【慶應義塾】親からのひとり立ち?
―自分の身は自分で守る、ホヤ変態時の体外細胞の置き換わり―
慶應義塾大学大学院理工学研究科の博士課程1年 戸塚望、同大学理工学部の岡浩太郎教授、堀田耕司准教授らは、東京大学大学院総合文化研究科の澤井哲教授、桑名悟史博士、筑波大学下田臨海実験センターの笹倉靖徳教授と共同で、ホヤ変態時に細胞が表皮を突き抜けて体外に飛び出す現象(細胞溢出)を発見し、体外細胞が置き換わる過程を明らかにしました。
ホヤの体は生体防御に関わるとされる細胞に囲まれており、発生時期によってその種類は異なります。変態前までは親から与えられた細胞(テスト細胞)で生体防御し、成体では自分で作った細胞(ひのう細胞)を利用しています。しかしこれらの細胞がいつ・どのように置き換わるかは長い間謎でした。今回、機械刺激によりホヤの変態のタイミングを制御し、この体外細胞が置き換わる様子の撮影に成功しました。ひのう細胞は変態初期に特定の間充織細胞が体外へ溢出することによって生じ、その後親由来のテスト細胞の脱落が進行することで、体外の細胞がスムーズに置き換わることを初めて明らかにしました。このような体外細胞の置き換わりは他の生物では類をみない現象です。また外部からのメカニカルな刺激が生体内で生じるさまざまな化学シグナルに変換される機構を理解するのに役立つ知見です。
本成果は2023年6月21日に発生生物学の国際専門誌『Developmental Dynamics』に掲載されました。
▼全文は本学のプレスリリースをご参照ください。
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2023/7/13/230713-1.pdf
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