リアルテックファンド、糖鎖ナノテクノロジーを用いたウイルス検査の開発を行うスディックスバイオテック社へ投資を実施
リアルテックホールディングス株式会社(所在地:東京都墨田区、代表:丸幸弘、永田 暁彦)が運営するリアルテックファンド*は、株式会社スディックスバイオテック(本社:鹿児島県鹿児島市、代表取締役:隅田泰生、以下「スディックス社」)への投資を実施したことをお知らせ致します。
■背景
スディックス社は、糖鎖同定および糖鎖を金属粒子に固定する技術に特色を持つ、鹿児島大学発のリアルテックベンチャーです。同社技術を用いた検査キットによる PCR 検査は、既存ソリューションと比較して、エンベロープを有する活性ウィルスのみを抽出・濃縮する等、著しい優位性があり、with コロナ時代において、風邪様態患者(疾患特定前)および一定以上規模の医療機関、検査機関のペインを大きく改善し、ウィルス検査の新たなスタンダードを目指せる可能性を持ちあわせています。
■技術の概要
スディックス社は、96 種類の糖鎖を固定化した1.8cm×1.8cm のシュガーチップを用いて検査ターゲットのウイルスがどの糖鎖に結合するかを同定する技術に加え、同定した糖鎖を(利用が簡便で最も安定的である)金ナノ粒子に独自のリンカーで固定化する技術を持ち合わせています。
上記技術を背景に、最大 3 種(インフルエンザA、インフルエンザB、SARS-CoV-2)の活性ウィルスのみを検知可能な体外診断用検査薬を開発しており、携行可能かつ8検体同時検査可能で短時間で検査を実施できる PCR 検査機についても、システム技研社(宮崎)と共同開発し、処理温度の高低遷移についての短時間化を実現したことで、PCR 行程を 15 分で完了することを可能とし、現在主流のPCR検査機と比較して、大幅な時間短縮を実現しています。
■資金調達の目的と使途
スディックス社が開発する「ヒトインフルエンザと新型コロナの同時検査キット」は10月23日に製造販売承認、11月11日に保険適用が決まりました。
今回の調達により同検査用試薬キットおよび独自 PCR 検査機「MuSER」の全国販売を加速させます。
■担当者コメント
COVID-19 という、人類にとって新たな脅威となったウィルス(SARS-CoV-2)がもたらす疾患に対して、活性ウィルスのみを抽出・濃縮することで既存手法よりも確度高く診断可能な技術を開発した企業として、是非とも応援したい。
加えて、この糖鎖応用技術は、今後出現が想定される未知のウィルス疾患の早期診断にも対応可能なソリューションであり、人類が新たなウィルス感染症と常に戦っていかなければならない中、ウィルス感染の早期発見(診断)ソリューションをアップデートする同社に投資する意義は非常に大きい。
*正式名称:「リアルテックファンド3号投資事業有限責任組合(通称:「グローカルディープテックファンド」)
■株式会社スディックスバイオテックについて
- 設立年月:2006年9月21日
- 所在地:〒890-0065 鹿児島県鹿児島市郡元1-21-40 鹿児島大学 VBL 内
- 代表者:隅田 泰生
- 資本金:198,750,000円
- 事業内容:ウイルスの核酸遺伝子検査(PCR 検査)をどこでも、すぐに、簡単に実施できるキットと PCR 装置の開発および発売
- 公式サイト:https://www.sudxbiotec.jp/
- 出資時期:2020年11月
■リアルテックファンドについて
リアルテックホールディングス株式会社が、自社ならびに子会社の合同会社リアルテックジャパンを通じて管理運営するベンチャーキャピタルファンド。地球や人類の課題解決に資する革新的テクノロジー(リアルテック)の社会実装に取り組んでいます。HP: https://www.realtech.fund
-
- 無限責任組合員:(A)合同会社リアルテックジャパン
- 業務執行組合員:(B)リアルテックホールディングス株式会社
■リアルテックホールディングスについて
リアルテックホールディングス株式会社は株式会社ユーグレナと株式会社リバネスの合弁企業です。私たちは、リアルテックの生みの親である研究者とその社会実装に命を懸ける起業家と共に、より良い未来を創造します。「リアルテック」とは、地球や人類の課題解決に資する研究開発型の革新的テクノロジーであり、世界を変えるのは、いつでもリアルテックであると信じています。
HP: https://www.realtech.holdings
<お問い合わせ先>
リアルテックホールディングス株式会社
広報担当:成田 contact@realtech.fund
すべての画像