「尋常じゃないくらい仕事になっている」ポスティング業界をリードする株式会社アトとサッカークラブ・クリアソン新宿の異色のパートナーシップ
チラシやカタログを自宅へ直接投函するマーケティング手法「ポスティング」。そのポスティングの業界をリードする株式会社アトは、なぜサッカークラブとパートナーシップを結んだのか?代表の奈須田さん、取締役でクリアソンのポスティング戦略も担当してくれている飯田さんにお話を聞いた。
株式会社アト
2003年創業。ポスティング・DTP・WEBデザイン・印刷等SP事業全般を展開。全国主要都市に50拠点以上の支社を展開、業界をリードしている。2024年からクリアソン新宿の法人パートナー。
Speaker
代表取締役社長CEO 奈須田洋平 さん
取締役CSO 飯田佳弘 さん

「尋常じゃないくらい仕事になっている」サッカークラブとのパートナーシップ
―クリアソンとの出会いは?
飯田さん:最初は竹田さん(株式会社Criacao 取締役CSO)に出会って、今更 Jリーグを目指す、それをしかも新宿でやるということを聞いて、想いが半端じゃないなと感じました。代表の奈須田がこの会社を創業したのが新宿で、今の営業所も新宿1丁目でクリアソンのオフィスの近く。きっかけは不思議な縁が重なったことです。
―サッカークラブとのスポンサーシップ、クリアソンではパートナーシップと呼んでいますが、イメージは湧きましたか?
奈須田さん:一般的には、イメージが湧きづらい部分もあると思います。費用をお支払いして「応援してます」ということ以上に何ができるのかというところですね。
飯田さん:ただ、パートナーになる前から、竹田さんがビジネスを作ってくれました。普通に上場企業の役員を捕まえてきて「飯田さん、この人 絶対に良い人なんで」と紹介してくれる。それはわかるけどみたいな感じで(笑)。普段であれば「会えないんだろうな」という人とも、クリアソンの存在でスポーツを共通の話題にして会えちゃう。

奈須田さん:竹田さん以外にも、他の機会でもクリアソンのメンバーとお会いすることが多くて、同じようにいろんなつながりをつくってくれました。
飯田さん:国立の試合(2025年6月15日)では、観戦が終わったあとにパートナー企業の皆さんとご飯に行って、ものすごい関係が濃くなったんです。そこからお仕事もいただいて、今では切っても切り離せないくらいの関係になっています。クリアソンのつながりだけでも、尋常じゃないくらい仕事になっています。
―共通の話題があることで、ビジネスにも発展しやすいということでしょうか?
飯田さん:我々は、ポスティングという媒体がもっともっと効果を出せると思っているんです。クリアソンの皆さんは、僕らの本業のビジネスに対する理解がすごく深い。竹田さんがティーアップしてくれた状態で人を紹介してくれるので、僕が大して喋らなくてもクロージングがほぼ終わってる。その状態からお話ができるんで、ポスティングの価値観が変わりましたと言ってもらうこともありました。
ポスティングの社会的評価
―ポスティング事業をスタートしたきっかけはなんでしたか?
飯田さん:奈須田は早稲田大学に入ったのに、ポスティングにのめり込んで中退するという奇跡を起こしたんですよ。
奈須田さん:大学生のとき、ポスティング会社でアルバイトをしていたんです。そこで気づいたら役員になりました。リアルビジネスをやると大学の講義より面白くなって。そうすると大学に行かなくなるんで、二留して中退して(笑)。

―ポスティングはもっと効果を出せるというお話もありました
飯田さん:企業の広告担当者がマーケティング活動でどの媒体を選ぶかというアンケートがあって、20媒体くらいあってポスティングは下から3番目ぐらいだったんです。古くてアナログっていうイメージが伴うんでしょう。確かに、デジタルの進化に目が行くのは分かるんですが、ただデジタルとアナログの両方をやった方がいいですよと提案しています。
奈須田さん:ポスティング業界の課題は、本来は費用対効果だったり獲得単価だったり、反響を追求してそれを踏まえて提案をすることが大事なんですが、多くが配布することに追われちゃっていることでした。そこをアトはきちんとやっているんです。
飯田さん:QRコードから読み取ってもらえば、クリック率や滞在時間、などデータが客観的に収集できます。アトではDX化と統計をすごく重要視して、成功の事例を集約しています。クリアソンのように効果を伴奏して検証してくれる企業もいます。コンサルティングっていうとおこがましいですが、企業にアドバイスをさせていただき、しっかりと反響が出るようにやっているんです。

―クリアソンの集客でも、お力添えいただいています。
飯田さん:試合も観に行っているんですが、実際に西が丘で2、300人増えていました。西が丘は面白い場所で、スタジアムの周りは戸建てが多くて車社会だったりするんです。一般的な動線だと「駅から何分」みたいな感じで範囲を決めますが、車だと論点が変わってきます。あとは、あまり北に行きすぎると「新宿」のチームに反応しないかもとかかなりマニアックにやっていて…。
―飯田さん自らやっていただいていますよね。
飯田さん:後輩に振ろうかなと思ったんですけど、半分…というか7割ぐらい個人的な感情が入っちゃってるんですけど(笑)。この前もブリオベッカ浦安・市川のアウェイの試合を行ったりして。クリアソンの集客の伸びはすごいですし フィードバックも早くて、会社にとっても財産になります。
奈須田さん:先日、選手の皆さんにもポスティングのお手伝してもらいました。ポスティングという媒体の社会的な評価、認知がまだまだ低いですが、実際は集客力もあるし、マーケティングには効果がある。ポスティングの価値をもっと高めていきたいと思っています。クリアソンがJFLからどんどんメジャーになっていくのを目指す姿勢と、近しいものを感じています。

強みは「組織力」 クリアソンとつくりたい社会
―アトがこのようにポスティング業界をリードできている強みはなんですか?
飯田さん:強みは組織力ですね。クリアソンはスポンサーではなく、パートナーって呼ぶじゃないですか。我々も配布スタッフさんのことをパートナーと呼ぶんです。
奈須田さん:お客さん、配布してくれるパートナーさん、そしてアト。すべてが良くならないといけないと思っています。
飯田さん:アトはパートナーさんが働いた分の80% までは翌日振り込みが可能になるシステムを自社で構築したんです。僕は入って15年目ですけど、15年間いるスタッフもまあまあいるんですよ。この仕事で娘を大学に出させたみたいな人も。
奈須田さん:パートナーさんは年齢層とか属性がめちゃめちゃ幅広いんです。若い方だと役者とかミュージシャンとか夢があって、ポスティングで生計を立てている人も多い。他にも仕事を引退された方が健康管理も兼ねてとか、主婦であればお子さんを保育園とかに預けている間にとか。
飯田さん:パートナーさんの中でも、すごい人は月に100万円くらい稼いでもらっています。そういう100万円プレイヤーを作ることも奈須田のアイデアです。日払い制度もそうですし、いち早くDX化したことも、クリアソンと同じで業界を良くしていこうと思っているからこそです。奈須田のこの思想は、僕が入社したときから1ミリも変わってないですね。
奈須田さん:関わる人たちに多様なバックグラウンドがあるからこそ、働きやすい環境にしてしっかりと仕事を提供していかなきゃいけない。世の中には誹謗中傷が溢れてますが、 そうじゃなくて、 みんなで強いところ伸ばして弱いところ補える方がいい。おこがましいですが、私たちのやっていることがそういう社会につながると信じています。新宿という場所は、そのシンボルにもなり得ると思っているので、クリアソンとそういう社会を作れれば良いなと思っています。
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