土木・建設業界の生産性向上へオンラインセミナーを開催

日立建機より ICT施工や導入事例を紹介

 三井住友トラスト・パナソニックファイナンス株式会社(本社:東京都港区、取締役社長:浜野敬一、以下「当社」)は、建設機械のメーカー・販売会社さまと連携し、主に建設業界の中堅・中小企業のお客さまの設備投資に際して、リース・割賦、融資、中古建設機械の売買を含むファイナンスソリューションを提供しています。

 土木・建設業では慢性的な人手不足が問題となっており、国土交通省(以下「国交省」)は 2016 年から、建設現場の建設プロセスにおいて全面的に ICT(情報通信技術)を導入し、生産性を高める取り組み「i-Construction」を進めています。ICT の導入は、ゼネコンや大手建設業を中心に進み、建設現場の生産性が着実に向上。これを受け、国交省は 2024 年に、建設現場の省人化対策に取り組む「i-Construction2.0」を策定しました。

 一方で、建設現場を支える中堅・中小企業において、ICT の導入に対して克服すべき課題が多くあります。一例として、「ICT を導入したいが何から着手すればよいのかわからない」「ICT の導入にはコストが掛かるため、まずは導入効果を知りたい」「ICT は専門知識が必要そうで、現場の技術者の教育が間に合わなそう」といった悩みの声が聞かれます。

 中堅・中小企業のこうした悩みを踏まえ、当社は、ICTの導入方法や実際の効果等について紹介するオンラインセミナーを実施しました。オンラインセミナーには、建設現場におけるICT施工ソリューションの開発・導入に積極的に取り組む日立建機株式会社(本社:東京都台東区、代表執行役社長:先崎正文、以下「日立建機」)が登壇しました。

【オンラインセミナー 開催概要】

■ テーマ:~「i-Construction2.0」の推進へ~日立建機の ICT 施工ソリューションの取り組み

■ 講演者:日立建機株式会社 コンストラクションビジネスユニット

      開発設計統括部 施工ソリューション開発部長 田中正道 氏

■ 参加費:無料

■ 開催日:2024 年12 月

写真=左側:日立建機 田中正道氏 右側:当社 山川伸平(機械設備営業部長)

 国交省が推進する「i-Construction2.0」では建設現場への ICT の導入を、「Ⅰ 工種単位」「Ⅱ 工事単位」「Ⅲ現場全体」の 3 つのステージに分けて取り組むことが示されていますが、今回のセミナーでは、特にステージⅠとⅡの取り組みについて、日立建機が開発・提供する「Solution Linkageシリーズ」の導入事例を用いて紹介しました。

■比較的低コストで「測量」の工程が ICT 化できる導入事例

 「ICT を導入したいが何から着手すればよいのかわからない」という悩みを抱える建設業の場合、施工の最初に行われる測量(※1)の工程に ICT を導入する方法がある。

 従来の測量方法は、複数人の作業員が現場を整地し、手作業で計測していく方法が一般的だった。近年は、計測・測量用に使えるカメラ備えたドローンによる空中撮影をした画像データを 3 次元データ化して計測する方法が開発されたものの、専用のソフトと高性能なパソコンを揃える必要があり、導入コストが高いことが中堅・中小企業の課題であった。

 この課題を踏まえ、日立建機の「Solution Linkage Point Cloud」は、計測・測量用に使えるカメラを備えたドローン(※2)で撮影した写真データを 3 次元データ化する際に、専用のソフトや高額なパソコンが不要で、同社専用のクラウド環境にアップロードするだけで、3 次元データ化と正確な測量が実現できる点が特長。

 導入事例として紹介された岐阜県白川町の施工現場では、従来、複数の作業員が整地作業と計測を行っており、約 10 時間の作業時間を要していたが、「Solution Linkage Point Cloud」を導入したことで、作業員は 1 人で済むようになり、作業時間も約 1 時間で完了するなど、大幅な効率化と省人化を実現している。

※1 測量とは、建設現場の地形や地質、施工位置や高さなどを正確に測定することを言います。

※2 ドローンに必要なスペックは日立建機の公式サイトにてご確認ください。

     Solution Linkage Point Cloud - 日立建機 (hitachicm.com)

■データ分析・連携によって、施工作業と施工管理の両側面を効率化した導入事例

 建設現場の生産性を飛躍的に高めるためには、一つの作業(工種)だけを ICT 化するのではなく、複数の作業を ICT 化し、収集したデータを分析・活用することが効果的という。

 今回のセミナーで日立建機が紹介した「Solution Linkage Compactor」は、建設現場の地盤の安定性を確保するために重要な転圧作業を大幅に効率化・省人化できるものだ。

 一般的に、転圧作業は地盤を固めるためにタイヤローラー等の転圧機械を操作して地盤を押し固めていくが、その際、地盤の密度や高さが設計通りの仕様になっているかを測定し、帳票(レポート)を作成していく。機械を操作するオペレータは転圧の回数と走行範囲を随時確認しながら作業していたほか、地盤の測定と帳票の作成を行う施工管理者も、都度、施工現場を検査する必要があり、非常に多くの時間を要する。

 「Solution Linkage Compactor」は、転圧作業の回数や走行軌跡等の進捗状況を専用のクラウドを用いてデータ化し、オペレータが操作する転圧機械に取り付けたモニターと、施工管理者が事務所で確認するモニターの双方にリアルタイムで転圧状況を表示する。また、測定や帳票作成についても、さまざまなデータを活用し、分析することによって省略できるため、大幅な効率化・省人化を実現している。機種に指定はあるものの、日立建機の土工用振動ローラに後付けができるため、新たな ICT 建機を導入する必要がない点も、導入のハードルを下げている。

 導入事例として紹介された長野県駒ケ根市の現場では、複数箇所の転圧作業と帳票作成をするために、従来は3人の担当者を要し、トータルで約 430 時間の作業時間を要していたが、「Solution Linkage Compactor」を導入した結果、担当者は 1 人で足り、作業時間は約 65 時間まで短縮したという。


■ 最後に

 日立建機は「I-Construction2.0」が目標として掲げる、「2023 年度比で 2040 年度までに建設現場の省人化3割」の実現に向け、より多くの企業、現場で導入しやすい ICT 施工ソリューションを開発しています。

 2024 年 5 月に発売が開始された「Solution Linkage MG」は、日立建機製の 20tクラス油圧ショベルの対象機種(※3)にセンサーとモニターを後付けし、3Dマシンガイダンス(※4)機能を追加できます。ユーザーはショベルの角度や位置をモニターから確認できるようになるほか、施工履歴を収集することも可能となります。

 また、同時に発売した土量進捗ビューワの「Solution Linkage Ryube」は、「Solution Likage MG」 で取得したデータ等を連携し、土量の変化を可視化し、進捗管理の分析・活用ができます。

※3 「Solution Linkage MG」の対象機種については、日立建機の公式サイトにてご確認ください。

   Solution Linkage MG - 日立建機 (hitachicm.com)

※4 3Dマシンガイダンスとは、3 次元の設計データと実際の施工状況の差分を、オペレータが確認でき、迅速・正確な施工をサポートする機能です。


 当社は、社会のインフラを支える建設業界の持続可能な発展に貢献できるよう、日立建機をはじめとしたさまざまな建機メーカー・販売会社さまと連携し、最適なソリューションを提供していくことに努めていきます。

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会社概要

URL
https://www.smtpfc.jp/
業種
金融・保険業
本社所在地
東京都港区芝浦一丁目2番3号 シーバンスS館
電話番号
-
代表者名
浜野 敬一
上場
未上場
資本金
255億8400万円
設立
1951年10月