会社は三大都市圏(首都圏・関西圏・中京圏)と九州に物流施設・データセンターを開発・運営しており、日本最高層の9階建て「ESR東扇島ディストリビューションセンター」他33の物流施設を竣工させ、データセンターを含む13プロジェクトを開発中。
ESRは時流を捉えた多角的な投資機会・ソリューションとニューエコノミー不動産を提供し、APAC全域で再生可能エネルギーのエコシステム構築にも取り組んでまいります。
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