日本企業によるAI活用の推進支援を目的としたPrivate AI社との戦略的業務提携開始
東京海上ディーアール株式会社(代表取締役社長:水野 一幸 以下、「TdR」)と、Private AI Inc. (カナダ・トロント、CEO: Patricia Thaine、日本代表:後藤 元気 以下、「Private AI」)は、日本企業によるAI活用の推進支援を目的とした戦略的業務提携を開始します。
TdRはこの提携により、高度なAIリスクマネジメントと先進的AI技術を融合させ、企業のAI活用を成功に導くための包括的な支援を提供します。
1.背景
近年、機械学習やAI 技術の進展により、画像認識、音声認証、不正検知などをビジネス現場に実装する企業が増加しており、これらの技術革新は、社会全体の利便性を大きく向上させています。しかしながら、その一方でAI技術の普及に伴い、新たなリスクも浮上しています。過去にPC・インターネットの普及がサイバーセキュリティ市場を創出したように、今後はAI システム自体を保護する「AIセキュリティ」の重要性が急速に高まることが想定されます。
今、ビジネス現場では、企業が保有するデータの約8割を占める非構造化データ(例:メール、音声記録、文書ファイルなど)の管理と活用が、AI活用推進における大きな課題となっています。その原因の一つとしては、このようなデータの多くが自然言語で構成されており、プライバシーを保護しながら適切に処理するには技術的に難易度が高いことが挙げられます。そのため、企業ではAI活用成功に向けた「AIセキュリティ」の取組の一つとして、AI活用におけるプライバシー・個人情報保護及び情報資産保護を確保するための取組を検討・実践することが急務となっています。
こうした背景を踏まえ、TdRは、「AIセキュリティ」実現の支援を通じて日本企業のAI活用を推進するためのソリューションの開発・提供を目的に、今般、TdRとしてPrivate AIとの協業を開始しました。
2.PrivateAIとの業務提携の背景
・Private AIとの業務提携の背景
Private AIは、トランスフォーマーモデルを活用した独自の機械学習技術により、データ内の個人情報や機密情報の自動特定・秘匿化を高精度で実現します。今回の提携は、Private AIの最先端技術と、TdRのAIガバナンス・AIリスクコンサルティング力とを融合することで、企業が抱える非構造化データの課題を克服し、安全かつ効率的なAI活用を実現してまいります。
・Private AIの技術の特徴と優位性
特徴1 日本語に特化した高度な対応力
独自開発の機械学習アルゴリズムにより、日本語を含む52カ国の言語に対応します。特に、日本独自のデータ種別(例:マイナンバー、日本の住所、病名など)については、大量のデータでトレーニングされたAIを活用し、単なるルールベースを超えた高精度な検出と秘匿化を実現します。これにより、国内外の規制環境に適合した安全なデータ活用を支援します。
特徴2 法令遵守と文脈に基づく高精度なデータ処理
PII(個人識別情報)だけでなく、PHI(個人保健情報)、PCI(クレジット情報)、CCI(企業機密情報)など、多様な機密情報に対し、個人情報保護法やGDPRをはじめとする各種法令に準拠した形で高精度なデータ処理を実現します。文脈を考慮した処理能力により、信頼性と安全性を兼ね備えたデータ活用を可能にします。
特徴3 多様な非構造化データの対応
メール、コールセンター記録、手書きテキストなど、幅広い形式の非構造化データを包括的に処理することが可能です。これにより、これまで活用が難しかったデータを、安全性と規制遵守を確保した形で有効活用するための新たな可能性を提供します。
特徴4 オンプレミスでの展開が可能
Private AIは、Dockerコンテナ形式で提供されるAPIモデルを採用しています。このアーキテクチャにより、企業は自社のオンプレミス環境や選定したパブリッククラウド内で、柔軟にソリューションを展開しながら、セキュリティを確保することが可能です。この結果、データの所有権と機密性を維持しつつ、高度なAI機能を自社環境に統合することができます。
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3.協業の概要
TdRは、AI活用を推進する企業が安全で信頼性の高いAI運用を実現するための「AIリスクアセスメントサービス」、「AIセキュリティソリューション」、「AI人材教育」、「AIガバナンス構築」の4つのサービスメニューから構成されるAIガバナンス総合コンサルティングサービスを提供しています。この度の提携により、お客様のAIガバナンス態勢をより実践的なものとする「AIセキュリティソリューション」のツールとして、Private AIのソリューションを提案・提供することで、安全安心のAI利活用環境の態勢構築を支援します。
<Private AI Inc 日本代表 後藤 元気 氏によるコメント>
「データ活用とプライバシー保護の両立は、今後の日本におけるAI活用において最も重要な課題の一つです。このたびのパートナーシップでは、東京海上ディーアール社が持つリスクコンサルティングの専門性を活かし、上流段階からデータ活用における課題解決に取り組むことで、AIを活用したセキュアなデータ処理の実現を目指します。今回の取り組みは、Private AIにとって総合的なAIガバナンスプラットフォームとして、日本市場におけるさらなる価値提供と、より多くのお客様への支援拡大につながる重要な機会と考えています。」
Private AIについて
PrivateAIはプライバシーと機械学習の専門家により2019年に設立されたトロントに本社を置くテクノロジーカンパニーです。独自の機械学習アルゴリズムを用いて52以上の多言語で、50種類以上の個人を特定できる情報(PII)を秘匿化します。近年企業が取り扱うデータ流通は日々増えていますが、PrivateAIによりAIの運用やデータ分析の際に個人情報保護法やGDPRなどの法における個人情報を、個人識別符号を含めて網羅的にリアルタイムで必要な処理をすることができます。日本へは2023年9月に進出し、ガートナー社のプライバシー分野におけるCool Vendors の1社として選出されています。
■ 会社名:PrivateAI Inc.
■ 設 立:2019年
■ 本社所在地:Toronto, Canada
■ 代表者: Patricia Thaine
■ ウェブサイト:https://www.private-ai.com/
以上
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