OCVB、「おきなわ観光地域カルテ」正式版をリリース 全国初!現場での利活用から逆算した「思考連動型ダッシュボード」で観光地域マーケティングを推進
一般財団法人沖縄観光コンベンションビューロー(会長:下地 芳郎、以下「OCVB」)は、株式会社ブログウォッチャー(代表取締役社長:酒田 理人、以下ブログウォッチャー)と株式会社DATALE(代表取締役社長:板谷越 英美)で構成される「おきなわ観光地域カルテ開発業務」受託コンソーシアムおよびインタラクティブ株式会社(代表取締役社長:臼井 隆秀)とともに、観光マーケティングレポート「おきなわ観光地域カルテ」正式版を開発しました。
■全国初!思考連動型ダッシュボード
「おきなわ観光地域カルテ」は、ブログウォッチャーがデータ提供するデジタル観光 人流モニタリングサービス「おでかけウォッチャー」を活用し、沖縄県における観光客の動向を市町村別にわかりやすく可視化した観光マーケティングレポートです。昨年9月にリリースしたプロトタイプ版(試作版)の検証では、地域の担当者が観光振興を推進するにあたり、「何をどのように見たいのか?」「何がわかれば原因や仮説を考えたり、意思決定できるのか?」など現場目線のキャッチアップに注力。専門的な分析スキルやダッシュボード(*1)の操作経験がない担当者でも、「みて・わかって・できる」状態を目指し、逆算型で開発した「思考連動型ダッシュボード」という点で全国初の取り組みとなります。
また、使用している人流データについても沖縄独自といえる点があります。それは、町丁目の粒度で「延べ滞在者数」が把握できるという点です。これは、国立大学法人琉球大学3研究室(*2)との共同研究による成果で、主要観光スポット以外を訪れた人数も可視化できるよう町丁目単位でのスポット設定を行っています。
(*1)ダッシュボードとは、一つの画面にグラフや分布図などのさまざまなデータをまとめたツールのこと
(*2)工学部 工学科 社会基盤デザインコース 神谷研究室(神谷 大介准教授)/工学部 工学科 エネルギー環境工学コース 宮田研究室(宮田 龍太助教)/国際地域創造学部 経済学プログラム 山田研究室(山田 健太准教授)
■「おきなわ観光地域カルテ」概要
名称 :「おきなわ観光地域カルテ」正式版
対象 :県内観光協会・地域DMOを想定
内容 :5つの切り口で地域データを「市町村」「発地」「年度/月」別に可視化
-来訪者分析(いつ、どのくらい来ているか?)
-属性分析(どこから、どんな人がきているか?)
-行動分析(どこに行っているのか?)
-周遊分析(どこと、どこを行き来しているのか?)
-イベント分析(いつ、どこで、どんなイベントがあるのか?)
頻度 :月初(5日頃)に前々月のデータを更新
形式 :ダッシュボード
■データを共通言語にした観光地経営を目指して
観光地経営には、ファクトに基づいた現状把握、課題設定、仮説立て、打ち手振り返りと改善などのアプローチが必要不可欠です。はじめに、人流データを導入した背景として、沖縄県全体の入域観光客数はわかっても、県内のどの地域を訪れているかが分からない現状がありました。地域からもかねてより「沖縄県全体ではなく、自市町村の来訪者数や属性をよりリアルタイムに把握したい」等のニーズがありましたが、各地域が個別に導入するには、コスト面や分析を行う専門人材確保が難しく現実的ではありませんでした。そのため、市町村ごとの人流分析を頻度高く抽出できる環境を整え、わかりやすく可視化し安定的に提供することで、各地域においてデータに基づく明確なコンセプトに基づいた戦略の策定やKPIの設定・PDCAサイクルの確立に活用できると考え開発しました。
■ロゴマークに込めた想い
「データが集まり、地域の未来に光を照らす」
シンボルのデザインは、データを象徴する円グラフとカルテの頭文字「K」をかけ合わせ、「可視化されたデータが光り輝き、地域の未来を明るく照らす」という意味を込めています。
■今後の取り組みについて
今後も、検索やSNS、宿泊、消費など、観光地域づくりに役立つ様々なデータを 「おきなわ地域カルテ」に連携していくことで、“これひとつ”で地域の現状や未来が読み解ける状態を目指してまいります。また、研究・開発にあたっては、プロトタイプ版から共同研究を行ってきた琉球大学および包括連携協定を締結している一般財団法人沖縄ITイノベーション戦略センター(ISCO)とも連携を深めながら進めてまいります。
■OCVB会長 下地 芳郎より(コメント)
OCVBは、広域連携DMOとして、観光地域経営に役立つ各種データの継続的な収集・分析・共有を推進することで、地域の「稼ぐ力」を引き出すとともに、自組織における観光地域マネジメント・マーケティング機能強化に取り組んでいます。
「データは自ら語らない」という言葉の通り、ただ並べて公開するだけでは意味をなしません。「おきなわ観光地域カルテ」では、構想の段階から地域DMOおよび観光協会の皆さまと意見交換させていただき、“誰でも・簡単に・わかりやすく”地域の実態把握ができるように開発を進めてまいりました。
観光に携わる皆さまにとって地域カルテは、各市町村で起こっている動きを把握し、それに基づいた戦略を立案するための強力な助けとなるはずです。自地域のポジショニングを明確にし、地域の観光振興計画、イベント企画、マーケティング戦略など、あらゆるシーンで活用いただけるよう、令和6年度以降は伴走支援にも更に注力してまいります。また、観光人材育成観点でも、県内大学・専門学校・高等学校等との連携など、さまざまな取り組みを通して活用の可能性を検討していきたいと考えております。
■主な進化ポイント
【1】PDFから直感的なダッシュボードに進化
正式版では、はじめに市町村や発地、期間をプルダウンで選ぶだけでレポートが連動する仕組みになっており誰でも直感的に活用できます。「見るだけで、何が起きているのかを理解し、意思決定できる」状態に到達できるよう、データストーリーテリング(*3)の手法を用い、難易度の高い集計や加工、読み解きヒントなどのサポート機能、デザインによる視認性の向上など、さまざまな工夫を散りばめています。
【2】県外客だけでなく、県内客も見られるように
プロトタイプ版では、発地(推定居住都道府県)を県外のみに絞っていましたが、主に離島や北部地域など、県内観光客の可視化を行いたいニーズを受けて、県内も選択できるようになりました。チェックをON/OFFすることで分析対象の市町村を除くことも可能になり、自市町村以外からどれくらい来訪しているか?を知ることができます。
【3】沖縄県全体が選択できるように
これまで市町村別カルテのみの提供でしたが、県全体と自市町村の差分等を把握したいというニーズに応え、「すべて」で沖縄県全体の分析結果を見られるようになりました。
【4】平休日分析を追加
平日(月~金)・休日(土日祝)別の来訪者数が把握できるようになりました。平日と休日の来訪者を把握することで、市町村・スポットごとの人流の変化や繁閑の差分などが確認できるようになります。
【5】イベント分析を追加
人流データと一緒に見ることで、分析仮説を立てやすくするデータとして、県内開催のイベント情報を市町村別×月別に確認できるようになりました。イベント情報には、沖縄観光情報Webサイト「おきなわ物語」にも使用しているインフォモーション株式会社が提供する「AIイベント情報集約サービス」を活用し、リアルタイム性を高めています。
(一財)沖縄観光コンベンションビューロー
企画・施設事業部 企画課
担当:坂本 麻美(DMO担当)
TEL:098-859-6126 FAX:098-859-2981
Mail:dmo@ocvb.or.jp
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