「第50回 信頼性・保全性・安全性シンポジウム」各賞受賞者決定!

ものづくり日本を支える研究者・技術者による研究報文・事例の各賞受賞者が決定!

日科技連

一般財団法人日本科学技術連盟(本部:東京都新宿区、理事長:佐々木 眞一、以下 日科技連)は、2021年6月29日(火)~30日(水)に「第50回 信頼性・保全性・安全性シンポジウム」をオンライン・ライブ形式で開催し、ものづくり日本を支える研究者・技術者による研究・経験・実践事例が発表報告されました。参加者からの投票結果をもとに、本シンポジウム報文小委員会による厳選なる審査と組織委員会の最終審議の結果、2021年10月8日(金)に「優秀事例賞(2件)」「奨励報文賞(1件)」各賞受賞者を決定しました。

 


※発表番号、所属は発表時のものです、Session番号順、敬称略、○は発表者

【優秀事例賞】
1)Session 2-1
発表事例:Cuワイヤ-Alパッド接続の耐湿信頼性におけるボンディング位置影響
著 者:小林 達也
所 属:ルネサスエレクトロニクス株式会社

[受賞理由]
半導体パッケージに使用されるボンディングワイヤでは、これまで、広くAuが利用されてきましたが、本事例発表では、昨今のAu価格の高騰やワイヤボンダーの性能向上により、これまで高信頼性部品への適用を敬遠してきたCuワイヤの適用範囲拡大を目的に、そこで発生する故障への対策方法を提案されました。
ワイヤボンディング部で発生するCu-Al間の腐蝕に対して、パッケージ樹脂の残留応力方向と腐蝕進行方向との関係性を見出し、パッド位置をズラすことで応力を弱め腐蝕故障を低減させると共に、長時間耐久性を改善できることを検証された価値ある発表内容でした。
これらは、半導体パッケージ材料や組立て条件など、今後の半導体製品パッケージ開発に於いて、新たな知見向上に繋がる内容であったことから、優秀事例賞に値するものと判断いたしました。

2)Session 4-1
発表事例:富士フイルムビジネスイノベーションにおけるメカニズムベース開発の取り組み
著 者:○伊藤 朋之、笠間 稔、吉岡 健
所 属:富士フイルムビジネスイノベーション株式会社

[受賞理由]
これまで開発プロセスにおいては、コンカレント化を中心に開発期間短縮が図られてきましたが、手戻りなどによる遅れが発生しリスクが増大してきたこと、また技術の伝承問題による技術資産の消失が課題となっていました。
本事例では、この課題に対して、メカニズムをベースとしたロジックツリーとこれを4軸QFDへ展開することで、技術の見える化や活用および資産の蓄積を図るしくみを構築され、それを長期に渡り根気よく普及・活用推進をされて、手戻りのない効率的な開発・生産、技術コミュニケーションの活性化と人材育成などに大きな成果を挙げたことが示されました。
取り上げている課題の重要性、解決方法における著者らの着眼点やアイディア、得られた結果の有効性を高く評価し、優秀事例賞に値するものと判断いたしました。

【奨励報文賞】
Session 6-2
報文名:修理系データへのワイブル回帰プロセスの提案と建築設備への応用
著 者:○久保井大輔1)、一ノ瀬雅之2)、鈴木 和幸3)
所 属:東京電力ホールディングス株式会社1)、東京都立大学2)、電気通信大学3)

[受賞理由]
本報文では、空調設備が最小限の修復活動の下で継続的に使用されていることに着目し、非斉次ポアソン過程に基づいた費用最適化モデルを構築、最適な機器更新周期に関する評価結果が報告されました。定期点検データをワイブル回帰プロセスによって解析することで提案手法の妥当性を論じている他、実際の運用状況を反映して費用最適化モデルを構築しており、最適な更新周期の導出に関する理論的な考察も行っています。
このような実務と理論の両面でバランスの良い内容となった要因は企業と大学から数理と建築という異なる専門の実務家と研究者による共同研究であったことと言えます。信頼性、保全性、安全性に関する問題を解決する上ではこのようなスタイルの研究がさらに増えることが望ましいとの観点から、奨励報文賞に値するものと判断いたしました。

1.賞の種類と紹介
(1)優秀報文(事例)賞
優秀報文/事例賞は、理論・方法などに従来試みられなかった新しい知見を有する内容、あるいは信頼性業務の遂行上裨益をもたらす内容を有する、優れた発表に与えられるものです。

(2)奨励報文(発表)賞
奨励報文/発表賞は、一般投票では選出されにくい専門分野や理論的な研究について、今後の信頼性・保全性・安全性の研究や発展を期待して奨励報文・発表に与えられるものです。

(3)学術/技術貢献賞
学術貢献賞は、発表の内容が学術的また労力的見地から見て表彰に値すると判断されるもの。技術貢献賞は、発表内容が啓蒙的であって参加者にとって大いに有益と判断された発表に与えられるものです。

2.優秀報文・優秀事例制度の目的と選考方法
本表彰制度は、研究発表者のインセンティブを喚起するとともに、一般参加者には優秀報文・事例の推薦を通して本シンポジウムへ積極的に参画していただくことをねらいとしています。

本シンポジウムは、企業の第一線で活躍されている研究者や技術者の方々が現実的に重要な信頼性、保全性さらにヒューマンエラー防止など安全性にかかわる問題を解決していくための知見を共有する場であり、発表者と参加者との討論により問題点を整理し、得られた知見をより体系化して知識の共有化を図ることを目的としています。
このようなねらいと背景から、参加者全ての方々に幅広く優秀報文・事例の推薦をお願いし、これに基づいて選考を行っています。本年も、参加者の皆様の多様な視点から投票をいただきました。

一般発表(報文/事例)18件について、参加者からの投票結果をもとに、本シンポジウム報文小委員会(委員長:田中健次氏(電気通信大学大学院 教授))による厳選なる審査と組織委員会(委員長:鈴木和幸氏(電気通信大学名誉教授・特任教授))の最終審議の結果、上記に示す「優秀事例賞(2件)」「奨励報文賞(1件)」各賞受賞者を決定しました。

3.第50回 信頼性・保全性・安全性シンポジウム「優秀報文(事例)賞、奨励報文(発表)賞、学術/技術貢献賞 受賞報文・事例の紹介」

https://www.juse.jp/rms/?pr10

4.信頼性・保全性・安全性シンポジウムとは
1971年に開始。当シンポジウムは、50年の歴史と伝統を誇る、いろいろな分野の信頼性・保全性・安全性分野のビッグイベントです。エンジニア、マネージャー、研究者が集い、ものづくり日本を支える「産・学」から最新かつ実践的な技術・経験・研究成果・実践事例が発信され、これらを共有し、意見交換・討議などを行うとともに、基調講演、特別講演、招待講演、特別企画セッションなどを通じて多彩な人的交流と情報交換の場を提供することを主眼としたシンポジウムとして毎年7月に開催しています。

<第50回 信頼性・保全性・安全性シンポジウム開催レポート>

https://www.juse.jp/rms/?pr10

5.問合わせ先
一般財団法人日本科学技術連盟 信頼性・保全性・安全性シンポジウム担当
TEL. 03-5378-9850 E-mail: rms-sympo@juse.or.jp

■財団概要
商 号 : 一般財団法人日本科学技術連盟
所在地 : 〒163-0704 東京都新宿区西新宿2-7-1 小田急第一生命ビル4階
代表者 : 理事長(代表理事) 佐々木 眞一(ささき しんいち)
創 立 : 1946年5月1日
事業内容 : 経営管理技術、特に品質管理(QC)を中心にした普及事業
基本財産: 23億1,720万円
URL : http://www.juse.or.jp

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会社概要

URL
https://www.juse.or.jp/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都新宿区西新宿2-7-1 小田急第一生命ビル4階
電話番号
03-5990-5842
代表者名
佐々木 眞一
上場
未上場
資本金
-
設立
1946年05月