2017年はアジアが牽引し、予想以上に良い年に

デロイト トーマツ

本プレスリリースは2017年1月16日に、香港で配信されたプレスリリースの翻訳版です。

デロイトは本日、『Voice of Asia』シリーズの第1弾を発行、2017年は予想以上に良い年になるとの見方を示しました。米国の保護主義的な発言やIMFの悲観的な予測とは裏腹に、アジアが牽引役になり、世界の成長に予想以上の好調な成果をもたらすとして、3つの要因を挙げています。

デロイトオーストラリアのエコノミスト、クリス・リチャードソンは次のように説明します。
「第1に、世界経済は10年にわたるいくつかのショックが相次いだ末にようやく正常化に向かい、本来備わっている自然治癒力が発揮されて早期の回復が促進されます。第2に、世界貿易はすでに拡大傾向にあり、その恩恵がアジアに波及しつつあります。第3に、アジアの巨大経済であるインドと中国では消費ブームが成長を加速しており、両国が自国経済のみならず、地域に安定をもたらす力としての役割を担います」

世界経済は安定へ
世界金融危機に端を発し、ユーロ圏の債務危機、中東、欧州、アジアでの地政学的な危機など、立て続けに危機に見舞われた世界経済は今、ようやく正常化に向かおうとしています。デロイトのレポートによれば、2017年に実際に世界の成長が加速する可能性があり、すでに先行指標には世界貿易の拡大が表れています。これをきっかけに好循環に入り、世界の成長が貿易の拡大を刺激し、やがて力強い成長に拍車をかけることになります。アジアの主要市場である中国とインドが牽引役となり、好調な米国経済に支えられて他のアジア諸国の大部分でも成長が加速する見込みです。

貿易は回復基調
近年続けて発生した危機やショックで世界貿易量は落ち込んでいましたが、すでに先行指標からは貿易量が拡大局面に転じたことがわかります。もちろん、2017年にも依然としてリスクは残っており、そのうち最大のリスクが中国の人民元切り下げです。ようやく緒に就いたアジア地域の回復に悪影響を及ぼすおそれもあります。

デロイト中国のエコノミスト、許思涛 (キョ・シトウ) は次のように話します。
「今後も引き続き人民元切り下げは必要ですが、中国政府がどのように管理するかが鍵を握ります。あまりに強気になれば、他のアジア通貨も下落します。これでは次期米国大統領が標榜する保護主義政策を勢いづかせ、貿易面で制裁措置に打って出る口実を与えかねません」
「アジアは中国を軸としたバリューチェーンに組み込まれつつあります。人民元切り下げなど政策の変更をきっかけに中国に影響が生じれば、他のアジア諸国にも重大な連鎖反応を引き起こす可能性もあります。しかし、長い目で見た場合、中国が経済のリバランスに成功すれば、アジアのほとんどの国々はその恩恵に浴することになります」
トランプ次期大統領の実力はまだ未知数で、世界貿易への影響力が過大評価されている可能性もあります。世界的にナショナリズムや保護主義の論調が台頭しているものの、各種指標を見ると、アジアの貿易も世界の貿易も拡大基調にあることがわかります。

消費ブーム
アジアの巨大経済である中国とインドは消費ブームに牽引される様相を強めており、仮に世界成長が期待ほどの水準に届かず、貿易摩擦が悪化した場合でも、アジアにとっては新たな防波堤が築かれたことになります。

前出のデロイト中国のエコノミスト、許思涛は、次のように説明します。
「こうした経済の方向性を形作っている主役が、楽観主義の新しい世代です。この世代は、テクノロジーに通じていて、グローバルな中産階級を主体としたボーダーレスなコンシューマリズムを抵抗なく受け入れられると同時に、両親や祖父母の代に象徴される極端な消費を控える考え方も併せ持っています」
アジアの新世代の消費者は、それぞれの経済の中で安定をもたらす役割を担うものと見られます。つまり、2017年は、他の動向がどうあれ、こうした消費者がいわば頼みの綱になる見込みです。

デロイトグローバルのアジア太平洋地域代表、小川陽一郎は次のように話します。
「成長、貿易、文化、通商など幅広い根拠から判断して、2017年のアジアには自信が持てます。また、世界全体についてもこれまで以上に明るい展望が広がっています。相互関係が深まるアジアにおいて、『Voice of Asia』レポートが取り上げるテーマが議論の叩き台となり、各国政府や産業界がそれぞれのコミュニティにプラスの効果をもたらす一助となるとともに、アジアの目下の繁栄、そして将来の繁栄を下支えする課題に的確に対応していくナビゲーター役を担うものと確信しています」


『Voice of Asia』レポートの詳しい内容・分析は、デロイトユニバーシティプレス(英語)をご覧ください。
https://dupress.deloitte.com/dup-us-en/economy/voice-of-asia.html?id=jp:2el:3pr:dup3816:awa:dup:011617:voa
 


デロイト『Voice of Asia』の概要
『Voice of Asia』シリーズは、現在そして「近い未来」に、アジア地域が直面する問題や、機会について考えます。
アジア各国間の相互関係を検討し、アジア全体としての可能性を探るうえで、これ以上のタイミングはありません。

 

『Voice of Asia』第 1 弾には、次のレポート3件が掲載されています。
  • 2017年のアジアについて知っておきたい4つのポイント
  • 保護主義に負けず、世界の成長を押し上げる貿易
  • 大量消費におけるアジアの武器

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


ダウンロード
プレスリリース素材

このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます

会社概要

デロイト トーマツ合同会社

6フォロワー

RSS
URL
http://www.deloitte.com/jp/
業種
サービス業
本社所在地
東京都港区港南2-15-3品川インターシティC棟22階
電話番号
03-6270-8090
代表者名
小川陽一郎
上場
-
資本金
-
設立
-