【慶應義塾】新しい窒素・酸素ハイブリッド型クラウン分子の創出

―新たな光物性素子・触媒分子としての応用に期待―

慶應義塾

慶應義塾大学薬学部の熊谷直哉教授らの研究グループは、適度な立体的自由度を有する新規クラウン分子としてキノリン3量体oxa-TriQuinoline(o-TQ)を新たにデザイン・合成し、その多彩な機能性を明らかにしました。

ポルフィリンやクラウンエーテルは古くから知られる大環状構造を特徴とするクラウン分子であり、中心空隙における各種金属イオンの捕捉に呼応して各種分子機能を獲得することから、広範に研究展開がなされてきました。

本研究では、剛直かつ平面的な窒素系クラウンであるポルフィリンと、柔軟かつ立体的な酸素系のクラウンエーテルの構造特性を抽出したハイブリッド型分子o-TQをデザインし、その簡便合成法を確立しました。o-TQは、ポルフィリンやクラウンエーテルとは似て非なる新たなクラウン型多次元的機能性分子としての潜在性を示し、構造修飾により更なる機能展開が期待されます。

本研究成果は、2023年7月3日(中央ヨーロッパ夏時間)に国際学術誌『Angewandte Chemie International Edition』オンライン版に掲載されました。

<本研究のポイント>

  • ポルフィリンやクラウンエーテルなどの構造特性を抽出した三次元的3座配位子o-TQをデザインした。

  • 合成条件の最適化により、o-TQは市販化合物から簡便に合成することが可能となった。

  • 一価銅イオンの捕捉によってAIE特性、超分子錯体形成能、触媒活性を示した。

  • 各種遷移金属イオンを内包して金属錯体化し、さらなる未踏触媒反応を含む多次元的な機能性分子展開が期待される。


▼全文は本学のプレスリリースをご参照ください。

https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2023/7/12/230712-1.pdf

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設立
1858年10月