イマーシブテクノロジーが叶える「デジタル森林浴」の研究成果および普及啓発の取り組みが「人間・環境学会(MERA)」学会賞を受賞
(実験室:映像・環境音・香りにより森林環境を再現。2021年2月、銀座にて)
■受賞対象となる研究結果:デジタル森林浴の生理・心理的な効果、回復特性の解明
フォレストデジタルと森林総合研究所チーム長の高山範理氏による研究チームは、⾵景・音・⾹りといった森林環境の有するアメニティを「デジタル森林浴」という形態で空間型VR”uralaa”によって屋内に再現し、心身に与える効果(「生理・心理的効果」)、各環境が備えている私たちの心身を回復してくれる特性(「回復特性」)の両面から、その効用を実証しました。
具体的には①「デジタル森林浴」の体験前後の「生理・心理的疲労回復効果」と、その原因となる「デジタル森林浴」の有する「回復特性」の特徴を明らかにしました。②また、これまで森林総合研究所が蓄積したリアルな森林環境の「心理的効果」および「回復特性」のデータと、「デジタル森林浴」で取得したそれぞれのデータを比較しました。その結果、「デジタル森林浴」 はリアルな森林環境と近く、人間の生理的・心理的状態を改善する効果があることが実証されました。また、そのような効果をもたらした原因として「デジタル森林浴」の環境がリアルな森林環境とかなり近い「回復特性」を備えていることが示されました。
①、②の成果は、人間・環境学の学術成果として心身の健康増進や地域の観光振興に資することが期待されるとともに、デジタル技術を用いた自然環境要素の都市部への導入促進に大いに貢献できる研究結果として着目されました。
■空間型VR ”uralaa”が実現する「デジタル森林浴」の生理的・心理的疲労回復効果
具体的な生理的・心理的疲労回復効果として、副交感神経の上昇および⼼拍数の低下、気分の改善効果等が実証されました。
この「デジタル森林浴」の生理的・心理的疲労回復効果を確認した論文は、人間・ 環境系及び保健・衛生系の国際誌であるInternational Journal of Environmental Research and Public Health 誌(IF:4.614(掲載時))に、“Exploring the Physiological and Psychological Effects of Digital Shinrin-Yoku and Its Characteristics as a Restorative Environment(「デジタル森林浴」の生理・心理的効果と回復環境としての特性の探求)”として投稿し、原著論文として掲載 (2022 年3月)されました。
本学会賞受賞までに、本論文は2,300 回以上参照されるなど、人間・環境系分野における研究として関係者に大きなインパクトを与えています。
フォレストデジタルと森林総合研究所の共同研究のリリースはこちらよりご確認ください。
https://www.ffpri.affrc.go.jp/press/2022/20220301/index.html
■空間型VR uralaa(うらら)概要
uralaa は、大型のマルチスクリーンによる映像やサラウンド音響システム、自然のアロマなどを用いて、あたかも森や自然の中にいるような「ひととき旅」体験ができる空間型VRです。
世界初の技術となる”クラウドを通じたマルチスクリーン映像による没入自然空間を再現”するプラットフォームの開発に成功しました。(2022年 当社調べ)VRでありながら、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)など機器不要のため、老若男女どなたでも室内で没入体験ができるのが特徴です。
スマートフォンやタブレット端末で日本全国の美しい森や自然を自身で選択でき、演出した空間コンセプトの実現に貢献し、地域の魅力発信・活性化にも貢献いたします。弊社独自の技術により多様な天井・壁のサイズに対応し、継ぎ目も違和感なく、自然空間に没入することができます。(※プロジェクター性能による制限有り)
常設施設だけでなく、イベント目的で期間限定での導入も可能です。
場所や用途に合った最適な導入をご提案しますので、お気軽にお問い合わせください。
・uralaa導入のご検討はこちら
■普及啓発・実践活動
「デジタル森林浴」の研究成果は林野庁が主宰する「Forest Style」のメールマガジンや森林総合研究所のプレスリリース等により情報発信され、新聞各社等様々な情報媒体に掲載されるなど、人間・環境学分野における産学官民連携の取り組みとして広く社会に広がっています。
■導入実績
フォレストデジタル株式会社は、これまで数多くの場所で地域の自然や歴史・文化の魅力を発信し、「時と場所を超えて自然の価値を共有」して参りました。本研究成果のエビデンスをもとに、「空間型VR ”uralaa”」は常設施設・イベント等の多様な形式で計17回採用され、採用していただいた企業の従業員やイベント体験者のウェルビーイングに貢献しています。
(常設施設 国内7箇所)
・北海道十勝浦幌町 「uralaa park urahoro」(2020年12月 北海道浦幌町)
・羽田空港どさんこプラザ 「uralaa park haneda」(2021年6月 東京都大田区)
・三菱地所シェアオフィス「TOKIWA PARK by uralaa」(2022年3月 東京大手町)
・オカムラ 「Digital Villa」 エントランス(2022年5月 神奈川県横浜市)
・生活の木 イオンモール土岐「生活の木 Earth trip by uralaa」(2022年10月 岐阜県土岐市)
・オカムラ 「We Labo」執務エリア (2022年11月 東京都千代田区)
・富士フィルムイメージングシステムズ「Open Innovation Hub」(2023年4月 東京都港区)
(イベント 随時開催)
・銀座「uralaa park ginza」(2021年2月)
・台東区、墨田区「uralaa park taito-sumida」(2021年10月)
・セブンパーク天美「uralaa park × 生活の木」(2021年12月 大阪府松原市)
・北海道上川北部森林管理署 「uralaa park shimokawa」(2021年12月)
・北海道札幌市資料館「uralaa park sapporo」(2022年3月)
・「中部脳リハビリテーション病院」(2022年10月 岐阜県美濃太田)
・「ちょっと先のおもしろい未来」(2022年10月 港区竹芝)
・HANAZONO EXPO「uralaa in HANAZONO EXPO」(2022年11月 東大阪市)
・「WOODコレクション2023」(2023年1月 東京都江東区)
▽詳細はこちら▽
■人間・環境学会(MERA)概要
環境デザインや行動科学に興味を持つ研究者・教育者・実務家によって構成された学際的研究会で、1982年に設立されました。本学会の研究活動は、講演と見学からなる研究会(年3回)、および、会員の研究発表の場としての大会(年1回)を中心として行っています。
学会賞の詳細は下記URLよりご覧ください。
・ホームページ:https://mera-web.jp/award
■国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 概要
森林総合研究所は、森林・林業・木材産業と林木育種分野を総合的に扱う我が国唯一の中核的な試験研究機関として、国や地方公共団体、他の独立行政法人、産業界など幅広い関係機関と緊密に連携しながら、政策課題の解決に積極的に貢献します。
・ホームページ:https://www.ffpri.affrc.go.jp/ffpri.html
■フォレストデジタル株式会社 概要
2019年11月に北海道十勝で設立した「デジタル技術を用いて森や自然の価値を共有する」デジタル・ウェルビーイング企業。
「テクノロジーは私たちを幸せにしているのか」という問いに対する解を出すために、ヤフー出身者や十勝の林業家らが集まり創設。2022年1月に、世界初の没入自然空間サービスuralaaを一般リリースし、20を超える企業と連携パートナーシップを締結。
・社名:フォレストデジタル株式会社(英語名 forestdigital, inc.)
・本社:北海道十勝郡浦幌町字常室51−1 トコムロラボ
・東京オフィス:東京都千代田区大手町2−7−1 TOKIWAブリッジ
・代表取締役CEO:辻木 勇二
・事業内容:没入自然空間「uralaa park(うららパーク)」の開発、運営
・ホームページ:https://forestdigital.org/
・主な協定等:
2020年3月:北海道十勝総合振興局と「森林の魅力発信等に関するタイアップ協定」締結
2021年5月:国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所と共同研究契約を締結
2022年7月:富士フイルムイメージングシステムズ株式会社と販売パートナーのアライアンスを提携。
2022年9月:J-Startup HOKKAIDO認定スタートアップ企業に選定。
2023年1月:一般社団法人夢洲新産業・都市創造機構に幹事会員として参画。
2023年3月:株式会社オカムラとの販売パートナーのアライアンスを提携。
2023年5月:住友林業緑化株式会社との販売パートナーのアライアンスを提携。
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