ものづくり産業で技能継承が社会課題に
「時計ではなく、お客様の時間を守る」時計修理歴30年以上の技師が、ヴィンテージ時計の修理技術を次世代へ継承
AIやデジタル技術の進化によって、多くの仕事が効率化される時代になりました。その一方で、日本のものづくりを支えてきた熟練技能者の高齢化や後継者不足が進み、技術を次世代へどう受け継いでいくかが社会課題となっています。
経済産業省などが公表した「2026年版ものづくり白書」では、熟練技能の継承や人材育成の重要性が示されています。こうした技術の一つが、ヴィンテージ時計の修理です。

時計修理を担う人材の現状を把握するため、ヴィンテージ時計専門店を運営する株式会社ファイアーキッズ(代表取締役 兼 オーナー:佐藤 和男、以下「ファイアーキッズ」)が、修理体制の強化に向けた採用活動の一環として、リクナビNEXT、Green、AMBI、ミドルの転職、ビズリーチのスカウト媒体を調査したところ、「東京都在住」「時計修理技能士3級以上」の条件に該当する登録人材は約75人でした(2026年7月時点、当社調べ)。
その技術を未来へ受け継ぐ担い手は、決して多くありません。
時計修理技能士が少ないという事実は、採用が難しいという話だけではありません。それは、「未来へ受け継げる時計」が減ってしまう可能性を意味しています。
そんななか、30年以上にわたり時計修理に携わるファイアーキッズの時計技師・小倉は、「修理しているのは時計ではありません。お客様の時間です。」という信念のもと、一人ひとりの人生に寄り添いながら、技術を次世代へ受け継ぐことに取り組んでいます。
◾️時計が残っても、直せる人がいなければ、その時計は未来へ残らない
ヴィンテージ時計は、何十年もの時を経ても動き続けることができます。
しかし、その寿命を決めるのは時計ではありません。
修理できる人がいるかどうかです。
製造終了となった部品。
図面が残っていないムーブメント。
一本ごとに異なる摩耗や経年変化。
ヴィンテージ時計には、マニュアルだけでは対応できない修理が数多く存在します。
部品を交換すれば終わる仕事ではありません。
「どこまで残すか。」
「どこまで直すか。」
「この時計にとって、本当に最善の修理とは何か。」
最後に必要となるのは、時計技師の経験と判断です。
時計修理技能士が減るということは、修理できる人が減るだけではありません。
親から子へ。
子から孫へ。
世代を超えて受け継がれてきた時計と、その時計に込められた思い出を未来へ残せる人が減るということでもあります。

◾️「修理しているのは時計ではありません」
ファイアーキッズで修理・メンテナンスを担当する時計技師・小倉は、30年以上にわたり時計修理に携わってきました。
時計技術専門学校を卒業後、大手時計輸入代理店で経験を積み、その後24年間、時計技術専門学校で後進育成にも携わってきました。
そんな小倉が繰り返し話す言葉があります。
「修理しているのは時計ではありません。」
時計の向こうには、お客様の人生があります。
親から譲り受けた時計。
人生の節目に購入した時計。
何十年も毎日腕に着け続けた時計。
時計が止まったから修理するのではありません。
その時計に込められた時間を未来へ残したいから修理する。
その想いは、30年以上変わっていません。
◾️一人のお客様との出会いが教えてくれたこと
小倉が以前勤務していた時計修理会社で、忘れられない修理がありました。
一人のお客様が持ち込まれたのは、お父様が長年愛用していたヴィンテージ時計でした。
メーカーでは「修理は難しい」と言われ、いくつもの修理店を訪ね歩いた末に相談された一本でした。
内部は摩耗し、交換部品も残っていません。
それでも小倉は、使える部品を生かしながら修理方法を考え続けました。
無事に修理を終え、時計をお返しした日。
お客様は動き始めた時計を静かに見つめながら、
「父が帰ってきたような気持ちです。」
と涙ながらに話されたそうです。
その言葉を聞いたとき、小倉は初めて気付きました。
自分たちが修理しているのは、時計ではない。
その時計とともに歩んできた、お客様の人生そのものなのだと。
この経験は、現在ファイアーキッズで自社販売時計の修理・メンテナンスを担うなかでも、小倉の仕事の原点になっています。
◾️AIには置き換えられない「最後の判断」

近年、時計修理の世界でも測定機器や診断技術は大きく進歩しています。
しかし、ヴィンテージ時計の修理では最後に必要となるのは、人の判断です。
「この部品は交換するべきか。」
「この傷は歴史として残すべきか。」
「これから何十年使っていただくために、どの修理方法が最適か。」
その答えは、時計だけを見ていても分かりません。
お客様の話を聞き、その時計が歩んできた背景を理解して初めて導き出されます。
だからこそ、この仕事はAIでは置き換えられないと私たちは考えています。
◾️技術を未来へ残すことは、お客様の時間を未来へ残すこと
ファイアーキッズは1995年の創業以来、「価値あるものを未来へつなぐ」という理念を掲げてきました。
その価値とは、時計そのものではありません。
時計とともに積み重ねられた家族の記憶や、人生の節目、大切な人との時間もまた、未来へ受け継ぐべき価値だと考えています。
私たちが目指しているのは、時計を販売することではありません。
販売後も責任を持ち、お客様の大切な一本を、次の世代へ受け継いでいただくことです。
時計が残っていても、直せる人がいなければ、その時計は未来へ受け継がれません。
だから私たちは、時計だけではなく、時計を直す技術も、お客様に寄り添う姿勢も、未来へ残していきたいと考えています。
◾️時計技師・小倉 コメント

「時計は時間を見るための道具ではありません。
そこには持ち主の人生や、ご家族との思い出が詰まっています。
私はこれまで多くの時計と向き合ってきましたが、一つとして同じ時計はありませんでした。
これからも修理技術を磨き続けるとともに、お客様の大切な時間まで未来へつないでいきたいと思っています。」
◾️株式会社ファイアーキッズについて
株式会社ファイアーキッズは、1995年創業のヴィンテージ・アンティーク時計専門店です。横浜、中野、銀座に店舗を展開し、国産時計から海外ブランドまで、さまざまな年代のヴィンテージ時計を取り扱っています。
「価値あるものを未来につなぐ」という理念のもと、時計の販売、買取、修理・メンテナンス、時計文化の発信に取り組んでいます。
名称 : 株式会社ファイアーキッズ
所在地 : 〒105-0004 東京都港区新橋1丁目10-9 タカセビル2階 ファイアーキッズ 本社
代表者 : 代表取締役 兼 オーナー 佐藤 和男
創業 : 1995年
事業内容: ヴィンテージ時計の販売、買取
展開店舗: 横浜本店、中野ブロードウェイ店、銀座ナイン店
URL : https://firekids.jp
◾️本件に関するお問い合わせ先
会社名: 株式会社ファイアーキッズ
担当 : 大城
電話 : 03-6264-6347
メール: info@firekids.jp
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