時短でもフルタイムでもキャリアアップ意欲に差異なし!
~産育休経験者551名に問うwithコロナ時代の働きやすい職場とは~
「育休コミュニティMIRAIS(ミライズ)(以下MIRAIS)」は、産育休取得経験者(以下育休経験者)551名に仕事と家庭の両立に関するアンケートを実施し、調査結果をまとめましたので公表します。
◆要約
◆なぜ適切な両立支援策が必要なのか
・子供を持つ女性も仕事を継続したい人が9割以上。子育てをしながらも仕事に対するモチベーションは変わらず。
アンケート結果から子供を持つ女性の約9割(96.0%)の人が仕事は続けたいと回答しています。また、産育休前後で約7割(71.3%)が仕事に対するモチベーションが変わらない、もしくは上がっていることが分かりました(図1)。
反対にモチベーションが低下した割合は約3割となっており、低下した理由は、価値観が変化し子供や家庭の優先度が上がったことが多く挙げられており、それに続いて職場の制度や風土に対する不満が挙げられていました。
全体の約6割(55.8%)がキャリアアップしたいと回答しており、時短勤務者であってもその割合は約5割(51.9%)とほぼ変わりませんでした(図2)。仕事と家庭がもっと両立しやすければキャリアアップしたいと考えている人は約8割(75.4%)と、両立支援が進むことでキャリアアップを望むワーキングママ(パパ)が増加すると考えられます。
・復職者の約7割は職場が両立の大変さを理解してくれないと感じたことがあると回答。
復職者のうち、約7割(66.7%)が両立への職場の理解不足を経験したと回答しています(図3)。具体的には、夕方以降の会議実施や時短勤務者への理解不足など風土に関するものや、評価や両立支援制度のミスマッチを指摘する声が多く挙がっています。
(自由記述 一部抜粋)
・育休を短くするよう言われたり時短を拒否された(女性/30代後半/医療・福祉)
・上司から時短は1人としてカウントされないからと言われた(女性/30代後半/製造業)
・夜遅くに会議が頻繁に入る(男性/30代後半/サービス業)
・17時以降に打ち合わせが設定された(30代/女性/製造業)
・時短で給与を下げているのに残業しなければならない(女性/30代/医療・福祉)
・産育休後も「やりがいのある仕事」「成長につながる仕事」を望む声が6割以上。また、産育休後は希望する働き方の多様性が増している。
産育休後も仕事にやりがい、成長を求める声が6割以上あり、また「残業のない働き方」を選択した人の約7割(70.1%)が「やりがいのある仕事」「成長につながる仕事」をあわせて希望しており、子育てによる時間的制約があっても仕事に意欲的に取り組みたい人が多いことが分かりました。一方で、産育休後の希望においては上位の割合が拮抗しており、希望する働き方の多様性が増している様子が伺えます(図4)。
・両立において制度よりも職場風土が大事だと答えた人が半数以上。
両立において「どちらかというと(制度よりも)職場風土の方が重要」と答えた人は約5割(51.2%)であり、「どちらかというと(職場風土より)制度の方が重要」と答えた割合の約1割(10.5%)を上回っています。
職場においては制度を整えるだけでなく、両立しやすい風土の醸成が求められています。
◆両立しやすい職場にしていくために
・上司とコミュニケーションが取れていない人は、取れている人に比べて職場の両立への理解不足を経験した割合が1.5倍に増加。
復職後、上司とコミュニケーションが取れている人は約7割(72.4%)、どちらとも言えない人は約2割(17.7%)、取れていない人は約1割(9.9%)でした。上司とコミュニケーションが取れている人のうち、両立に関する職場の理解不足を経験した人は約6割(59.6%)であったのに対し、取れていない人の割合は9割以上(92.9%)と大幅に上がっています。上司とコミュニケーションが取れている人は取れていない人に比べ、コロナ影響で両立に良い変化があったと回答した人も約1割(14.3%)多くなりました(図5)。また、良い変化に在宅勤務を挙げている人も約1割(8.7%)多くなっており、このことから、十分なコミュニケーションが取れている方が制度を有効に活用できていると推測されます。
◆総括
アンケートの結果、時短や残業なしなどの働き方を希望していてもキャリアアップに意欲がある人が多く、仕事にかけたい「時間」と「モチベーション」にはほとんど相関がないことが分かりました。
一方で、産育休を経て、働き方や仕事に求めるものが多様化しているのも事実であり、仕事、家庭どちらかに重きを置きたい人がいることも示唆されました。
職場環境に関しては、約4割の人が職場風土が原因で働きづらさを感じていました。一方で、上司とコミュニケーションを取れている人は、職場の両立への理解不足を経験した人が約6割であり、取れていない人の割合(約9割)と比べて格段に少ない結果となりました。アンケートの自由記述からも、職場側と育休経験者、双方が互いの立場を理解しあうことが働きやすい風土作りにあたっては重要だと考えられます。また、在宅勤務などwithコロナ時代に加速した働き方に関する制度を上手く活用していくには、十分なコミュニケーションが欠かせないと示唆されました。
以上のことから、育休経験者・職場側双方で十分なコミュニケーションを取り、育休経験者は仕事内容や働き方への自身の想いや希望を明確に伝えること、職場側は育休経験者の多様な声に耳を傾けていくような風土作りが必要だと考えられます。風土の醸成は一朝一夕ではできないものですが、育休経験者が最も求めている部分であり、この基盤が固まっていなければせっかくの制度や人材を十分に活用することが難しいと言えます。
当事者一人一人の心がけから始め、育休経験者に限らずすべての労働者の多様性を認め合い、活かし合う社会となっていくことを願います。
【このアンケート調査に込めた想いはこちら】
https://prtimes.jp/story/detail/arlon4CRVXx
【調査概要】
●調査の方法
調査方法 :インターネット調査
調査期間 :2021年2月5日〜2月27日
調査対象 :産育休中もしくは産育休を経て復職した男女
有効サンプル数 :551名(女性524名、男性26名、他1名)
※グラフ等に表記した数値は小数点以下などを四捨五入している箇所があり、必ずしも100%にならない場合があります
●調査の目的
産育休経験者の声を収集し働きやすい職場を調査・発信することで産育休経験者がより高いパフォーマンスを発揮できる社会に貢献する。
●引用・転載にあたってのお願い
本調査結果は、下記条件に基づきご自由に引用・転載いただくことができます。
必ず下記のクレジットを表記の上、当コミュニティへ掲載報告をお願いします。
「育休コミュニティMIRAISによる産育休経験者計551名の実態調査 結果報告書」
報告書は下記リンクよりご確認いただけます。
↓↓
https://drive.google.com/file/d/1EcsUw0tk-Od-VsXCreBcn5xb5pUCdft1/view?usp=sharing
代表者 : 栗林 真由美
発 足 : 2018年8月
URL :https://ikukyu-community.amebaownd.com/
「なんとなく育休をなくしたい」をミッションに、全国各地及び海外からの参加者も在籍。それぞれがキャリア、子育て、自身の成長などジャンルを問わず育休中のテーマを設定し、未来にこう在りたい自分の姿をかたちにするために活動。メンバー主催のキャリアや子育てなどの考察を深める読書会、外部講師を迎えて勉強会やオンライン交流会など、育休を自己実現の積極的な機会とするためのコミュニティ。その活動はこれまでの育休の概念を変える新しい形として、設立2年目にして日本経済新聞、日本テレビ「news every.」、CHANTO等のメディアに取り上げられ反響を呼んでいます。
- 勤務形態によらず、キャリアアップを希望する人は半数以上。
- 仕事と家庭が両立しやすくなれば、8割の人がさらなるキャリアアップを希望。
- 産育休後も6割以上の人が「やりがいのある仕事」「成長につながる仕事」を希望。
- 両立支援制度よりも職場風土の方が大事と回答した人が半数以上。
- コロナ影響で仕事と家庭の両立に7割が良い変化があり、理由は在宅勤務が最多。
- 上司とコミュニケーションが取れていない人は、取れている人と比べて職場の両立への理解不足を経験した割合は1.5倍増加。また、コロナ影響で仕事と家庭の両立に良い変化があった割合は14%減少。
◆なぜ適切な両立支援策が必要なのか
・子供を持つ女性も仕事を継続したい人が9割以上。子育てをしながらも仕事に対するモチベーションは変わらず。
アンケート結果から子供を持つ女性の約9割(96.0%)の人が仕事は続けたいと回答しています。また、産育休前後で約7割(71.3%)が仕事に対するモチベーションが変わらない、もしくは上がっていることが分かりました(図1)。
反対にモチベーションが低下した割合は約3割となっており、低下した理由は、価値観が変化し子供や家庭の優先度が上がったことが多く挙げられており、それに続いて職場の制度や風土に対する不満が挙げられていました。
・勤務形態に関わらず、キャリアアップしたい人が半数以上。
全体の約6割(55.8%)がキャリアアップしたいと回答しており、時短勤務者であってもその割合は約5割(51.9%)とほぼ変わりませんでした(図2)。仕事と家庭がもっと両立しやすければキャリアアップしたいと考えている人は約8割(75.4%)と、両立支援が進むことでキャリアアップを望むワーキングママ(パパ)が増加すると考えられます。
・復職者の約7割は職場が両立の大変さを理解してくれないと感じたことがあると回答。
復職者のうち、約7割(66.7%)が両立への職場の理解不足を経験したと回答しています(図3)。具体的には、夕方以降の会議実施や時短勤務者への理解不足など風土に関するものや、評価や両立支援制度のミスマッチを指摘する声が多く挙がっています。
(自由記述 一部抜粋)
・育休を短くするよう言われたり時短を拒否された(女性/30代後半/医療・福祉)
・上司から時短は1人としてカウントされないからと言われた(女性/30代後半/製造業)
・夜遅くに会議が頻繁に入る(男性/30代後半/サービス業)
・17時以降に打ち合わせが設定された(30代/女性/製造業)
・時短で給与を下げているのに残業しなければならない(女性/30代/医療・福祉)
◆育休経験者の求める職場とは
・産育休後も「やりがいのある仕事」「成長につながる仕事」を望む声が6割以上。また、産育休後は希望する働き方の多様性が増している。
産育休後も仕事にやりがい、成長を求める声が6割以上あり、また「残業のない働き方」を選択した人の約7割(70.1%)が「やりがいのある仕事」「成長につながる仕事」をあわせて希望しており、子育てによる時間的制約があっても仕事に意欲的に取り組みたい人が多いことが分かりました。一方で、産育休後の希望においては上位の割合が拮抗しており、希望する働き方の多様性が増している様子が伺えます(図4)。
・両立において制度よりも職場風土が大事だと答えた人が半数以上。
両立において「どちらかというと(制度よりも)職場風土の方が重要」と答えた人は約5割(51.2%)であり、「どちらかというと(職場風土より)制度の方が重要」と答えた割合の約1割(10.5%)を上回っています。
職場においては制度を整えるだけでなく、両立しやすい風土の醸成が求められています。
◆両立しやすい職場にしていくために
・上司とコミュニケーションが取れていない人は、取れている人に比べて職場の両立への理解不足を経験した割合が1.5倍に増加。
復職後、上司とコミュニケーションが取れている人は約7割(72.4%)、どちらとも言えない人は約2割(17.7%)、取れていない人は約1割(9.9%)でした。上司とコミュニケーションが取れている人のうち、両立に関する職場の理解不足を経験した人は約6割(59.6%)であったのに対し、取れていない人の割合は9割以上(92.9%)と大幅に上がっています。上司とコミュニケーションが取れている人は取れていない人に比べ、コロナ影響で両立に良い変化があったと回答した人も約1割(14.3%)多くなりました(図5)。また、良い変化に在宅勤務を挙げている人も約1割(8.7%)多くなっており、このことから、十分なコミュニケーションが取れている方が制度を有効に活用できていると推測されます。
・仕事と家庭の両立について約7割はコロナ影響で良い変化があったと回答。悪い変化があったと回答したのはわずか約1割(図6)。良い変化の理由は「在宅勤務の増加」が約7割で最多(図7)。
◆総括
アンケートの結果、時短や残業なしなどの働き方を希望していてもキャリアアップに意欲がある人が多く、仕事にかけたい「時間」と「モチベーション」にはほとんど相関がないことが分かりました。
一方で、産育休を経て、働き方や仕事に求めるものが多様化しているのも事実であり、仕事、家庭どちらかに重きを置きたい人がいることも示唆されました。
職場環境に関しては、約4割の人が職場風土が原因で働きづらさを感じていました。一方で、上司とコミュニケーションを取れている人は、職場の両立への理解不足を経験した人が約6割であり、取れていない人の割合(約9割)と比べて格段に少ない結果となりました。アンケートの自由記述からも、職場側と育休経験者、双方が互いの立場を理解しあうことが働きやすい風土作りにあたっては重要だと考えられます。また、在宅勤務などwithコロナ時代に加速した働き方に関する制度を上手く活用していくには、十分なコミュニケーションが欠かせないと示唆されました。
以上のことから、育休経験者・職場側双方で十分なコミュニケーションを取り、育休経験者は仕事内容や働き方への自身の想いや希望を明確に伝えること、職場側は育休経験者の多様な声に耳を傾けていくような風土作りが必要だと考えられます。風土の醸成は一朝一夕ではできないものですが、育休経験者が最も求めている部分であり、この基盤が固まっていなければせっかくの制度や人材を十分に活用することが難しいと言えます。
当事者一人一人の心がけから始め、育休経験者に限らずすべての労働者の多様性を認め合い、活かし合う社会となっていくことを願います。
【このアンケート調査に込めた想いはこちら】
https://prtimes.jp/story/detail/arlon4CRVXx
【調査概要】
●調査の方法
調査方法 :インターネット調査
調査期間 :2021年2月5日〜2月27日
調査対象 :産育休中もしくは産育休を経て復職した男女
有効サンプル数 :551名(女性524名、男性26名、他1名)
※グラフ等に表記した数値は小数点以下などを四捨五入している箇所があり、必ずしも100%にならない場合があります
●調査の目的
産育休経験者の声を収集し働きやすい職場を調査・発信することで産育休経験者がより高いパフォーマンスを発揮できる社会に貢献する。
●引用・転載にあたってのお願い
本調査結果は、下記条件に基づきご自由に引用・転載いただくことができます。
必ず下記のクレジットを表記の上、当コミュニティへ掲載報告をお願いします。
「育休コミュニティMIRAISによる産育休経験者計551名の実態調査 結果報告書」
報告書は下記リンクよりご確認いただけます。
↓↓
https://drive.google.com/file/d/1EcsUw0tk-Od-VsXCreBcn5xb5pUCdft1/view?usp=sharing
◆育休コミュニティMIRAIS(ミライズ)とは
団体名 : 育休コミュニティ「MIRAIS」
代表者 : 栗林 真由美
発 足 : 2018年8月
URL :https://ikukyu-community.amebaownd.com/
「なんとなく育休をなくしたい」をミッションに、全国各地及び海外からの参加者も在籍。それぞれがキャリア、子育て、自身の成長などジャンルを問わず育休中のテーマを設定し、未来にこう在りたい自分の姿をかたちにするために活動。メンバー主催のキャリアや子育てなどの考察を深める読書会、外部講師を迎えて勉強会やオンライン交流会など、育休を自己実現の積極的な機会とするためのコミュニティ。その活動はこれまでの育休の概念を変える新しい形として、設立2年目にして日本経済新聞、日本テレビ「news every.」、CHANTO等のメディアに取り上げられ反響を呼んでいます。
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