「フィジカルAI技術スタック分析レポート2026」を公開 - 株式会社Lister
896社のフィジカルAI関連技術の供給企業データを分析。産業用ロボット、認識・センシング、SI、AMR・AGV、エッジAIなどから、フィジカルAI産業の技術供給構造を可視化
製造業領域に特化した市場情報調査・データ提供基盤を開発する株式会社Lister(本社:東京都港区、代表取締役:永良慶太)は、フィジカルAI関連技術の供給企業896社を分析した「フィジカルAI技術スタック分析レポート2026」を公開しました。
本レポートでは、各企業に付与した「技術タグ」と、企業が産業のどの機能を担うかを示す「バリューチェーン」を組み合わせ、フィジカルAIの供給基盤がどのような技術で構成され、それぞれの技術が産業のどの機能と結びついているのかを分析しています。
分析結果と主要グラフは特設サイト上で公開しています。
PDF版レポートと、分析のもとになったフィジカルAI関連企業データベースも無料で提供しています。
フィジカルAI技術スタック分析レポート2026 特設サイト:
https://lister.jp/physical-ai/chaos-map/technology-stack/report/

調査・分析の背景
生成AIの進展に伴い、AIの活用領域はデジタル空間から、ロボットや機械が現実世界を認識・判断し、実際に動作する「フィジカルAI」へと広がっています。
フィジカルAIという言葉からは、ヒューマノイドやロボット基盤モデル、VLAなどの新しい技術が注目されがちです。
一方、実際の社会実装には、AIだけでなく、産業用ロボット、画像認識、センサー、制御、半導体、エッジコンピューティング、AMR・AGV、システムインテグレーションなど、多様な既存技術・企業群が関わります。
株式会社Listerでは、前回公開した「フィジカルAI産業構造分析・バリューチェーンレポート2026」において、フィジカルAI関連1,030社を企業ロールとバリューチェーンから分析しました。今回のレポートでは視点を「企業」から「技術」へ移し、フィジカルAIの供給基盤を構成する技術そのものを分析しています。
分析から見えた6つの技術構造
1.最大の単一技術タグは「産業用ロボットアーム」
技術コード別に企業数を見ると、産業用ロボットアーム関連が249社と最大でした。
そのほか、
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画像認識・コンピュータビジョン:132社
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外観検査AI:123社
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センサー・知覚システム:105社
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AMR・AGV:91社
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異常検知:85社
-
ドローン:52社
-
エッジAI:50社
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3D認識・空間認識:49社
-
協働ロボット:47社
などが上位に位置しています。
フィジカルAIの供給基盤は、特定の新しいAI技術だけではなく、既存のロボティクス、認識、自動化技術を含む複数の技術領域によって形成されています。
※技術タグは「メーカー数」を意味するものではありません。自社開発・製造企業だけでなく、SI、販売、ソリューション提供等、当該技術との事業上の関連が確認できる企業を含みます。

2.「認識・センシング」「ロボティクス・身体性」がほぼ同規模
技術タグを上位グループへまとめると、
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ロボティクス・身体性:348社
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認識・センシング:341社
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移動・自動化:147社
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計算・制御:125社
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ロボット構成部品:33社
となりました。
ロボット本体に関わる企業群と、現実世界を認識・計測する「見る技術」の企業群がほぼ同規模となっています。
フィジカルAIを「動くロボット」の産業として見るだけでは、供給構造の全体像を捉えきれません。画像認識、外観検査AI、センサー、3D認識、触覚・力覚など、現実世界をデータとして取り込む知覚技術も大きな供給基盤を形成しています。

3.SIレイヤーの77.5%が産業用ロボットアーム関連
システムインテグレーション(SI)レイヤーに分類された227社のうち、176社(77.5%)が産業用ロボットアーム関連の技術タグに分類されました。
逆方向では、産業用ロボットアーム関連249社のうち176社(70.7%)がSIレイヤーにも分類されています。
この結果から、フィジカルAIの実装基盤は、既存の産業用ロボット、FA、ロボットSIの企業群と強く連続していることが読み取れます。
※77.5%は市場シェアや売上構成ではなく、技術タグとバリューチェーン分類をクロスした企業数です。

4.技術タグを持つ企業の約半数に2つ以上の技術タグが付与された
レポート集計対象の技術タグを1つ以上持つ773社のうち、389社(50.3%)には2つ以上の技術タグが付与されていました。
フィジカルAI関連の企業・製品・ソリューションは、一つの技術だけではなく、複数の技術要素を組み合わせて構成されるケースが多いことを示唆します。
※「複数技術タグ=多角化企業」「複数技術タグ=垂直統合」「複数技術タグ=技術力が高い」という意味ではありません。

5.AMR・AGV本体・中核システムの85.4%が「自動化・マテハン」へ
AMR・AGV本体または中核システムの開発・提供主体41社のうち、35社(85.4%)がバリューチェーン上の「自動化・マテハン」にも分類されました。
そのほか、
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ロボット本体:19社(46.3%)
-
SI:7社(17.1%)
-
販売:3社(7.3%)
にも分類されています。
AMR・AGVの供給は、既存の物流・工場内搬送の自動化レイヤーと強く結びついています。
AMR・AGVを独立した技術領域として見るだけでなく、物流自動化・マテハンシステムの一部として捉えることで、実装構造を理解しやすくなります。

6.エッジAI企業の74.1%が「計算基盤・半導体」レイヤー
エッジ側でAI推論等を行う技術を提供している27社のうち、20社(74.1%)が「計算基盤・半導体」レイヤーにも分類されました。
そのほか、
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クラウド・通信:10社(37.0%)
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認識・センシング:8社(29.6%)
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制御・ロボットOS:1社(3.7%)
にも分類されています。
エッジAIは、AIソフトウェアだけで独立して存在するのではなく、AIアクセラレータ、GPU・NPU、SoC、エッジコンピュータなどの計算基盤と強く結びついて供給されています。

技術とバリューチェーンを重ねると見える構造
本レポートでは、「技術」と「バリューチェーン」を異なる分類軸として扱っています。
技術タグは「何の技術に関わるか」を示し、バリューチェーンは「産業のどの機能を担うか」を示します。
例えば産業用ロボットアーム関連企業には、ロボット本体メーカーだけでなく、SI、販売、自動化ソリューションなどを担う企業も含まれます。
この二つの軸を重ねることで、単純な「技術別企業数」だけでは見えない、技術が産業のどの機能と結びついて供給されているのかを把握できます。

分析から見えるフィジカルAIの技術供給構造
今回の分析から、フィジカルAIの技術供給構造には、以下の特徴が見えてきました。
第一に、産業用ロボットを中心とした既存ロボティクスの企業層が厚く存在します。
第二に、認識・センシングはロボティクス・身体性とほぼ同規模であり、「見る技術」が大きな供給基盤を形成しています。
第三に、産業用ロボットとSI、AMR・AGVと自動化・マテハン、エッジAIと計算基盤といった、技術と産業機能の強い接続が見られます。
第四に、技術タグを持つ企業の約半数には複数の技術タグが付与されており、一つの企業・製品・ソリューションの中で複数技術が組み合わされる構造が確認できます。
フィジカルAIを理解する上では、新しいAI技術だけを見るのではなく、既存のロボティクス、認識、計算、制御、実装基盤がどのように接続していくかを見る必要があります。
調査・集計方法
調査対象
株式会社Listerが独自に収集・整備したフィジカルAI関連企業
供給企業総数
896社
レポート集計対象の技術タグ保有企業
773社
技術コード
34分類
バリューチェーン
19レイヤー
調査時点
2026年8月
主な情報源
企業公式Webサイト、製品・サービス情報、公式プレスリリース、公的機関・共同実証先の公式発表等
※同一企業が複数技術・複数バリューチェーンへ分類される場合があります。
※本レポートで示す企業数は、株式会社Listerが独自に収集・整備したデータベース内の企業分布であり、市場規模、市場シェア、売上高、企業価値、技術力、技術成熟度等を示すものではありません。
※「フィジカルAI関連企業」は、フィジカルAIと明確に打ち出している企業だけではなく、製造・物流・建設・農業・医療等の業界特化型ロボット、自律制御、センシング、ロボットハンド、アクチュエーター、シミュレーション、エッジAI、ロボットSIer等、今後フィジカルAIの社会実装を担うと考えられる広義のロボット関連企業群を含みます。
PDF版レポート・詳細版データベースについて
分析結果および主要グラフは、特設サイト上で公開しています。
また、以下を無料で提供しています。
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PDF版「フィジカルAI技術スタック分析レポート2026」
-
分析のもととなったフィジカルAI関連企業データベース
→ PDF版レポート・詳細版データベースのダウンロードはこちら(無料)
想定される活用シーン
本レポートおよび企業データベースは、以下のような用途を想定しています。
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フィジカルAI関連技術の全体像把握
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新規事業・事業開発における技術・市場調査
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協業先・技術提供企業・SIer候補の探索
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競合企業・周辺プレイヤーの調査
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営業先候補企業の抽出
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ロボティクス・FA・物流自動化領域のバリューチェーン調査
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商社・金融機関・コンサルティング会社における業界調査
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投資・M&A候補企業の初期調査
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官公庁・自治体における産業政策・支援施策の検討
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メディア・研究機関における企業・技術情報収集
レポート編集者コメント
フィジカルAIという言葉からは、ヒューマノイドやVLA、ロボット基盤モデルなど、新しいAI・ロボット技術が注目されがちです。
しかし、896社の供給企業データを技術の観点から構造化すると、現在のフィジカルAI供給基盤は、そうした新技術だけで形成されているわけではありません。
産業用ロボット、認識・センシング、SI、AMR・AGV、エッジAIなど、これまで製造業や物流、自動化を支えてきた技術群が複雑に接続しています。
特に、SIレイヤーの77.5%が産業用ロボットアーム関連、AMR・AGV本体・中核システムの85.4%が自動化・マテハン、エッジAIの74.1%が計算基盤・半導体と結びついている点は、フィジカルAIを「新しいAI技術」だけで捉えないことの重要性を示しています。
今後のフィジカルAI産業を見る上では、新しいAI技術が、既存のロボティクス、センシング、計算基盤、FA、SIなどとどのように接続していくのかを継続的に観測していきたいと考えています。
今後のフィジカルAI分析レポート
株式会社Listerでは、今後さらに以下の切り口で分析レポートを公開する予定です。
業界別フィジカルAI産業構造レポート
製造、物流、建設、医療、モビリティ、小売、エネルギーなど、業界ごとに異なる供給構造・技術スタックを比較。
フィジカルAI実装エコシステムレポート
SI、自動化・マテハン、販売・流通、運用・保守など、フィジカルAIの社会実装を担う企業群の構造を分析。
※掲載タイトル・内容は変更となる場合があります。
関連サイト
フィジカルAIカオスマップシリーズ
https://lister.jp/physical-ai/chaos-map/series/
日本成長戦略17分野・62重点技術 関連企業カオスマップ・レポート
https://lister.jp/growth-strategy/chaos-map/
国家戦略 AIロボティクス戦略 関連企業カオスマップ・レポート
https://lister.jp/ai-robotics/chaos-map/
株式会社Listerについて
株式会社Listerは、製造業領域に特化した市場情報調査・データ提供基盤を開発している会社です。
製造業・ロボティクスを中心とした企業情報を収集・構造化し、企業データベース、カオスマップ、産業分析レポートとして提供しています。
【会社概要】
会社名: 株式会社Lister
代表者: 代表取締役 永良 慶太
所在地: 〒108-0075 東京都港区港南2-16-4 品川グランドセントラルタワー8F
事業内容: 製造業領域に特化した市場情報調査・データ提供基盤の開発
公式サイト: https://lister.jp/
代表プロフィール
代表取締役 永良 慶太
東京大学工学部卒業、東京大学大学院工学系研究科修了。
株式会社キーエンスに新卒入社。三次元測定機やレーザー顕微鏡などの開発に携わる。画像処理アルゴリズム開発や、工場における検査自動化プロジェクトに従事。その後、ロボット開発スタートアップにて経営企画に従事し、独立。
本件に関するお問い合わせ
株式会社Lister 広報担当
maker@lister.jp
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