AI導入が止まる場所は「ツール選定」ではなく、業務棚卸・要件定義などの前工程と社内調整に80%。大企業のAI推進担当の「AI導入は、どこで止まるのか」調査レポートを公開

大企業のDX・AI推進担当が中心の103名に聞いた「AI時代の業務可視化と属人化の実態調査 2026」第1報

株式会社Renewer

AI導入が止まる場所は「ツール選定」ではなく、前工程と社内調整に80%(n=103)

株式会社Renewer(本社:東京都、代表取締役:堀内亮平)は、生成AI・AIエージェントを導入済みの大企業に勤めるDX・AI推進担当を中心とする実務者103名を対象に実施した「AI時代の業務可視化と属人化の実態調査 2026」の結果を発表します。

企業の生成AI導入が進む一方で、当社と企業との打ち合わせでは「導入したのに業務が変わらない」「次に何をAIに任せるかを決められない」という声を繰り返し聞くようになりました。

本調査は、AI導入が実際にどの工程で止まっているのかを、推進を担う当事者の回答で明らかにするために実施しました。

回答者の属性。大企業でAI導入を進める当事者103名(n=103)

■主なトピックス

1. 最も時間がかかった工程は「社内調整・合意形成」。「ツール選定・構築」は12%

AI・AIエージェントの検討/導入で実際に最も時間がかかった工程を聞いたところ、「社内調整・合意形成」26%が最多で、「要件定義・設計」18%、「業務の棚卸・整理」14%が続きました。「ツール選定・構築」は12%です。「まだ着手していない」19%を除いた83人では、80%が前工程(対象業務の選定・業務棚卸・要件定義)か社内調整に最も時間を使っていました。止まっているのは、AIを作る工程の手前でした。

AI導入で最も時間がかかった工程(Q12・n=103)

2. AI導入でも、業務棚卸・要件定義・手順書づくりの手間は残った

AI導入にも、従来のシステム導入と同じく、どの業務を任せるかを選び、業務を棚卸して整理し、要件を決め、手順書にまとめる前工程があります。導入を経験した54人に前工程の必要性を従来と比べてもらうと、「同等以上に必要だった」44%、「やや軽くなった」39%で、合わせて83%の人で手間が残りました。「大幅に軽くなった」は17%(9人)でした。

業務棚卸・要件定義・手順書づくりの必要性は従来のシステム導入と比べて(Q14・導入経験者n=54)

3. 社内はその手間を「実態より簡単」と見ている

社内(経営層・他部門)のAI導入への期待を実際の手間と比べてもらうと、「実態よりかなり簡単に捉えられている」25%、「やや簡単に捉えられている」27%でした。「わからない」24%を除くと69%が「実態より簡単」です。推進担当に限ると75%、一般利用者では65%でした。業務棚卸や要件定義の手間は残っているのに、社内ではその手間が見積もられていません。

社内のAI導入への期待は実際の手間と比べて(Q13・n=103)

4. 推進担当が最も時間を使った工程は「社内調整」

回答者の57%にあたるAI導入の推進担当・責任者59人の回答だけを取り出すと、最も時間がかかった工程は「社内調整・合意形成」34%で1位でした(一般利用者では13%)。推進担当の58%は、任せたい業務の手順が「担当者の頭の中にしかない」と答えています。経営層からは「簡単だろう、早く成果を」と求められ、現場からは「手順は頭の中にある」と返されます。推進担当はこの相反する2つを受け止めており、その時間が社内調整に使われています。

推進担当59人の回答(Q12・Q13・Q17×Q3)

5. 業務棚卸は片手間でも、1か月以上かかる

業務棚卸を経験した人に、関わった人の負荷を聞くと、「片手間(週1日未満)」28%、「週1〜2日程度」25%で、「ほぼ専任」は6%でした。1回の業務棚卸にかかった期間を答えられた45人のうち、1か月以内に終わったのは29%にとどまり、71%が1か月以上、36%が3か月以上かかっています。業務棚卸に時間はかかっているのに、人は充てられていません。

6. 自組織の業務実態を「ほぼ正確に把握している」は7%

誰が・何に・どれだけ時間を使っているかを「ほぼ正確に把握している」と答えたのは103人中7人(7%)でした。「あまり」「ほとんど把握できていない」を合わせると56%です。全社推進の責任者・担当に限っても24人中3人、製造業の実務者では48人中0人でした。どの業務をAIに任せるかは、業務の実態が見えてはじめて決められます。見えないまま決めるから、社内調整に最も時間がかかります。

自組織の業務実態の把握度(Q22・n=103)

7. 「AIに任せたい」業務の手順は55%が「担当者の頭の中にしかない」

すぐ渡せる形の文書があるのは8%(8人)、「古い資料ならある」17%でした。勤務先が全社的にAI導入済みの企業でも「頭の中にしかない」は53%で、導入の有無で割合は変わりません。AIが入ったことと、業務を渡せる形にしてあることは別の話です。

「AIに任せたい」業務の手順の文書化状況(Q17・n=103)

8. 72%が業務棚卸・要件定義・手順書づくりそのものにAIを使っていた

前工程(業務棚卸・要件定義・手順書づくり)そのものにAIを活用しているかを聞くと、「すでに活用している」48%、「試したことがある」24%で、合わせて72%でした。全社推進の責任者・担当では92%です。使い方は「業務マニュアル・手順書のドラフト作成」79%、「ヒアリング・会議の文字起こしや要約」74%が中心で、「PC作業・画面操作の記録から業務を把握する」実測型も19%が試していました。

業務棚卸・要件定義・手順書づくりそのものへのAI活用(Q15・n=103/Q16・n=77)

■調査結果を踏まえた3つの提言

当社は調査結果をもとに、「調整の前に、業務の事実を可視化する」ことを提言します。どれも新しいツールを入れる前に、推進担当の立場から始められることです。

1. 前工程の手間を、導入前に経営層へ伝える

導入経験者の83%は、業務棚卸や要件定義の手間が「同等以上」か「やや軽くなった程度」だったと答えました。一方で、69%は社内がその手間を「実態より簡単」と見ていると感じています。導入計画の工程表には、前工程(業務棚卸・要件定義・手順書づくり)を最初から入れます。そのうえで、経営層と期間の見積もりをそろえます。

2. 聞く前に、現場で記録する

業務棚卸で困ったことの最多は「書き方がバラバラ」(79%)でした。自組織の業務実態を「ほぼ正確に把握している」人は7%です。全社に調査票を配る前に、まず1部門の数名でPC作業を記録します。それを自己申告と見比べて、どの業務をAIに任せるかを決める材料にします。

3. 業務棚卸と要件定義に、人と時間を割り当てる

業務棚卸に関わった人の28%は「片手間(週1日未満)」で、期間を答えた人の71%は1か月以上かかっていました。推進担当の仕事に、業務棚卸と社内調整の時間を正式に入れます。手順書のドラフトや文字起こしなど、AIに任せられる部分はAIに任せます。

業務の事実が見えていれば、経営層との見積もりも、現場への依頼も、人の割り当ても、同じ材料で話せます。

当社は、このうち提言2の「記録」を担う業務可視化AIエージェント「メボシ」を提供しています(詳細は下記)。

■「メボシ」について

メボシは、社員のPC作業を一定期間自動記録し、AIが実測データから「AIに任せるべき業務」を特定する業務可視化AIエージェントです。

ヒアリングや調査票に頼らず、数ヶ月かかっていた業務可視化を約2週間の記録で置き換えます。

記録データは保存前に秘匿情報を自動マスキングし、国内サーバーで管理されます。

サービスサイト:https://meboshi.ai/

■代表・堀内による調査結果の解説(note)

本調査の結果を、代表の堀内がnoteで解説しています。

『AI推進担当のリアル ── AI導入が進まない理由を、103名の回答と当事者の声から読み解く』

https://note.com/horiday018/n/n9cefb9b00d2c

■調査概要

  • 調査名:AI時代の業務可視化と属人化の実態調査 2026(第1報)

  • 調査主体:株式会社Renewer

  • 調査対象:当社メールマガジンの登録者(約2,000社の企業・団体の方。日経225構成企業の約半数に読者がいます)。回答者の69%が従業員1,000名以上(57%が5,000名以上)の企業に勤務、57%がAI導入の推進担当・責任者、37%が課長級以上(部長級以上17%)、84%の勤務先で生成AI・AIエージェントを導入済み

  • 調査方法:Webフォームによる回収

  • 調査期間:2026年9月24日〜10月30日

  • 有効回答数:103件

  • 注記:無作為抽出ではなく、AI導入にすでに取り組む大企業の実務者に偏った母集団です。構成比は小数点以下を四捨五入しているため合計が100にならない場合があります。分母が30未満の集計は示唆として扱っています。

  • 引用時の出典表記:株式会社Renewer「AI時代の業務可視化と属人化の実態調査 2026」。出典を明記いただければ、グラフ・数値の転載、報道・社内資料での引用は自由です。事前の連絡は不要です。

■調査レポート(全31ページ)のダウンロード

https://tayori.com/f/survey-2026-report

■第2報の予告

同じ調査で聞いた属人化と引き継ぎについて、第2報『属人化とノウハウ伝承の実態調査 2026』を2026年11月に公開予定です。

■株式会社Renewerについて

項目

内容

会社名

株式会社Renewer

代表者

代表取締役CEO 堀内亮平

事業内容

エンタープライズ向けAIプロダクトの開発・提供、企業のAI活用支援

Webサイト

https://renewer.jp/

サービスサイト

https://meboshi.ai/

公式note

https://note.com/renewer

株式会社Renewerは「Make AI Common ── AIをみんなの"当たり前"に」をミッションに掲げ、エンタープライズ向けAIプロダクトの開発・提供と、企業のAI活用支援を行っています。メボシのほか、プロンプト・AIエージェント作成アシスタント「コノン」をエンタープライズ企業向けに提供しています。

また、AI活用のガイドブックシリーズは、これまでに約2,000社の企業・団体でダウンロードされ、日経225構成企業の約半数に導入されています。

■採用募集(副業・業務委託から歓迎)

Renewerでは、「Make AI Common」へのチャレンジを一緒にしてくださる仲間を募集しています。
当社では相互理解を大切にしており、まずは副業・業務委託としての参画からスタートしていただく形を基本としています。
本業以外でも技術的な課題解決に取り組みたい方、新たな挑戦を求めている方は、まずはカジュアルにお話しできれば幸いです。

当社にご関心をお持ちの方は、ぜひ代表の堀内とのカジュアル面談にご応募ください。

カジュアル面談はこちらから: https://connonai.notion.site/casual-meeting

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会社概要

株式会社Renewer

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URL
https://renewer.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都渋谷区神宮前6-23-4 桑野ビル2階
電話番号
-
代表者名
堀内亮平
上場
未上場
資本金
-
設立
2023年03月