バックテックと東京大学大学院医学研究科 川上憲人研究室が認知行動療法を基盤としたカラダとココロの不調対策に関する共同研究を開始
iCBTプログラムによる抑うつ症状のサポートを拡大
■ 共同研究の背景
企業の生産性低下(プレゼンティーイズム)の主要因は筋骨格系障害(肩こり・腰痛など)と精神疾患であることが報告されています(Nagata T, et al. J Occup Environ Med. 2018)。バックテックが展開するポケットセラピストでは、高ストレス者の6-8割が抱えている肩こり・腰痛などの慢性的な痛みを切り口に、高度に教育された医療専門職が「運動療法」及び「認知行動療法」を通して、従業員のカラダの痛みとココロの痛みを解決し、企業の生産性向上を支援してきました(Odake Y. Fukutani N, et al. Environ Occup Health Prac. 2021)。
しかし、バックテックの課題として「身体症状よりもメンタル不調が主訴である方への効果的なアプローチが不十分であること」、そして、「今後の事業のスケールに伴い、医療専門職のみが認知行動療法を行うことへの限界」という課題を抱えていました。
一方で、東京大学大学院医学系研究科 川上憲人研究室では、iCBTを活用した介入研究において、労働者の抑うつ症状の改善・うつ病発症リスクの低下・ワークエンゲージメントの向上効果を実証しています(Imamura et al., Plos One, 2014; Imamura et al., Psychol Med, 2015; Imamura et al., Psychol J Occup Environ Med, 2015)。しかし、「自己学習のみの介入は利用者の完遂率が低く、介入効果が小さい」ことが分かっており、一方で「医療や心理の専門家の支援を付けると、介入を提供する際の単価が高くなる」という、科学的根拠に基づく介入を普及・実装する上での課題を抱えていました。
この度、両者が共同することで、互いの課題を補完することができることに合意し、共同研究を実施することが決定しました。
■ 共同研究の概要
<共同研究①:ポケットセラピストへのiCBTプログラムの提供>
東京大学大学院医学系研究科 川上憲人研究室が開発したiCBTプログラムをポケットセラピストへ実装し、ポケットセラピストの抑うつ症状の改善効果を検証することを目的しています。
<研究体制>
・東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野 今村幸太郎 特任講師
・東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野 川上憲人 教授
・株式会社バックテック 代表取締役 福谷直人
・株式会社バックテック プロダクトマネージャー 山口倫之
■ 本共同研究の社会的意義と展望
企業の成長を支える従業員のカラダとココロは、重要な経営資産の一つです。しかし、コロナ禍において、心身の不調を抱えるリスクが高くなっていることが明らかになっていることから、健康経営やコラボヘルスなどの文脈において、従業員のカラダとココロの課題は、主な投資対象であると言えます(Niu Q, Nagata T, Fukutani N. Health effects of immediate telework introduction during the COVID-19 era in Japan: A cross-sectional study. PLoS One. 2021.)。
バックテックとしては、ポケットセラピストがiCBTプログラムを提供できるようになることで、身体不調を起点にメンタル不調者まで利用者の幅を拡大することができる上に、医療専門職の負担軽減、サービスの品質向上にも繋がることで、契約企業・健保、及び利用者への提供価値を拡大でき、収益性の向上に繋がると考えています。
今後も、エビデンスの構築と社会への普及実装を共同して取り組むことで、サスティナブルな社会の実現に貢献していきます。
■ ポケットセラピストとは
ポケットセラピストは、肩こり・腰痛を切り口としたメンタル不調対策サービスで、最新の医学的エビデンスに基づき、評価からアプローチまで一貫して提供しているオンラインサービスです。健康経営銘柄・ホワイト500認定企業さまや大手健保さまに導入されており、下記のような成果が得られています。
<ポケットセラピストの主な成果>
・ 従業員1名あたりの生産性向上額:57,000円/月
・ 医療費削減額:70%カット
・ うつリスク軽減率:23%
・ 運動習慣向上率:25%
その他、詳細については下記をご参照ください。
▼ポケットセラピストの詳細
http://bit.ly/pockettherapist_document
▼ポケットセラピスト導入事例
https://pocket-therapist.jp/case/dtfa211020_personal_well_being/
▼当社の直近の研究実績
・緊急事態宣言中のテレワーク頻度と身体的症状に関する調査結果がJOEMに掲載
https://www.backtech.co.jp/joem-telework-physical-symptoms_211109/
・緊急事態宣言前後の働き方の変容による身体的・精神的変化に関する調査結果がPLoS Oneに掲載
https://www.backtech.co.jp/covid19-jointresearch-plosone_211024/
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■ 株式会社バックテック( http://www.backtech.co.jp )
理念「全人類が健康に活き活きと暮らし、社会に貢献できる世界をつくる」
所在地:京都市下京区烏丸通仏光寺下ル大政所町680-1
設立:2016年4月
代表者:代表取締役社長 福谷 直人
事業内容:健康経営・コラボヘルスの支援事業
■ 東京大学医学系研究科精神保健学分野( https://plaza.umin.ac.jp/heart/ )
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