埼玉工業大学、ITbookと水陸両用無人運転・運航技術を共同開発 ~世界初の水陸両用バスの自動運転・運航システム構築を目指して~
埼玉工業大学(本部:埼玉県深谷市、学長:内山俊一、略称:埼工大、https://www.sit.ac.jp/ ) は、ITbookテクノロジー株式会社(本社:東京都港区、社長:菊田志向)と「水陸両用無人運転技術の開発 ~八ッ場スマートモビリティ~」における水陸両用バスの自動運転・運航システム構築に関する共同開発を開始します。
このたび、公益財団法人日本財団(以下、日本財団と称す)「無人運航船の実証実験にかかる技術開発共同プログラム」に、ITbookホールディングス株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役会長兼CEO:恩田饒)が代表となる「水陸両用無人運転技術の開発 ~八ッ場スマートモビリティ~」が採択されました。そのプロジェクトに、長野原町、エイビット、日本水陸両用車協会と共にコンソーシアムのメンバーとして参画します。
埼工大は同プロジェクトにおいて、ITbookテクノロジー株式会社との共同研究契約により、自動運転・運航の水陸両用バスの実験車両兼船舶の開発と、ソフトウェアを設計・開発します。この共同研究により、長野原町が導入した水陸両用バスに、自動運転・運航における、離着水・離着桟、水上障害物の回避、遠隔操作技術など機能を構築していきます。群馬県の八ッ場あがつま湖(八ッ場ダム)の水陸両用車が地上から入水し、水上を自動航行した後に、上陸して地上に戻るような自動運転・運航を目指します。
研究期間は2年間の予定で、実用化に必要な技術を開発・検証し、5年後の実用化を目指して、無人運航を可能にする技術開発をしていきます。
<写真2点:①八ッ場ダム水陸両用バス(長野原町所有)、②埼工大の自動運転バス>
本共同研究では、埼工大の自動運転バスにも用いられている、ジョイスティックロボカー技術及びオープンソースの自動運転ソフトウェアであるAutoware(*)をベースに、水陸両用バスの自動運転・運航システムを構築します。このシステムを用い、主に次の技術の実証実験を行います。
(1)離着水・離着桟における位置推定及び自動運航技術
(2)水上障害物検知及び回避のための技術
(3)ローカル5G等を用いた遠隔操作技術
本学はAI(人工知能)の教育・研究に先駆的に取り組む中、自動運転の開発を強化しており、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期「自動運転(システムとサービスの拡張)」の実証実験に私立大学として唯一、2期連続で参加しています。これらの経験を活かして、世界的にも例のない水陸両用バスの自動運転・運航技術の開発に挑んでいきます。
●埼工大の自動運転の開発について
埼工大は、自動運転の研究・開発に積極的に取り組んでいる大学と評価されています。2019年度の活動実績において、「自動運転技術開発センター」(センター長:渡部大志)が、延べ2,415名の体験試乗者を乗せて、計652㎞をレベル3で自動走行しています。これは国内の大学が開発する自動運転バスとして、トップクラスの活動となります。
全国各地の実証実験に参加し、交通量の多い公道や坂道の多い山間部など、自動運転の課題の多い道路にもチャレンジしてきました。本学研究チームの専門分野である画像認識の技術を活かして、必要なソフトウェアをSAIKO Car Wareとして独自に開発しています。
●「自動運転技術開発センター」について
埼工大の「自動運転技術開発センター」は、本学学長直轄の研究組織として、本学の全面的な協力・支援のもと、産学官連携による国内トップクラスの先進的な自動運転技術の研究・開発を目指して2019年4月に設立されました。本センターには、新たに和田正義特任教授、大山航教授、山﨑隆治教授、鯨井政祐教授等、ロボットや AI(人工知能)等関連分野を専門とする研究者も参画し、工学部情報システム学科教授 渡部大志がセンター長として活動を統括します。
本センターでは、①自動運転機能を持つ福祉車両の開発、②先端 AI技術を活用した自動運転技術の研究、③自動運転を題材にした実践的な AI人材育成などの課題に取り組みます。
現在、自動運転バスの開発を重点的に進めています。
●自動運転バスについて
車両の仕様(大きさ625×203×261cm、重量4.7t、補助席含め24人乗り、4000ccディーゼル車)、AIPilot / Autowareで自動運転可能な自動運転実証実験の試験車両となっています。
Autowareを利用し、AIによる障害物の検知(識別・分類する)機能を強化して、複数のライダーやカメラの画像情報をディープラーニング(深層学習)により周囲環境としてAIで認識して、障害物を回避して走行が可能です。
埼工大の自動運転バスは、埼玉県が将来の事業化を目指して行うスマートモビリティの実証を支援する「埼玉県スマートモビリティ実証補助金」(テーマ:公道走行可能な自動運転バスの実験車両とAIの実用化・市販化)に2019年度採択されました。同車両の開発には株式会社ミクニライフ&オート(社長:大西 浩樹、本社:埼玉県加須市)の全面的な協力により実現しています。
本学の自動運転バスは、ジョイ・カーに改装したマイクロバス「リエッセⅡ」に「自動運転AI(AIPilot /Autoware*)」をベースとしたAIを実装した一般の公道走行可能な自動運転車両です。
●埼玉工業大学のAI人材育成
埼工大はAI(人工知能)人材の育成を強化するため、工学部情報システム学科にAI専攻を全国に先駆けて2019年4月に開設するなど、AIエンジニアの育成、およびAIを活用する人材育成に向けた教育・研究に取り組んでいます。また今年度より、全学部・全学科(2学部・5学科)を対象に、AI教育を展開しています。
https://www.sit.ac.jp/gakubu_in/kougaku/ai/
●関連情報
〇プレスリリース:埼玉工業大学、「自動運転バス」を開発 (2019/8/2)
https://www.sit.ac.jp/media-s/2019/press/190805_01.pdf
〇プレスリリース:「自動運転技術開発センター」設立(2019/5/30)
https://www.sit.ac.jp/media-s/2019/press/190604_01.pdf
〇埼工大 自動運転特設サイト:http://saikocar.sit.ac.jp/
〇SIPについて https://www.sip-adus.go.jp/sip/
*:「Autoware」はThe Autoware Foundationの商標です
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