メタジェンセラピューティクス、シリーズBファースト・セカンドクローズで約23億円調達、累計調達額42億円以上に
腸内細菌研究に基づいた医療・創薬を推進するメタジェンセラピューティクス株式会社(本社:山形県鶴岡市、代表取締役社長CEO:中原拓)は、2025年7月から9月に実施されたシリーズBラウンドのファーストおよびセカンドクローズにおいて、既存投資家7社に加えてグローバル投資家を含む4社を新たに投資家に迎え、総額23.2億円の資金調達を実施したことをお知らせいたします。これにより、弊社の累計調達額は42.6億円となりました。
本資金調達により、現在開発を進めている潰瘍性大腸炎と対象とした「経口FMT医薬品」の開発を加速させるとともに、さらなる事業の推進のため、組織体制の強化および人材拡充に注力してまいります。

◆資金調達の背景
メタジェンセラピューティクスでは、「腸内細菌叢移植(FMT:Fecal Microbiota Transplantation)」の社会実装を通じて、日本や世界の患者さんに腸内細菌医療を届けることを目指しています。2025年4月に日本初となる、腸内細菌ドナーによる便提供のための「つるおか献便ルーム」を山形県鶴岡市に開設、同年5月には「FMT治験薬製造センター」を神奈川県川崎市に開設し、FMTのための日本発のマイクロバイオーム医薬品(FMT医薬品)の開発を進めています。
FMT医療技術の開発においても、潰瘍性大腸炎を対象としたFMTの臨床研究が先進医療Bとして実施され、データの解析が進んでいます。また、食道がん・胃がんを対象とした臨床研究や、パーキンソン病を対象とした臨床研究も順調に進んでいます。
◆調達資金の使途
1. マイクロバイオーム創薬パイプラインの開発加速
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潰瘍性大腸炎治療薬MGT-006の開発推進(2026年の日米治験を含む)
2. 腸内細菌ドナーからの便調達、治験薬製造を中心としたサプライチェーンの強化
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山形県庄内地区での腸内細菌ドナーの獲得を目的としたプロモーション
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つるおか献便ルームの腸内細菌ドナー受け入れ体制および治験薬製造体制の拡充
3. 組織体制の強化および人材拡充
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事業進捗および組織拡大にともなう東京オフィスの拡大移転(2025年内を予定)
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研究開発・事業開発・コーポレートの全ての部門における人材拡充
など
◆資金調達の概要
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調達額: 23.2 億円
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引受先(アルファベット順):
<既存>
(株)ファストトラックイニシアティブ、ジャフコ グループ(株)、
JICベンチャー・グロース・インベストメンツ(株)、
(株)慶應イノベーション・イニシアティブ、みずほキャピタル(株)、
SMBCベンチャーキャピタル(株)、スパークス・アセット・マネジメント(株)
<新規>
Arcus South East Asia、(株)みらい創造インベストメンツ、
電通ベンチャーズSGPファンド、(株)国際協力銀行
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調達方法:第三者割当増資
◆代表取締役社長CEO 中原拓 より

この度、私たちのシリーズBラウンドのセカンドクローズが完了し、総額23億円以上の資金を調達することができました。腸内細菌を活用したマイクロバイオーム医薬品は、アメリカ、オーストラリア、カナダの3か国ですでに承認されています。各国に遅れることなく、腸内細菌医療を日本の患者さんたちにお届けし、世界の患者さんに日本発のマクロバイオーム医薬品をお届けできるよう、今回の資金調達により開発をさらに加速してまいります。
2020年に4名の創業メンバーで立ち上がった弊社も、従業員は約40名になり、日々凄まじいスピードで事業が進んでいます。また、山形県庄内地区においては、すでに500人以上の方が腸内細菌ドナーにご応募下さり、うち18人がすでにドナーに認定され、これまでにいただいた便の数は120を超えます。2026年には、FMT医薬品の日米で治験開始を予定しており、患者さんに日本発の腸内細菌医療をお届けするための道筋は、着実に切り開かれています。
私たちはいま、”マイクロバイオームサイエンスで患者さんの願いを叶え続ける”というパーパスのもと、さらに多くの仲間を必要としています。新たなメンバーを迎えるにあたって、東京オフィスの拡大移転をはじめ、各オフィスにおいて従業員が働きやすい環境づくりにも引き続きコミットして参ります。
そして、投資家の皆様、そしてドナーの皆様、私たちの事業を支えてくださるすべての皆様の期待に必ずお答えすべく、日本や世界の患者さんに1日でも早く日本発の腸内細菌医療を届けるため、邁進してまいります。
■投資家からのコメント
株式会社ファストトラックイニシアティブ
代表パートナー 安西 智宏
シード、シリーズAに続き、今回もリード投資家としてご一緒できることを嬉しく思います。今回の資金調達は、着実に積み上がるFMTの臨床での実績、そして献便施設や治験薬製造施設の開設によるサプライチェーン構築の進展を追い風に、MGTxの壮大なビジョン実現に向けた応援団が、世界中で加速度的に増えていることの証左です。マイクロバイオームサイエンスに基づく新たな治療法により、世界の患者さんの願いを叶え続ける。その挑戦に、FTIは全力で伴走してまいります。
ジャフコ グループ株式会社
プリンシパル 小林 泰良
2022年に初めて投資して以来、石川先生と中原さんを中心としたチームはFMTの臨床試験と並行して便バンクや医薬品製造施設の開設等、多くの専門家が関与する事業を着実に進めてマイクロバイオームのプラットフォームを構築してまいりました。今回調達した資金を用いて更なる臨床エビデンスを取得すると共にサプライチェーンを強化し、全ての患者さんが当たり前に腸内細菌医療を受けられる社会の早期実現に繋がることを期待しています。
JICベンチャー・グロース・インベストメンツ株式会社
ベンチャーキャピタリスト 林 隼
初回投資に引き続き、日本の健康長寿社会の実現に寄与すると考え追加投資させていただきました。前回ラウンドと比較すると、パイプラインの拡充に加え、本邦初マイクロバイオーム創薬のCMCの稼働、国立研究開発法人日本医療研究開発機構の「創薬ベンチャーエコシステム強化事業」の獲得等目覚ましい事業進展に加え、経営チームも更に強化されております。今回の出資を通じて、更なる飛躍をされることを期待しております。
Arcus South East Asia
ポートフォリオマネージャー 山根 正明
Arcus South East Asiaは、上場企業や未上場企業への投資を行うマレーシアの投資運用会社で、日本やアジアでの投資を行っています。今回のシリーズBラウンドに参加できたことを大変嬉しく思います。
株式会社みらい創造インベストメンツ
キャピタリスト 南 百合子
メタジェンセラピューティクスの実行力と挑戦する姿勢に深く感銘を受け、大きな期待を寄せており、今回参画できたことを喜ばしく思います。
潰瘍性大腸炎での先進医療B承認やAMED大型採択を背景に、世界に先駆けたFMTプラットフォームの確立が期待されます。
大学の知を基盤に、研究の社会実装と産業創出を実現する同社を投資家として応援し、その歩みに伴走してまいります。
電通ベンチャーズ
マネージングパートナー 笹本 康太郎
腸内細菌医療は、グローバル規模の課題に対し、日本発だからこそ解決に挑める分野の1つであると考えています。また当分野は腸内細菌ドナーの存在に支えられている点が特徴で、多くの人々の理解と協力が不可欠です。これまでに多様なステークホルダーを巻き込み、日本で当領域を力強く切り開いてきたメタジェンセラピューティクスの更なる挑戦を、電通グループとして引き続き全力で支援させていただけることを楽しみにしています。
株式会社国際協力銀行
エクイティ・インベストメント部 Investment Director 松原 建徳
メタジェンセラピューティクス株式会社は、長年の臨床研究をもとにFMT(腸内細菌叢移植)医薬品の開発を進めており、この分野においてグローバルなトップランナーになる可能性を秘めています。経験豊富な経営陣と素晴らしいチームの下、日本発の腸内細菌医療が世界中で多くの患者さんに届くことを期待しています。
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マイクロバイオームとは
マイクロバイオームは、腸内や皮膚・口腔などヒトの体のいたるところに存在する細菌全体を意味します。特に、ヒトの腸管には約1,000 種、40兆個以上*の腸内細菌が生息しており、その細菌の集団を腸内細菌叢(腸内フローラ)と言います。腸内細菌叢は、ヒトの健康に大きな影響力を持っていることが近年明らかになってきています。
* Sender, R., Fuchs, S. & Milo, R. Revised Estimates for the Number of Human and Bacteria Cells in the Body. PLoS Biol. 14, e1002533 (2016)
腸内細菌叢移植(FMT)について
腸内細菌叢移植(FMT)は、健康な人の便に含まれている腸内細菌叢を、疾患を持つ患者さんの腸に移植し、バランスのとれた腸内細菌叢を再構築する治療方法です。2023年1月からは、潰瘍性大腸炎を対象とした「抗菌薬併用腸内細菌叢移植療法」が先進医療Bとして実施され、2024年8月から消化器がんを対象とした「免疫チェックポイント阻害薬と腸内細菌叢移植併用療法」の臨床試験(特定臨床研究)、2024年9月からパーキンソン病を対象とした「抗菌薬併用腸内細菌叢移植療法」の臨床研究が行われています。
メタジェンセラピューティクスでは、潰瘍性大腸炎を対象とし、経口投与による腸内細菌叢移植を可能にする「経口FMT医薬品」の開発を進めています。同開発は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の令和6年度 「創薬ベンチャーエコシステム強化事業(創薬ベンチャー公募)」(第4回)に採択されています。
メタジェンセラピューティクス株式会社について
メタジェンセラピューティクス株式会社は”マイクロバイオームサイエンスで患者さんの願いを叶え続ける”ことをパーパスとして、腸内細菌研究に基づいた医療と創薬でソーシャルインパクトを生み出す、順天堂大学、慶應義塾大学、東京科学大学発ベンチャーです。
「腸内細菌叢バンク」を基盤とし、腸内細菌叢移植(FMT)の社会実装を目的とした「医療サービス事業」と「創薬事業」を推進しています。現在は、免疫疾患(炎症性腸疾患)、がん、中枢神経系疾患の開発に注力しています。
現在メタジェンセラピューティクスでは人材採用を積極的に進めております。募集中のポジションはhttps://www.metagentx.com/careers/をご覧ください。募集中のポジションに当てはまるものがなくとも、マイクロバイオームサイエンスでイノベーションを起こす仲間に入っていただける方は hr@metagentx.com までご連絡ください。
<会社概要>
会社名:メタジェンセラピューティクス株式会社(略称 MGTx)
本社所在地:山形県鶴岡市覚岸寺字水上246-2
東京事務所:東京都港区虎ノ門1丁目17-1 虎ノ門ヒルズビジネスタワー 15階
代表者:代表取締役社長CEO 中原拓
設立日:2020年1月17日
事業内容:マイクロバイオームサイエンスを活用した創薬·医療事業
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