monopo、創業100年を迎える京都西陣織ブランド「織楽浅野」とコラボレーション — 日本の伝統工芸の魅力をグローバルな視点から切り取り発信。
11月15日の着物の日にあわせ、グローバルで活動するクリエーターが集結し京都のものづくり文化を世界に発信するべく、コラボレーション帯を発表。
この度、グローバルクリエイティブエージェンシーmonopo(東京都渋谷区 代表取締役 佐々木芳幸/岡田隼、以下「monopo」)と、京都西陣の帯ブランド織楽浅野(京都府北区)は、国際的に活躍するクリエーターとのコラボレーションにより、職人の物語をデジタル体験できる「帯」を制作しましたのでお知らせいたします。
本プロジェクトでは日本のローカル文化の魅力をグローバルに伝えていくことを目標に、monopoのグローバルクリエイターコミュニティが独自の目線で職人たちの工芸の裏側を切り取りました。QR帯というユニークなストーリーテリングの手法を用い、プロダクトとコンテンツを融合することで西陣織の価値を再定義。帯に織り込まれたQRコードをスマートフォンで読み取り、帯ができる過程やコンセプトをデジタル上で体験できる特設Webサイト・映像を公開しました。実際の帯を見ることができなくても、世界中の人々が西陣織の歴史と工芸を目にすることで、京都のものづくり文化について世界中の人々に理解を深めてもらうことが可能です。
WEBサイト: https://obiproject.monopo.net/
京都のものづくり文化、その本当の価値を再確認するとき。
古都、京都。日本が誇る伝統や歴史を大切に守り、現代まで継承してきた場所。訪日ブームや日本文化の世界的な流行により大きな賑わいをみせる観光地でもありましたが、2020年に起こった世界的なパンデミックにより街は一変。祇園周辺に溢れていた観光客は姿を消し、各名所も今までが嘘だったかのようにしんと静まりかえりました。
観光業界が受けた大きなダメージが懸念されるなか、「本当の京都が戻ってきた」とローカルの声が報道されることもありました。そもそも京都がもつ地域資源は、観光資源にしてしまうことでその価値が薄れてしまうものが多いのも事実。これをきっかけに「私たちが京都を訪れることで享受していた伝統は、実は表面的なものだったのかもしれない」と、改めて考えた方もいたのではないでしょうか。まさに今、京都のものづくりが持つ本質的な価値を再確認するべきなのかもしれません。
デジタルを通じて、日本の伝統と世界をつなぐ
このパンデミックで、伝統工芸事業も大きな打撃を受けました。人々が工芸品に触れる機会が激減したことで、売り上げは低迷。また、つくり手と顧客の両方を含む業界全体の高齢化に伴い、この数年で促進された生活のオンライン化に遅れをとってしまったとの見方もあります。
しかし地域に根付いた伝統工芸は唯一無二の宝物のようなもの。現在まで受け継がれてきた貴重な技術を守りながらこれからの世代に繋げていくために、柔軟に次のアクションを起こしていくことが必要です。
たとえば、イタリア・フィレンツェの「IL PAPIRO」は、 17世紀のヨーロッパで本の装丁に使われていた「マーブル紙」を作り続けているお店。四世紀の間受け継がれてきた製法を頑なに守りながら、工芸品自体を文房具や財布、扇子などさまざまな製品に転換。彼らが掲げる「変化は伝統を強くする」の言葉どおり、業界では珍しいフランチャイズ展開やオンラインでの発信を続けながら、世界中にその価値を真摯に伝え続けることで、産業発展の大きな役割を担ってきたのです。
伝統の真正性を保ちながら、その解釈を変えていく。具体的には、工芸品との多様な触れ合い方をデジタルを使って世界中多くの人々に提案していく。そうすることで強くなる伝統があると、私たちは考えます。
創業100年を迎える京都西陣織ブランド「織楽浅野」とコラボレーション
今回monopoは、創業100年を迎える京都西陣織ブランド「織楽浅野」とのコラボレーションを果たし、デジタルで職人のストーリーを体験できる「帯」を制作しました。本件には、グローバルで活躍するクリエイターが参加。新しい視点で切り取った日本の伝統工芸を、世界中の方に楽しんでいただくことができます。
京都西陣織ブランド「織楽浅野」は「織を楽しむこころ」をものづくりの原点に持ち、着物の帯はもちろん、西陣織の技術で織られたテーブルクロスなど、多角度からものづくりを行う、革新的なブランドです。
伝統を守りながらも時代への挑戦を続ける「織楽浅野」の姿勢と、グローバルとデジタル領域のクリエイティブに強みを持つmonopoがタッグを組むことで、今回のプロジェクトが実現しました。プロジェクトでは帯の制作だけでなく、帯の柄から読み込めるQRコードから閲覧できる特設Webサイト・本プロダクトストーリーを伝える映像コンテンツを公開しました。
monopoでは、今後も日本のローカル文化の魅力をグローバルに伝えていく取り組みを予定しています。
Websiteリンク:https://obiproject.monopo.net/
映像リンク:https://vimeo.com/724915502
〇株式会社織楽浅野 専務取締役 浅野裕樹 コメント
呉服市場が年々縮小していく中で、従来の着物としての展開だけではなく、海外へ向けてテキスタイルとしての西陣織の発信。monopoとの今回の取り組みの中で大きな可能性を感じました。沢山の職人が支えている西陣織の背景を多くの方に知って頂ければ嬉しいです。
〇株式会社monopo Tokyo Producer Clara Blin コメント
日本の伝統工芸に新しい光を当てることは、常にチャレンジングなことです。特に海外の視点からのアプローチがすでに多く行われている事実もあります。そのため、日本文化を深く理解し、日本での経験が数年以上ある人材を集めることがチーム選びの重要なポイントでした。
グローバルに通用するコンテンツに仕立てるために国際的な感覚を持った人々とコラボレーションを行ったおかげで、織楽浅野さんのお仕事を最も忠実に表現できたのではないかと考えています。
音楽(工場で直接録音した帯づくりの音)を重要視したのは、さまざまな機械を駆使したハイブリッドな帯づくりこそが、織楽浅野さんならではのものだからです。水と蒸気が飛び交う有機的な色染め工場から、ガラガラと音を立てる織機による最終工程まで、私たちはさまざまな世界を駆け巡りました。
そして、この作品が帯づくりの絶対的な美しさを世界中の人々に伝えるきっかけになることを願っています。
〇映像監督 Issam Kechouri コメント
「駄菓子屋さんにきた子供のよう」という表現をご存知でしょうか?
織物工場の中に入ったとき、私はそう感じました。もう、どこに目を向ければいいのかわからないくらい、すべてが美しかったからです。どこも光がとてもきれいで、独特の雰囲気がありました。染色は重い蒸気に包まれ、糸繰り機は無限に回転し、織物の音はまるで音楽のように聞こえました。私は何時間でもそこにいたかったし、どんなショットも撮り逃したくありませんでした。
私は黒子のように職人の影になる最善の努力を尽くし、帯づくりの本質をとらえようとしました。
これほどまでに細部にこだわる職人を見たことがありません。これこそが日本のものづくりの強みであり、浅野さんの強みであることは間違いないと思います。
監督プロフィール
過去にパリ、ベイルート、モントリオールの映像業界で働いてきたイサム。3年前に東京へ移り住んで以来、日本文化に大きなインスピレーションを受けている。アーティストの個性を見出すことに情熱をもつ彼は、ドキュメンタリー映画の制作に主に関わっています。日本人アーティストとのコラボレーションに焦点を当てた短編ビデオ集『Tadaima』プロジェクトでは、より親密なストーリーの切り取り方を開拓する。
織楽 x monopoのプロジェクトでは同じように、職人のありのままの芸術作りと向き合いTadaimaシリーズと似た切り口からアプローチ。カメラと職人、そして織楽浅野との間に生まれる、純粋な繋がりを描写しています。
〇写真家 Nik van der Giesen コメント
日本文化の魅力は、伝統工芸を尊重するところです。長い年月をかけてゆっくりと完成された技術を守り、そうして作られたものを大切にする姿勢。残念ながら、このような品質の守り方というのは徐々に失われつつあります。私は今日に生き続ける伝統工芸の美しさを写真に収めることで、これらを守り続けることがいかに重要であるか、人々が考えるきっかけになればと願っています。
写真家プロフィール
石川県・金沢市在住のオランダ人フォトグラファー。10年以上にわたり、日本の伝統文化と芸術をインスピレーションに制作を続ける。日本中を旅しながら、常に新しい場所や美しいものを見つけてはそれを写真に収めている。
〇作曲家 Andy Nagashima コメント
帯づくりがこんなに金属的だったとは想像もしていませんでした...。
絹でできた芸術品のような帯。それは染料を煮詰めた鉄の釜と、自動車工場にあるような油を塗った機器から生まれていたのです。帯の一本一本の糸は、一度は工場内の空気の中を漂い、その後すぐに想像を絶する圧力で粉砕され、織物工場に送られます。
帯のような日本の工芸品の制作は、ともすれば孤立して緻密に行われているように思われがちですが、実はそうではありませんでした。浅野さんの持つようなビジョンを実現するためには、その裏側で何十人もの人々の努力が積み重ねられているのです。この映画では、その様子が描かれています。
今、私は帯やその他の日本の芸術品を見るとき、それぞれの持つ神秘的な起源に新たな敬意を抱くようになりました。
作曲家プロフィール
アンディ・ナガシマは、映像・音楽を中心に活躍するマルチクリエイター。映像エディターやディレクターとして、コマーシャルフィルム、ミュージックビデオ、ショートフィルム、ドキュメンタリーなどを手がけるほか、「sigh city」名義でミュージシャンとしての作品も発表している。また東京を拠点に活動するヒップホップ&R&Bグループ「aTTn」のメンバーでもある。
CREDITS
Agency: monopo
Producer: Clara Blin
Project Manager: Tsubasa Kamioka, Asako Tomotani
Art Director: Mei Kanamoto
Planner: Toshika Kosako
Web Designer: Tran Minh Villageois
Web Developer: Daiki Terai, Nagi Shina
Director: Issam Kéchouri
Photographer: Nik van der Giesen
Sound Record & Music Composition: Andy Nagashima
Sound Design: Romain Guedj
Colorist: Max Golomidov
monopoについて
https://monopo.co.jp/
東京発、ロンドン・ニューヨーク・サイゴンを拠点とするグローバルコミュニティをベースにしたクリエイティブエージェンシーとして、これまで世界20カ国、500を超えるブランドをサポート。"COLLECTIVE CREATIVITY”をミッションに、世界中の個人・ブランドが持つ潜在的アイデアや創造性を共に発揮できるようなコミュニティ作りを目指している。ブランディング・広告・PR領域から、事業開発・組織開発など、組織内から生むクリエイティブを活かしたブランドアクションで、事業フェーズや業種にとらわれない様々なサービスを提供している。
2019年、ロンドンに子会社monopo London.Ltdを設立。2020年、ニューヨークに子会社monopo New York LLC、2021年、ベトナムにmonopo Saigonを設立。グループ企業である『poweredby.tokyo』では、東京の知られざる魅力を世界に発信中。
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