【COVID-19関連データ】新型コロナは大型連休(GW)の観光業に大打撃!それでも自粛が求められる理由とは?
※本プレスリリースはレイ・フロンティアが運営する「Rei Frontier Tech Blog」の転載となります。
Rei Frontier Tech Blog:
https://tech-blog.rei-frontier.jp/entry/2020/04/16/100808
去る2020年4月7日に日本政府は、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、兵庫県、福岡県のあわせて7都府県に「緊急事態宣言」を発令しました。緊急事態宣言が発令されている都府県の住民には、外出自粛が要請されています。宣言の効力は、大型連休が終了する5月6日までとなっています。
そこで今回は、昨年2019年の大型連休(4月27日から5月6日までの10連休)における実績移動データをもとに、
・外出自粛による観光への影響
・外出自粛を行わなかった場合の医療への影響
を分析しました。
本リリースは以下の構成になっています。
・2019年大型連休の実績データの抽出
・外出自粛に伴う観光への影響の分析
・観光分析① 緊急事態宣言が出されている都府県からの人流分析
・観光分析② オープンデータ観光庁データに基づく分析
・外出自粛を行わなかった場合の医療への影響の分析
■2019年大型連休の実績データの抽出
最初に、2019年大型連休の実績データを抽出します。
◾️エリア:日本全国
◾️日付:2019年4月27日(土) ~ 2019年5月6日(火)
◾️調査元:弊社アプリSilentLogより収集したデータに匿名化処理を施したもの
◾️抽出方法と内容:弊社技術ブログ「2020年3月二部グラフによる都道府県間の人口動態調査」にてご紹介した方法で、都道府県間の人流を抽出します(A県からB県へ移動した人数を抽出します)。
■外出自粛に伴う観光への影響の分析
観光分析① 緊急事態宣言が出されている都府県からの人流分析
緊急事態宣言が発令されている都府県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、兵庫県、福岡県)から他県の人流を分析します。
7都府県を地域ごとに3つに分類して分析します。
・東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県
・大阪府、兵庫県
・福岡県
(1) 東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県から他県への人流の内訳
上位10府県は、
・茨城県、静岡県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、愛知県、大阪府、新潟県、福島県
でした。
(2) 大阪府、兵庫県から他県への人流の内訳
上位10都府県は、
・京都府、奈良県、東京都、三重県、滋賀県、和歌山県、岡山県、愛知県、広島県、香川県
でした。
(3) 福岡県から他県への人流の内訳
上位10都府県は、
・佐賀県、熊本県、大分県、山口県、長崎県、東京都、広島県、大阪府、鹿児島県、宮崎県
でした。
緊急事態宣言により外出自粛が要請されていますので、抽出した都道府県への人流は大幅に縮小すると予想されます。
観光分析② オープンデータ観光庁データに基づく分析
人口推計データと旅行・観光消費動向調査データから、県人口10万人あたりの旅行者数を算出します。データは下記から入手しました。
◾️人口推計データ
出典:「人口推計」(総務省統計局)
http://www.stat.go.jp/data/jinsui/index.html
◾️旅行・観光消費動向調査データ
出典:「2019年4~6月期」集計表(確報)(観光庁)
https://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/toukei/shouhidoukou.html
県人口10万人あたりの旅行者数が多い順でのグラフは、下記のようになりました。
上位10県は、
・山梨県、長野県、和歌山県、栃木県、三重県、福島県、山形県、熊本県、大分県、京都府
でした。
1位の山梨県への流入元の内訳は下記グラフのようになりました。
緊急事態宣言が発令されている都県からの流入が多いようです。
2位の長野県への流入元の内訳は下記グラフのようになりました。
3位の和歌山県への流入元の内訳は下記グラフのようになりました。
長野県と和歌山県も、緊急事態宣言が発令されている都府県からの流入が多いようです。
観光分析①の結果同様、県人口に対する旅行者が多い県には、緊急事態宣言が発令されている都府県からの流入(旅行者)が多いため、自粛による影響が大きいと予想されます。
■外出自粛を行わなかった場合の医療への影響の分析
次に、仮に移動自粛を行わなかった場合に、緊急事態宣言が発令された都府県からの人流が医療に与える影響を分析します。
下記、厚生労働省のオープンデータにより、県人口10万人あたりの病床数を取得します。
◾️医療施設調査
出典:平成30年医療施設(動態)調査(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/79-1.html
県人口10万人あたりの病床数が少ない順でのグラフは、下記のようになりました。
上位10県は、
・神奈川県、埼玉県、愛知県、東京都、千葉県、滋賀県、岐阜県、静岡県、茨城県、栃木県
となりました。
3位の愛知県への流入元の内訳は下記グラフのようになりました。
緊急事態宣言が発令されている都府県からの流入は上位ではありませんが、4位に東京都、5位に大阪府、6位に神奈川県となっています。
6位の滋賀県への流入元の内訳は下記グラフのようになりました。
緊急事態宣言が発令されている都府県からは、2位に大阪府、4位に兵庫県となっています。
また、静岡県、茨城県、栃木県への流入は、前述の観光の分析にて、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県からの流入が上位に入っていました。
以上の分析により、移動の自粛を行わなければ、緊急事態宣言が発令された都府県から病床数の少ない県への流入により感染が拡大し、医療への影響が予想されます。
分析は以上となります。
外出の自粛が要請されていますが、要請を守り、感染拡大を抑えることが重要かと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
新型コロナウイルス(COVID-19)が1日でも早く終息することを願うばかりです。
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・代表取締役:田村 建士
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人工知能による位置情報分析プラットフォーム「SilentLog Analytics」の開発・運営
1)弊社が保有するデータの統計結果、AI分析推測結果の提供
2)行動データの収集手段(SDK)と、分析基盤一式および定期レポートの提供
3)位置情報分析技術による、既存のGPSデータの可視化と行動分析支援の提供
4)弊社アプリ(SilentLog等)を活用した行動分析、および実証実験支援の提供
5)行動データを活用した新規サービス、事業開発
■本プレスリリースに関するお問い合わせ
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E-mail:info@rei-frontier.jp
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