スギの雄花への着花を抑制する薬剤の有効性を確認 将来のスギ花粉の飛散量抑制に期待
理研ビタミン株式会社(本社:東京都新宿区、社長:山木一彦)は、国立研究開発法人理化学研究所(以下、理化学研究所)有本特別研究室の有本特別招聘研究員(研究当時。現、名誉研究員)との共同研究により、化成品用改良剤を主成分とする薬剤に、スギの雄花への着花を抑制する効果があることを確認しました。実用上の薬害もなく、周辺の植生への悪影響も認められなかったことから、春のスギ花粉の飛散量抑制に役立つと期待されます。当社は今後、理化学研究所と連携して、農薬としての登録を目指します。
当社と理化学研究所 有本特別研究室は2010年から共同研究を始めました。天然由来脂肪酸のエステルを主成分とした薬剤であるRC-0100のスギ雄花着花抑制の試験は今回が2回目となります。これまでも他の脂肪酸エステルを使用した着花抑制効果の研究はありましたが、本剤は100倍希釈で使用するため散布濃度が低く、より少ない薬剤で効果が確認されました。
<試験概要>
・試験は林業薬剤協会委託試験として、2019年・2020年の2ヵ年にかけて、埼玉県寄居林業事務所と共同で行われました。試験場所は同事務所の鉢形圃場を使用しました。
・樹齢44年のスギ立木6樹を供試木として、7月から8月にかけてそれぞれの木の1/2程度に計3回散布しました。
・比較するために同じ木の1/2程度に薬剤を散布しない対照区を設定しました。
・散布後、10月に効果の調査を行いました。それぞれの様子は下記の写真のとおりです。
・雄花の着花抑制効果は2ヵ年ともに95%以上でした。
<結果の考察>
当社は食品用改良剤を化成品分野に応用し、プラスチック・化粧品などの用途向けに安全性の高い製品を提供しています。このことから消費者に安心感を持ってもらえる農薬の開発という有本特別研究室の取り組みに賛同し、共同で研究を進めていました。
理研ビタミングループでは、今後も天然物の有効利用を図り、新たな価値を創造する技術と商品で、社会に貢献してまいります。
<スギ花粉症について>
その症状の程度には個人差もありますが、飛散するスギ花粉の量による影響も大きく、花粉の飛散量が多い年には特に症状が重くなる傾向があります。
花粉はスギの枝先にできる「雄花」の中でつくられるため、毎年春に飛散する花粉の量は、その前年にできた雄花の数により大きく左右されます。
<理化学研究所 有本 裕 名誉研究員>
SaFE(Safe and Friendly to Environment)のコンセプトのもと、2010年から消費者・環境に優しい農薬の開発、特に消費者に安心感を持ってもらえる農薬の開発を目的とする新しい農薬開発技術の開発に取り組んでいます。
これにより農作物の生産性の維持と環境に配慮した病害虫防除体系の構築につながるものと期待されます。
<試験概要>
・試験は林業薬剤協会委託試験として、2019年・2020年の2ヵ年にかけて、埼玉県寄居林業事務所と共同で行われました。試験場所は同事務所の鉢形圃場を使用しました。
・樹齢44年のスギ立木6樹を供試木として、7月から8月にかけてそれぞれの木の1/2程度に計3回散布しました。
・比較するために同じ木の1/2程度に薬剤を散布しない対照区を設定しました。
・散布後、10月に効果の調査を行いました。それぞれの様子は下記の写真のとおりです。
・雄花の着花抑制効果は2ヵ年ともに95%以上でした。
<結果の考察>
- 散布していない部分(対照区)ではほぼ全面に着花が見られ、その密度も高かったですが、散布した部分(散布区)ではほとんど着花が見られず、本剤で処理することによって雄花着花を抑制する効果が確認できました。
- 試験に用いた供試木6樹のうち、5樹では薬害の発生も見られませんでした。1樹では葉の褐変が見られましたがごく軽微であり、樹の生育には影響しませんでした。下草など周辺の植生にも影響は見られませんでした。
当社は食品用改良剤を化成品分野に応用し、プラスチック・化粧品などの用途向けに安全性の高い製品を提供しています。このことから消費者に安心感を持ってもらえる農薬の開発という有本特別研究室の取り組みに賛同し、共同で研究を進めていました。
理研ビタミングループでは、今後も天然物の有効利用を図り、新たな価値を創造する技術と商品で、社会に貢献してまいります。
<スギ花粉症について>
毎年多くの方が悩まされるスギ花粉症。
その症状の程度には個人差もありますが、飛散するスギ花粉の量による影響も大きく、花粉の飛散量が多い年には特に症状が重くなる傾向があります。
花粉はスギの枝先にできる「雄花」の中でつくられるため、毎年春に飛散する花粉の量は、その前年にできた雄花の数により大きく左右されます。
<理化学研究所 有本 裕 名誉研究員>
SaFE(Safe and Friendly to Environment)のコンセプトのもと、2010年から消費者・環境に優しい農薬の開発、特に消費者に安心感を持ってもらえる農薬の開発を目的とする新しい農薬開発技術の開発に取り組んでいます。
これにより農作物の生産性の維持と環境に配慮した病害虫防除体系の構築につながるものと期待されます。
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