全国に自粛要請が拡大された今、小売店はどう対応するのか トクバイ 新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) 小売店対策緊急アンケートレポート

~小売店 108店舗の動向を分析~

株式会社ロコガイド

 


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大により政府が緊急事態宣言の対象を全国に広げたことを受けて、チラシ・買い物情報サービス「トクバイ」を展開する株式会社ロコガイド(本社:東京都港区、代表取締役 穐田 誉輝以下ロコガイド)は、国内最大級のデジタルチラシサービス「トクバイ」を利用する小売企業を対象に、緊急事態宣言後の対策などについて調査を行いました。

【調査・分析概要】
<生活者の意識・実態調査>
●調査日:2020年4月17日~21日
●調査対象:「トクバイ」を利用している全国のスーパーマーケット、ドラッグストア、ホームセンター
●有効回答数:108社

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【結果のサマリー】レポートからの抜粋
●感染拡大、自粛要請などにともなう企業の対応について、約9割が衛生管理・店舗従業員へ向けた対策を既に実施しており、4月7日に特定警戒区域に指定された7都府県においては、入店客数の制限や一部店舗休業対応などの対応も実施している。
●また、7都府県においてはウェブ媒体で対応内容の告知を実施している企業が多い。
●チラシの自粛を実施していても、特売価格で販売を継続している企業は76%までのぼり、店内では通常時と同様にお得に買い物ができる環境づくりに努めている。
●衛生管理面での対応について、従業員にマスク着用義務を設けるとともにマスクや手袋を無償にて配布している企業も多い。
●小売店のコロナ影響下による課題は「店舗従業員へのケア」「予測不能な先行きへの不安」「お客様対応」
●店舗従業員に対してはウイルスから守る施策を積極的に実施。一部小売店ではインセンティブなど収入面でのサポートも実施することで働き手・労働力の確保に努めている
●新型コロナウイルス影響下により店舗従業員へのケアが必要な中、通常時より件数が多くなっているカスタマー・ハラスメントなどを含むクレームに対して26%の小売店が課題と感じている。
●対応策として、ハラスメント予防のためのPOPによる視覚化、店内アナウンス、事前に従業員へ対応のマニュアル化が取られている。
●カスタマー・ハラスメントが生じた際は、マニュアルに沿った謝罪、対応を実施している。
●ただし、通常時の対応マニュアルを変更・周知の必要性があり、小売店によっては現状その時間的余裕がない中での対応に追われている。
●今後は地域における小売店課題が表面化し、新型コロナウイルス対策をきっかけに地域のデジタル化や就業環境の進化が加速されることが予想される。
●生活者へ「お願い」したいこととして、小売店が課題に感じている従業員に対するケアが更に必要となってしまうような行動の自粛への協力が多く見受けられる。
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1)小売企業の対応策
エリアにかかわらず9割前後が「スタッフへの配慮」や「衛生管理対応」を実施。
特定警戒地域では「チラシ自粛」「営業時間短縮」「入店客数の制限」「一部店舗の休業」も高いことから、緊急事態宣言対象が全国に拡大したことにともない、全国に波及することが予想される。

新型コロナウイルス感染拡大や自粛要請などによって対応したことを聞いたところ、「店舗スタッフへの配慮」や「衛生管理対応」は9割前後が、「販促の中止・変更」「混雑緩和措置(ポスターの掲示)」は7割前後が、エリアにかかわらず全国的に、すでに実施していることがわかります。
一方、「トクバイ、LINEなどウェブ媒体での営業時間変更・チラシ自粛などの案内」「営業時間の短縮」は、特定警戒地域7都府県では7割前後、また「入店客数の制限」「一部店舗の休業」も2割程度実施しているのに対し、その他のエリアではいずれも低く、緊急事態宣言対象が全国に広がったことで、今後、地方エリアでも実施されることが予想されます。


2)小売企業の販促対策
販促対策では「チラシの自粛」6割。しかしチラシ自粛企業の8割近くが特売は休止していないと回答。
販促は自粛するも、生活者がお得に買い物できるような施策は継続している。

新型コロナウイルス感染拡大や自粛要請に対する、販促においての対策を聞いたところ、「チラシの自粛」が最も多く58%。次いで「≪お一人様1個まで≫などのPOP対応」(49%)、「品切れ商品の告知」(41%)など買い物世相を反映した情報や、「タイムセールの中止」(27%)など三密を避ける施策が上位に挙がっています。
一方、「チラシの自粛」に回答した企業を対象に特売価格での販売の実施状況を聞いたところ、76%が特売価格での販売は「休止していない」と回答。チラシは自粛しているものの、特売価格での商品提供は通常通り継続して行い、生活者が通常時同様にお得に買い物できる環境づくりに努めていることが伺えます。

3)店舗での衛生対策
9割が「アルコールスプレーの設置」、8割以上が「従業員へのマスクの着用義務」を、7割以上が「総菜の個別包装」に回答しており、来客・従業員・商品すべてにおいて何らかの対策を実施。
また、従業員への義務づけだけでなく、マスクや手袋の無料配布を行い衛生対策の徹底化と従業員の自己負担軽減に対応。

新型コロナウイルス対策として、店舗における衛生管理面での対応を聞いたところ、最も多かったのが「アルコールスプレーの設置」で92%が回答。次いで「従業員へのマスクの着用義務」(85%)「総菜の個別包装」(74%)と、来客・従業員・商品すべてにおいて何らかの対策を実施していることがわかります。従業員へのマスクや手袋着用義務については、マスクが着用義務85%に対し「従業員へのマスクの無料配布」が64%、手袋に至っては着用義務34%に対し「従業員への手袋の無料配布」が40%と上回る結果となっており、義務づけに対し無料配布を実施することで従業員の自己負担軽減にも対応していることが伺えます。

4)感染拡大・自粛要請に対する課題
「店舗従業員のケア」が7割強と圧倒的で、労働力の確保など人に関するものが顕著。次いで「商品の品切れ」5割や「販促計画が立てられない」3割など、予測不能な先行きへの不安も大きい。
また、通常時より増えた苦情対応など「お客様対応」でも負荷が高まっており課題。

新型コロナウイルス感染拡大や自粛要請により、課題に感じていることを聞いたところ、「店舗従業員へのケア」が73%で圧倒的に高く、2割程度は「店舗従業員の確保/人手不足」も懸念。多くの企業が感染リスクの前線に立つ従業員へのケアや確保に課題を感じていることが伺われます。
次いで「商品の品切れ」(49%)「特定時間の混雑対応」(37%)「通常時には発生しないような内容の苦情対応の増加」(26%)など現状の営業における課題がみられました。さらに「今後の販売・販促計画が立てられない」(31%)など先行きの見えない中での経営への課題も伺われます。
 

店舗従業員確保のための取り組みは「レジカウンターとの間仕切り設置」「マスクの無料配布」など接客業務でコロナウイルスから従業員を守るような措置が上位に。
一方、効果的と感じた取り組みは、「レジカウンターとの間仕切り設置」に次いで「特別手当や給与増など収入面にてサポート」で、対価の明確化が効果的と感じている。

店舗従業員確保のために実施している取り組みを聞いたところ、最も多かったのが「レジカウンターとの間仕切り設置」(76%)、次いで「マスクの無料配布」(62%)。接客業務でコロナウイルスから従業員を守るような措置を講じて労働力確保に努めている企業が多いことが伺われます。
一方、店舗従業員確保の取り組みのうち、最も効果的だと感じた取り組みを聞いたところ、「レジカウンターとの間仕切り設置」(25%)、「特別手当や給与増など収入面にてサポート」(15%)があげられており、感染防止対策だけでなく、インセンティブなど何らかの対価を明確に示すことが効果的なようです。

新型コロナウイルスに対する国家レベルでの感染防止対策下における、小売店舗に対するカスタマー・ハラスメントは、企業の課題の上位に登場。従業員確保の取り組みにおいても重視。
新型コロナウイルス影響下におけるカスタマー・ハラスメントは、先の質問「新型コロナウイルス感染拡大や自粛要請により、課題に感じていること上位3つ」の結果でも、「通常時には発生しないような内容の苦情対応の増加」(26%)が5位に。店舗従業員確保のために実施している取り込みの結果で、「品切れに対する苦情を回避するような告知」(29%)が4位に挙がっていることからも、カスタマー・ハラスメントが課題であることが伺えます。ハラスメントの実態は、従業員へのクレームとお客様同士のトラブルがあり、人員不足や三密を避ける取り組みの中で、従業員もお客様も危険度が高まる事態として課題を感じているようです。


カスタマー・ハラスメントへの対処は「謝罪」がメイン。マニュアル化することで対応統一。
予防策としてPOPや店内アナウンスなど視覚・聴覚的な手法を実施しているが、予算や時間的余裕がない中での対応に追われている。

カスタマー・ハラスメントへの対応策として、ハラスメント予防のためPOPによる視覚化、店内アナウンス、また事前に従業員へ対応のマニュアル化が挙がっています。ハラスメントが生じた際にはマニュアルに沿って謝罪、対応の実施をしていることが伺えます。ただし、通常時の対応マニュアルを変更・周知の必要性があり、小売店によっては現状その時間的余裕がない中での対応に追われているようです。

現場では、理不尽なクレームを受けることが少なくないが、

トクバイには、実際に感謝の声を届けたいユーザーからの心温まるクチコミやお声が寄せられている。

小売店から生活者へのお願いは、公正な配荷のための「買占めをしない」ことや感染リスク低減・店舗従業員への負担軽減のための来店人数制限や混雑回避、特殊な状況を鑑みて過度な苦情の自粛など。
新型コロナウイルス感染拡大環境下における店舗の利用に関する生活者へのメッセージとしては、「買い占めをしないでほしい」「来店する人数の制限(1人で買い物に来てほしい)」がともに約7割。出来るだけ多くの人へ商品を届けるため、また店舗内のウイルスの蔓延防止を訴えている。
また、「混雑する時間帯を避けた来店」「やむを得ず起きていることへの過度な苦情」も5割超、「商品入荷状況の確認電話」も約4割となっており、感染防止の観点だけでなく、店舗従業員への負担が高まることは避けてほしいと願っている。

5)長期化・終息後について
現状況の長期化で最も懸念されることは「従業員に感染者が出ることのリスクの増大」
地域に関係なく、9割以上の企業が懸念している。
一方、終息を見据えた企業としての今後の検討課題は、働きやすい環境づくりに次いで「社内コミュニケーションのデジタル化」や「キャッシュレス決済の強化」「セルフレジ・セミセルフレジの導入促進」などが上位に。特に7都府県以外の地域での回答率が高く、地方への波及が予想される。

現在の状況が長期化した場合に懸念していることを聞いたところ、「従業員に感染者が出ることのリスクの増大」が最も多く、地域に関係なく9割以上の企業が回答。次いで「事態の予測が困難であること」「スタッフへ支給している衛生用品の枯渇」などが挙がっています。
また、今後の終息を見据えて検討し始めていることを聞いたところ、「より従業員が働きやすくなる環境づくり」は全国共通で最も多く5割前後の回答を得ていますが、2位以下は7都府県以外のエリアで「キャッシュレス決済の強化」が45%、「社内コミュニケーションのデジタル化」が32%、「セルフレジ・セミセルフレジの導入促進」が20%と高く、これを機に、キャッシュレス対応、デジタル環境の全国的な波及、より一層の浸透が予想されます。

■「トクバイ」では小売店をサポートする様々な施策を展開しています。
<小売店の声を生活者に伝える施策>

アプリ内「トクバイニュース」にて新型コロナウイルス情報を随時更新。
スーパーマーケットなどでの買い物時に心がけたいことなど、生活者に役立つ知識やマナーを紹介しています。また、新型コロナウイルス情報は、常にアプリのトップ画面で分かりやすく紹介し、多くの方の閲覧を促しています。

<店舗での生活者とのコミュニケーションをサポートする施策>

「トクバイ」を利用している小売店向けに、お客様とのコミュニケーションを円滑にするためのツールを用意しています。コロナウイルス対策用の店頭POPや、会員メール等の配信用バナーなどがあります。

 



トクバイとは
2013年にスタートした、食品スーパーマーケットをはじめ様々な業態の小売店のチラシ・買い物情報を掲載しているWebサービス・アプリです。パソコン・スマートフォンから無料で情報の閲覧が可能です。サービス利用店舗数は約5万店舗*で、30〜50代の女性を中心に利用されています。(*2020年1月末現在)
※「トクバイ」に情報掲載をご希望の企業様はこちら(https://biz.tokubai.co.jp/

会社概要
社名:株式会社ロコガイド(https://locoguide.co.jp/
本社所在地:〒108-0073 東京都港区三田1−4−28 三田国際ビル1階
資本金:5,000万円
設立年月日:2016年7月1日
主要事業:買物情報事業、地域情報事業、広告事業
 

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業種
サービス業
本社所在地
東京都港区三田1丁目4番28号 三田国際ビル1階
電話番号
03-6368-1052
代表者名
堀口育代
上場
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資本金
22億5943万円
設立
2016年07月