Infinidatが見る2025年のテクノロジートレンド

Infinidat Japan合同会社

※Infinidat本社ウェブサイトで2025年1月29日に公開したブログ記事の抄訳です。

https://www.infinidat.com/en/blog/tech-trends-2025-big-bold-and-abounding-c-suites-and-it-leaders

 

 

著者:Eric Herzog Infinidat CMO

 

2025年に見られるであろうテクノロジートレンドは、企業、クラウドサービスプロバイダー、マネージドサービスプロバイダーのストレージインフラストラクチャにとって大きな意味を持つものとなるでしょう。テクノロジートレンドは幅広く、サイバーセキュリティ、ハイブリッドマルチクラウド、AI、自動化、コストに配慮したグリーンITをカバーします。こうしたテクノロジートレンドから生まれる機会と課題に上手に対処するためには、組織内の各機能を横断する強力な連携が必要となります。

 

2025年は、テクノロジーという視点からは非常に興味深い年になりそうです。トレンドを理解することで、事前に計画を立てることができます。サイバー攻撃を撃退する実績を持つツールが増えています。ハイブリッドマルチクラウドの採用が加速しています。AIを企業がより適切に利用できるようにするための新しい方法が登場しています。自動化は、AIの領域だけでなく、より洗練されたものになっています。そして、データセンターにおける「グリーン」なテクノロジーは、従来の意味合いを超えた新たな意味を持ち始めています。

 

企業のお客様やチャネルパートナーとの定期的な交流から得た洞察をベースに、2025年に見られる主要なテクノロジートレンドを以下の5つにまとめました。

 

[1/5] サイバー、サイバー、サイバー

 

サイバーセキュリティは、2025年も引き続き重要なトレンドの筆頭であり、企業、サービスプロバイダー、ITソリューションプロバイダーおよびパートナーにとっての重要度が急激に上昇しています。企業のデータインフラストラクチャに対するランサムウェアやマルウェアなどのサイバー攻撃の蔓延は、サイバーセキュリティに大きなスポットライトを当てています。

 

米国や欧州では、組織がサイバー攻撃を受けた際には法的書類を提出することが義務付けられており、企業はサイバー攻撃で受けた影響を明らかにしなければなりません。最近、米国では、ある大企業がサイバー攻撃によって29億ドルの損害を被ったと公的書類に記載しています。これはサイバーインフラストラクチャの問題です。

 

2025年のトレンドとしてのサイバーセキュリティの重要な側面は、次世代データ保護に対する需要の高まりです。次世代データ保護には、バックアップリポジトリを扱えること、データのスナップショットや複製が可能であることなど、従来のデータ保護の要素に加え、SLA保証など、サイバーストレージレジリエンスと超高速サイバーリカバリの要素が新たに含まれます。

 

サイバーレジリエントなストレージは、企業のデータインフラストラクチャを再定義しており、現在では高度に自動化され、実装と保守が容易であることが求められています。特筆すべきは、次世代データ保護が、サイバーセキュリティにフォーカスしたリカバリーファーストの手法を提供することです。「リカバリーファースト」とは、リカバリーのエンドポイントを最初に考慮しなければならないことを意味します。サイバー攻撃を受ける前に導入することで、攻撃の影響を軽減し、企業が既知のクリーンなデータコピーを迅速にリカバリーする能力を大きく向上させます。要するに、次世代データ保護は、ランサムウェアやマルウェアに対する企業やサービスプロバイダーの最後の防衛ラインなのです。

 

最もクリティカルなデータセットに対するデータ保護を非常に効果的なものとするためには、高度に統合され、オーケストレーションされている必要があります。Infinidatは、サイバーストレージレジリエンスをセキュリティオペレーションセンター(SOC)や、SIEMやSOARサイバーアプリケーションなどのデータセンター全体のサイバーセキュリティアプリケーションにシームレスに統合するInfiniSafe® Automated Cyber Protection(ACP)などの新機能で、この実現を支援しています。ACPは、サイバー攻撃の脅威ウィンドウを縮小する自動化されたツールです。これは、Infinidatがストレージインフラストラクチャを保護するために提供する複数のサイバーソリューションの一例に過ぎません。

 

 

[2/5] ハイブリッドマルチクラウドの轟き

 

ハイブリッドマルチクラウド戦略を採用する企業が増えています。2025年以降のエンタープライズ市場では、ハイブリッドマルチクラウドの大規模な普及が見込まれています。Flexeraの2024年「クラウドの現状(State of the Cloud)」調査によると、IT関連の回答者の97%が今後1年以内にマルチクラウドシステムの導入を計画しています。また、SkyQuest Researchによると、ハイブリッドマルチクラウド市場は2023年の978億ドルから2031年には3,481億4,000万ドルに成長すると予測されており、予測期間中(2024年~2031年)の年平均成長率は17.2%となります。

 

このアプローチが非常に魅力的な理由は、企業はベストなITサービスを入手したい、そして特定のサービスやソリューションについてはそれに合ったベンダーやプロバイダーを選びたいと考えているからです。ある特定のユースケースにおいて、すべてのクラウドプロバイダーが同じように創られているわけではありません。データセンター製品やソリューションにおいて、すべてのベンダーが同じように創られているわけではないのと同じです。ハイブリッドマルチクラウドの柔軟性は極めて高く、それが今年の躍進の大きな原動力となるでしょう。企業はクラウドリソースの利用方法についてはますます洗練されていっています。

 

ハイブリッドマルチクラウドというアプローチによって、単一のクラウドプロバイダーへのロックインを防ぎ、エンタープライズストレージベンダーを含むITベンダーを選択することでクラス最高のソリューションを得ることが可能になります。マルチクラウド環境では、企業は異なるクラウドプロバイダーが提供する複数のパブリッククラウドサービスを利用します。例えば、ExchangeサーバーのホスティングにはMicrosoft Azureを使用し、WebフロントエンドアプリケーションにはAWSを使用するといった具合です。加えて、この戦略の下ではコストを削減することもできます。

 

ハイブリッドコンピューティングにおけるプライベートクラウドの側でも状況は変わりつつあります。2024年のBarclays CIO Surveyによると、企業の83%がワークロードをパブリッククラウドからプライベートクラウドに戻すことを計画しています。これは、ハイブリッドマルチクラウドの強化につながります。例えば、パブリッククラウドはAIアプリケーションに必要な膨大な計算能力に対して高い料金を請求します。コストはあっという間に制御不能になる可能性があります。より多くのワークロードを(オンプレミスのエンタープライズストレージを備えた)プライベートクラウド上で実行することで、コストをより適切に管理できます。さらに、規制市場の企業は、厳格な規制措置へのコンプライアンスを維持するために、オンプレミスのストレージをさらに活用する必要があることに気付いています。

 

2024年、Infinidatはシームレスなハイブリッドマルチクラウドのサポートを拡大しました。InfuzeOS™ Cloud Editionは、既存のAWSのサポートに加え、InfiniBox®のエクスペリエンスを新たにMicrosoft Azureパブリッククラウドに拡張しました。このサポートの拡張はクラウドネイティブ/ハイブリッドマルチクラウドのデプロイメントのためのもので、使いやすさ、自動化、サイバーストレージレジリエンスなど、業界で高く評価されているInfinidatのデータサービスとそれに関連するメリットのすべてをクラウドにもたらしました。

 

 

[3/5] AIがもっと精確に

 

AIが大きなテクノロジートレンドであることには、どなたも疑問の余地はないでしょう。AIは、新たな発展を伴う数年にわたるトレンドであり、あらゆる種類のテクノロジーやソリューションに浸透してきていますが、2025年が組織にとってのAIにおいて特徴的なのは、AIが企業にとってより適切で有用なものになる年になるようギアを上げていることです。

 

AIと企業のこの重要な接点は、RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)と呼ばれる新しい生成AI(GenAI)関連アーキテクチャに支えられています。RAGは、企業のベクトルデータベースから取得される関連性の高いプライベートデータを使用して、AIモデルを拡張します。GenAIフレームワークの一部として、RAGは企業がユーザーのクエリに対してより正確で、より多くの情報に基づいた、より信頼性の高い応答を自動生成することを可能にします。大規模言語モデル(LLM)や小規模言語モデル(SLM)のようなAI学習モデルが、トレーニングに使用されたデータを超える情報や知識を参照できるようにします。RAGによって、AIモデルを継続的に再トレーニングする必要がなくなり、その経費は必要なくなります。

 

また、自分がAIを安全かつセキュアに使用し、適切な監視を行っていることを確認しておく必要があります。自分のIPを不用意に公開し、他人のアクセスを許すような事態は避けたいものです。これは企業だけでなく、サービスプロバイダーにも当てはまります。一般に公開されているAIツールを使用しているのであれば、あなたの企業はより高いリスクにさらされることになります。データベースのデータはそれが守られていなければならないほどには安全ではないのです。

 

もしあなたが注意を怠ってAIモデルを使用した結果、新しいソフトウェアに関するデータを誤ってパブリックドメインに公開してしまった場合を想像してみてください。競合他社がそのデータにアクセスできるのは明らかです。しかし、ストレージインフラストラクチャにセキュリティを組み込んだRAGワークフローデプロイメントアーキテクチャを採用すれば、AI駆動型の世界でこのような悪夢のシナリオを回避することができます。

 

InfiniBoxエンタープライズストレージソリューション上のデータを活用することは検索ベースのAIワークロードに最適であり、Infinidatは2025年のRAGデプロイメントで重要な役割を果たすでしょう。当社は、AIの精度を高めるRAGワークフローデプロイメントアーキテクチャを提供することで、エンタープライズストレージとGenAIをひとつにしました。当社のお客様は、既存のストレージインフラストラクチャ上だけでなく、InfuzeOS Cloud Editionを用いてクラウド上にもRAGをデプロイすることができ、InfiniBoxシステムのハイエンドな機能によって、GenAIワークロードに迅速かつ高精度な応答を提供することができます。

 

 

[4/5] あらゆる場所での自動化

 

2025年、自動化はこれまでと同じように重要なトレンドとなるでしょう。旧式のインフラストラクチャや旧式のソフトウェアも自動化されるでしょう。これはITスキルギャップに直結します。AIもこのトレンドの一部になるでしょうが、ITの世界におけるこの「あらゆる場所での自動化」は、AIだけにとどまりません。自動化は、熟練したITスタッフの不足、コストの膨張、リスクの増大、持続可能性の要求、非効率性、あらゆる組織に対する自動化された脅威の拡大といった、さまざまな領域で起きている変化に企業が対処するのに役立つでしょう。

 

IDCによると、2028年までにCIOの80%が自動化を活用するようになります。技術的なシステムが自動化されるだけでなく、ワークフローも自動化され、企業の適切性と機動性が維持されるでしょう。実際、プロセスの自動化はデジタルトランスフォーメーションに必須であり、ストレージからサイバーセキュリティ、クラウドコンピューティングに至るまで、自動化されたテクノロジーソリューションの膨大なコンポーネントが必要とされ続けます。

 

データは自動化の根幹を支える重要な要素であり続けるため、企業顧客はますます自動化されたエンタープライズストレージソリューションを求めるようになるでしょう。Infinidatは、エンタープライズストレージ向けの自動化ソリューションの幅広いポートフォリオを持っています。これらのソリューションは、ストレージインフラストラクチャの複雑性を軽減し、IT運用を強化し、コストを削減し、管理を簡素化し、データ配置を最適化し、予測機能を追加し、サイバー攻撃の一歩先を行くように設計されています。自動化はInfinidatのソリューションの中核にあります。

 

InfinidatのInfiniBoxシステムは、Neural Cacheと呼ばれるストレージの自動化機能を搭載しています。Neural Cacheは、ディープラーニング技術を使用して階層型デザインのストレージにデータをインテリジェントに配置し、費用対効果高くリードキャッシュヒット率を最適化することで、ワークロードが混在する環境でも卓越したI/Oパフォーマンスを実現します。Neural Cacheは、時間の経過とともにデータの配置を最適化することでリードキャッシュミスを最小限に抑え、データの使用状況に基づいて新たなアプリケーションやワークロードに自動的に適応します。

 

 

[5/5] グリーンITは経済的に

 

環境面での優位性と経済面での優位性の組み合わせが具体化し、2025年のトレンドが形成されました。これは、簡単に言うと、グリーンであることが経済的に有利である、ということです。これが現実です。グリーンITはトレンドとして新しいものではありませんが、環境に配慮したITソリューションを次に推し進める原動力は、それが実際に組織のコスト削減につながるということです。

 

あなたがどの国にいるかや、温室効果ガスや二酸化炭素排出量などの規制に準拠しなければならないかどうかによって、データセンターを「グリーン化」する理由はさまざまです。しかし、このテクノロジートレンドの進化が向かうところは、グリーンであることはより安価であり、したがって企業にとってより魅力的なものとなるというものです。

 

Infinidatのお客様の実例を見てみましょう。ある企業のお客様は、288枚あったフロアタイルを62枚に集約しました。その結果、設備投資と運用コストを削減することができました。OPEXの削減の一例として、電力と冷却への支出を劇的に削減することができました。また、62枚のタイルのライフサイクルが終了したとき、リサイクルする量も大幅に減少しました(62枚対288枚)。環境への影響も小さく、コストも抑えられました。

 

私たちはこれを「E2」と呼んでいます。環境と経済の融合です。片方だけの実現はありえません。私たちはここ数年、このような考え方の高まりを見てきましたが、現在、2025年のトレンドとして、この考え方が次の段階に進んでいることを実感しています。私たちは、企業のお客様やサービスプロバイダーのお客様がこのようなアプローチに関心を寄せていることに耳を傾けながら、お客様の持続可能性の目標を達成すると同時に、大幅なコスト削減を可能にするE2を提供できるよう、価値提案を進化させてきたのです。

 

以上が2025年のテクノロジートレンドです。

2025年のストレージトレンド」および「2025年のチャネルトレンド」も併せてご一読ください。

 

以上

 

 

Infinidatについて

Infinidatは、InfiniVerse®に基づく包括的なデータサービスを実現するプラットフォームネイティブなプライマリおよびセカンダリストレージアーキテクチャを企業とサービスプロバイダに提供します。Infinidatのユニークなプラットフォームは、卓越したIT運用のメリットを提供し、オンプレミス、ハイブリッドマルチクラウド環境にわたって最新のワークロードをサポートします。Infinidatのサイバーレジリエントバイデザインインフラストラクチャ、消費ベースのパフォーマンス、100%のデータ可用性、サイバーセキュリティ保証SLAは、企業のITおよびビジネスにおける優先事項に合致しています。Infinidatの受賞歴のあるプラットフォームネイティブデータサービスと、高い評価を得ているホワイトグローブサービスは、Gartner® Peer Insightsのレビューでも認められており、お客様から継続的に推奨されています。

詳細は、 https://www.infinidat.com/ja をご参照ください。

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業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区大手町1-9-2 大手町フィナンシャルシティ グランキューブ3階
電話番号
03-4243-6343
代表者名
山田秀樹
上場
未上場
資本金
-
設立
2016年03月